日下勉さんの映画レビュー・感想・評価

日下勉

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ラジオ下神白―あのとき あのまちの音楽から いまここへ(2023年製作の映画)

4.5

福島第一原子力発電所の事故により避難を余儀なくされた浪江、双葉、大熊、富岡町の人たちの暮らす、いわき市下神白団地。この下神白団地に住む人たちに故郷の話と思いでの音楽を共にラジオ番組風に作られたCDを配>>続きを読む

貴公子(2023年製作の映画)

4.0

いや、とても面白かった。これぞ韓国エンタメの面白さと堪能。
ただ映画に観賞後何かしらの余韻のようなものは、全く感じず。ただそれはそれで良し。
冒頭のつかみになる「貴公子」(原題もThe Childe
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リンダはチキンがたべたい!(2023年製作の映画)

4.5

もう絵が素晴らしい。
アニメーションの可能性ってこんなに広いんだと思わせてくれる。
吹き替えで観たけど安藤サクラ、リリー・フランキー、そして落井実結子ちゃんも素晴らしい。

愛してる!(2022年製作の映画)

4.0

以前から面白いと噂を聞いていた白石晃士監督のニッカツロマンポルノ50周年記念作品。
率直なところSMが何故人間の欲望の解放になるのかはまったくわたしには理解出来なくて、安心したような残念だったような。
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瞳をとじて(2023年製作の映画)

4.0

22年前に映画の撮影中失踪した俳優、彼の失踪の謎を取り上げるテレビ番組から、偶然見つかってというだけのシンプルなストーリー。劇中登場人物たちは過去の事などをボソボソ話すだけなので、なんにもエモい展開に>>続きを読む

銀座カンカン娘(1949年製作の映画)

3.8

フォローしているレビュアーさんのレビューを読んで視聴。
正直物語はしょーもないし、ギャグもベタ過ぎて、今観るとしんどい。
(岸井明が家に入る度になんか落ちてくるところは、下らなくて笑ってしまいましたが
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オッペンハイマー(2023年製作の映画)

3.5

オッペンハイマーが原爆を作り、使用された以降の彼の罪悪感を表すシーンなど、後悔や彼の持つ人間としての弱さは良く伝わって来た。
でもさすがノーランというべきか、情報量が多すぎで、しかも時間軸や主観が入れ
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戦雲 いくさふむ(2024年製作の映画)

4.0

この映画を見ながらずっと「日本」とは何なのかを考えていた。安全保障上、もし外国などの脅威があり、われわれの生活や命が脅かされるのならそれに対して軍備という「備え」は必要であろう。これはあくまで日本国に>>続きを読む

太陽を盗んだ男(1979年製作の映画)

3.0

チャンネルNECOでの放送にて。
何度か観ているのだけれど、やはりいろいろ突っ込みたくなるところは多々ある。勢いと熱は感じるが、オールタイムベストにあげられるような高評価については過大評価だと思う。
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デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 前章(2024年製作の映画)

-

これは後章を観てみないと点数は付けれない。
ただ現代社会に対するメタファーがあり、興味を引かれるのは確か。でもメタファーが過剰すぎるところが、少し物語に入り込めないところも。

とりあえずでべ子の着て
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青春ジャック止められるか、俺たちを2(2024年製作の映画)

4.5

愛知に住んでいた時にはこの映画の舞台となったシネマスコーレには良く行ってました。ちなみに昨年1年間でスコーレで観た映画の本数は30本。木全さんも何度もお見かけし、幾度か声をかけさせていただいたことも。>>続きを読む

このハンバーガー、ピクルス忘れてる。(2023年製作の映画)

2.5

「違う惑星の変な恋人」が面白かったので、結構楽しみにして鑑賞。ハードルを上げすぎだったのかも知れないが、結果的にはまったく嵌まらず。会話劇として表面は成り立っているのかも知れないが、どーもシチュエーシ>>続きを読む

津島 ー福島は語る・第二章ー(2023年製作の映画)

5.0

これは圧巻の3時間。
あの原発事故により失われた故郷、浪江町津島、この津島に暮らしていた人たちの言葉と挟まれる美しい景色の映像によって、何が失われてしまったのか、この重さをひしひしと感じることが体験で
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ディス・マジック・モーメント(2023年製作の映画)

4.0

昨年観た「あなたの微笑み」のドキュメンタリー版のよう。
それにしても、日本各地にあるミニシアターを監督のリム・カーワイが訪れて聞いていくだけなのだが、ひとつひとつの話にそのミニシアターの特色が出ていて
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かづゑ的(2023年製作の映画)

4.0

瀬戸内市の長島愛生園で80年の歳月を生きてきたかづゑさんに6年に亘って密着したドキュメンタリー。10才の時に「ライ病」(かづゑさん自らハンセン病の表現が嫌いで、自分はライ病だと言っている)を発症し、長>>続きを読む

Here(2023年製作の映画)

4.0

なんともミニマルな作品。
ルーマニア出身の建築現場で働く労働者が夏の休みで帰郷する前、冷蔵庫に残った野菜などでスープを作り、知人にあげる。もう一人大学で苔の研究をしている中国系の女性が森の中で研究のた
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ゴースト・トロピック(2019年製作の映画)

4.0

清掃の仕事をしている北アフリカからの移民の中年女性が、帰りの地下鉄で寝過ごして終点まで行ってしまい、夜のブリュッセルの街をとぼとぼ帰る。その途中、スーパーの警備員、路上で凍えている浮浪者、コンビニの店>>続きを読む

フジヤマコットントン(2023年製作の映画)

5.0

山梨県甲府市にある障害者福祉サービス事業所「みらいファーム」
この施設の一年を施設で働く障害者たちに密着したドキュメンタリー。ナレーションは一切無く、それぞれの障害者たちのテロップが簡単に出るだけ。そ
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幕末太陽傳(1957年製作の映画)

4.0

たまに観たくなる映画。
古典落語の居残り佐平次を軸に品川心中、芝浜、三枚起請、お見立てなどの落語のエピソードを上手くミックスさせたコメディ。古典落語が好きな私としては、いろいろとニヤリとする。
そして
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ソウルメイト(2023年製作の映画)

3.4

U-NEXTのポイントが貯まっていたので鑑賞。私以外はすべて女性観客。
うん、2人の女性の子供の時からの絆を描いた、すごく良い映画だと思う。
ただ、私向きの作品ではなかったなぁ。
とりあえずネコが可愛
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「生きる」大川小学校 津波裁判を闘った人たち(2022年製作の映画)

4.7

この作品は昨年の3月に名古屋のシネマスコーレで一度鑑賞している。ただ震災から13年、その記憶を新たにしていくためにもと思い鑑賞。
広く知られていることだが、石巻市の大川小学校では震災による津波によって
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ゴールド・ボーイ(2023年製作の映画)

3.3

うーむ、アイディアは面白いけど、演出や展開がどーにもテレビのサスペンスドラマの延長線上に思えてしまいました。
あ、でもエンタメとしては、しっかり見どころもあり楽しく観れました。
中でも最後まで「ひろし
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落下の解剖学(2023年製作の映画)

3.7

事件は山荘の3階から転落死した夫は自殺、あるいは妻が殺したのか。
それをずーっと法廷で次第に解きほぐして行く。その過程がなかなかにエグくて面白い(やはりちょっと長いけど)
でも、最後はこれはこれでホン
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キャメラを持った男たち 関東大震災を撮る(2023年製作の映画)

4.5

まずこれ程関東大震災の映像が残っていたことに驚く。それを撮影した3人のカメラマンを追い映像を検証していくところは、実に面白かった。
それにしてもやはりこうして映像として残されていると、文字をいくら連ね
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コットンテール(2022年製作の映画)

4.0

もうリリー・フランキーがはまり役過ぎて堪りません。冒頭の横浜へ電車に乗って行くシーンから、人に対して心を閉ざしている糞おやじぶりのわかる細かい演技から、物語が進むにつれ彼の過去や内面がわかるようになっ>>続きを読む

その鼓動に耳をあてよ(2023年製作の映画)

5.0

名古屋の掖済会病院の救急医療を追ったドキュメンタリー。だからといって「ER 」のようなエモいエピソードや、崇高な理念など美しく描いてなどまったく無く。ナレーションも無くただ救急外来をひたすらカメラは追>>続きを読む

王国(あるいはその家について)(2018年製作の映画)

4.0

親友の子供を殺害した女性の物語なのだけど、その話を紡ぐための映画のリハーサルを何度も何度も繰り返し見せられる。ただそのリハーサルを見せられていくうちに、セリフが役者の身体の中に入り、同じリハーサルの中>>続きを読む

ネクスト・ゴール!世界最弱のサッカー代表チーム0対31からの挑戦(2014年製作の映画)

3.8

「ネクスト・ゴール・ウィンズ」を鑑賞したので、元になったドキュメンタリーも気になって視聴。
やはりドキュメンタリーの方が、本物だけ持つリアルさが良い。
予選のトンガ戦以降もしっかり描かれている

ネクスト・ゴール・ウィンズ(2023年製作の映画)

3.3

なかなかにまとまっていて、ストーリーも最弱のチームが、コーチを迎えて次第に団結し前を向いていく、その描きかたもツボを押さえた笑いで、終わりへの戦いに勝つ以上に大切なもの、心の癒しを得て教え導くコーチが>>続きを読む

WILL(2024年製作の映画)

5.0

この映画には満点をつけるしか無いでしょう。
俳優の東出昌大さんは、いろいろ毀誉褒貶があり、今はフリーとして俳優の仕事をしている。その彼は山中の小屋で狩猟をしながら生活をしているということは知っていたが
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犯罪都市 NO WAY OUT(2023年製作の映画)

3.3

安定のマ・ドンソク
その拳だけで次々となき倒して行く様はもはや伝統芸。
痛快ではあるが、痛快なだけの作品

ただそれが良いところではある。

映画 ○月○日、区長になる女。(2024年製作の映画)

3.5

まったく政治経験の無い岸本聡子さんが、区行政に疑問と不満を持つ市民たちのグループから担がれ杉並区の区長選に立候補して、というドキュメンタリー。
はじめその辺の公民館や民家のようなところで、さてどうしま
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朝がくるとむなしくなる(2022年製作の映画)

5.0

とても優しい、観終わって何か心のそこからじんわりと温かくなるような映画体験でした。
会社を辞めコンビニでバイトをしている主人公のいいづかさん(唐田えりか)が偶然中学時代の同級生のおおともさん(芋生悠)
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葬送のカーネーション(2022年製作の映画)

4.5

亡くした妻の遺体を入れた棺を、老人が両親のいない孫娘と2人、故郷のシリアを目指して、ヒッチハイクをしながら目指す。
ほぼこの2人の会話は無く、乗せてもらう車やトラクター、トラックなどの同乗者たちが会話
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コット、はじまりの夏(2022年製作の映画)

4.3

やっぱり子供は走らせちゃダメ、もう涙腺が崩壊してしまう。
物語は大家族の中で、とても内気な(もしかしたらちょっとした発達障がい?)9才の女の子が母親の出産の時、親戚の夫婦の元へ夏の間預けられる。ただそ
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夜明けのすべて(2024年製作の映画)

5.0

もう、ず~っとこの映画を眺めていたい。そんな感じで観てました。
何も言うことは無い。というか言葉にしたく無い、余韻を味わっていたい。

満点です!

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