ベラボーさんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

半透明なふたり(2022年製作の映画)

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芥川龍之介「鼻」原案の24分短編。
作品そのもののクオリティやテーマもだけど短時間に「やりたいこと」が溢れていてめちゃ好きです。
とてもイイ👏

23.7.3鑑賞

モダンかアナーキー(2023年製作の映画)

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練馬の団地灯に照らされ疾走暴走するスケーボー少年少女の狂夜はヌーベルヌーベルバーグの蒼色ではなくエメラルドグリーン。
エドワード・ヤンの緻密さ洗練さはないけど同じ匂いを感じ。
或る少年が転落死する一夜
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658km、陽子の旅(2023年製作の映画)

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夢追い上京崩れ四十路独り身女が20年不通だった父の死を弔いに青森までヒッチハイクへ。
怠惰な諦観・逃避で染み付いた卑屈さ不遜さ。
幾つもの出会いの中で芽生えてくる「まだ間に合うかな?」。
旅は父からの
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札束と温泉(2023年製作の映画)

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温泉宿舞台に修学旅行女子高生とヤクザの愛人と高校教師が札束(ゲンナマ)に体を張り合い上へ下へ駆け巡り戦い踊り?友愛揺れる1カメを止めるな!
色々粗っぽいさあれどキャストも企画も演出も挑戦的で魅力的な好
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断捨離パラダイス(2022年製作の映画)

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めちゃ佳/酔い👏
今の時代の「男たちの旅路」の一つの形は森田芳光監督の匂いも。
私的最注目監督の一人萱野孝幸さん最新作は1、2作目のパズル群像劇に3作目の余白や幽玄さも加わった進化真っ只中の秀作。カッ
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デンマークの息子(2019年製作の映画)

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近未来デンマークを舞台に移民排斥を掲げる第一政党、繋がりある極右組織、反極右の移民組織、警察、そして弱き生活者たちが巻き込み巻き込まれる悲劇を描いたポリティカルサスペンスの秀作。
腹立たしく悲しくアホ
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1秒先の彼(2023年製作の映画)

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舞台を台湾から京都に、主演キャスト男女に入れ替え、オリジナルよりエグみをグッと抑え。良きリメイクです。
岡田くんも清原さんもとてもキュート。
作品そのものだけでなくあるキャストとの映画ならではの再会に
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リバー、流れないでよ(2023年製作の映画)

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おもしろい👏
ヨーロッパ企画印の京都貴船を舞台にした2分間無限ループ脱出コメディ。
本作も藤子不二雄魂色濃くニンマリ☺️
記憶残しながら寿限無寿限無で挑むチーム戦の果ては人生讃歌。
傑作ドラマ #ブラ
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ムーン、66の問い(2020年製作の映画)

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触れられなかった触れさせてくれなかった父に介護を通じてその機会に巡り合わされた娘。
だけど…だけど。
ならばあの時の父にと同化を試み問いかける。身体を視覚を気持ちを。 
不器用だ。似たモノ親子佳き。
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カード・カウンター(2021年製作の映画)

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カードゲームちんぷんかんぷんだし理解及ばない足りないだらけ。
だけど銀幕に釘付け。
所作に色気に音楽に暗闇に見惚れ。
めちゃくちゃ良かった…
極上の映画時間🥃🃏
ハイボール好きだけどそれよりもウイスキ
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Bi Gan | A SHORT STORY/ビー・ガン | ショートストーリー/壊れた太陽の心(2022年製作の映画)

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ビー・ガン監督版オズの魔法使い?
願い叶えようと3人の変わり者を訪ねる案山子の衣服を纏う黒猫の旅。 
これぞ短編の醍醐味の一つである全ショットの鮮烈さ。
90年代初頭から半ばの日本製深夜実験的ドラマの
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スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース(2023年製作の映画)

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トロッコ問題と子どもという存在の無力さ無敵さ。
ただただおもしろく“ただただ“が尋常じゃなく圧倒的。
エンタメ想像力の王道ド真ん中かつエッヂ最先端現在進行形凄い。
「ビヨンド」待ち遠し過ぎ!含めて1本
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縁路はるばる(2021年製作の映画)

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あだち充桂正和的な優しく内向的でなぜだか女性から言い寄られちゃうが踏み込んだ関係築けない青年が5人の魅力的女性と知り合うがみんな遠方暮らし…
直線的求心的ではない螺旋状の浮遊感ある展開と懸命に向き合う
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当りや大将(1962年製作の映画)

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62年公開の中平康×新藤兼人×姫田真佐久の大阪釜ヶ崎版「生きる」?
当たり屋稼業で仲間からも罪悪感ないまま搾取する人でなしが“啓示”で善に目覚めていくヒューマニズムを主人公のズレた倫理観ひっくるめて描
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怪物(2023年製作の映画)

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傑作。
カンヌ2冠それぞれ納得。
親子・教師・子どもそれぞれの視点・心理から描かれる真実の顛末だが、大人のバイアスで人でなしが現前するに対し、少年の4つの眼に映るのはただ現実。
悪意にも無自覚にも晒さ
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Rodeo ロデオ(2022年製作の映画)

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男性曲乗りバイカー軍団に単身乗り込み自分の居場所をつくろうと疾走・暴走するやさぐれ姉貴の刹那な青春。
不敵なツラ構えと座った肝からは本心伺えないし本人も掴み切れていない様子。
家族?ただバイクで走りた
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僕の町はお風呂が熱くて埋蔵金が出てラーメンが美味い。(2023年製作の映画)

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その名通りなご当地映画…を超越したまさに埋蔵金発掘気分✌︎
70年代青春ドラマ映画の懐かしさ残しつつ”今と未来”を富山ブラックで凝った筋立てで描く大快作👏

youtubeに興じる高三男子3人組は富
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雄獅少年/ライオン少年(2021年製作の映画)

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中国のスポ根競技獅子舞アニメ。
百聞は一見に如かずいや百聞は一”感”に如かず。
シンプルで強いストーリーと思いを大胆で凄まじい描写力で届け伝える娯楽芸術活劇。
心ぶるっぶるうるっうるの傑作!めちゃ良か
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THE WITCH/魔女 —増殖—(2022年製作の映画)

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アラレちゃんドラゴンボール的世界観・表現をベースに呪術廻戦的表現へ…を実写でやっちゃう楽しさやら魔女1での日常感の中でのコミカルやら(今回の主人公悟空感強し)要素要素おもしろいけど全体的に冗長。
終盤
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クリード 過去の逆襲(2023年製作の映画)

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つくってくれた公開してくれたこと感謝なロッキーサーガ現在進行形。今回は昔の親友/兄貴分とのおはなし。
中盤までのストーリーを捻らず突き進めなかったかなあ…デイムのキャラクター描きようもっとあったのに惜
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渇水(2023年製作の映画)

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悪質料金滞納世帯への給水停止作業を粛々とこなす心渇き切った職員と愛情涸れされた姉妹の交流を中心に描く社会派ドラマ…
では終わらせないハードボイルドでアメリカンニューシネマな革命劇!
独特な温度のユーモ
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ブルーを笑えるその日まで(2022年製作の映画)

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監督/私から昔の私へ、私のような未来の少年少女へ贈るエールは不器用でもどかしくだからこそ切実で。
ありがちエモに流されない好編。
アン/ 渡邉心結 さんもアイナ/ 角心菜 さんも佳き(特に川シーン!)
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波紋(2023年製作の映画)

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筒井真理子さんはじめ達者な巧者たちによる小劇場的作品かな?という既出の粗筋と予告に裏切られ笑。
中盤以降の引き込みヂカラに釘付け。
人の愚かさみっともなさを怒り笑い泣き笑い笑い笑い描く強かなる人間賛歌
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逃げきれた夢(2023年製作の映画)

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胆力と顔力。これですね。
才人・二ノ宮隆太郎監督が敬愛する役者光石研さんを取材し主演で撮った作品は定年前に心身モヤモヤ抱えた定時制高校教頭の足掻きと諦観と寂しい希望と。
なんか分かる気するのは今の自分
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劇場版 推しが武道館いってくれたら死ぬ(2023年製作の映画)

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2010年代アイドルオタクライフ最大公約数から毒気抜いた推し活セミドキュメンタリー&ファンタジー。
えりぴよさんの愚直さと報われ方、くまささんの在り方良かったです。
ドラマから続く劇場版ソツないつくり
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警官ジジのアドベンチャー(2022年製作の映画)

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ご近所トラブルらしき事と事故現場検証らしき事と大部分占めるパトロール車窓ドライブショットと相方との、無線での駄弁りの虎バター🐅🧈…
ラストシーン良かったなあ。あれも映画これも映画。こういう映画あっても
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フリークスアウト(2021年製作の映画)

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異形異能のサーカス団員たちがナチスと大激戦!その超人技は…
今回は永井豪先生ではなく石ノ森章太郎先生DNA感じる王道ど真ん中ヒーロー活劇の快作👏

23.4.30鑑賞(オンライン試写にて)

私、オルガ・ヘプナロヴァー(2016年製作の映画)

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1973年チェコの宅間守。
社会の、人類のバグ。
なんだけど主人公の横顔も猫背のぶっきらぼうな運転席を後方から映した光も煙草煙もただ美しく強くて映画って恐ろしい…
秀作。
私、オルガ・ヘプナロヴァー
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せかいのおきく(2023年製作の映画)

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いい題名だ。
江戸の汲み取り業営む若者二人と声失う元武家娘の”せいしゅん”。
せかいをまだ知らない世界の片隅に生きる人々が見上げた果てなきセカイはちっぽけだけどBIG LOVE♡。
阪本順治監督とカウ
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セールス・ガールの考現学/セールス・ガール(2021年製作の映画)

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全てにオクテな女子大生がアダルトグッズ店バイト、浮世離れした女性店主との交流を通じ”芯”をペリペリ剥き出していく青春映画🇲🇳。 
通り一辺倒ではない友情がいい。音楽がいい。スローさが心地良い。
ボーリ
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レッド・ロケット(2021年製作の映画)

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元ポルノ男優の帰郷と甘い夢。その甘味はチクロのそれ。
惨めで浅薄で滑稽な人間模様がテキサス郊外で寂しくも美しく煌めきロマンティック。が令和の「バッファロー’66」には憐憫も陶酔もない。
愛おしくはない
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午前4時にパリの夜は明ける(2022年製作の映画)

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深夜の友は真の友。
高校生の娘息子抱え離婚した女が生活の糧に選んだのは深夜ラジオDJに繋ぐ電話受付。新たな生活には子どもと同世代の家出娘も関わるようになり…
80年代パリに乗り合わせた市井の人々の7年
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ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい(2023年製作の映画)

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傑作!
アロマアセク多様性他者理解自己受容コミュニケーション…”優しさ”をこんなに丁寧に辛辣にそして優しく描けるのか…驚き。
シラキさん良かったな。演じた新谷さんも。
金子監督前作に続き何気ない散策風
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アダマン号に乗って(2022年製作の映画)

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パリの運河に浮かぶ船が素敵です。このデイケア施設に集う人々がとにかくおしゃべりします。
医療福祉系ドキュメンタリーという分野から想像する作品とは異なるサクッと小粋な人生スケッチ。
佳きです

23.4
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TAR/ター(2022年製作の映画)

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世界最高峰オーケストラ史上初の女性首席指揮者ターの栄光と神経衰弱ギリギリ綱渡りの日々。
ケイト・ブランシェットに尽きます。
演技へ絶対的信頼感じさせる撮影。
テーマ性も描き方も普遍的でクラシカルなのが
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世界の終わりから(2023年製作の映画)

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凄かった…。
世界の運命を背負い夢をかける少女。
ノーラントリアークローネンバーグ日本SFジュブナイルオタクカルチャー...丸ごと背負い愛と怒りぶつけてきた紀里谷和明監督渾身の1本。
劇中人物/俳優と
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