Genichiroさんの映画レビュー・感想・評価

Genichiro

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青春群像(1953年製作の映画)

4.1

しょうもない男エピソードの連続。今作でもパーティ場面(序盤の海の近くでの場面と中盤祭りの日)が面白い。なんのいいところもないくだらない男たちの物語をこんなにもくだらなく描いたということに感動する。これ>>続きを読む

カビリアの夜(1957年製作の映画)

3.8

川に突き落とされる冒頭場面に衝撃受けた。死にかけて、びしょびしょのまま逆さまにされるカビリア。まるで『河内カルメン』のような、面白悲し切ない。カビリアの厚かましさに笑い、なぜ彼女はこんな目にあわなけれ>>続きを読む

秋日和(1960年製作の映画)

4.2

やっぱ後期の作品ってテンポ感が違う?クローズアップの入れ方とかめっちゃ気になる…とはいえ会話の面白さは変わらず。序盤の料亭でのやり取りがとにかくすごい。若い女性に対して中年3人が「たとえば、僕みたいな>>続きを読む

小早川家の秋(1961年製作の映画)

4.1

新珠三千代、好きです。今作は小津が東宝で監督した唯一の作品であり、関西を舞台にした作品。冒頭のネオン、この色味がいいよねー。並べられた桶など、家の外の様子もいい。一瞬映る「チャイナサロン 夜来香」のネ>>続きを読む

バビロン(2021年製作の映画)

1.0

友達に言われて仕方なく見てみたけど、、あまりにもくだらない映画すぎて
😫なんだこれは。『セッション』→『ララランド』の瞬間風速はどこへやら。あのときは「10年もしたらチャゼルは現代ハリウッドを代表する
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鉄砲玉の美学(1973年製作の映画)

4.3

自分で描いたエロ落書きを見て自分でシコる場面に泣き笑い。女をホテルで四つん這いにしたら歩かせる場面もおもろ悲し虚しい。「とうとう誰も来ないじゃない」という言葉が寂しすぎ。あんな状態でバス乗れるか!とい>>続きを読む

甘い生活(1959年製作の映画)

3.7

街中でパパラッチに取り囲まれる場面(スタイナーの奥さんが追われる場面の異質さ)やパーティでの多人数の動かし方がすごい。そして何より終盤家の窓をぶち割ってスタートするパーティ、これのしょうもなさ・美しさ>>続きを読む

キャロル(2015年製作の映画)

3.7

良くないんだけど悪くない、悪くないんだけど良くないくらいの感じだからもどかしい。もちろん悪い作品ではないんだけど、オープニングで見せたクレーンショットのようなケレン味が本編に全くないのならやめたほうが>>続きを読む

FAKE ディレクターズ・カット版(2016年製作の映画)

3.7

森達也、最悪の人間なんだけどこういう作品を見ると最悪の人間にしか撮れない何かはある…と思ってしまう。この手の問題は劇映画にもあるんだけど、ドキュメンタリーは比較にならない重さだな。いやー面白かったけど>>続きを読む

ファースト・カウ(2019年製作の映画)

3.6

あまりハマらず。とはいえ、面白い。ライカートの映画は「こんな話で映画撮るのか!」という面白さがあるよねー。序盤と終盤が面白かったです。ほんとにちゃんと見たのか?っていう感想しか出てこない…

↓PAR
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8 1/2(1963年製作の映画)

3.5

冒頭の夢のイメージや列車を正面から捉えたカット、車の撮り方など良い。もちろんラストも良い。良いけどさー、さすがに長いって。めちゃくちゃダラダラ見た。久々の鑑賞だったけど、昔と印象は変わらず。

密使と番人(2017年製作の映画)

3.8

『ファースト・カウ』公開に先立って、YouTubeで公開されていた三宅唱のトーク動画で月永理絵さんが今作に言及していた。見てみると確かに近いものを感じる。めちゃくちゃ低予算だと思うが、撮影とそこまで複>>続きを読む

河内カルメン(1966年製作の映画)

4.3

大して長い尺でもないのに情報量と熱量すごくて疲れた、、何もかも無軌道すぎる。野川由美子、素敵。キャバレーの場面とかは派手で面白いんだけど(ビールぶっかけられたら傘で頭を守るカットすごすぎ)、狭い空間の>>続きを読む

パーフェクトブルー(1998年製作の映画)

4.0

挿入歌&主題歌の虚無っぷりも今聞くと味わい深い。厳しい制作状況だったらしいので、バランスの崩れた表情やアングルもどこまで狙ったものかは分からなくなってくる。そのせいでより一層異様さが際立つ。今作は90>>続きを読む

赤線地帯(1956年製作の映画)

3.6

1956年、溝口健二の遺作。往年の緊張感、見る者の脳天をぶち破るような凄まじい画は今作には全くなかった…とはいえこれはこれでなかなか面白い。全くもって明るい話ではないんだけど、なぜか見終わると元気に明>>続きを読む

陽炎座(1981年製作の映画)

3.0

松田優作、かっこええなあ。今作見ても大正浪漫三部作の印象は変わらず。画はいろいろ凝ってるけど日活時代のラディカルは失われている。そしてちょっとだけ、本当にちょっとだけ、時間の無駄と思ってしまった…舞台>>続きを読む

イヴ・サンローラン(2014年製作の映画)

2.0

なんの気持ちもなく気軽に見れた。終盤、いかにも死にそうな感じで2008年まで生きてるので笑う。21歳の若さでディオールの主任デザイナーとなったサンローランのことはざっくりと分かったのでよかったです。ま>>続きを読む

ジャン=リュック・ゴダール/遺言 奇妙な戦争(2023年製作の映画)

-

これはさすがに真面目に見るのは厳しい作品だな…とは思った。どういう経緯で作られたのかは気になる。ゴダール自身も『アワーミュージック』は特別な作品だと思っていることは分かった。それはとても良いことだなと>>続きを読む

警察官(1933年製作の映画)

4.3

いつか劇場で見ようと思っていたが我慢できずにYouTubeで見た。冒頭のカットがセット撮影に見えるの不思議(画質悪いせいかもしれないが)。そこから車&オートバイと併走するトラックショット、良い。強盗事>>続きを読む

多羅尾伴内(1978年製作の映画)

3.6

八代亜紀綺麗すぎて爆発コント。冒頭、ネオン輝く東京の景色にテンション上がる。最初からストーリーなんてあってないようなもの、小林旭の嘘みたいな七変化に笑う。インチキマジシャン風変装もウケたが、流しの格好>>続きを読む

夜明けのすべて(2024年製作の映画)

4.5

PMSを扱った映画って今まで存在したっけ?とてつもない高密度、俳優の演技・演出・編集と全ての解像度の高さに驚いて、仕上がりの地味さに更に驚く。本当に地味な作品だが語ることに終始した映画、というわけでは>>続きを読む

ニシノユキヒコの恋と冒険(2014年製作の映画)

2.8

当然ながら、『ふたり』や『東京上空いらっしゃいませ』を想起する(関係性のキモさでいうと『雪の断章』なんかも)。とはいえ、EMOが爆発することもない。井口奈己監督自身は平熱な人間で、全く激情型ではない。>>続きを読む

イントレランス(1916年製作の映画)

4.2

どのセットも規模感がわけわからんすぎてすごい。あまりにもセットがデカかったり豪勢だったりでミニチュアにしか見えない瞬間がある。アメリカの青年に降りかかった悲劇、キリストの受難、バビロンの崩壊、ユグノー>>続きを読む

人のセックスを笑うな(2007年製作の映画)

3.5

『アメリカン・スリープオーバー』から3年前、今作では若者たちのクソつまらない会話が描かれていた。永作博美の視点によって「そんなに一大事なの?」という問いかけがなされ、若者たちは「一大事なんだよ!」と咆>>続きを読む

田園に死す(1974年製作の映画)

3.3

鈴木清順の大正浪漫三部作でも再認識したが、こういう作品の問題は作家が商業ベースの職業監督以上に物語を「語るべきもの」と認識しているところにある。「母さん、生き返ってもう一度私を妊娠してください」という>>続きを読む

不変の海(1910年製作の映画)

4.2

確かにこれはシャマランの『オールド』を想起する。15分に満たない時間で、わずかな素材で、ここまでできるか。すごい。いやもうなんか、すげえな。的確な反復によって不可逆な時間の流れを観客に体感させる。

Here(2023年製作の映画)

4.0

静謐で綺麗なんだけど、各カットの繋がりにダイナミクスを感じられず。ダラダラ見れていいんだけどね。ぼーっと見ながら余計なことずっと考えて楽しかった。浅井慎平の『キッドナップブルース』みたいな感じ(こうい>>続きを読む

どたんば(1957年製作の映画)

3.9

炭鉱の描写がすごい。これどういうセット組んで撮ったんだ。この暗い話がどうなるのかと不安な気持ちで見ていたがひとまず大団円…いきなりクレーンショットが挟み込まれたりして驚く、あとオープニングの長回しも。>>続きを読む

キャッチ22(1970年製作の映画)

4.3

なんか知らんけど撮影がめちゃくちゃ良い。あんまそういう言及されてない?オープニング、日の出をじっくり捉えたカットと遠景からのクローズアップ。この二つの長回しに驚く。大佐とMM興行の手先みたいなやつが会>>続きを読む

エグザイル/絆(2006年製作の映画)

4.4

オープニングの人物配置がジョニー・トーすぎて最高なんだけど、銃撃戦→やめよう
‼️から何をするかというと家具を修理して飯を作ってみんなで食う。うわー、A JONNIE TO FILMすぎる。闇医者を訪
>>続きを読む

ブレイキング・ニュース(2004年製作の映画)

4.3

オープニングの長回しが凄すぎて唖然。もうこれだけで歴史に残る。すごすぎるって。手間のかかりように感心するだけでなく、このワンカットで登場人物の関係性を理解させる見事な導入となっている。アクションはもち>>続きを読む

八つ墓村(1977年製作の映画)

3.6

冒頭いきなりの嘔吐。大野雄二と芥川也寸志だとだいぶ雰囲気違うわな。山崎努ちょっとだけしか出てこねえじゃねえか。あのビジュアルを発明したのがすごい。小川真由美の台詞回しいいなあ。人に説明する時ってこうい>>続きを読む

見えざる敵(1912年製作の映画)

4.2

並行編集のグルーヴが現代の映画と全然違うので面白い。15分の情報量に感動する。ビジュアル、映画的アイデア…なんといっても壁から飛び出る拳銃、そして回転する橋!!

ツィゴイネルワイゼン 4K デジタル完全修復版(1980年製作の映画)

4.2

中砂が退場するあたりまで、と終盤は面白い。ってことは『サラサーテの盤』についての幻想的な怪奇映画の要素が面白くて、それ以外の部分がかなり退屈ってことである。日活時代のような制約を全て取っ払って撮りたか>>続きを読む

ラブホテル(1985年製作の映画)

4.5

「サービスするよ…なんちゃって」で爆死。切り返さないというルールを徹底するための鏡の使い方(事務所とタクシー車内の二箇所)に驚く。階段の映し方や波止場での凄まじい長回し。そして事務所内を「泥棒猫!!」>>続きを読む

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