「殺人を咎める殺人」という矛盾を時間をかけて浮き彫りにする。
バビ・ヤール大虐殺での生存者の証言が最も生々しく、身の毛がよだつ思いがした。
最後の処刑の一部始終もぼかしなく。
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東京スカイツリーが覗く車窓。その車の中で平山が再生するのは愛聴のカセットテープの数々だなんて、一体どんな時代設定なんだ?
なんて野暮なことを思ったりもしたけれど、それこそが平山が選び取った文化なの>>続きを読む
原作は未読であるものの、課題図書を読むような心構えで臨んだ。
ところがこれが、純粋に映画として本当に素晴らしく、私は殆ど冒頭からずっと泣いていた。
トットちゃんの邪気のない天真爛漫さは通常の小学校>>続きを読む
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岡山天音の三白眼に睨みつけられたら見に行かない訳にはいず。
実在するツチヤタカユキという人物を、その岡山天音が見事に怪演。
ツチヤ氏はハガキ職人上がりの放送作家・構成作家。「着信御礼!ケータイ大喜>>続きを読む
感情を見せ合わない会話劇。
すごい映画を観てしまった。
震えた。
ぞくぞくした。
文則の、平静を装った理屈っぽい話し方、全然関係ないけど私が娘にする話し方そっくりで、「私ってあんななんだなぁ」と妙な>>続きを読む
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食肉加工業となれば被差別部落の問題が浮かぶが、映画の舞台となる北出精肉店にもやはりそれを避けては語れない歴史があった。
出自から謂れなき差別を受けながら代々従事してこられたであろう食肉加工業(北出家>>続きを読む
真木よう子の演技力のお陰で前半は何とかもったが、後半のかなえ(真木よう子)と堀(井浦新)がそれぞれ別の地点で転換点を迎える重要な場面がとても冗長的で眠りこけてしまい、肝心な独白の内容がすっぽり抜けてし>>続きを読む
ホーリークロス男子小学校のケヴィン・マカリーヴィー校長の実践が唯一の正解という訳ではない。そのことを弁えた上で、子供たちとの誠実で寛容でポジティブな対話を実践する教職員たちの奮闘ぶりを通して「生きた教>>続きを読む
怖いもの、不気味なものに惹かれる子どもの妄想力の危うさを美しく描く珠玉の名作。アナ・トレントの造形美的な可愛らしさに心を奪われる。
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漏れ聞こえる感想からも雲を掴むようで、百聞は一見にしかずと観てきた。
生と死とが混沌とした世界をキャンバスに、宮崎駿氏の思想(死生観や人生観)が全面に描かれていた。そのため、既存のファンタジー作品と>>続きを読む
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人は生きながらにして一度死ぬことがある。そして、それぞれ個別の契機を経て、生き直すことができる。二度目の「生」こそが本番。陽子を見ているとそう思えてくる。
陽子は一度死んだのだ。挫折によって。
そし>>続きを読む
よくできた作品。
恐怖の描き方は完璧。
後味が悪すぎて鑑賞後は眠れません。
しかし真夜中に観ることをお勧めします。
恐怖感が増幅されます。
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混沌としているユリアに現実味があって、キラキラし過ぎてないところが逆に良かった。歳上の恋人アクセルの新作出版パーティから先に帰る道での涙は何だったんだろう?虚しさ?潮時の予感?
それで恋人と暮らす家>>続きを読む