水のまちさんの映画レビュー・感想・評価 - 31ページ目

水のまち

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オテサーネク 妄想の子供(2000年製作の映画)

3.9

無性にカクカクしたくなり鑑賞。
first amazing、そこから!?と驚きと嬉しさに期待で心が弾み、渇望のnext amazing …BABYWOOD誕生。
気の毒なドラマで“泣く子は育つ”と不穏
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へそと原爆(1960年製作の映画)

-

後光が差していたので近づくと、
後光ではなく照りつける太陽だった。
白と黒以外存在せず林檎が一つと、えっへそに〜って…。リズムと肉体、大地が踊る様な面白さ。
でも忘れてはいけない様です。もっと話を聞か
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山河ノスタルジア(2015年製作の映画)

4.3

1999.いい加減な自分の記憶を辿るより、鮮明に蘇る過去。2014.等身大にピタリとはまる今。2025.そして未来という優しい光。

開けた中国のマクロな問題提起は、いつもより細かく丁寧に折りたたまれ
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ドライヴ(2011年製作の映画)

-

これぞ正にWicked Jumper

M+の吹替版で鑑賞しましたが、何十年ぶりの日本語吹替(音声切替なし)で、多分この映画のクールな空気感が半減どころではないと思います。ブレスでの臭い演技には、もう
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セブン・デイズ・イン・ハバナ(2012年製作の映画)

3.3

"金曜日"の波打つエロスに期待しつつも、結局空虚に"月曜日"。翌日、やけ酒のダイキリ残る"火曜日"と、せっかく来たのでガイドブック片手に"木曜日"。そんな余所者が目にすることなく"水曜日"と"土曜日">>続きを読む

北の橋(1981年製作の映画)

4.2

見慣れぬ場所で目を覚ます朝の爽快感はきっとその先にある未知への期待、と思い起こさせる色合い。そうさせない不寛容な現実を切って貼ったエッシャーの滝の様な連なりは、日常から少し入った裏通りを散策する様な不>>続きを読む

無理心中日本の夏(1967年製作の映画)

3.7

殺される事で存在意義を見出そうとする男と、冒頭から下着を脱ぎ捨て、生理的に動く紅一点、ネジの外れたネジ子。不一致な二人と、組の出入の為に集まった一本独鈷な殺し屋達との距離がジリジリと近づく深い夜。>>続きを読む

ザ・シャウト/さまよえる幻響(1978年製作の映画)

3.5

悩める前衛が直球の太古に足をすくわれる様、または虚言。異常さは纏まりなく忙しなく、余韻は不快。倍音の着眼点がディジュリドゥなら小道具を欲し、声だけならホーミーを欲する、がそれはそれでドラマを崩しかねず>>続きを読む

イグジット・スルー・ザ・ギフトショップ(2010年製作の映画)

4.2

GESCOM(a.k.a.Autechre)のジャケットにSheOne。DJ VadimにDelta。都内各所でもWANTOが大暴れ。音楽もabstractやelectronica。クロスオーバーの後>>続きを読む

トト・ザ・ヒーロー(1991年製作の映画)

3.9

必要だったのか探偵シーケンスの散らかし感、悲劇過ぎてしまった感、そしてまだまだ足りない老い…今作で感じた苦味を、『ミスター・ノーバディ』でしっかりと美味にしてくる堅実さに新作『神様メール』への期待高ま>>続きを読む

午前の幽霊(1928年製作の映画)

-

行き詰まるダダの変化、『アンダルシアの犬』と同時代、ここまで来ると意味を持ち始めているように見受けられる。。消えた紳士へのノスタルジアか…戦争という境目。ホースの水を止めるのに逆再生を使うあたりは、ダ>>続きを読む

リズム21(1921年製作の映画)

-

尖ったナイフの先、Yesでもなく、Noでもないダダイズムを評する笑い草。どうせなら同時レビューにでもしたいかな…。
今に散乱する偶然を描いた様。
今とならなかった、迫り来る未来と去り行く過去。

エンジェリック・カンヴァセーション(1985年製作の映画)

3.9

動画を再構築した静止画の刻むリズムとThrobbing Gristle直系COILによる音楽との完全なるシンクロナイズ。そのプロペラの様な圧迫感に胸高鳴りつつ、天使の会話と天才的な幻影と、期待感最大に>>続きを読む

引き裂かれた女(2007年製作の映画)

4.1

愛の掴めぬ性質と、色気のありすぎる台詞が悪戯に遊び、淡い世界を少しだけ足早に歩かせる。熟した階段の先か、横づけされた駄々か、軋む音を立て狂気に近づく歯車。無邪気な青い眼差しの真実…。
全体の美しい描写
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四川のうた(2008年製作の映画)

3.7

商業施設に生まれ変わる国営の機密工場で働いていた人達の半世紀分の想いを、リアリティを追究する為にあえて役者を起用したドキュメンタリー。
情景や詩のインサートは確かに再現ドラマより深いが、大半を占めるイ
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ミスター・ロンリー(2007年製作の映画)

3.4

卵の殻、公道ではなくサーキットを走るポケットバイク。アンニュイにとどかぬ退屈さと、才能が分散してしまうあたり、中二病という俗語に綺麗に収まる。独創性という難題に直面したコリンの赤裸々な葛藤の様に、殻を>>続きを読む

ラヴレース(2013年製作の映画)

3.0

水着の紐を解いて日焼け。笑って、恋して、パーマネント。彼の望みは私の望み、オーバードライブに眩い光と冷たいシャワーを浴びる。1972年公開『ディープ・スロート』主演女優リンダ・ラヴレースの半生。アマン>>続きを読む

アルファベット(1968年製作の映画)

4.5

リンチの事、好きな理由が一点に集まった。嘘、本当はここから拡がった。
音楽はまるでハナタラシ。スクリーンで観ながら死ねたら最高かも。嘘か真か、

Miss ZOMBIE(2013年製作の映画)

4.0

最初から手元にスイッチ。毎ショットごとコントラストに意味を込める上質な光と影と風のノイズ、その底気味の悪さも気付けば、只々美しい。ZOMBIEでありMissであるというシュールな生々しさとその描写は、>>続きを読む

SPACY(1981年製作の映画)

-

目がやられまして、脳もやられました。そしてなぜか高揚してイル。これは不安か、ここはどこだ?と宇宙体育館。

ライフ・アクアティック(2004年製作の映画)

4.1

心ひとつにしたければ、ユニフォームを作りましょう。赤帽とアクア色のセットアップが海洋に冴え、ポップカラーのボタンが並ぶビートボックスの様に愉快。全ショットにギミックたっぷり、自由に理屈はいらずとカット>>続きを読む

灼熱の肌(2011年製作の映画)

4.3

正統継承者の色彩感覚、赤青黄と外すことなく美しく。2組の男女の些細な組み合わせが、愛と友情という近い感情を別物として浮かび上がらせる。世界観を歪ませるJohnCaleの音楽も大事な役目を果たしていた。>>続きを読む

バトル・オブ・ヒロミくん! 〜The High School SAMURAI BOY〜(2013年製作の映画)

3.3

番長。あかん、あかんで、このハイペースだと目標としている全国制覇どころかアジア制覇もしてしまう熊級の強さ(涎も垂らすで)。しかしそこは青春真っ盛り、白鳥ヒロミ16歳、恋にバイトに家事手伝いと大忙し。ご>>続きを読む

囚われの女たち(1999年製作の映画)

3.0

キヌアの色した薄明かり、美女。
兵士による強姦事件が多発。事態を収束させるべく将軍から命を受けた実直な大尉が、訪問者と呼ばれる慰安婦をのせた“パンティーランド”を送り込む…。原作マリオ・バルガス=リョ
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ギャラリー 欲望の画廊(2009年製作の映画)

4.3

SOHO BOOGIE WOOGIE
Piet Mondrian 1939
CompositionからBroadway への出発点、愛くるしくリズミカル。この絵を観られただけでもう満足。否、映画も良
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ラバー(2010年製作の映画)

4.1

No fuckin' reason タイヤガンバレ
愛情たっぷり、時にアート。原始的な電子音(from JUSTICE)がグツグツと、完璧。
背伸びなのか逃げ道なのか、真っ直ぐ走って欲しかった感。フレ
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タイム・オブ・ザ・ウルフ(2003年製作の映画)

3.7

欲望に誘われ野生から進化した人間が、物資不足の密閉された社会で野生化していく様、狼の刻。
淡い炎で悪を炙り出すハネケのイメージとは違う暗闇の焚火は、血が通いイガイガしい。スタイリッシュな色彩も暗闇では
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ミスター・ノーバディ(2009年製作の映画)

4.4

“時間”は宇宙が膨張して生じるもの。人知を超えた遊び場で、空間と時間と、過去が思い出せない男 ニモ・ノーバディ。死を前に彼が語るエンドレスに枝分かれした人生を、赤青黄と、きめ細かく丁寧に。フランスPa>>続きを読む

DEMONLOVER デーモンラヴァー(2002年製作の映画)

2.9

当時危惧されたネット問題も、飽くなき欲求によって崩壊しきった現代では、何をそんなに騒ぐやら。女達による無機質なビジネスバトル。大森南朋と共に、第一次萌えブームの快楽がグロテスクに登場。クロエおしゃれ。>>続きを読む

殺しの後にタンゴを(2008年製作の映画)

3.0

精神科医の女が、娼婦が男に襲われているのを目撃し、助けようとして殺してしまう。その後、TVのニュースから男は警官と知り、良心の呵責からその妻に会う…。
タンゴベースのB級テイスト、駄々漏れのサスペンス
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西瓜(2005年製作の映画)

4.5

水不足の台湾に女とAV男優。緑と黒のストライプに赤黒のドット。エロティックに奇天烈に、どこにでも西瓜。
日常から切り取る奥行き深い異次元な構図の挑戦または挑発。長回しの定点の内、混在する何点かの見せ場
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ブック・オブ・ライフ(1998年製作の映画)

3.3

1999.12.31. 現実には大予言などの影は薄れ、ミレニアムに大騒ぎ。終末なんてなんのその、歪に弛んだ時代背景を皮肉にも生々しく切り取ってしまった本作。懐かしくも、ダサい。斜めのアングルも、大袈>>続きを読む

尻に憑かれた男(2007年製作の映画)

3.9

千客万来、奇奇怪怪、売り文句に買い言葉。下水のにおいと心の声と、骨董屋の悪い癖。
襟に、壁に、トロピカル少々。落ち着いた色も相まってジトジトはさせない。セルトン・メロのmellowな声色のおまけ付き。
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NITRO ニトロ(2010年製作の映画)

4.4

一触即発、新型ニトロに濡れた肌。イデオロギーの腐敗臭によるmadなつなぎは、理屈ではないコアの選曲。
精巧な計算式上に、恋愛ドラマをぶっ込むタイミングもまた大胆。吹き飛ぶものも美しく…ボグリアーノの爆
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楽日(2003年製作の映画)

4.6

落日を迎えた台北の映画館。上映中の暗い客席、御手洗まで漏れる音、雨降る看板の漢字。切り取られた構図の面白さと些細な動きの魅惑は、定点と長回しの理由として十二分。その一瞬がどんなに美しくても、地球は止ま>>続きを読む

光りの墓(2015年製作の映画)

4.4

光を求め進化し続ける微生物の秘められた力。時空を超えたものが現代に共存しているハイセンスな描写が面白く。書き留めなければ忘れてしまいそうな不可思議な記憶は、まさに夢。
劇場の外にあるいつもの世界を、現
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