水のまちさんの映画レビュー・感想・評価 - 5ページ目

水のまち

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ストレンジャー・ザン・パラダイス(1984年製作の映画)

5.0

ここは退屈、連れ出して、ここも退屈、何処までも。全くもって不器用に生きる、全くもってつまらない世界で、やっと花開く小さな花が、可愛らしく見えたのも束の間、美しく散っていく。悲喜劇です。と、クールな恋に>>続きを読む

ロード・オブ・カオス(2018年製作の映画)

4.1

戦略であったはずの悪魔崇拝は、歯止めが効かずに混沌とし、まるで魂を売ったかのように、次第に本質であるはずの悪魔が姿を現わし、そして悲惨な結末へと向かっていく。ただそれが最初に描いた夢であり、常人が無価>>続きを読む

ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ザ・ウェスト(1968年製作の映画)

3.6

新時代の到来に、際立つ昔気質の男達の汗。乾いた大地と高音の銃声、埃と誇り。兎にも角にも、渋いという言葉が、そうだよねで納得させられる西部劇、鉄道開拓。

逃げた女(2019年製作の映画)

4.4

愛する人の好きは、私の好きで、愛する人の嫌いは、私の嫌い。毎日一緒にいたら、気づけば同じ考え方になっていて、当然、それは幸せで、それが愛し合うということだと思っていた。だけど自分のアイデンティティとい>>続きを読む

アングスト/不安(1983年製作の映画)

4.7

人の皮を被って覆い隠せば、内心何を考えていようとも、まるで聖域であるかのような自由であるにもかかわらず、その危険分子が身体から発され、臭うほどに、危ない男。誰にも触れることが出来ない聖域だからこそ、彼>>続きを読む

時をかける少女(2006年製作の映画)

3.9

泣いても笑っても人生は一度きりなのではなく、不可逆性を持った時間の中で、一度きりだからこそ、泣いたり笑ったりするのだろう。好きになった人ともう会えなくなったとしても、「いつか」という永遠の時間が希望を>>続きを読む

バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)(2014年製作の映画)

3.8

ウイスキーの瓶のなかには、40%程度のアルコール度数の液体が入っていなければ、それを買った人は納得しない。当然、なかに何の液体も入っていなければ、それはウイスキーではなく、ただの瓶だ。でも、そんなこと>>続きを読む

チャイニーズ・ブッキーを殺した男(1976年製作の映画)

4.0

ギャンブルすれば大負けするし、怪我したら当然痛いし、誰にも見つからないように走ってみたり、必死なのってかっこ悪い、だからかっこつける、たくさんの愛をこめて。そしたらいつしか、皆に愛されていたりもするも>>続きを読む

フルメタル・ジャケット(1987年製作の映画)

5.0

戦場から生きて帰還するには正気の沙汰じゃいられない、そう黒く塗れ。震えを抑えることが出来ないほどの恐怖下において、誰一人、家に帰りたいとは言えず、減らず口を叩き自らを鼓舞するかのような狂気に揺れる人間>>続きを読む

はちどり(2018年製作の映画)

4.2

嫌なこと、嬉しいこと、自分の中にそのふたつが、その時々で、違った形で、決してバランスなどとれていないのに、消えるのことなく、心との共存と言ってしまいたいのに、まるでそれが自己であるかのように、生きてい>>続きを読む

無敵のドラゴン(2019年製作の映画)

3.4

あー、そうそう、香取慎吾がやってた『西遊記』だ。ペラッペラで心配になっちゃう内容と、なんだかんだで最終的には、タトゥー対決みたいになって、しかもそのタトゥーもよく見えない。彼女が殺されたのにこんなに悲>>続きを読む

オンリー・ラヴァーズ・レフト・アライヴ(2013年製作の映画)

4.9

1%のヴァンパイアと99%のゾンビによって、歴史はつくられているのだろうが、悲しいことに、ゾンビは自ら生み出した素晴らしいものも忘れていってしまうのだ。
めちゃくちゃギター弾きたくなる映画。

大和(カリフォルニア)(2016年製作の映画)

3.9

右でも左でもなく、前なんだけど。メインストリームからはみ出た登場人物。郊外と公害のリアリズムから噴き出す、何処かに届け、生きた言霊。自分のケツを自分で拭ける奴は、何したっていいんだぜ、インディペンデン>>続きを読む

ライフ・ゴーズ・オン 彼女たちの選択(2016年製作の映画)

4.3

とある話。奇妙な形でバランスをとり、倒れそうで倒れない不思議な縁、繊細に描かれた生きているようなリアリティと、空気に滲み出た心情。今もどこかで流れているかのような時間。何はともあれ生きる姿は美しい。

ゴッド・スピード・ユー! BLACK EMPEROR(1976年製作の映画)

3.9

当然のことながらのドキュメンタリーの生々しさ、事実は小説よりも奇なり、団地。スポットをあてられた少年という純な被写体、人の数だけ。バイク、仲間、居場所、縦社会も、組織。暴走をする族の内情と共にフレーム>>続きを読む

ビーチ・バム まじめに不真面目(2019年製作の映画)

5.0

世界はもっともっと美しい、恐れを捨てて、吸って吸って、愉快に笑って不快と笑われ、吸って吸って、音と戯れ、本当の視界を見ようじゃないか、時には檻の中にいたけども、それだけで良い、なぜなら私は光を浴びて輝>>続きを読む

ヘイル、シーザー!(2016年製作の映画)

3.7

決して楽ではないその成果が、人々に感動を与えているのだと。映画って本当にいいものですね。と、難しいことを抜きにして心が言っているので、単純だけどもそれで良いと思えるほど愉快であった。

火口のふたり(2019年製作の映画)

-

飲み屋の隣の席から、先生とか呼ばれてる人が若者に向かって、この国は…。と、雄弁に語っているのが聞こえて来た時のような腹立たしさ。置き手紙の演出も、携帯電話普及率約137%の現代でどうなのかなって思って>>続きを読む

運び屋(2018年製作の映画)

4.5

札束がいちばん気持ちが良い麻薬。と、快楽の先に待つ悲しい結末を予見して、身体の末端から血の気が引いていく感覚、つまり罪悪感。しかしながら今は、花の香りを感じながら、後悔という雲が晴れた優しい日差しを浴>>続きを読む

ダウン・バイ・ロー(1986年製作の映画)

5.0

一言目は、クール、だろう。友人と遊んだあとの、ベストなチョイス、そう、Y字路。一緒に笑ったことがある人は、友人。また、美味しいものを食べながら、本当かどうかも分からないようなバカ話をしたいような。コカ>>続きを読む

ウトヤ島、7月22日(2018年製作の映画)

4.0

永遠に手が届かないであろうこの世界の平和の為に、遠く何処かでも誰かが常に犠牲になって、そして私の生はその上に成り立っている。悲しいかな、生きるということが世界平和を拒んでいるかのようだ。

mid90s ミッドナインティーズ(2018年製作の映画)

5.0

怪我もしたし、警察にもお世話になったけど、不安や憤りが空を切る虚しい夜を、馬鹿騒ぎで埋めつくし、疲れ果てて眠りについて、この公園が世界だと思わせてくれる、そんな仲間が出来たことが、何よりも嬉しかった。>>続きを読む

パリ、テキサス(1984年製作の映画)

5.0

ひとつの爆発から拡がり続ける宇宙のなかで、近くに居るのに遠く感じる存在と、何処にいるか分からなくてもそばに感じる距離。比べようもない4年というそれぞれの時間を埋めていく速度と温度。そして、その宇宙の膨>>続きを読む

スリー・フロム・ヘル(2019年製作の映画)

4.3

殺人鬼vs殺し屋だなんて、何人殺されちゃうんの。生と死にもとらわれない、やりたいように生きること。そう言うと聞こえがよいが、三作目となってだいぶ愛着がわいてきたとて、結局やっぱり狂ってるの。

私をくいとめて(2020年製作の映画)

3.8

一人と二人とではまるで別物のような世界。根底にあるネガティブが健全であり、都合良く共感することはあっても、都合悪く落ち込むことは無いだろう。という意味でのポップ。何はともあれ、はっぴいえんどならいいさ>>続きを読む

ジョジョ・ラビット(2019年製作の映画)

-

まったくもって良さがわからないので2回観たけど、きれいごとも、よく喋るガキも、苦手。

シン・エヴァンゲリオン劇場版(2020年製作の映画)

5.0

希望も絶望も、全て。この目の前に広がる、見慣れた現実こそが、奇跡の結晶であるかのように美しく思えるカタルシス。幾重の愛のリンケージと、その最深部に触れたIt’s only loveな気持ちに、自分しか>>続きを読む

バクラウ 地図から消された村(2019年製作の映画)

4.3

ラテンアメリカの土着感が現実的でありながら、どこか非現実的であり、このガルシア=マルケスを彷彿とさせるマジックリアリズムの現代版のような物語が、素晴らしくクールで好きだ。所謂、バイオレンス系のその手の>>続きを読む

アマンダと僕(2018年製作の映画)

4.8

朝、まるで規則正しく、回ってくるけども、同じ景色が違って見える。何が起きるかわからない新しい一日の始まりは、もう戻れない昨日との別れ。人を救えるのは神ではなく、人であること。
心情が風景にフィルターを
>>続きを読む

死者からの手紙(1986年製作の映画)

-

荒廃した世界観にも、電子音にも、ソビエトらしさを感じられてとても好きだなと思っていたのも束の間、コントラストに目がやられ、いってしまいました。残念。

(1997年製作の映画)

5.0

元来、病などは無かったとどこかで目にしたことがある。それ故か、肉体を痛めつける病を生んでいるのは、感情が強く影響しているように思えた。なんとなく肉体関係があって、その後、とんでもない奇病におかされる。>>続きを読む

ミスミソウ(2017年製作の映画)

3.9

「死ね」とか「殺す」とか簡単に使うなと言っても、子どもたちは聞かないでしょう。というような着想。いじめは陰湿さから凶暴と化し、田舎の閉塞感で蓋をする。最早、映像的には青春などとは程遠い、殺し合いのグロ>>続きを読む

ウィーアーリトルゾンビーズ(2019年製作の映画)

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人生は冒険じゃないし、誰にもわからないし、わかるわけないし。リアルゾンビが観るには、希望に満ちた赤ちゃんプレーみたいで、サブい(サブカル意識した寒いやつ、今できた造語)。ニガテ イズ ニガテ、センスあ>>続きを読む

鵞鳥湖の夜(2019年製作の映画)

4.4

02年ガブリエル・バティストゥータスタイル、乱射パフォーマンスの銃弾を己が浴びる。悪事に手を染めた時から、信じられるものなんてもうないはずだろう。ギャングも警察も同じように作戦会議をする様は、この国で>>続きを読む

コロンバス(2017年製作の映画)

4.5

サーリネンをはじめモダニズム建築の洗練された美しさを活かした構図と色彩。静かな時の流れの中、少しずつ変わりはじめる気持ちの揺れに、互いに寄り添うような偶然と真の優しさ。シンプルさこそ、美しいと思わせる>>続きを読む

愛がなんだ(2018年製作の映画)

4.0

時として、叶う恋より叶わぬ恋の方が、痛い分だけ、生きているという気がする。好きな人のこと、自分のこと、たったこのふたつだけで成立してしまう愛という奥深いものを考えたところで、どうにかなる代物ではないの>>続きを読む