青さんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

赤線地帯(1956年製作の映画)

4.5

恥ずかしながら「赤線」という語の意味を知らなかった。そしてとても良い映画だった。国家による風紀への介入というマクロな視点が、社会の隅っこでなんとか生きなければならない女性のミクロな個々の視点と結びつく>>続きを読む

女は女である(1961年製作の映画)

3.5

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多分、観客をくすっと笑わせることを意図している場面があちこちにあったのだが、“巨匠ゴダール”と“おフランス”の雰囲気に負けて、終始真面目に鑑賞してしまったよ。

素直になれない男女の恋愛模様のお話
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その男、凶暴につき(1989年製作の映画)

3.8

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(追記: 特に感想が無いというのが、本音)

繰り返される「キチガイ」。 平然とした極当たり前の暴力を描く。暴力映画で、しかもそれほど中身のない内容なのにも関わらず、鑑賞後にスッキリするのが面白いと思
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ガメラ3 邪神<イリス>覚醒(1999年製作の映画)

3.2

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ガメラスーツ(?)の細部が変更されており、より巨大生物らしくなっている。1では流石に目玉が大きすぎるだろうと思っていたが、今作のガメラの眼は小さい。また、甲羅を触手が貫通する演出や体液が噴き出す演出な>>続きを読む

ガメラ 大怪獣空中決戦(1995年製作の映画)

3.6

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 特撮の画と実写の画との接続の工夫に対し、興味をひかれる映画だった。例えば、破壊された東京タワーの上で休むギャオスをシルエットとして映しながら、背景にはおそらく本物の夕日と立派な雲を合成する画や、ミサ>>続きを読む

MAHOROBA(2021年製作の映画)

3.9

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AKIRA、ソナチネ?、のオマージュらしき場面があり、多分他にも名作映画のオマージュがあるものと思われる。
観る時代によって感想も評価も変わる作品だろう。
2021年当時は確かに、新たにデルタ株が流行
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エゴイスト(2023年製作の映画)

4.0

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作中に「愛が何なのか分からない」という台詞が登場する。私も愛について知っている風で何なのかよく分かっていないから、登場人物の視点を越えた感想や批評を考えることが困難だと感じた。また、ゲイカップルの葛藤>>続きを読む

百合の雨音(2022年製作の映画)

2.9

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ただのポルノ映画だった。
この映画がレズビアン映画としてオススメされている情報をTwitterで見かけ、気になっていたところだったのと、ちょうどこの映画の監督である金子修介の平成ガメラ三部作を観たいと
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シン・仮面ライダー(2023年製作の映画)

3.5

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仮面ライダーをよく知らない層からすると、展開が早かったと思う。その展開の速さがさも当たり前かのように繰り返される。仮面ライダーとはそういうものなのかと思って理解しようと努力は出来た。多分、以前にシン・>>続きを読む

トワイライトQ(1987年製作の映画)

3.3

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面白いお話なのだろうけど、興味がわかなかった。

あの夏、いちばん静かな海。(1991年製作の映画)

3.8

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意外と良かった。北野映画の恋愛描写は結構甘美な夢物語なので、全面的にラブストーリーであることが予想された今作についてはあまり期待していなかった。叩くことしかできない映画だったらどうしようと思っていたが>>続きを読む

老人Z(1991年製作の映画)

3.6

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不謹慎極まりないテーマで、しかも、ちゃんと不謹慎な描写がてんこ盛りである。本来だったら評価2.5くらいにしてもよいのだけど、悔しいかな、面白いと感じるポイントもいくつかあった。それに、おじいちゃんの過>>続きを読む

HANA-BI(1997年製作の映画)

3.8

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(ただいま絶賛体調不良中で、「回復するぞー」という己の生命力を感じているさなかに、最後の銃声二発ENDは萎えた(冒頭辺りから展開は読めていたが)。なぜ死んだのか。死は、そんなに崇高なものでも甘美なもの>>続きを読む

エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス(2022年製作の映画)

3.8

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追記:
宇宙全てを包摂する勢いの「Everything」なので、高尚なものから下劣なもの、過去から未来、現実から空想、生物から無生物、富豪から貧困、などなど、あらゆるグラデーションの全てが入っている。
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迷宮物語(1987年製作の映画)

4.0

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全然分からなかった。一本目が一番好きかな。裏路地とか影とか、不気味だけどノスタルジーな演出が好みだった。あの女の子は猫なのかな?と思ったのだけど、別キャラで猫は登場する。最後は…バッドエンド?。なんか>>続きを読む

Kids Return キッズ・リターン(1996年製作の映画)

4.5

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とんでもなく良い映画だった。過去の青春のヒリヒリ感が、いまだ心のうちにある青い部分を拠り所によみがえってしまう。直りかけの擦り傷にたまたま洗剤が染みてしまい「いてててて」となっている感じ。
(追記:
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卑弥呼(1974年製作の映画)

3.4

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詳細な理解ができなかった。
「日本神話の神々VS.古来からの土着の神」のお話に、卑弥呼による神託という微妙な制度を取り入れているがゆえに微妙な力学が働く中央政権のお話を絡めた感じかと。超面白いか、ハイ
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エレファント(2003年製作の映画)

3.5

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実際に高校で起きた銃乱射事件をもとに製作しているらしい(アメリカでの銃乱射事件は件数が多すぎて、正直、どの事件だっけとなってしまう)。

長回しが多い。長回しが多いことで、視聴者が高校の建物内部の構造
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思い出のマーニー(2014年製作の映画)

4.5

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【2023年8月12日再鑑賞】
未鑑賞の知人と。「ジブリらしくないね」とのこと。私もそう思う。
アンナの痛々しさとマーニーの寂しい人っぷりが大好きだから、この映画が好きなんだなと再確認した。あと、タイ
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パルプ・フィクション(1994年製作の映画)

3.8

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長い作品なので、途中で切り上げ、後日観る…ということを3回くらい繰り返しながら鑑賞した。

物語のつじつま合わせ、いわば、パッチワークのように広がったストーリーを鑑賞者自身で元通りに修正することを楽し
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ソナチネ(1993年製作の映画)

4.2

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庵野や駿を語るなら、同時代の北野武作品も観ておきたいと思い、鑑賞した。

結論からすると、お気に入りの映画になった。
対村川になると相手は一方的にやられるだけなので、掛け合い的な面白さはこの映画にはな
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シン・ウルトラマン(2022年製作の映画)

3.4

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観れなかった映画。
シン・仮面ライダーを観たいから、その前に観ておくべきかと思い、義務的に鑑賞した。

事前の情報だと、長澤まさみの描かれ方が女性にとって不快だという評価をみた。どこまでひどいのかとヒ
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君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)

3.6

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消化しきれなかった。
また後で書く。

私が人格者ではなかったら、「ハヤオが思っている以上に世界は悪いので、今後はどうぞ、安らかに眠ってください」っていう最悪な感想をあげる。
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リプリー(1999年製作の映画)

3.6

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過去に『太陽がいっぱい』は鑑賞済みだが、ラストの“あちゃー感”以外よく覚えていなかったので、今作と過去作を比較する鑑賞はできない。
陰鬱で、人間観察が得意で、音楽を愛する、単なる夢見がちな青年が、名門
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空飛ぶゆうれい船(1969年製作の映画)

3.4

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ちっこい頃に父親に見せられた覚えがあって再鑑賞。人があぶくになって溶けてしまう描写と巨大なカニをよく覚えている。たぶん怖かったのだろう。
物語の入りは突っ込みどころが多く、プロット大丈夫か??と心配に
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ダンサー・イン・ザ・ダーク(2000年製作の映画)

4.0

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胸糞映画として名高いため、いつか見たいと思っていた。
こういう映画は体調不良時の鑑賞に限るという持論があり、久しぶりに体調不良になったため、待ってましたと言わんばかりに観てみた。
確かに後味は悪い。の
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パーフェクトブルー(1998年製作の映画)

3.3

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今監督の一作目と聞いた。いつか見たいと思っていた映画だったので、期待しすぎていたかもしれない。
ハードバイオレンスな『千年女優』って印象。怖いことが起きました、精神や認知機能に異常がありました、病院に
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パプリカ(2006年製作の映画)

3.4

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他人の誇大妄想や自意識過剰な葛藤の暴露話などに付き合わされたあとの居心地の悪さが、鑑賞後に残る。その経験を、「きも。最悪」と評価するか「鑑賞者の現実まで侵食してるみたいで、すげぇ!」と評価するかで揺れ>>続きを読む

蜘蛛巣城(1957年製作の映画)

3.0

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ジャガジャガ喋るので、何を言っているのかてんで分からない。けどまあ、よく分からなかったけど、楽しく鑑賞できたからいいか。
鑑賞の目的は、矢が沢山飛んできて役者が目を丸くしてビビる場面を今後見たら「蜘蛛
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千年女優(2001年製作の映画)

4.5

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(追記: 鑑賞直後は3.8点→じわじわと高評価になった。多分、平沢進のテーマ曲のおかげ)

ぬーまとまらない。
【言葉の定義】
▶「作品」: 「千年女優」という物語の中で語られた製作物
▶「映画」:
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博士と彼女のセオリー(2014年製作の映画)

3.7

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唐突に観たくなって、観た。
偶然にも主人公ホーキング博士の命日が今日(イギリス時間で3月14日)だった。縁を感じて、ちょっと怖い。

全部ひとつ。
時間に対する考え方、捉え方を根本的に変えないと、たぶ
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RRR(2022年製作の映画)

3.7

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ナートゥの音楽が頭にこびりついて、踊りたくなるくらいには楽しかった。
全20巻の冒険物青年誌を3時間にしてみたら、のようなノリの映画。目まぐるしい展開と、スローモーション×音響による迫力と、真剣なのか
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パンダコパンダ(1972年製作の映画)

3.5

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再鑑賞が久しぶりすぎて、ほぼ初見。
これを観てコパンダのファンにならない人はいるのだろうか。「とくに竹やぶがいい」を繰り返すパパンダも不気味でいい。パパンダの不気味さとコパンダの愛くるしさが双方を中和
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Sisam - Our neighbors -(2021年製作の映画)

2.5

どんな歴史があったのかを勉強してから観ないと、ほとんど穏やかな対談なので「?」となる。