自分は自分で信じてなどいないと信じている運命に自分の意志によらずに仕えているのだというパラドックス。
鮮明な青のミザンセン。
不幸な出来事に耐える女優の存在の肌触りが画面を伝って、身体を縦に貫く強度の体験になる。
虚構の真実ともいうべきこの通過性の物語。被写体を的確に捉えたごく簡素な画面に立ち込めるただならぬ気配の中で、人は自由な距離を失う。
着地がグラン・トリノになってた。
濱口が普段から行うという演出方法をメタ的にやってる。
いずれにせよ、三浦透子のキャラクターに対する語りの積み上げがないから、急に北海道とかいって抱き合ってもカタルシス>>続きを読む
こいつの映画は設定を凝らしてるだけでフィルム的脈動ぶりは皆無。
銃を相手に差し向けるシーンに全くサスペンスを感じない点と、アクションシーンの見応えのなさ(或いは分かりにくさ)などが致命的。