ボブおじさんさんの映画レビュー・感想・評価

ボブおじさん

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パスト ライブス/再会(2023年製作の映画)

3.8

劇作家として活躍していたとは言え韓国系カナダ人のセリーヌ・ソン監督にとって本作は長編映画デビュー作。それがいきなり今年のアカデミー賞で作品賞と脚本賞の2部門にノミネートを果たすという離業をやってのけた>>続きを読む

マイスモールランド(2022年製作の映画)

4.0

川和田恵真監督の商業映画デビュー作、彼女自身もイギリス人の父と日本人の母をもつミックスルーツだという。社会のセーフティネットからこぼれ落ちた名もなき人々にスポットを当てるテーマ選びは、どこか師匠の是枝>>続きを読む

から騒ぎ(1993年製作の映画)

3.9

本日4月23日は、世界演劇史を通じて最も有名で最も成功した劇作家ウィリアム・シェークスピアが生まれた日、そして亡くなった日でもある。

折角だからシェークスピア作品を観てみようと思い、手元にあるDVD
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ダークナイト ライジング(2012年製作の映画)

4.2

2005年の「バットマン ビギンズ」から始まったクリストファー・ノーラン監督の〝ダークナイト3部作〟の完結編。

シリーズ3作を通じてノーラン監督の〝ダークでシリアス〟な世界観をぶれる事なく貫き、見事
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バットマン ビギンズ(2005年製作の映画)

4.1

映画は監督によって全く違う作品になる。当たり前の話だが、映画のバットマンシリーズを見るとそのことがより鮮明に理解できる。

これまで何度も映画化されてきたバットマンだが、自分の中ではティム・バートン監
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ダークナイト(2008年製作の映画)

4.5

2001年公開の「チョコレート」でビリー・ボブ・ソーントンの息子役を演じ、冒頭40分足らずの出演ながらその確かな演技力で強烈な存在感を示したヒース・レジャーは、その後「ブロークバック・マウンテン」(2>>続きを読む

シークレット・ミッション(2013年製作の映画)

3.8

〝幼い頃は配給が途切れることが怖かった。訓練の時は生き残れるか、党に見捨てられないかと怖かった。だが今は……自分が変わりそうで怖い〟

北朝鮮の特殊部隊で厳しい訓練を終えたエリートスパイのリュファワン
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法廷遊戯(2023年製作の映画)

3.4

「法廷お遊戯会」に改題すべきでは😅
青春映画や恋愛映画ならまだしも法廷を舞台にしたミステリー映画で、この主演は、さすがにミスマッチ。設定は、暗いトーンの犯罪ミステリーなのに、無理やりジャニーズ事務所の
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コレクター(1997年製作の映画)

3.3

モーガン・フリーマン出演のサイコスリラーと言えば「セブン」を思い浮かべるが、脚本・演出・映像表現・キャスト・怖さ・イカれ具合など全て7掛け程度の出来栄えだった😅

捕らえた女性をすぐには殺さず、監禁し
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テスラ エジソンが恐れた天才(2020年製作の映画)

3.3

今日4月18日は〝発明の日〟だそうだ。発明と言えば白熱電球や映画を生み出したエジソンや電話を作ったベルを思い浮かべる人が多いと思う。特に児童伝記シリーズでも有名なエジソンの名を知らぬ人はいないだろう。>>続きを読む

白鯨(1956年製作の映画)

3.7

人智の及ばぬ力を持つ巨大な白鯨〝モビー・ディック〟。その悪魔の化身に片足を奪われ復讐の炎🔥を燃やすエイハブ船長(グレゴリー・ペック)。

だが、観る者はやがて気がつく。悪魔に魂を売ったのは誰なのか?〝
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フォロウィング 25周年/HDレストア版(1998年製作の映画)

4.0

1998年/イギリス映画/モノクロ/70分
製作・監督・脚本・編集・撮影:クリストファー・ノーラン

そこには天才映像作家クリストファー・ノーランの原点が、いやある意味では全てが詰まっていた。

この
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That Peter Crouch Film(2023年製作の映画)

3.8

このマニアックなドキュメンタリーに興味を持つ人は相当なサッカー好きではないだろうか。

30歳以上のサッカーファンなら元イングランド代表🏴󠁧󠁢󠁥󠁮󠁧󠁿のフォワード、ピーター・クラウチのことは覚えている
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42〜世界を変えた男〜(2013年製作の映画)

4.2

アメリカのメジャーリーグでは本日4月15日は〝ジャッキー・ロビンソンデー〟。20世紀以降に米球界のカラー・バリアを破り、人種差別の撤廃に大きく貢献したジャッキー・ロビンソンの功績を称え、両チームの選手>>続きを読む

悪魔はいつもそこに(2020年製作の映画)

3.9

信じて、祈って、愛してきた。だが、その先で目にしたのは、俗世に溺れた卑劣な牧師、異常な性癖の殺人鬼夫婦、汚職まみれの保安官。終始重苦しい空気が漂い、善人はほとんと登場しない。

信仰とは? 愛とは?
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スネーク・アイズ(1998年製作の映画)

3.5

その巧みな映像手法により、かつてはヒッチコックの後継者とも呼ばれ、1976年の「キャリー」から「殺しのドレス」「スカーフェイス」「アンタッチャブル」など数多くのヒット作を手掛け、1996年の「ミッショ>>続きを読む

ある閉ざされた雪の山荘で(2024年製作の映画)

2.9

東野圭吾作品が好きなのは、ミステリーやトリックを包み込むヒューマンドラマが上質だからなのだが、この映画はどうしたことだろう?

ミステリーとしてもヒューマンドラマとしても期待はずれ。いや、長年映画を見
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サイコ(1960年製作の映画)

4.5

〝サスペンスの神様〟として映画界に多大な影響を与えた、おそらく世界一有名な映画監督による、おそらく世界一有名なサイコスリラー😅

もしもあなたが、この映画をまだ見たことがないならば、今すぐこのレビュー
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由宇子の天秤(2020年製作の映画)

4.1

人は皆、自分の中に〝正義の天秤〟を持っている。その天秤は人によってバランスが違う。不思議なことに大抵の人は、自分の天秤のバランスは正しいのだと思い込んでいる。

だから自分の天秤と同じようなバランスの
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アイアンクロー(2023年製作の映画)

4.3

〝身代わりアスリート〟という言葉がある。親やコーチなどが、スポーツで自分自身の果たせなかった夢を子に託すことを意味する言葉だ。

子どもの可能性に大きな期待を持つことは良いのだが、その期待が大きすぎる
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警官の血(2022年製作の映画)

3.8

〝このミステリーがすごい!〟2008年版の第1位に輝いた佐々木譲の傑作警察小説を韓国映画界の実力派キャストで映画化。

原作は、親子3代に渡る壮大な年代記だが、本作は原作の第三部、孫の世代を中心に据え
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パリの調香師 しあわせの香りを探して(2019年製作の映画)

3.7

かつてはパリの香水業界の頂点に君臨したものの、思いも寄らぬ挫折を味わった女性が、善良な運転手との交流を通して人生の再起を果たしていくさまを繊細なタッチで描く人間ドラマ。

「リード・マイ・リップス」で
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恐怖の報酬(1953年製作の映画)

4.4

アンリ=ジョルジュ・クルーゾーといえば「情婦マノン」や「悪魔のような女」もあるが何と言ってもこの作品だろう。

500km先の油田で起こった火災を消すために、いつ爆発するかわからない大量のニトログリセ
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ピースブレーカー(2017年製作の映画)

3.5

2014年の韓国クライムサスペンス「最後まで行く」の中国版リメイク作品。オリジナルと2023年の日本版リメイクは共に鑑賞済み。

日本版がオリジナルからかなり脚本に捻りを加えているのに対して、本作は少
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ペギー・スーの結婚(1986年製作の映画)

3.6

本作は1986年の作品で翌年日本で公開された時に劇場で鑑賞している。当時47歳のコッポラは既に巨匠となっていたが、この映画からはそんな重さは感じられず、愛すべき小品と言った感じの作品だ😊

バディ・ホ
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シターラ: 夢を抱け、少女たち(2019年製作の映画)

3.7

1930年代にリンドバーグに続き、女性として初めて大西洋単独横断飛行をしたことからミス・リンディの愛称で親しまれ、今でもアメリカ国民にとってのヒロインとして知られるアメリア・イアハート。

舞台はそれ
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恐怖の報酬(2024年製作の映画)

3.3

オリジナルは、言わずと知れたアンリ=ジョルジュ・クルーゾーによる1953年の大傑作サスペンス。1977年にはウィリアム・フリードキンによるアメリカ版リメイクも作られこちらもなかなかの出来栄えだった。>>続きを読む

オッペンハイマー(2023年製作の映画)

4.4

まず最初に言っておきたいのは、この映画をストレスなく観るためには、ある程度の予習が必要だということだ。普段はあまり事前情報を入れない方なのだが、この映画を丸腰で観ていたら前半で置いてきぼりを食らうとこ>>続きを読む

アインシュタインと原爆(2024年製作の映画)

3.5

世界で最も有名な科学者の1人であるアルバート・アインシュタインは、平和主義者であった。

だが迫り来るナチス・ファシズムの足音が、この天才物理学者に原爆開発のきっかけを作る引き金を引かせてしまった。
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白鯨との闘い(2015年製作の映画)

3.5

グレゴリー・ペックが復讐に燃える狂った船長エイハブを演じた、あのジョン・ヒューストン監督の「白鯨」のリメイクかと思いきやさにあらず😅

この映画は、世界十大小説の一つに数えられるハーマン・メルヴィルの
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ハイドリヒを撃て!「ナチの野獣」暗殺作戦(2016年製作の映画)

3.9

今週末公開の「オッペンハイマー」で見事アカデミー賞主演男優賞を受賞したキリアン・マーフィ主演の史実を元にした戦争サスペンス。

調べて見たらキリアン・マーフィの出演映画は、これまで9本見ていた。だが彼
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百万円と苦虫女(2008年製作の映画)

3.7

ひょんなことから前科持ちになってしまい、実家を出ることにしたヒロイン(蒼井優)が、アルバイトをしながら各地を転々と移り住む青春ロードムービー。

人とうまく付き合う事ができない21歳の鈴子は、 1か所
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ザイオン(2018年製作の映画)

-

〝靴がないとしょげていた 両足もがれたその人に 通りで出会うその前は〟
デール・カーネギーの「道は開ける」の中にあったこの言葉を思い起こさせる映画だった。

正味10分のショートムービーながら人間の生
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ロードハウス/孤独の街(2024年製作の映画)

3.8

悪党一味が牛耳る町にやって来た流れ者が、たった1人で悪党どもを蹴散らして町を去る。昔の西部劇によくありそうな設定だが、主人公がさすらいのガンマンではなく、元UFCファイターに変わっているところがいかに>>続きを読む

対岸へ: ダイアナ・ナイアド物語(2013年製作の映画)

3.5

あれ⁈この映画先日見たばかりだぞ⁇
先日見た映画とは「ナイアド その決意は海を越える」のことだ。

本作は、その主人公で64歳でフロリダ海峡を泳いで渡るという偉業を成し遂げたスイマー、ダイアナ・ナイア
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正欲(2023年製作の映画)

3.9

「正欲」の正は〝正常〟の正。
「正欲」の正は〝正解〟の正。
では、何が正常で何が正解なのか?
正しさとは多数決で決めるものなのか?

一般的に〝正常〟と言われる性欲の外側にいる人たちの物語。正常な性欲
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