bs3さんの映画レビュー・感想・評価

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KCIA 南山の部長たち(2018年製作の映画)

3.8

朴正煕暗殺事件までの40日間を、フィクションではあるがリアルに描く作品。大統領周辺の人間関係だけで進められる物語ではあるが、闘争や暗躍、騙し騙されの繰り返しは手に汗を握る。民主化を残忍に弾圧する長期独>>続きを読む

新解釈・三國志(2020年製作の映画)

3.0

「三国志」というより「三国志演義」に、独自の新解釈を加え、爆笑シーン満載のエンタメ・コメディ作品。出演陣は超豪華、セットも衣装も意外と豪華、アクションシーンも本当に本気。それでも、コメディシーンが万歳>>続きを読む

魔女がいっぱい(2020年製作の映画)

3.2

児童文学を原作に、本気のスタッフと本気の演技陣が本気で作ったダークっぽいファンタジー作品。魔女たちのボス、大魔女は、邪悪で怖い存在であるが、’60のファッションやセリフのアクセント、演技などなど、素敵>>続きを読む

ストックホルム・ケース(2018年製作の映画)

3.2

「ストックホルム症候群」の語源となった事件を描く、犯罪・人間ドラマ。コメディかと思ってしまうほどあり得ないシーンやエピソードだらけだが、実際に起きた出来事らしいことに驚かされる。ラストシーンには色々と>>続きを読む

わたしは金正男を殺してない(2020年製作の映画)

4.1

金正男暗殺事件を、直接の実行者の二人の女性の裁判を中心に、彼女達の親族や友人、知人の証言や、地元メディアのジャーナリストと米国のメジャーメディアの北京支局長の視点で厚みを持たせ、その真相に迫る作品。裁>>続きを読む

ようこそ映画音響の世界へ(2019年製作の映画)

4.5

ハリウッド映画の音響の魅力を、サイレント映画での生演奏や効果音の時代から最新のデジタル時代の音響までの時系列解説と、声/効果音/音楽などに分類しての詳細かつ具体的な解説で語られる。それもレジェンド級の>>続きを読む

TENET テネット(2020年製作の映画)

4.3

「逆行」の特殊映像が注目されている本作であるが、時間軸の巡行と逆行が絡み合う独自の世界観を体感させてくれる。全編にまたがる豊富な伏線と確実でなるほどな回収。分からないままの圧倒された時間、ふとした瞬間>>続きを読む

はりぼて(2020年製作の映画)

3.2

ローカルテレビ局の調査報道による権力のチェック。発覚する政務活動費に関する不正。繰り返される不正報道と市議の引責辞職。政治不信だけでなく、メディア不信が高まる今。「はりぼて」なのは、政治家なのか、メデ>>続きを読む

ミッドウェイ(2019年製作の映画)

3.4

真珠湾攻撃に始まり、ドーリットル空襲、珊瑚海海戦、そしてミッドウェイ海戦までを、迫力ある映像で描く。日米をかなり公平に扱っており、日本語台詞や日本表現も完璧ではないがかなり良い。ただ、調べ過ぎなのか、>>続きを読む

悪人伝(2018年製作の映画)

4.4

これぞ、韓国ノワール。腕力自慢のギャングのボスとはみ出し者の刑事と無差別連続殺人鬼の不思議な三つ巴模様。笑いが漏れるシーンもありつつ、シリアスでガチンコな勝負が満載。荒唐無稽な設定と驚くべき物語展開と>>続きを読む

SKIN/スキン(2019年製作の映画)

4.4

白人至上主義者、差別主義者の側からの視点で描いた作品。同時上映の短編「SKIN」が連鎖する白人至上主義者の誕生と悲劇を描いていたのに対し、長編の本作は「転向」する白人至上主義者が受ける暴力と苦悩を描い>>続きを読む

SKIN 短編(2018年製作の映画)

4.6

白人至上主義者、差別主義者の側からの視点で描いた作品。連鎖する白人至上主義者の誕生と悲劇を描いている。観続けるのが苦しい本作であるが、白人至上主義がなくならない理由が分かる。
ラストの悲劇と相まって、
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エジソンズ・ゲーム(2019年製作の映画)

3.4

エジソンの直流送電 対 ウェスティングハウスとテスラの交流送電の「電流戦争」を描く。空気ブレーキ、蓄音器、白熱電球、動画撮影機、電気椅子などといった彼らの発明品も多数登場。様々なエピソードも盛り込んで>>続きを読む

エクストリーム・ジョブ(2018年製作の映画)

4.2

うだつが上がらない麻薬捜査班の刑事たちが、犯罪組織監視の偽装として営業したチキン店が繁盛するという斬新な設定と奇想天外な展開が魅力のアクション・コメディ。
実績をあげることが出来ず、解散間近の麻薬捜査
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ハリエット(2019年製作の映画)

3.8

自らが逃亡奴隷で、多くの奴隷を南部から北部に逃がした奴隷解放運動家である女性の物語。まさに実在のスーパーヒロイン。その超人的な活躍は驚異的。作品的には、特に歌唱シーンが素敵。エンドロールの音楽も心に染>>続きを読む

21世紀の資本(2017年製作の映画)

3.5

18世紀からの人類の歴史を、「資本」の観点から、ピケティの書籍をベースに自らの手で映像化。当時の映像と名作映画にキャッチーな音楽を組み合わせ、拡大する経済格差と解消方法を分かり易く印象的な作品となって>>続きを読む

ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 BIRDS OF PREY(2020年製作の映画)

4.2

ちょっとだけターク、でもやっぱり天真爛漫で能天気なファッションリーダー。滲み出る人間らしさが魅力のヴィラン。ジョーカーと別れてからの、歯止めが効かなくなった爽快で痛快なアクションが最高。旧来のワルとガ>>続きを読む

娘は戦場で生まれた(2019年製作の映画)

4.6

誤解を恐れずに表現すると、最強の、最恐の、最狂のVLOG。シリア内戦下のアレッポの様子と娘、家族、友人たちを、そこに住む女性ジャーナリストが撮る。そこには普通の人の普通の生活の傍らにある、あまたの暴力>>続きを読む

レ・ミゼラブル(2019年製作の映画)

4.6

実際の出来事を紡いだとされる物語は、圧倒的なエンターテイメント作品として優れているだけでなく、強いメッセージを我々に突きつける。終盤の展開やラストシーンの衝撃に圧倒される。そして、最後のヴィクトル・ユ>>続きを読む

彼らは生きていた/ゼイ・シャル・ノット・グロウ・オールド(2018年製作の映画)

4.4

実際の映像と実際のインタビュー音声の持つ力。映像は修復され、着色されて蘇り、読唇術で解析された言葉と効果音は付け加えられているものの、当時の生々しい正直なインタビュー音声が心に突き刺さる。終戦100年>>続きを読む

1917 命をかけた伝令(2019年製作の映画)

4.7

三人目の兵士として、第一次世界大戦の西部戦線に投げ込まれ、最前線での一日を、二時間で体験させられる。その臨場感と緊迫感はしびれる。ワンカット”風”映像だけでなく、ストーリーも秀逸。撮影の経験がある人に>>続きを読む

さよならテレビ(2019年製作の映画)

3.2

テレビ局の報道部にカメラを入れ、追いかけるのは、ベテラン契約記者と若手派遣社員、そして中堅アナウンサー。正社員はいつも表に出ているアナウンサーだけで、純粋に報道部の人間は追いかけられていない。
ドキュ
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ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密(2019年製作の映画)

4.2

クラシカルで上質なミステリー。登場人物同士の騙し合いや謎解きに、観客も巻き込まれる。ボンド、キャプテン、ハンナ、ヨーダなどの豪華キャスト。俳優陣の個々の魅力と演技合戦が、作品の魅力を高めている。ミステ>>続きを読む

9人の翻訳家 囚われたベストセラー(2019年製作の映画)

3.7

某有名小説シリーズの翻訳で実際に行われた異様な狂気の実話をベースにしたミステリー・スリラー。様々な言語が行き交う会話劇もあり、スピード感あるアクションもあり。ミスリードさせるシーンや設定が重層的に重な>>続きを読む

リチャード・ジュエル(2019年製作の映画)

4.4

被害を減らした英雄だった第一発見者が、ひとつの新聞記事により容疑者のレッテルを貼られ、FBIとマスコミに追い回される物語。これが実話と言う衝撃。誰もが「容疑者」に仕立て上げられる恐怖。そして、SNSに>>続きを読む

フォードvsフェラーリ(2019年製作の映画)

3.4

タイトル通りの車メーカー同士の闘いとか、大企業の役員とレース現場の男たちの闘いとか言われるだろう。だが、優秀だが扱い難いレースドライバーとその妻と息子の物語が描かれているからこその本作だと思った。時間>>続きを読む

パラサイト 半地下の家族(2019年製作の映画)

4.8

階段、坂道、雨。臭ってくる気がするほどの強烈な体験。脚本が秀逸で、演技陣も素敵で、伏線と回収も秀逸。ラスト付近で、あの伏線が回収されていないと思っていたら、意外な形で見事に回収。予想以上に複層的で、心>>続きを読む

スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け(2019年製作の映画)

3.8

ラストの場所設定、ラストカット。これ以上ない素敵な時間。涙が止まらない。でも、ラストの台詞は…???懐かしい人やモノがたくさん登場し、9シーズンの集大成。でも、急ぎ過ぎで、盛り沢山で、消化不足も。ツッ>>続きを読む

ドクター・スリープ(2019年製作の映画)

3.7

「シャイニング」の40年後を描く続編。生き残った「ドク」が大人となり、シャイニング(特殊能力)に苦しみ、酒に溺れる生活を送りながらも、ホスピスで看取る役割を得ていた。だから、「ドクター・スリープ」。あ>>続きを読む

国家が破産する日(2018年製作の映画)

3.9

過去の危機を描くことで、現状の危機に警鐘を鳴らしている。韓国銀行通貨政策チーム長、金融コンサルタント、食器工場経営者の三者をシンクロさせながら物語を進行することで、難しい金融や経済の話を分かり易く表現>>続きを読む

エンテベ空港の7日間(2018年製作の映画)

3.2

ハイジャック対応が十分でなかった頃のお話。今の視点で見るといろいろなことがユルユルであるが、それでもあり得ないほど大胆な作戦。人質の犠牲などを描いていないことが気になった。若干違和感のあるオープニング>>続きを読む

毒戦 BELIEVER(2017年製作の映画)

3.7

潜入捜査ものとしては、あまりに大胆な設定だが、先が読み辛く、二転三転のストーリー展開は面白い。緊迫感あるシーンも多く、脚本、演出、演技の出来が期待以上であった。ただ、細かい設定やシーンの矛盾が気になり>>続きを読む

ターミネーター ニュー・フェイト(2019年製作の映画)

3.3

「ターミネーター2」の正当な続編は、リンダ・ ハミルトンの、リンダ・ ハミルトンによる、リンダ・ ハミルトンのためのターミネーター。ボディメイクも万全、ガンアクションもさすがで、佇むだけで存在感がある>>続きを読む

IT/イット THE END “それ”が見えたら、終わり。(2019年製作の映画)

3.6

「IT イット “それ”が見えたら、終わり。」の続編。前作では、「テーストはダークな”スタンド・バイ・ミー”」との感想を書いたが、本作はその27年後の大人になった彼女と彼らを描く。1987年の子供だっ>>続きを読む

プライベート・ウォー(2018年製作の映画)

3.9

本物の生きる伝説の従軍記者の半生を、ドキュメンタリータッチで描く良作。戦争や紛争、独裁などの被害者で、苦しんでいる弱者を世界に伝える姿と、身体も心もズタズタになりアルコールやたばこに依存する姿を描いて>>続きを読む

ジョン・ウィック:パラベラム(2019年製作の映画)

3.5

引退していた伝説の元殺し屋の復讐劇を描いた前二作に続く本作は、アクションとスタントのオンバレード。まるで見本市。馬や犬とのコンビネーション。特に、馬を活用したシーンは新鮮で面白かった。ただ、殺しのシー>>続きを読む