シンプルな設定とミニマムな音楽の背後に宗教的な奥行きをもつ映画。 非暴力的であらんとするとき最も暴力的であった逆説や、貧困を経験してもなお/したがゆえに富の再分配が難しいというシンパシーの限界など多く>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
視えないものが視える系の体質は統合失調症と名づけておくとそれらしく因果関係が結べる法則、スティグマの強化が懸念されて良くないのではないか。
酔っているのにどこまでも酔いの醒めた不安定な正気を演ずるキム・ミニを好きになる。
ミスリードを巧みに織り交ぜることで鑑賞者の不信を煽り、攪乱する手腕が見事な傑作。永久に証明不可能な問いを突きつけられる絶望と、想像できてしまう範囲の痛みが一番痛いことが分かる一作。なお動物がつらい目に>>続きを読む
最も危うい環境へ帰らざるを得なくなった少女の今後へと観客が思い馳せざるを得ない、映画の外にまで意識がひらかれる結末。
山田涼介のキャラ立ちすぎて好きだった。ただし「カルト」を「反社会的な宗教団体」と説明し描くことはステレオタイプな見方を再生産/強化するのではないかという危惧がある。
笑いありラブコメありバトルありのホラー。怖がりにもおすすめ。ハウスクリーニングはちゃんと入っているか確認した方がいい。
ジェンダー、容姿、年齢が多様に登場するため、「外見」に囚われない、人間の根幹としての「中身」(/などあるのか?)論争に一石投じる作品。とみせかけて、肝心なシーンになると必ず美男美女のキャストになるため>>続きを読む
初のZoom系ホラー、小麦粉を撒いて足跡を採ったりポラロイドを撮ったり布状のものを掛けたり、幽霊の姿や居場所を突き止めるアメリカンな手法はあまさず踏襲。Zoomを筆頭に現代的なツールで視覚/死角をつく>>続きを読む
助けが欲しいとき、タイミングが合わないとまるで世界から拒絶されたような気持ちになる。
「説明できない」と思わせておいて衝動的な欲求にはなんらかの理由や原因があるという結末にはあまり諾うことができない>>続きを読む
平凡で自由に生きられなかった時代のあとにある、平凡で自由に生きられる時代の僕たちへ。本が読め、そして書けるということは、言葉を持つということなのだと思う。