bunkeiさんの映画レビュー・感想・評価

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惡の華(2019年製作の映画)

3.5

名作漫画の映画化。原作と、挿入歌エンディングを担当しているリーガルリリーが好きなので試聴。

原作ファンとしては暴力描写が抑えられているところが気になった。主人公たちは一種のテロリストで、彼らにできる
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バジュランギおじさんと、小さな迷子(2015年製作の映画)

-

インド映画は歌って踊ることシーンが多い。それはなぜか? おそらく、そういう「ノリ」がインド人のなかで共有されているからだろう。
インド映画の踊り、というのは日本の地元の祭りみたいなものだ、と思う。な
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ゾンビ/ディレクターズカット完全版(1978年製作の映画)

4.8

このレビューはネタバレを含みます

すごい映画を見てしまった。
ゾンビ映画をたくさん見てるわけではないが、これは原点にして頂点だと言い得ると思う。

やはり、本作で重要になるのはゾンビが常人より明らかに弱い、ということだ。だから人間は、
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ダイ・ハード(1988年製作の映画)

-

すごく適当に見たけど、やっぱり結構作り込まれてる。
伏線とか、構図とか実はめちゃくちゃ計算してるんじゃないか、ということとか。カットの入れ方とか、緩急とかが、いまのアクション映画の原型を感じさせる。
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愛の小さな歴史(2014年製作の映画)

2.0


中川龍太郎映画は、「走れ〜」に続く2本目。
正直、こんなんでいいのだろうかと思ってしまった。まず、話の筋が恣意的。2人の主要登場人物が、互いに連動しつつも、全く別の人生を生きていく、そういう発想自体
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ジャンゴ 繋がれざる者(2012年製作の映画)

4.3

文句なしでむちゃくちゃいい映画で、たぶんいろいろ論じられるんだけど、そういう気分じゃない時にも楽しんで見れる、これってすごいことだと思う。

ジャンゴかっこよかった。シュルツもかっこよかった。すげえよ
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走れ、絶望に追いつかれない速さで(2015年製作の映画)

3.1

この映画の、一番評価できるところは雑音をやや多めで、何気ない生活の部分をしっかりと描いて行くところだと思う。その優しく、静かな撮り方は心地の良いものだ。

けれど一方で、物語の本質だとか、主題に関わる
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ヘイトフル・エイト(2015年製作の映画)

4.5

「最後まで何が起こるのかわからず、ハラハラさせられた」
こういう言葉はよく、エンターテイメント系の映画を評する時に使われるけど、本当にそういう感覚を与えるものって意外と少ないんじゃないだろうか?
空気
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リップヴァンウィンクルの花嫁(2016年製作の映画)

4.7

「黒木華がかわいい」

この映画は、どこまでもリアルなおとぎ話だ、そう思った。

まず、どのようにリアルであるか、一つには、この映画において無駄にように見える部分が多い点がそのような効果をもたらしてい
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暗殺の森(1970年製作の映画)

4.7

2度目の鑑賞。初めて見たのは5年くらい前だろうか。「普通」になりたかった青年が順応者、ファシストへと変わっていく物語。始めに観たときにも、「彼は普通になりたかったんだな」と思って胸を打たれたけれど、今>>続きを読む

ミラクル・ニール!(2015年製作の映画)

3.7

軽い気持ちで見始めて、軽い気持ちのまま見終わることができた(いい意味で)。
自然なユーモアがあっていい。監督はサイモンペッグではないと思うんだが、この人はキャラクターだけでも十分楽しめる。ジョークなど
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TOO YOUNG TO DIE! 若くして死ぬ(2015年製作の映画)

3.4

コメディだと思ってぼやぼや見てたら結構真面目な話で妙に疲労してしまった。もちろんコメディで、随所で笑えるんだけど、やっぱり人が死んだり生まれたりするの何回も見るのって疲れるんだなと。
少し冗長なところ
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タッカーとデイル 史上最悪にツイてないヤツら(2010年製作の映画)

4.0

笑えたし、最後にはなんかいいものを見た気になる、よくできたコメディだった。勘違いと運の悪さから次々と事態が悪化していくのだけど、なんというか、「物語」に踊らされる人間って怖いなあと思ったし、タッカーと>>続きを読む

牯嶺街(クーリンチェ)少年殺人事件 デジタル・リマスター版(1991年製作の映画)

5.0

深い絶望があり、そしてそれ自体が希望であるような映画。語るべきことが多すぎて、かえって口ごもってしまう。真実以上の真実があった。

ミス・ペレグリンと奇妙なこどもたち(2015年製作の映画)

3.3

ティムバートンらしい、少し暗くて自由な想像力が見られて楽しかった。一番面白かったのは、日常から少しずつ未知の世界に入っていくところ。異能者は他の人と同じ時間を生きない、という構造が、異能者の孤独を際立>>続きを読む

第三の男(1949年製作の映画)

4.1


二度目の鑑賞。前回観た時が五、六年前なので全く違う印象を持った。一度目に観た時はわからなかったのだが、この作品のテーマは三角関係であると言える。主人公は正義だとか友情だとかを振りかざすが、それ
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ラ・ラ・ランド(2016年製作の映画)

4.5

夢を追う二人の若者を描いたミュージカル映画。最初の高速道路でのショーからグッと引き込まれ、最後まで爽やかに魅了される。観終わった後には、いい映画を観た!という感覚と、一つの大きな曲を聴き終えたよ>>続きを読む

湯を沸かすほどの熱い愛(2016年製作の映画)

3.8

題名の通りの深い愛を持った女性の物語。淡々と優しい日常が描かれていた。同じ問題を抱えた登場人物が多すぎるとか、お父ちゃんがダメ男すぎるとか、作りが粗い部分があるようにも思ったが、それを加味しても>>続きを読む

雨の日は会えない、晴れた日は君を想う(2015年製作の映画)

4.2

いい意味で予測のつかない映画。彷徨いが描かれている。始めに妻が唐突に亡くなる。男は悲嘆に暮れるが、様々な出会いを通して人生の豊かさに気付いていく…とは単純に言い切れない物語の展開。
まず、
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サバイバルファミリー(2017年製作の映画)

3.5

コメディのようなコメディじゃないような、不思議なバランス感のある映画。いわゆるパニックもののような強い切迫感はなく、淡々と物事が進んでいく。日常が非日常になり、気付いたらそれさえ日常になっているという>>続きを読む

パリ、テキサス(1984年製作の映画)

4.9

この映画については思い入れがあって、そのために上手くレビューすることができない。

砂漠を彷徨う男の姿から映画は始まる。物語が進んでからも、彼は砂漠にいるのだと観客は気付かされるだろう。愛の不毛さ、空
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ソーシャル・ネットワーク(2010年製作の映画)

3.4

スタイリッシュな映画。描かれるのはFacebook創業者の野心と孤独。
Facebookという現代的の重要なアイテムが描かれているために、観る前はマークザッカーバーグが時代を先駆ける人物として描かれて
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花とアリス殺人事件(2015年製作の映画)

3.6

「花とアリス」の方も観たので、鑑賞。全体の、予感を孕みつつも平和な空気感、少しだけジョーク調な感じ、などが前作と地続きに感じられ、ある種の安心感があった。が、その後このアニメが前作の11年後に作られた>>続きを読む

トレインスポッティング(1996年製作の映画)

3.7

続編が公開されることもあり、2度目の視聴。曇りばかりのスコットランドの、ヤクが吹き荒ぶ青春。
一見するとこの映画はドラッグの泥沼を描いた映画にしか見えない。ただ、彼らはなぜドラッグに走る
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シュガーマン 奇跡に愛された男(2012年製作の映画)

3.6

ドキュメンタリーは普段あまり見ないが、この映画において、「してやられた感」がある。事実は軽々と虚構とか、伝説を越えていく。
ドキュメンタリーにおいてどのくらい映画という枠組みを意識すべきなのかわからな
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この世界の片隅に(2016年製作の映画)

4.7

この映画では徹底して暮らしが描かれている。現代人が第二次大戦について言及する際、そこには必ずなんらかの思想が入ってきてしまう。そこには様々な考えの相違があって、誰かの思想が他の誰かにとっても絶対的なん>>続きを読む

バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)(2014年製作の映画)

4.2

このレビューはネタバレを含みます

過去にスーパーヒーローもので一世を風靡した俳優が、舞台で復活を図る姿を描いた映画、と言ってしまうと簡単だが、この映画はそのように単純に言い尽くせないもので溢れている。

例えば主人公は自らが超能力を持
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リアリティのダンス(2013年製作の映画)

4.1

このレビューはネタバレを含みます

ホドロフスキーはこの映画について「サイコマジックだ」と言及している。このサイコマジックとは現実を映画という技術によって塗り替えることであり、例えば「母はオペラ歌手になりたかったのだから、映画中ではずっ>>続きを読む

花とアリス(2004年製作の映画)

3.8

洗練された映画だと感じた。ユーモアを含んだとても温かい洗練が全編を覆っている。思うに、少女たちの繊細な感情の世界を慌ただしい現実やべき論の連続に埋没させないためにはこのような温かい緊張感が必要なのかも>>続きを読む

セッション(2014年製作の映画)

4.0

ラストが素晴らしかった。人間個人としての憎悪や因縁を越えていく音楽というものを描いており、セッションという邦題に納得がいった。(珍しく邦題が成功している映画と言えるだろう)