豚肉丸さんの映画レビュー・感想・評価

豚肉丸

豚肉丸

千と千尋の神隠し(2001年製作の映画)

4.4

少女性を強調させたフェティッシュで繊細な描写・運動によって描かれるプロテスタンティズム的自己救済としての「労働」を基調とした少女の成長譚は、丁寧な演出と物語構築アプローチによって強度を持った家族映画と>>続きを読む

たたえられよ、サラエヴォ(2006年製作の映画)

4.5

ボスニア紛争時、兵士による民間人虐待を鮮明に捉えた一枚の報道写真は、「文化は規範であり、芸術は例外である」とゴダールによるモノローグが重ねられることによって<例外>に位置づけられる最たる象徴として芸術>>続きを読む

オブセッション 災愛(2025年製作の映画)

4.3

「憧れの人からの愛情が執着へと変貌する」という典型的なロマンスホラーの枠組みに乗りながらも、「愛」に纏わる暴力を物語の俎上に乗せることで従来「女性」を脅威としてきたロマンスホラーの脱構築が図られる。突>>続きを読む

ヤンコおじさん(1967年製作の映画)

4.2

主軸は自身のポートレートと家族の肖像的なドキュメンタリーではあるものの、アニエス・ヴァルダがヤンコおじさんと対面する場面を何テイクも繰り返しながら演じ直す……という映像が意図的に挟まれる通り、「家族の>>続きを読む

Dieste: Uruguay(原題)(2017年製作の映画)

3.5

Eladio Diesteの建造物を見ていくドキュメンタリー。セリフが一切無いどころかその建造物の背景・文脈が提示されることすらなく、一枚一枚写真に収めていくかのように固定ロングショットで建造物が部分>>続きを読む

ブリスフリー・ユアーズ(2002年製作の映画)

4.6

ある不法移民のカップルが街から離れ森に向かうお話

映画が進行するにつれて「停滞」に向かっているのが面白い。車に乗り込んで街から離れるまでの40分の時点で既に「何も起きていない」が、森に向かってからは
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パーフェクト・ネイバー: 正当防衛法はどこへ向かうのか(2025年製作の映画)

4.3

長年に渡る隣人トラブルがある一つの事件に至るまでを警察のボディカム視点で追ったドキュメンタリー映画。

「子供達の騒音被害」を理由に始まった警察への通報が徐々にエスカレートしていく様がボディカムのアー
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ジョージア、白い橋のカフェで逢いましょう/見上げた空に何が見える?(2021年製作の映画)

4.5

「カメラが既に置かれている」という安心感が全編に渡って漂っていて最高。冒頭の出会いの場面が象徴しているように、既に置かれたカメラが持続したままフレーム内で発生するアクションを捉えるようなショットで構成>>続きを読む

ロングウォーク(2025年製作の映画)

3.7

ワンシチュエーション会話劇映画(ただし一定速度で歩き続けなければ死ぬ)

「歩き続けるだけ」のコンセプトが気になって観てみたら本当に歩き続けるだけで100分終わってビビってしまった。導入・回想も最低限
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A Sunday in Hell (英題)(1977年製作の映画)

3.8

正直普通のスポーツドキュメンタリーでしかないものの、カメラを置き続けることで選手→関係者→プレスが一直線上に通り過ぎて行く様を捉えるショットが度々出てくるのが面白い。一種の連続体としての自転車レースの>>続きを読む

劇場版 チェンソーマン レゼ篇(2025年製作の映画)

2.0

米津の主題歌を強調させるような「円」のイメージ連打は良いのだけれど、同じイメージの連発で流石に単調すぎる。コーヒーカップ、眼球、台風といった円形イメージを押し出すのは良いが、流石に連打しすぎてダルくな>>続きを読む

劇場用再編集版 ウマ娘 プリティーダービー ROAD TO THE TOP(2024年製作の映画)

4.4

新時代の扉とは異なり本作はナリタトップロードを主軸としながら三者三様の物語と走りを描く構成となっており、群像劇的イメージが強いがラストのレースで一気に綺麗に纏まっていく様が見事と言うしかない。地面を踏>>続きを読む

アニエスによるヴァルダ(2019年製作の映画)

4.4

アニエス・ヴァルダによるフィルモグラフィの解説。彼女の講演・インタビュー映像・本編映像を用いながらアニエス・ヴァルダ自身がフィルモグラフィについて解説していく。代表作から短編ドキュメンタリー、インスタ>>続きを読む

Goshogaoka(原題)(1998年製作の映画)

4.5

ある中学校のバスケ部が準備運動をしている様子を撮影したドキュメンタリー映画。

体育館を文字通り正面から捉えたフィックスショットはショットが切り替わっても一度も動くことなく、眼前で行われる運動を捉え続
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シラート(2025年製作の映画)

4.7

数ヶ月前にレイヴに向かい行方不明になった娘を探しに父と息子が砂漠で行われるレイヴ会場に向かうお話

レイヴ/砂漠/死の独立した三つのイメージが「戦争の記憶」によって結集するまで。父と息子が行方不明にな
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ブラックパンサーズ(1968年製作の映画)

4.3

アニエス・ヴァルダによるブラックパンサー党の活動をとらえたドキュメンタリー映画

主にインタビューと集会などの活動内容を映しながら理論的な面とその意義を中心に捉え出したドキュメンタリーだが、時々挟まる
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ヒア&ゼア・こことよそ(1976年製作の映画)

4.8

「ここ」と「よそ」
パレスチナで起きている虐殺を眺めている私達と、パレスチナ。
現在にも接続される「ここ」と「よそ」の対比構図は70年代においても「フランス人家族」と「パレスチナ解放」として対比するよ>>続きを読む

WEAPONS/ウェポンズ(2025年製作の映画)

4.6

突如として一クラス分の子供達が失踪した街で徐々に奇妙な出来事が起き始めて……というお話

思い返してみれば粗は多いし目立った粗もあるものの、それでも面白く良くできたホラー映画と言うしかない。教師、親、
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ウォー・オブ・ザ・ワールド(2025年製作の映画)

1.5

『宇宙戦争』をデスクトップシネマに翻案するというアイデアは面白そうに聞こえるが、そのアプローチの全てに失敗していて最早清々しさすら覚えてしまう。そのアイデアの元は『宇宙戦争』のラジオドラマから来てるこ>>続きを読む

THE MONKEY/ザ・モンキー(2025年製作の映画)

2.3

太鼓を叩く度に人が死ぬ猿のおもちゃのお話

「死に方」を楽しむ映画であるもののその「死に方」や映画の全体的なトーンが上滑りしているような感覚を覚えあまりハマらず。軽めのタッチで描かれる派手な人体破壊に
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国宝(2025年製作の映画)

2.5

流石に観客のことを舐めすぎだし、劇中挟まれる歌舞伎の場面のどれもが物語の推進力それ以上の意味を持っておらず、カットで切り刻まれては顔の提示が繰り返され映像的な快楽が微塵も感じられない。(運動や舞台上の>>続きを読む

ジュリーは沈黙したままで(2024年製作の映画)

4.4

長年のコーチがある事件により辞めることになるが、そのコーチに教えられていた少女は頑なに沈黙を保ち続けて……というお話

映画は沈黙を保ち続ける少女の姿を追いかけるのだが、基本的に練習風景/学校/家での
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裏窓(1954年製作の映画)

4.5

マジで覗き見だけの映画で笑ってしまったものの、シチュエーションが豊かで良くできている。確信的な証拠が掴めないまま「見る」だけでサスペンスが進行していくのが面白いし、結局力技なのかよと思う気持ちはありつ>>続きを読む

死刑台のエレベーター(1958年製作の映画)

4.4

初ルイ・マル。ヌーヴェル・ヴァーグの代表作観るぞ〜〜〜〜〜と軽い気持ちで観たらシチュエーションが恐ろしすぎてそれどころではなかった。
主軸の話は手や動作、顔などの一部を映すショットが多く対比的にサブプ>>続きを読む

エディントンへようこそ(2025年製作の映画)

3.8

小さな町の保安官を務める保守的な白人男性が市長と対立することになるお話

MAGAから見た2020年アメリカの混乱と悪夢。
2020年コロナ禍の社会情勢を「マスクの着用を拒否する」保守的な白人男性を通
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罪人たち(2025年製作の映画)

4.6

黒人の双子が酒場を開店するが、そこに吸血鬼が集まってきて……というお話

遅らばせながら鑑賞したが評判通り確かに傑作で驚いた。黒人音楽映画とジャンルホラーの二極を融合させながら見事なブラックエクスプロ
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GAMA(2023年製作の映画)

4.3

沖縄戦で民間人の避難先として使われた洞窟「ガマ」の中で起きた出来事が語られるドキュメンタリー

ただ一人の語り部が戦争の記憶を語るのみの映画で小学生の頃に受けた平和学習の追体験のような体験ではあるが、
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数分間のエールを(2024年製作の映画)

4.6



ある男子高校生が音楽の夢を辞めた教師の曲を基にMVを作ろうとするお話

しぐれうい『ひっひっふー』のMVが良かったため鑑賞。
映画自体がMV的感性で作られていて驚く。カメラは頻繁にドリーとパンを繰
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燃え上がる生物(1963年製作の映画)

3.7

公開当時全米で上映が禁止され猥褻物として監督が逮捕された……というセンセーショナルな逸話を持ったアンダーグランド映画の先駆けとして知られる本作。正直衝撃性は薄いものの、ドラァグクイーンなどのクィアの乱>>続きを読む

Backwood: The Barn Massacre(原題)(2022年製作の映画)

3.8

遂にハウス系の音楽まで流れるようになった『Backwood Carnage』の続編。前作よりも短い代わりにより「映画」的な見栄えになり画作りなどのルックスが良くなったが、前作のシンプルなショーリール的>>続きを読む

Backwood Carnage(原題)(2021年製作の映画)

4.1

森の中に住む怪人が殺人を繰り返すゴア短編映画。

物語性は一切無く、殺害の瞬間が詰まったゴアパフォーマンスビデオのような映画。どれも死体の造形が良く、殺害の瞬間も良くできている。顔の皮を剥がし、目玉を
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平成狸合戦ぽんぽこ(1994年製作の映画)

4.4

授業で鑑賞
左翼の闘争と学生運動の映画すぎて興奮。人も狸もバンバン死ぬのが良いし、機動隊に駆逐された狸の死体が積み上がるショットが異様に良い。

TALK TO ME/トーク・トゥ・ミー(2022年製作の映画)

4.3

若者のドラッグ・カルチャーと降霊術。掴みも題材も好みだったものの、中盤以降わかりやすく停滞しており残念。事態の悪化や繰り返される幻覚描写も悪くないが、ただ「幻覚が見える」と言った要素が繰り返されるだけ>>続きを読む

ファイナル・デッドブラッド(2025年製作の映画)

4.5

祖母が大惨事に巻き込まれ死ぬ悪夢を見るようになった女子大生が祖母にコンタクトを取ったことをきっかけに死の連鎖が始まってしまう……というお話

自分語り。小学2年生の頃『ファイナルデッド・ブリッジ』のポ
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