19話、単発のエピソードとは思えないくらいウォーキング・デッドの世界が詰まっている。
新キャラクターがこのシーズンだけで退場してしまうのは、少しもったいないような気もする。
スーパーヴィランのくだりは、大量破壊兵器との構図を彷彿とさせる。
一旦終わりを見せた上で、後日譚として2話だけサラ救出劇を描くという構成には疑問が残る。
抑揚のない問題発生と解決の繰り返しに退屈を感じつつある。前シーズンで憎らしく思えたベリックの変化が救いにも思える。
ある出来事を境に感情が大きく変わることはままあるものの、それが人間に向けられたものだとさすがにちょっとおかしな様子に見えるなあと、マイケルと父のシーンで思った。
脱出案と失敗の繰り返しが途中からお決まりの流れになってくるが、塀の外でも背景の謎が明らかにされ事態が進行するので、退屈する暇がない。サラ・ウェイン・キャリーズは落ち着いたキャラクターがよく似合う。
他のキャラクターが人間性をさらけ出しているぶん、ブランの悟ったような (実際悟っているんだろうが) 態度がどうも癪に障る。が、だからこそこの物語では彼が上に立つべきなのだろう。
大きな問題が立て続けに終息して、それまでとは明らかに違う爽快感がある。明確な主人公がいないぶん、壮大なサーガのうねりをより強く感じる。
スタニスの進行は、悪い方向にいっているという報告だけが描写されるだけで、納得感がない。顔の無い男の禅問答のようなやり取りは魅力的だが、この作品に求められているものとはずれている気がする。
シリーズ中おそらく初めて、「一方その頃」演出がなく舞台が変わらないエピソードがある。壁の北との戦いが、ジョンがどれだけこの物語にとって重要かがわかる。
スターク家がさらなる絶望に包まれる。それまでのシーズンと比べて、最終話が出来事の伝達に留まっているので尻すぼみに感じられる。
1よりも派手さにかけるけれど、ティリオンに焦点が当たっているシーズンだと考えれば楽しめる。
序盤から固有名詞が次々に登場しすぎるのが玉に瑕。