calroさんの映画レビュー・感想・評価

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ソウ2(2005年製作の映画)

3.7

シリーズ2作目。ジグソウを捉えたエリックと、エリックの息子ダニエルを含む8人に科せられた解毒剤の注射器を巡るデスゲーム。見事なまでにジグソウの手中に落ちるエリックと、一つひとつの魅力的な仕掛けと、極限>>続きを読む

デ・ヴィル家への招待状(2022年製作の映画)

3.2

ニューヨークで暮らす女性がDNA鑑定サイトを通じてイングランドの遠い親戚とであり、豪勢な屋敷に招待される。不気味な屋敷の世界観と、スムーズな展開の中に散りばめられる分かりやすい違和感と、ウォルターの秘>>続きを読む

ブラックライト(2021年製作の映画)

3.2

FBI長官直属の潜入捜査官を救うフィクサーが巻き込まれるFBIによる一般人殺害の真相と、一人の老いた男の葛藤と、危険を顧みず真実を公表するために奮闘する記者と、何と言ってもリーアム・ニーソンの存在感は>>続きを読む

ソウ(2004年製作の映画)

4.1

シリーズ1作目。目覚めると足を鎖につながれたアダムとゴードン、部屋の中央には自殺した死体が転がる、謎が謎を呼び、一つひとつ真相に迫っていくスリリングな展開と、徐々に明らかになっていく犯人の意図と、人間>>続きを読む

ラバーボーイ(2014年製作の映画)

3.2

子供のころにイジメを受けた男の歪んだ怒りが向かう、美女たちの集うポルノサイトの生配信中の殺戮劇のシンプルな構図と、スラッシャーらしさ全開の勢いと、多くを説明しすぎずに一気にどうでも良くなる豪快な展開が>>続きを読む

デッドプール&ウルヴァリン(2024年製作の映画)

4.0

シリーズ14作目。前作に続き相変わらずのやりたい放題ながら、まさかのMCU入りでXMENシリーズだけにとどまらないカオスな世界観と、いきなりウルヴァリンを引きずり出して好き勝手できるのは強い。相変わら>>続きを読む

テリファー 終わらない惨劇(2022年製作の映画)

3.6

シリーズ2作目。相変わらずのアートの物言わぬ圧倒的な存在感は見事。シエナとジョナサンの思春期的葛藤や家族との関係性をじっくり描きつつも、ありとあらゆる手段を使いながら、一つひとつの丁寧な残虐性と新鮮な>>続きを読む

アトラクション -侵略-(2020年製作の映画)

3.4

シリーズ2作目。ロシア製SF大作。本格的な異星人の侵略により存亡の危機に至る地球の圧倒的な映像と、通信のハッキングによって見事なまでに翻弄される人類の脆弱さと、迫りくる世界の終焉への破壊力は見事。

レディ・オア・ノット(2019年製作の映画)

3.6

名家に嫁ぐ花嫁が巻き込まれる家族行事の奇怪ながらスマートな展開と、否応なしに巻き込まれていくスリリングな展開と、その狂気の伝統であるが故の揺るがなさがちゃんと恐ろしい。とにかく軽快でコミカルさもありつ>>続きを読む

アトラクション -制圧-(2017年製作の映画)

3.4

シリーズ1作目。巨大宇宙船が飛来したモスクワを舞台に描いたロシア製SF大作。いきなり圧倒的なVFXと、異星人とのスムーズな邂逅から広がっていく物語と、いかにもな二人の出会いによって世界の運命を左右する>>続きを読む

アイヒマンの後継者 ミルグラム博士の恐るべき告発(2015年製作の映画)

3.5

社会心理学者スタンレー・ミルグラムによるミルグラム実験を克明に描くことで、平凡で仕事熱心な公務員の歴史的所業に潜む人間性を浮き彫りにする展開は見事だし、実験そのものの異様さと、実験によって表出する社会>>続きを読む

伏 鉄砲娘の捕物帳(2012年製作の映画)

3.4

猟師として育てられた少女が江戸で出会う謎の青年との邂逅から巡る美しい映像と躍動感と疾走感と、淡い感情の優しさと、狩る者と狩られる者の絶妙な距離感と、軽快な展開だからこその軽妙さは見事。

アポカリプスZ ~終末の始まり~(2024年製作の映画)

3.3

突如広がる感染と、急激に変容する日常に取り残された男の王道ゾンビ作品。広がりすぎず、説明しすぎず、淡々と変化した日常の中で生き残るためにもがき続ける男の生き様のスリリングな展開がちゃんと面白いし、王道>>続きを読む

テリファー(2016年製作の映画)

3.7

シリーズ1作目。突如現れる謎のピエロのような何か。たまたま出会う二人の女性が執拗に狙われ、出会うものがひたすら無残にも殺されていく残虐さと、物言わぬ何かの圧倒的な存在感と、その存在の不可解さと、圧倒的>>続きを読む

大雪海のカイナ ほしのけんじゃ(2023年製作の映画)

3.5

アニメの続編となる劇場版。地表を覆う大雪原によって天幕での生活を余儀なくされ、文明が失われた世界で、水源を求めて大軌道樹を目指す壮大な世界観と、独裁国家の巨大兵器による大軌道樹の破壊によってもたらされ>>続きを読む

ハッチング―孵化―(2022年製作の映画)

3.8

母親から厳しい教育受けるティンヤが拾った卵によって表出していくティンヤと家族との関係性の妙を描く北欧ホラー。忍び寄ってくるアッリの異質な存在感と、自らの幸福に執着する母親のツールとしての少女の抱える苦>>続きを読む

チャレンジャーズ(2023年製作の映画)

3.9

幼いころから共に切磋琢磨しあった二人の男が一人の女性によって翻弄されていく凄まじさと、三人のテニスプレーヤーとしてのそれぞれの道と、それ故の豪快な展開に引き込まれる。揺れ動き続ける駆け引きとゲームとそ>>続きを読む

ルックバック(2024年製作の映画)

4.2

漫画を描くことに向き合う藤野と京本の二人の少女の才能と努力と運命の交錯が凄まじい。目まぐるしい等身大の感情の機微の美しさと、羨望と虚栄心と圧倒的な努力と、その運命的な出会いの生む衝撃的な未来と、細かな>>続きを読む

シビル・ウォー アメリカ最後の日(2024年製作の映画)

4.2

分断されたアメリカにおいて大統領のインタビューのためにワシントンDCに向かうジャーナリストのロードムービーでありながら、圧倒的な生々しさと残酷さと、その平然としたどうしようもなさを目の当たりにしながら>>続きを読む

陰陽師0(2024年製作の映画)

3.6

夢枕獏の「陰陽師」シリーズの前日譚。安倍晴明が陰陽師になる以前陰陽寮の学生の時代、特異な物語でありながらその丁寧な説明と、呪術ものとして映像で持っていける豪快さと、その中で際立つ山崎賢人の存在感は単純>>続きを読む

ドロステのはてで僕ら(2019年製作の映画)

4.0

ある時カメラのモニターから2分後の自分が語りかけてくるところから始まる2分後の未来モニターによって展開する奇妙な物語。謎の未来モニターに翻弄され続ける展開だけど、そのちょっとした未来と過去との交流が生>>続きを読む

破墓/パミョ(2022年製作の映画)

3.6

代々続く謎の病と謎の深まっていく先祖のお墓を巡る怪奇現象の真相に迫っていくスリリングな展開と、なぜだかその独特の世界観にみるみる引き釣り困れていく経過な展開で、何に直面しているのわからない奇妙な不安感>>続きを読む

北極百貨店のコンシェルジュさん(2023年製作の映画)

3.8

様々な動物の来店する北極百貨店でコンシェルジュの奮闘を描くコミカルでありながらそれぞれのキャラクターの個性と、コンシェルジュによって広がっていく繋がりの生む軽妙な展開が魅力的。一つひとつのエピソードが>>続きを読む

13デイズ(2000年製作の映画)

3.8

1962年キューバ危機を描く大統領特別補佐官と大統領周辺の鬼気迫るスリリングな展開と、刻々と変化する現状と、それぞれの役割や立場による意見の交錯と、一つ間違えば本当に核兵器による第三次世界大戦につなが>>続きを読む

ロスト・キング 500年越しの運命(2022年製作の映画)

3.7

たまたま見たシェイクスピアのリチャード三世から突き動かされる奇妙な情熱と執念と、本当にリチャード三世に導かれているような実話ベースの物語。積み上げられた歴史と、根拠のない違和感の奇妙な交錯の連続であり>>続きを読む

ミス・ペレグリンと奇妙なこどもたち(2015年製作の映画)

3.8

ティム・バートンの描くおじいちゃんから気化された奇妙な昔話と、時間の繰り返す世界の不思議な子供たちと、ジェイクによって導かれるファンタジーでありながら、世界の片隅に住まう存在の孤独と勇気の物語はちゃん>>続きを読む

落下の解剖学(2023年製作の映画)

4.0

雪山の山荘で家族3人で暮らす中で、突如夫が転落死をするところから始まる裁判と、残された妻と子供が直面する現実への対処と、残酷なまでの検察の追求によって浮き彫りになる家族のあり方と、溢れ出るぞれぞれの感>>続きを読む

リバー、流れないでよ(2023年製作の映画)

3.9

貴船の老舗旅館で突如発生する2分間のループ現象と、終わらないループの謎と翻弄されるスタッフと宿泊客のコミカルで軽妙なやり取りだけをひたすら繰り返す異様さと、それなのになんだかほのぼのしつつも、個性的な>>続きを読む

ミステリと言う勿れ(2023年製作の映画)

3.6

テレビドラマの劇場版。広島を観光していたら突如現れる女子高生の真剣な相談から事件に巻き込まれていくミステリーらしい展開と、謎が謎を呼び殺されていく一族の真相と、それぞれのキャラクターと、久能整の淡々と>>続きを読む

プラットフォーム2(2024年製作の映画)

3.0

シリーズ2作目。前日譚。衝撃的な前作だからこその続編は難しい。法に依る秩序と支配、自由への欲動と暴走へ一気に加速していくスリリングな展開は見事。そのまるで希望のない人間の根源を引きずり出される謎の閉鎖>>続きを読む

クーパー家の晩餐会(2015年製作の映画)

3.4

クリスマスイブに集まるクーパー家の一人ひとりのそれぞれが抱える物語が終始コミカルに展開される軽快さと、なんだか雑な感じのコメディっぽいテイストで、何も考えずに見ていられるのがいい。それなのに徐々に愛着>>続きを読む

ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ(2024年製作の映画)

4.2

シリーズ2作目。前作の衝撃から、捕らえられた男の揺れ動く狂気の欲動に引きずり込まれる。大きな展開がない中で淡々と描かれる男の内側と、破壊的衝動のアイコンを求め続ける観客と、アーサーでもありジョーカーで>>続きを読む

碁盤斬り(2024年製作の映画)

3.9

古典落語「柳田格之進」をベースにした物語。囲碁の因縁から嵌められ藩を追われ、妻を失い、娘と共にひっそりと暮らす浪人の孤高の生き様は見事。淡々と囲碁を打つ美しい映像と、その儚い運命に翻弄されながらも、草>>続きを読む

ウォンカとチョコレート工場のはじまり(2023年製作の映画)

3.7

ウィリー・ウォンカがチョコレート工場を作る前の若き日の物語。安宿で雑に騙され、チョコレート組合に邪魔されながら、それでもチョコレートを作り続けてちゃんと物語が展開していくハッピーなミュージカルで、ティ>>続きを読む

アクアマン/失われた王国(2023年製作の映画)

3.8

シリーズ2作目。DCEU。アーサーへの復讐に燃えるブラックマンタが手にする失われた王国のトライデントを巡る豪快さと、アーサーとオームのコミカルで軽快なやり取りと、圧倒的な映像美とアクションは間違いない>>続きを読む

劇場版 PSYCHO-PASS サイコパス PROVIDENCE(2023年製作の映画)

4.0

アニメ3期に至る物語。謎のテロリストを追う公安局刑事課と外務省行動課による殺された博士の残した文書を追うPSYCHO-PASS感満載の展開と、もはや当たり前のようにドミネーターが通用しない敵と、かなり>>続きを読む