けんざさんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

シン・仮面ライダー(2023年製作の映画)

2.5

平成ライダー(オーズと電王)を少しかじった程度の初心者としては、正直つまんなかった。賛否両論らしいので、教養のある人なら楽しめるのかな。

もともとTV版で挫折したのも戦闘シーンがつまらないってのが理
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エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス(2022年製作の映画)

3.0

"何でもアリ"のバーリトゥードスタイルを貫いていることが、この映画の最大の魅力であり、同時に最大のリスクでもあると思う。

マルチバースというテーマについて、今まで自分が観てきた作品は、ある程度整合性
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逆転のトライアングル(2022年製作の映画)

4.1

ジョーダン•ピールの『ゲット•アウト』を観た時と同じ興奮。「こんなに面白い風刺映画撮る人いるんだ!」っていう発見の喜び。リューベン•オストルンドの映画は今後もチェックしていくつもり。

しかもテーマは
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ボーンズ アンド オール(2022年製作の映画)

4.3

このレビューはネタバレを含みます

最近食人モノにばかり当たる。今読んでいる本もケッチャムの『オフシーズン』で、これから待ち受けているであろう激しいゴア描写を考えるとげんなりする。

比較すると、こちらもカニバリズム主体ではあるけど、同
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バビロン(2021年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

サイレントからトーキーへの移行期、ハリウッドで夢を叶えた者たちの栄枯盛衰。バビロンと言っても、正体は砂上の楼閣に過ぎない。遠巻きに見る分には大層ご立派なものだが、近づいて見るとそこには空虚があるだけ。>>続きを読む

アバター:ウェイ・オブ・ウォーター(2022年製作の映画)

4.4

このレビューはネタバレを含みます

知人の勧めもあり、Dolbyで鑑賞。

まるで別の星の生態系ドキュメンタリーを観ているような感覚。自分のようなナショナルジオグラフィック好きは間違いなく食いつくだろう。そしてスクリーンいっぱいに広がる
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ようこそ映画音響の世界へ(2019年製作の映画)

3.5

映画音響の歴史を辿る旅。

特にSWがブレイクスルー的作品としてピックアップされていたのは嬉しかった。ライトセーバーは映写機とブラウン管の合成音、ブラスターは張り詰めたワイヤーをハンマーで叩いた音、ダ
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アイズ ワイド シャット(1999年製作の映画)

3.3

このレビューはネタバレを含みます

現実↔︎夢、仮面↔︎裸など、対称性というテーマでは分かりやすい映画だった。結局男女の関係はセックスに基づき収束するってこと。でも正直、これで終わり?感も否めない。平穏な生活を取り戻せたのだから…って悪>>続きを読む

ザ・メニュー(2022年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

"孤島のレストランで起こるホラー"の時点で『注文の多い料理店』のようなカニバリズム的展開を予想していたけど、ちゃんと正統派のホラーで安心した。むしろ客の想像がついてしまうスケールの中でしっかり楽しませ>>続きを読む

ザリガニの鳴くところ(2022年製作の映画)

4.2

このレビューはネタバレを含みます

湿地帯の不審死事件の裁判とカイアの半生が交互に展開されて物語は進む。無罪判決が下ったときは涙が止まらなかったし、ラストも予想していたとはいえ衝撃が大きかった。テイトがやったのかと思ってたんだけどね。>>続きを読む

MEN 同じ顔の男たち(2022年製作の映画)

2.7

このレビューはネタバレを含みます

これ『アナイアレイション』と同じ監督なのか、道理でちんぷんかんぷんなわけだわ。強烈なビジュアルと宗教的モチーフ、A24特有の静と動の描写が大胆に展開されていく感じ。ただ前作と同様、作品に引き込まれる瞬>>続きを読む

RRR(2022年製作の映画)

4.1

歴史モノ•派手なダンスというイメージ通りの作品ではあったけど、多様性だったりコンプラの影響を受けずに、ドメスティックな環境で熟成されたボリウッド作品には言い表せぬ魅力があると思う。3時間スクリーンから>>続きを読む

THE FIRST SLAM DUNK(2022年製作の映画)

4.4

最後の20秒間に全てが詰まってる。

キャスト変更で逆風の中、原作ファンの文句をねじ伏せる快作だった。媒体が3DCGに変わろうとも、「井上雄彦 脚本•監督」である限り本質は変わらない。また漫画読みたく
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すずめの戸締まり(2022年製作の映画)

3.6

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これが新海誠の第1作だったら物凄く感銘を受けていたと思う。ただ語弊を恐れず言えば、自然災害とスクラップアンドビルド、都市部と田舎の学生の恋愛、時空間を超越する異世界といった設定が、『君の名は』とあんま>>続きを読む

羅生門(1950年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

格調高く、しかしながら手厳しく人間の真髄を露わにする。無駄な情報を一切出さず、90分という決して長くもない時間でこれほど濃密な人間劇を展開できるのは、もはや機能美という言葉が相応しい。流石、金獅子賞受>>続きを読む

ジョー・ブラックをよろしく(1998年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

死神が人生の素晴らしさに触れて心変わりするというのはよくある筋書きだけど、ビル、ジョー、スーザンの演技が素晴らしくて3時間飽きなかった。特にジョー。イケオジのブラピも大好きなんだけど、あどけなさを残し>>続きを読む

下妻物語(2004年製作の映画)

3.7

今や絶滅危惧種となった暴走族とロリィタ族、群れの中で生きてきた女と一匹狼を貫く女が相反する生き方に惹かれあっていく。

勢い良すぎの展開、無茶するド派手なキャラたち、でも大切なことはストレートに教えて
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四畳半タイムマシンブルース(2022年製作の映画)

4.5

『四畳半神話大系』『サマータイムマシンブルース』両方のファンだけど、これは原作未読だったので新鮮に楽しめた。両方の設定と世界観をフルに活かせてたし、湯浅ワールドでヨーロッパ企画の雰囲気を再現してるのも>>続きを読む

アルプススタンドのはしの方(2020年製作の映画)

2.7

高校野球の客席が、単に青春を象徴する舞台装置として消費されているように感じてしまい、あまり好きになれなかった。高校演劇の戯曲には相応しい題材なんだろうけど。

何故応援という"非生産的"文化が成立して
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沈黙のパレード(2022年製作の映画)

3.6

このレビューはネタバレを含みます

ガリレオシリーズはドラマから追ってるけど、鑑賞後に残る後味の悪さが絶妙で大好き。プロットとしては、湯川が華やかに数式を解いてみせ、実験を繰り返して真相に辿り着く、というのが定番の見せ場であっても、やっ>>続きを読む

恋する惑星 4Kレストア版(1994年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

エキゾチックな香港の下街で織り成される男女2組の群像劇。特に終着点もなく、出会いと別れの間に何ができるのかという話。

フェイが登場したとき、『アメリ』みたいに純情だけどちょっとクセ強めの女の子を想像
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NOPE/ノープ(2022年製作の映画)

2.9

このレビューはネタバレを含みます

前2作と比較したら微妙だったな。ジョーダン・ピールの知性を感じるホラーが好きなのに、今回はパニック映画に寄せすぎて、持ち味のコメディも社会風刺も薄めだった気がする。

鑑賞後あまりにモヤモヤするから解
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ONE PIECE FILM RED(2022年製作の映画)

2.5

中2で20巻くらいまで読んだのが最後の記憶。ワンピ好きの友達に特典欲しいから付き合ってくれと言われて、ほぼ前情報なしで行ったけど、未読でも置いてけぼりにはならなかった。Adoの表題アルバム聴いてたおか>>続きを読む

となりのトトロ(1988年製作の映画)

3.5

今見返してもアイコニックなシーンの多さに感動する。久石譲の音楽は何故こうもノスタルジーを掻き立てるのか。

海外吹替版だと、サツキ&メイの声優をファニング姉妹が担当してるのが良い。

サバカン SABAKAN(2022年製作の映画)

4.2

日本人全てが心に持っているであろう原風景。掛け値無しの尊さがある。

思えば、田舎は「人情深くて互助精神の行き届いた古き良きコミュニティ」という都会人のイメージを押し付けられ、それに対し田舎出身者の「
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ジュラシック・ワールド/新たなる支配者(2021年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

期待を大きく超えることも下回ることもなく、ちゃんと既定路線に則って続編を作ってた。案の定燃え盛る研究所をバックにヘリで飛び立つ終わり方で笑っちゃったし、シリーズ通算6作目で人類との共存を探り出すの遅く>>続きを読む

ベイビー・ブローカー(2022年製作の映画)

4.1

このレビューはネタバレを含みます

心の揺れ動きを丁寧に描く日本映画の良さと、大胆な表現で風刺をエンタメとして成立させる韓国映画の良さが上手く噛み合い、考えさせるテーマの中に爽やかな感触を残す素晴らしい作品だと思った。

育児放棄や人身
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リコリス・ピザ(2021年製作の映画)

3.9

このレビューはネタバレを含みます

掴みどころのないフワフワした作品で、何が良かったかを言語化しろと言われると難しいんだけど、鑑賞後言いようもない充足感に包まれたことを鑑みるに、どうやら自分にとって心地良くラフな映画であったらしい。>>続きを読む

名探偵コナン ハロウィンの花嫁(2022年製作の映画)

3.2

紺碧の棺以来の劇場版コナン。最近のコナンは尽くハズレと聞いていたので期待せず観たが、思いの外良かった。過度なアクションシーンも共感性羞恥シーンも控えめ。BUMPのEDテーマもどこか寂し気な雰囲気で感傷>>続きを読む

こちらあみ子(2022年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

今村夏子の前作『星の子』が忘れられず、今回もオンライン試写会で観た。

一体この人はどれだけ子供心を弄べば気が済むのか。逃れられない地獄を脱したかと思えば、全てを解放する代わりに新たな地獄へ突き落とす
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君の名前で僕を呼んで(2017年製作の映画)

3.2

美しい風景や哀愁漂う音楽に惹きつけられたのは事実だが、感情がウンともスンとも動かなかった。このシチュエーションがあまりに用意されすぎていて反発してしまったというか。

優雅な大自然と理解ある家族に囲ま
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犬王(2021年製作の映画)

2.5

このレビューはネタバレを含みます

いやーこれは期待外れかも。室町期を舞台にしたロックオペラなんだけど、結局やってること『どろろ』と一緒やんっていう。ストーリーも冗長で中弛みしてるし、一曲あたりの尺も長すぎ。

音楽としての試みはロック
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トップガン マーヴェリック(2022年製作の映画)

3.8

相も変わらず男のロマン全部詰め込んだるわって感じの古臭いハードボイルドなんだけど、それがちょっと嬉しかった。30年前と全然変わってない。このクサさが許されるのは、トップガンとトム•クルーズっていう最高>>続きを読む

パーティで女の子に話しかけるには(2017年製作の映画)

3.2

このレビューはネタバレを含みます

思ってたのと全然違う。パンクロックと電波系SFの融合っていう実験的な作風だけど、相性が良かった気もするし全然マッチしてなかったような気もする。よく分からん。作りたいもん作ればいいじゃんの精神。

繁殖
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シン・ウルトラマン(2022年製作の映画)

4.3

原作を観たこともないし、事前知識も皆無に等しい、まっさらな状態で観た。面白い。余韻に浸れる。もう一度観たい。

シン•ゴジラのように無機質な災害対応劇なのかと思っていたところ、感覚としてこれはシン•エ
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ブリュッセル1080、コメルス河畔通り23番地、ジャンヌ・ディエルマン/ブリュッセル1080、コルメス3番街のジャンヌ・ディエルマン(1975年製作の映画)

2.5

これを手放しで傑作としてしまう勇気は自分にはない…

未亡人女性のありふれた3日間を映し出す、元祖vlogとでも言うべき試み。特筆すべきは長回しの多さ。見ていられる長回しと見ていられない長回しの2種類
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