minadukiさんの映画レビュー・感想・評価

minaduki

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友だちのパパが好き(2015年製作の映画)

5.0

休日の朝、ベットの中でぼんやりと見始めた
安いエロコメディだろうとタイトルから選んだ
ふやけきった頭にはちょうどいい

しかし、キャスティングのセンスがよすぎる
つまらない脚本には出てこない人たちが出
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ゴールデンカムイ(2024年製作の映画)

3.0

冒頭、203高地での突撃シーンはカメラ、ワイヤーアクション、カット割とも素晴らしく、スピード感で一気に引き込まれる。

それ以降、全編アクションの連続。
緊張と弛緩のバランスは緊張8に弛緩2割という感
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PERFECT DAYS(2023年製作の映画)

4.5

昨年から気になっていた映画、危うく見落とすところでした
近所の映画館では終わっていて、少し離れた映画館に観に行きました

人の一生はルーティンの繰り返し、意味あることはなにも残さず、知りたかったことは
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ほかげ(2023年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

戦争は全ての人間性を圧殺するような巨大な残酷さに満ちているが、どんな苛烈な環境にあろうとも、人の心には決して消し去ることのできない、小さな暖かな炎が“ほかげ”のように灯っている
人間の最後の善性を信じ
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ナポレオン(2023年製作の映画)

3.5

歴史年表のように、ナポレオンの経歴を士官から将軍、執政官、皇帝、流刑、復権、再度流刑と見せられる

並行して妻ジョセフィーヌとの出会い、結婚、不貞、諍い、離婚、密会、死別が描かれる
実はこの映画の主線
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(2023年製作の映画)

4.4

『徳をもって治めるが王道。武をもって治めるが覇道。覇道は王道に及ばぬもの』
今週オンエアされた『どうする家康』の中の台詞だ
これまで戦国の三英傑を描いてきた映画やテレビドラマは、天下人たちを王道の執行
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君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

公開後、すぐに劇場に足を運んだ。そして以下を書き込んだが、あげずにそのままにした。
それは、見終わった直後に感じたことが正しいのか、少し間をおいてから判断しようと思ったからだ。
それくらいこの映画は心
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バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)(2014年製作の映画)

4.1

坂本龍一の最後の著作『ぼくはあと何回、満月を見るだろう』にこの監督・イニャリトゥとの一節があり興味を唆られてこの映画を見始めた
始まってすぐにこれはただならぬ映画が始まったと感じ、吸い寄せられるように
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あちらにいる鬼(2022年製作の映画)

3.7

原作井上荒野
父親(井上光晴)と愛人(瀬戸内晴美)、母親との三角関係を実の娘が、愛人からの視点で書いた小説。
映画にも原作同様、娘から見た母親寄りの視点や、家族が崩壊するかもしれないという不安は描かれ
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怪物(2023年製作の映画)

4.0

途中まで『羅生門』かなと思って観ていたが違った 羅生門が一つの事象が主観によって全然別のものに見えてしまう 何が真実か誰にもわからない を描いたのに対して、『怪物』が描いたのはそこではなかった

人に
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グリーンマイル(1999年製作の映画)

2.5

観たつもりになってたけど観てなかった映画をやっと観た篇その2

いゃ〜困った 一月も前に配信で観たのだが、どう感じていいものか、自分の中のどの引き出しに残すべきなのか悩みに悩んで今日まで引っ張ってしま
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バグダッド・カフェ<ニュー・ディレクターズ・カット版>(1987年製作の映画)

4.5

ずっと観たつもりになっていて、実は観てなかった名作
89年の公開当時ミニシアターブームを作ったロングラン映画でポスターの給水塔のイメージが強く残った為もあり観たつもりになってたのかもしれない

物語の
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ノック 終末の訪問者(2023年製作の映画)

3.0

キリスト教社会では常識的に知られているらしい、終末に現れる黙示録の四騎士神話を使ったスリラー

『シックスセンス』以来久しぶりで劇場で観たシャマラン映画です

ある3人家族に、究極の選択が突きつけられ
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コーダ あいのうた(2021年製作の映画)

4.0

聾の両親と兄のもとでヤングケアラーとして育った健常者の少女が、家族への愛と自分の人生の選択で葛藤する物語
このさわりから感じる重苦しさはなく、小気味よく抑揚しながら見せていくウェルメイドなエンタテイン
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妖怪の孫(2023年製作の映画)

2.0

新宿ピカデリー、平日の夕方
予想に反して満員でした
上映館が少ないせいもあるでしょうが意外でした
客層の年齢の高さにも驚きました
九割以上が団塊、全共闘世代です

私には全くもの足りませんでした
テー
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エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス(2022年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

1)あまり儲からないが手間ばかりかかる家業のコインランドリーを嫌々切り盛りし、煩雑な家事労働と夫への失望、呆けた父親への嫌悪感、同性愛者の娘との不和に疲れ果てた中年女のヒロインは、擦り切れる寸前のクラ>>続きを読む

BLUE GIANT(2023年製作の映画)

4.0

原作未読で予備知識なく観ましたが楽しめました

今まで見てきたバンドものの多くは、音楽そのものよりもメンバーの絆とチームワークを描く青春友情物語でしたが、この映画はジャズそのものの厳しさと素晴らしさと
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トップガン マーヴェリック(2022年製作の映画)

3.5

まだシネコンも配信もない、レンタルビデオさえない、70年代から80年代、映画館の系列も限られていて、洋画メジャー、邦画メジャー、少しのアート系と成人映画館の中から、皆がぴあを買って映画を選んでいた時代>>続きを読む

その日のまえに(2008年製作の映画)

3.5

重松清の連作短編集のいくつかの話を一本の映画に組み込んで、一つの物語にしたのだけれど、並行するエピソードが主線を際立たせる効果を生んでいない
バラバラの出来事が終盤に向けて一つに収斂してゆくカタルシス
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転校生 -さよなら あなた-(2007年製作の映画)

4.0

大林監督の映画を見ていると、行ったことのない街の風景が、何故か自分の故郷の様にとても懐かしく見えてくる

大林監督の青春映画を見ていると体験したことのない出来事が、何故か自分の過去のように面映ゆく思え
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(秘)色情めす市場(1974年製作の映画)

4.0

大阪釜ヶ崎のドヤ街で春をひさぐ二十歳の娼婦の日常点描

ファンタジーが入り込む余地などどこにもない徹底的なリアリズムを見せられる

日本のある時期の、ある場所でのどうしようもない現実をそのまま真空パッ
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暴行切り裂きジャック(1976年製作の映画)

3.0

血を写すことを自制していたロマンポルノでは超異色作!

ケーキナイフを陰部に突っ込まれて臍の下まで引き裂かれた下腹部からダラダラと赤黒い血が流れ出す
エロさの前に痛さがくる
私にはそちらの嗜好がない為
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クィーン(2006年製作の映画)

4.2

書棚の奥にしまっておいたDVDを取り出した
ヘレンミレンの演じる女王エリザベスが好きで、何度もリピートした愛蔵版を女王の訃報を聞いて、お弔いのつもりで見返した

この映画は女王の私的な生活と心情を描き
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勝手にしやがれ(1960年製作の映画)

4.0

やっとこの映画の面白さがわかりました
当たり前のように見ていた手持ちカメラ、ロケーションとロケセット、ジャンプショット、流れるように途切れないセリフと音楽、衣装もメイクもクルマもクローズアップもみんな
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浅田家!(2020年製作の映画)

2.5

長い
もう少し刈り込んだ方が面白くなったと思う

竜とそばかすの姫(2021年製作の映画)

3.0

普通の女子高生が仮想空間に謎の歌姫として突然出現しバズる
そのカリスマ表現の見事なこと
対照的な田舎ののんびりした緑多い風景もよい

リップヴァンウィンクルの花嫁(2016年製作の映画)

4.0

リップヴァンウィンクルの花嫁は大人のお伽噺でした

無垢な女の子が、メフィストフェレスにいざなわれて、地獄めぐりの旅をします
その道中をハラハラドキドキしながら見守ります

内気で話しべた世間知らずの
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キューブリックに愛された男(2016年製作の映画)

3.0

『キューブリックに魅せられた男』と対で観ると面白さがより際立つ

『魅せられた男』は作家としてのキューブリックの天才を畏怖し、それまでの自分のキャリアを捨ててまで志願して仕え始める

一方で『愛された
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キューブリックに魅せられた男(2017年製作の映画)

3.0

1人の天才を支えるために、自分の人生を投げうった男がいた

天才はまた天才的な人たらしでもあったのか、それとも男が天才の生み出すものに魅せられ傅いたのか

男は編集の下働き、効果音作り、キャスティング
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先生、私の隣に座っていただけませんか?(2021年製作の映画)

4.2

このレビューはネタバレを含みます

黒木華、柄本佑のキャスティングに惹かれて見始めた

漫画家夫婦、売れっ子の妻と描けなくなった夫
おまけに夫は編集者と不倫関係にある

ダメ男が、賢い妻から仕掛けられた神経戦に振り回されてという、ありき
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洲崎パラダイス 赤信号(1956年製作の映画)

5.0

男と女が川沿いを歩いている
橋を渡った向こう側は、洲崎パラダイスと呼ばれる娼館街だ
女は、今夜の宿賃もないのだから、向こう側で働くしかないと男に言う 男は不甲斐なく女の後をついていく

二人はギリギリ
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愛のお荷物(1955年製作の映画)

5.0

ベビーブームで人口爆発が懸念された1955年の時代背景に、人口減少の危機が叫ばれる現代、果たして私はついていけるのだろうかと見始めましたが、全くの杞憂でした

語り口のうまさが、現実がどうだとか、観客
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ゆるキャン△(2022年製作の映画)

2.0

テレビシリーズの実写版の、なにも起こらない起こさない展開が好きで、映画公開を待ちわびて観た

テレビ版の女子高校生たちの8年後が描かれていた

劇場版にはしっかりと目的と起承転結が作られ、ヒロインたち
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峠 最後のサムライ(2020年製作の映画)

3.0

慶喜大政奉還から始まる
室内に差し込む斜光のみでつくられた絵の美しさ、陰影のリアリティ、人物の影は長く畳に伸びて映し出される
そうだよ電灯のない時代の話なんだよ、天井からの光はないんだよねと、一気に気
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新聞記者(2019年製作の映画)

4.5

河村光庸さんが亡くなった

先日の石井隆監督の訃報にも愕然としたが、映画人の逝去は早い

『新聞記者』『空白』と、絶えて久しい社会派映画の血脈を今の時代に甦らせた独立プロの反骨プロデューサー
この先何
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由宇子の天秤(2020年製作の映画)

4.5

備忘録 傑作

この映画自身の表現力が、あまりにも強すぎて、説得力がありすぎて、何も書くことができない
言葉を失うと言うのは、このような状態を言うのだろうか
それほどの衝撃を受けた作品

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