なめこさんの映画レビュー・感想・評価

なめこ

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ヴェルクマイスター・ハーモニー 4Kレストア版(2000年製作の映画)

4.3

ひとつひとつの印象的な表象が積み重なって最後にはそれぞれの理解を得る、というような。抽象的だし場面場面はよく分かってないんだけど、映像と音が心地良く飽きない2時間半。声や映像を意図的に遮断することで他>>続きを読む

ノスタルジア 4K修復版(1983年製作の映画)

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映像がすごくきれい。これが4Kか。太陽の光を透かした色とりどりのガラスの美しさよ。のちにそれが泥にまみれ見る影もないところの辛さが印象に残っている。この型を作り上げたという偉業なのかな。見てすぐにこの>>続きを読む

哀れなるものたち(2023年製作の映画)

3.9

きっちりR18。冒頭その辺りが強く面白さもなくどうしたもんかな…と思ったけど、途中からしっかり楽しめた。こんな映画見たことない。斬新。
映画って表のストーリーと裏をひた走る思想があって、この作品に関し
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ストップ・メイキング・センス 4Kレストア(1984年製作の映画)

4.6

だーいすき!元々好きな作品なのでIMAXレーザーで見ました。いつか映画館で見たいという夢が叶って嬉しい。曲が良い、リズムが良い、演奏が良い。演者の楽しそうな様子とやりすぎないダンスも好き。すごく良いラ>>続きを読む

ケイコ 目を澄ませて(2022年製作の映画)

3.9

静かに削ぎ落とされた映画。静謐さへの忍耐も多少必要だったけれど、こっそり覗いたら会長が試合のビデオ見ているところあたりから泣けてしょうがなかった。
続けることとやめること。がむしゃらに突き進んでるうち
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PERFECT DAYS(2023年製作の映画)

4.0

清貧という言葉を地でいくような。そもそもこの言葉が存在しているというところからして日本人の美徳なのかもしれないし、皆がどこかで理想とする生活が描かれてる。裕福ではないけれどささやかな楽しみもある。健康>>続きを読む

ファースト・カウ(2019年製作の映画)

4.3

この監督の作品は、見終えて余韻がいつまでも残り「こういう映画が見たかった…」と思う物が多い。話自体は特別じゃないのに、おいしそうな食べ物、かわいい動物たち、美しい景色、登場人物たちの愛おしさ。素朴なさ>>続きを読む

生きる(1952年製作の映画)

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目力!人物の顔の寄りが多い。静かな映画だけれどショットの力強さに黒澤映画の迫力を見る。悠々と時間を使っていて贅沢。後半周囲の人々の証言でひとりの人間の人生が多面的に描かれていくのは今見ても新鮮。ラスト>>続きを読む

(2023年製作の映画)

3.8

序盤の思った以上のグロに思ってたんと違う…どうしたもんか…と思ったけど途中からコメディと割り切りスッキリ。争いなんてバカらしくってくだらない、戦争反対ってことよね?キャラも話も振り切ってて楽しめた。明>>続きを読む

⻤太郎誕生 ゲゲゲの謎(2023年製作の映画)

4.0

「なんか鬼太郎の映画」くらいでちゃんとしたタイトル知らずに鑑賞したので最後にタイトル出るところで余計に衝撃。墓場鬼太郎の始まりを知っているから終盤怒涛の畳みかけに圧倒された。既存の作品への繋ぎのうまさ>>続きを読む

ゴーストワールド(2001年製作の映画)

4.2

久しぶりの鑑賞。すごく好きな映画だという感覚だけは覚えていたものの、序盤は2人の行動に既視感と共にキツさも感じたり。自分も大人になったなあなんて思っていたのだけど、やっぱりイーニドを自分に重ねてしまい>>続きを読む

バーナデット ママは行方不明(2019年製作の映画)

4.2

時間調整の軽い気持ちで見たのに劇中3回くらい泣いてしまい自分でも驚き。すっごく好きな作品だった。現実離れしてお伽話のよう、コメディ然としてご都合主義なところもあるんだけど、なんせ言葉がとても響いて。こ>>続きを読む

不安は魂を食いつくす/不安と魂(1974年製作の映画)

4.0

世間からどこかはみ出してしまう2人の恋愛物語。テンション控えめ、抑制され落ち着いた演出なのでそんなにベタベタしない。言葉でなく目で語る演技が多い印象。引いたショットがいくつかあり、特に女店主とのベッド>>続きを読む

マリア・ブラウンの結婚(1978年製作の映画)

4.2

ファスビンダー作品の中でも代表作として紹介しやすいしきっと見やすいほう。テイストはちゃんとあるし物語も行動も書き出してしまえば分かりやすい。女と男の考え方、モラルの違い、愛が向かう方向は同じなのにすれ>>続きを読む

ペトラ・フォン・カントの苦い涙(1972年製作の映画)

4.3

感情溢れる物語って個人的に苦手なはずなのになんでこんなに好きなんだろうと思ったけど、過剰で理性のない、でもどこか冷めたぶっ飛び方が唯一無二だからかなと思った。こんなめちゃくちゃな演出この人にしかできな>>続きを読む

暗殺の森(1970年製作の映画)

4.2

多分10年振りとかに鑑賞。画面作りへの気合がすごい!とくに前半。光の入り方、カメラの置き方、煌びやかな視覚芸術でこんなに殴ってくる映画は久々。話も演出も案外分かりやすかったりするんだけど重奏的な仕掛け>>続きを読む

aftersun/アフターサン(2022年製作の映画)

4.2

序盤は贅沢な映画だと思っていた。なんてことのない、さしたる意味も持たないようなシーンを長く撮ったりしていて。バカンスの美しい景色と色彩、プールのきらめき。そんな素朴で静かなひとつひとつのスケッチが積み>>続きを読む

怪物(2023年製作の映画)

3.9

やはりそこらへんの邦画とは一線を画しているし面白く見れた、でも好きじゃないという感想。面白かったんだけど。どうにも引っかかるものがなくならない。
藪の中じゃない藪の中スタイル、脚本の溢れ出まくる物語性
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奇跡(1954年製作の映画)

4.0

序盤は長回しの台詞が多くて退屈も感じたのだけど、仕立て屋との口論あたりから凄みが増す。「神」が同じ空間にいるのに誰も彼を信じず顧みず言葉も聞かず、それぞれの解釈で言い募る様はメタ的に見て滑稽さを感じた>>続きを読む

シン・仮面ライダー(2023年製作の映画)

3.6

やっぱりシンゴジラがあったから、仮面ライダー知らないけど庵野の解釈なら面白いかな…と思ってしまうのよね。チープ感と詰め込みすぎた話の分かりづらさ。キャストと台詞回しの内輪受け感も気になった。

エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス(2022年製作の映画)

3.8

いつか理解できるだろうと思いながら鑑賞、後半ぼんやり物語の柱が見えてきて、でも入り込めず終わってしまった。表現もジョークも刺さらず、見終えて残るものもそんなになく、自分好みでなかった、で終わるところな>>続きを読む

ボーンズ アンド オール(2022年製作の映画)

4.1

見終えて、自分の意見が持てない。これは褒め言葉で、見終えて余韻の残りまくる、解決されない映画って大好き。似た映画を見た記憶がない。この作品を作ってくれたことに感謝の気持ちを持ったので私の中では高得点。>>続きを読む

THE FIRST SLAM DUNK(2022年製作の映画)

4.0

動きがあると山王の強さがよくよく感じられた。アニメ的な演技でなくだいぶ抑えてて、いいなと思う反面もうちょっと盛り上げてもいい気も。これだけ知名度のある作品を映画にして新鮮に楽しめるのってすごい。

ブローニュの森の貴婦人たち(1944年製作の映画)

3.7

これまで観たブレッソン作品中いちばん彼らしくない、特色のあまりない作品だったので肩透かしの気分。音楽の多用、台詞の情報量、プロの上手い役者。それが揃っちゃうと普通の映画になっちゃうんだなと。

RRR(2022年製作の映画)

4.0

エンタメと割り切って最高!爽快!みたいに見れるかと思ったらうっかり悲しい気持ちに。突っ込みどころ満載、コントラスト強めで楽しく笑えるんだけど、虐げられるインド人、ゴミみたいに死んでいくイギリス兵、描写>>続きを読む

SELF AND OTHERS(2000年製作の映画)

4.0

60分にも満たない静謐なドキュメンタリー。本人の言葉と手紙と、写真のスライド、それから動画。構成はとてもシンプルなのに写真家の人となりがひたひたと迫ってくる。近すぎず、少し距離のある人々の写真。西島秀>>続きを読む