ゆきさんの映画レビュー・感想・評価 - 14ページ目

ゆき

ゆき

映画(1964)
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ザ・ファブル(2019年製作の映画)

3.7

寓話

いい塩梅のキャストで、漫画原作だけあっていいキャラクター揃い。
くだらなさとアクションのバンスが好みでした。
主演の岡田さん、スタント無しで挑んているシーンも多いとのこと。続編も楽しみ。
「日
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居眠り磐音(2019年製作の映画)

3.7

再起

序章感ある物語の展開。人物像の背景をたっぷりと堪能した感じ。
キャストが好みの一作でした。
幼なじみ以上の絆で結ばれた男3人が、散り散りになるところから物語は始まる。
男女の想いあいも踏まえ、
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未成年(2018年製作の映画)

3.7

年の功

逃げ道の作り方を覚えるほどに、人は弱くなっていく。
正反対の少女が、大人の事情に巻き込まれ絆を紡いでいく時間。
柔らかなピアノのメロディーが似合う終盤。
新たな命を前に意思表示を始めた少女た
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八月のクリスマス(1998年製作の映画)

3.8

日常の先

粛々と過ぎていく日々と、命のリミットを痛感させられる時間。
想いあっていても必ず叶うとは限らない儚さ。
強気に見える女性も、内面はとてもか弱く脆い。
あえて感情表現を削いだようなシンプルな
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君の誕生日(2018年製作の映画)

3.9

悼む

直球、ドストレートに泣いた。
何も語られずに展開する前半。
止まった時間を取り返そうとする夫と、そこに居つこうとする妻。
同じタイミングで泣いていても、心中を覆う哀しさは全く違う母娘。
両親を
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ふたりのベロニカ(1991年製作の映画)

3.8

シンパシー

数奇な運命に見舞われた二人の女性。
痛みを共にする存在を幸いとするか、奇妙とするのか。
物語の本質はきっともう数回見ないと掴み切れない。
美しい色合いと言葉使いに翻弄されているうちに97
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この世界に残されて(2019年製作の映画)

3.8

恋か否か

深い心の傷を癒すのは時間であり、人だと痛感する。
もっと大げさなドラマになってもおかしくないが、気持ちの棘を一つずつ丁寧に取っていくような展開。
ホロコーストにより残された者同士、欲してい
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心と体と(2017年製作の映画)

3.8

また夜に

直接的な触れ合いはなくとも、静かで官能的な時間でした。
マイルールの中で清く正しく生きている女性。それは周囲と馴染めないほどに純。
その先の人生に希望を抱くことを止めた男性。不自由な片手を
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朝が来る(2020年製作の映画)

4.0

逆光

安定して光と自然が人を美しくも醜くも炙り出す演出。
時間軸をずらしながら目線が前後するけれど、キャッチコピーが煽るようなミステリアスな展開ではない。
「できてしまった」少女たちの存在を昇華する
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嵐電(2019年製作の映画)

3.3

逸話

本音のぶつけ方がとても不器用な人たちの恋模様。
ちょっとホラーめいた展開もあり、浮遊感のある不思議な展開。
ご当地映画といえばそうなのかもしれないが、掴み切れない部分もあり。
飾り気ない恋の行
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こはく(2019年製作の映画)

3.5

幻想

父親と同じ道を選んだ弟と、嘘で自分を守る兄。
幸せを目の間に自身を持てず揺らぐ弟に、タイムリーに届く父に関する知らせ。
井浦新の繊細で虚ろな表情と、繕うように周りを騙す大橋彰の言葉のバランスが
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ある過去の行方(2013年製作の映画)

3.8

過ぎたこと

最初のワンシーンでぐっと引き込まれた今作、子役が実に秀逸。
非があると自覚していることほど、気付かないうちに固執している。
この物語に出てくる人は皆そう、過去に固執していた。
じわじわと
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誰もがそれを知っている(2018年製作の映画)

3.7

秘め事

それぞれに見出した真実を隠しながら過ごした時間を見た。
この監督は負の感情の映し方がとても上品だ。
大人同士がぶつかり合う度、熱量よりも人間の歪みが露わになっていく。
誰もが知っている事実と
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セールスマン(2016年製作の映画)

3.6

懺悔

「あの時」に囚われる人たちを見た。
じわじわと感情をいたぶっていくような時間。
軸とされる戯曲をもっと知っていたら、より深く物語に入り込めたのかも。
活きた目をしている人はほとんど登場せず、打
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シンプル・フェイバー(2018年製作の映画)

3.5

頼み事

衣装がとにかく好みだった。
物語の展開としては、執着に叶うものなしといった感じ。
ミステリアスほど魅力的に見えるものはない。中身はどうなっているかは置いておいて。
言葉のチョイスが昼ドラ的に
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アデライン、100年目の恋(2015年製作の映画)

3.6

永遠の旅

美しくありたいし年齢に抗いたい、といつも思うのにこの物語では悲劇だった。
一度は妄想した「不老不死」も苦楽を共にする誰かがいるならばの前提付き。孤独では惨劇だ。
愛した子供は何よりの理解者
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イエスタデイ(2019年製作の映画)

3.7

もしもの世界

音楽に限ったことじゃない、倫理観と夢の狭間。
周知の大ヒット曲を自分のものにできるチャンスが訪れたら?
理想が叶った時のワクワク感と恋模様のソワソワのバランスが愛らしい。
名曲との融合
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きらきら眼鏡(2018年製作の映画)

3.4

尊ぶ

残された者と残されてしまうかもしれない者。
二人の出会いが運命的なだけに、歳の差よりも心の繋がりを中心に関係は育まれていく。
きらきらとした世界を無理につくっている池脇千鶴の表情が秀逸。
ぐっ
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半世界(2018年製作の映画)

3.6

知らない世界

「あの頃」と「これから」がいつまでも続く。
誰の人生でも起こりうる“一人で抱えること”。強がることで自ら自分を追い込んでいると気づかされる一作。
言葉も綺麗で濁りなく、地方都市の閉そく
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タイトル、拒絶(2019年製作の映画)

3.7

工場

山手線のように回り続ける日常。
痛覚を殺してあえて笑う人を見るだけでヒリヒリとして、心臓が痛くなる。
繊細過ぎる人を見ると人間臭さが鬱陶しくなる。
合間をとって「普通」とするならば、それくらい
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ラスト・クリスマス(2019年製作の映画)

3.7

look up!

誰と歩くかで景色はガラッと見違える。
慌ただしい日常に追われて、視界が狭まっているこの時期にぴったりの一作でした。
ラブロマンスの括りにとどまらず、日常が溢れている展開。
名曲と鮮
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リヴァプール、最後の恋(2017年製作の映画)

3.5

終わり方

「どう見える?」と問い続ける彼女の表情が実に艶やかで見惚れた。
歳を重ねるほど、臆病になっていく。
記憶と現実が交差しながら展開する一作。
ロマンチックに色鮮やかに恋愛模様が描かれる前半と
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めぐり逢えたら(1993年製作の映画)

3.6

あの場所で

ラブロマンスと括られるジャンルへのラブレター的な物語。
モノローグで語られれる「めぐり逢い」に歩み寄る二人の運命。
声質や間合い、言葉のセンスに惹かれるというのはわかる気がする。
展開は
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記憶にございません!(2019年製作の映画)

3.7

自分

くだらなさの中に込められた皮肉がなんとも憎い。
記憶と共に妻の愛情も取り戻す大きなミッションが課せられた、史上最悪の総理。
アメリカ大統領の下りはやりすぎ感もあるけれど、総じてポップで好き。
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short cut(2011年製作の映画)

3.6

ジャンボリー

夫婦の空白期間。山中で埋め合わせるように会話が飛び交う。
「共演NG」の影響で、久々の再鑑賞の今作。
リズムがとても痛快。言葉のセンスも秀逸。
“完全ワンシーン・ワンカット”を売りにし
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新解釈・三國志(2020年製作の映画)

3.0

影役者

豪華共演といっても過言ではない、演者が人を呼ぶタイプの一作。
ムロ行っとく?という合言葉で劇場へ。
やっぱりね、と言いたくなるくだらなさだった。笑
劉備の馬だけ落ち着きがなかったり、孔明の決
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パリのどこかで、あなたと(2019年製作の映画)

3.7

呼吸

誰に埋めてもらうわけでもない、心の穴。
都会だけどどこか穏やかな空気が流れる町ですれ違う二人のそれぞれの孤独の形。
「自分の意味のある人」を見つけるまでの小さな冒険を見た。
他者との交流が全く
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おかえり、ブルゴーニュへ(2017年製作の映画)

3.7

原点

1年を通じて色を変えていくブドウ畑と、兄弟の表情の変化がとても印象的な一作。
兄弟ながら、お互いをたててビジネスをしようとする長男の姿勢が好きだった。
私生活にそれぞれの悩みを抱えながら、(長
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スパニッシュ・アパートメント(2002年製作の映画)

3.8

吸収体

異を受け入れるってはじめは勇気がいる。
大多数の中に埋もれていてもなんでか孤独を味わう瞬間や、楽しさののちの虚しさも描きつつ日常で溢れていた。
母国語を失いそうなほど、多言語で多文化で個性の
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九龍猟奇殺人事件(2015年製作の映画)

3.2

逃げ場

香港へ移住し新生活を始めた、小さな夢を抱く少女の末路。
実際にあった殺人事件を基にした一作でかつ、多くの賞を受賞しているという前情報のみで鑑賞。
想像よりもずっとほの暗くて、事件について描く
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ムーラン(2009年製作の映画)

3.6

英気

ディズニー製実写ムーラン鑑賞前に、こちらを。
感情と目の前の状況を天秤にかけながら闘い抜いたムーランの12年を追う。
早々に正体に気づく存在がいながらも、出世していく凛々しいムーランの姿。恋愛
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即日帰国(2008年製作の映画)

3.5

善人

踏んだり蹴ったりの100分。
ひたすらにいい人すぎる主人公にハラハラときにイライラしながらあっという間見終わってしまった。
コミカルで軽快ながら事態の二転三転っぷりは見事。
夕方の時間に再放送
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キング・オブ・ペキン ~父と子の物語~(2017年製作の映画)

3.3

利害

映画で繋がる親子の絆を見た。
日常に共通ワードの溢れる親子。
父と母の二択で、息子に選ばれた父はこれでもかというほど不器用に2人一緒の時間を大切にする。子供みたいに夢中で必死な父。
それが世間
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バオバオ フツウの家族(2018年製作の映画)

3.0

本当の家族

あえて邦題に「フツウ」と持ってきたことがとても厭らしく思えてしまう。
切なる願いに真っ当に向かおうとする4人の物語。
少しだけまろやか過ぎて、ふわっとした印象だった。
行ったり来たり、落
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The Kids(2015年製作の映画)

3.8

共育

諦めを知っている若さは危うさに直結する。
物語は唐突に始まり、進展した。
状況はすべて何気ないセリフで把握する、一人歩きのまま本題へ入るけれど不思議と嫌悪感はない。
逃れられない現実と、現実逃
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無聲 The Silent Forest(2020年製作の映画)

3.9

一起玩

不穏な曲が煽り続ける物語の行く末。
手話のシーンが多く言葉はなくとも、悲痛な訴えはグサグサと胸を刺し続ける。
芋づる式で明るみになる苦悩。そして届かない叫び声。
ヒロインの無垢なキュートさが
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