ゆきさんの映画レビュー・感想・評価 - 20ページ目

ゆき

ゆき

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アースクエイクバード(2019年製作の映画)

3.4

罪の意識

「詰めが甘い」それが何よりの罪だ。
嘘は隠せ、隠し事は貫け。
化学反応が起こりそうな人間と大切な存在は近づけるな。
終始危うい空気感。東京が舞台でありながら異国感が漂う。
深層心理に埋め込
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軽い男じゃないのよ(2018年製作の映画)

3.7

男らしさに乾杯

最高の皮肉だった。
聞き慣れた男女関係を指し示すフレーズが並ぶが、少しだけ違う。
逆転した思考とフレーズ。もちろん性生活にも影響はある。
満足できるのはおとこだけじゃないのよ?海苔型
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ブラザー(2017年製作の映画)

3.7

思惑

ラスト30分、涙腺への攻撃が凄い。
コメディーのくだらなさと愛情表現の深さが良いバランスだから韓国映画は癖になる。
家門や血縁のこだわり方も韓国流。
ブランコ、傘、携帯電話。記憶は場所と物に残
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レッスル!(2017年製作の映画)

3.6

愛情大渋滞

期待と愛情のバランスが歪んだとき、関係にヒビが入る様子はとても苦しかった。
しかし、まさかの三角関係に爆笑して、母息子の掛け合いにほころんで、母謝り方強すぎて爆笑。
ヘジンさん可愛すぎま
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がんばれ!チョルス(2019年製作の映画)

4.0

全部あげる

愛おしすぎる大どんでん返しを食らいました。
5分でチャルスに魅了され、中盤のくだらなさに戸惑い…ラストは涙と笑顔の大渋滞。
ベタですが、徐々に見えて来る過去にグッと引き込まれてしまう。
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mellow(2020年製作の映画)

3.6

まろやかな関係

「告白した順番の先輩」は一番かわいいワードだった。
性別による偏見が強い職業を使いながらも、ずっと同じ輪の中をゆったり回っているような展開。
進展もせず、後退もしない。何より片思いば
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恋とさよならとハワイ(2017年製作の映画)

3.8

限りなく好きに近い

一緒の時間に染みついた安心感はそう簡単に拭えない。
恋愛が終わるたびに漂白できればいいのにな、と思う。
もう一緒じゃない、二人の一緒の時間が愛おしい作品でした。
一方通行になった
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私は猫ストーカー(2009年製作の映画)

3.0

とある町

猫目線で町を覗く。
感情なんてものに振り回される滑稽な様子を横目で。
ニヤニヤと猫と星野真里を見守った100分。
古びたような映像や、贅沢に余白を持った画角が印象的。
ほとんどの人間に名前
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星空(2011年製作の映画)

4.1

愛の持続力

親の決断に翻弄される少年少女。
残酷な現実の前に、共感して共鳴して。少しだけ抵抗する。
この物語、全ての感情表現が好きです。
3度目の鑑賞でも揺さぶられる気持ち。
メタファーを用いて負の
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妻への家路(2014年製作の映画)

3.8

余計な記憶

無情すぎる。
時代に阻まれることより、替えのきかない記憶を奪われたことが辛い。
そして、なにより記憶から消された存在になることが辛い。
どんなに寄り添っても、妻が待つのは記憶の中の自分。
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再会の食卓(2010年製作の映画)

3.5

再生の形

強がって見えるルーの姿が実に物哀しかった。
国と時代に阻まれた一組の夫婦。
40年の歳月と新たな家族の枠があっても、再生を夢見てしまうものなんだろうか。
例えタワーマンションに住もうと、美
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春との旅(2009年製作の映画)

3.6

人巡りの旅

わがままな爺さんの居場所探し。
ブーメランのように返される、過去の行いの代償。
見放すのも愛、寄り添うのも愛。
相手を想うほど決断って難しい。
与えられた時間は平等じゃないから、誰とどこ
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夕陽のあと(2019年製作の映画)

4.1

去る者は追わず、戻る者拒まず

大人のエゴと子供の幸せは同時に成り立つんだろうか。
「母親」という基準はなんだ。産むこと?育てること?
助けを求めることすら選択肢にない状況を知る茜が懇願する姿は、目を
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燕 Yan(2020年製作の映画)

3.5

地に染まる

映像美に溺れる時間でした。
淡い光と作り込まれた色味。人の感情よりは、世界観に惚れた。
多くは語られないけど、自ら摘まみ上げてバックグラウンドを予測する余裕があるほど凄く丁寧にじっくりと
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世界で一番ゴッホを描いた男(2016年製作の映画)

4.0

職人芸

夢が叶うまでの高揚感は同じはずなのに、その先は大博打なんだと痛感した。
生活するために得た、「複製画」という手段。需要がある限り選択肢はひとつ。
オリジナリティは殺して、原画へのリスペクトだ
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一人っ子の国(2019年製作の映画)

4.0

没办法

人生における選択肢を国に奪われたら?
誰もが逆らうことを放棄した事実に立ち向かった人たちの記録を見た。
医療廃棄物となった赤子や、命を終わらせる役目の医療従事者。家族。
2015年まで続いた
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在りし日の歌(2019年製作の映画)

4.0

義父母

たった3時間、幸福と後悔をバラバラとに見ただけ。なのに、全員の人生を見た気がしてしまった。
時系列を追うごとに理解に繋がる展開。
嬉しくても悲しくても、悔しくても人は泣くのだ。時代に沿う事が
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あなたへ(2012年製作の映画)

3.8

帰る場所

旅と放浪の違い、待っている人と待っていて欲しい人の差。
いろんな人と出会うのは、寡黙ながらに魅力が溢れる証拠だろう。
人生を添い遂げた相手へ最期に贈る言葉は、何がいいんだろうか。
きっとた
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四月物語(1998年製作の映画)

3.8

愛の奇跡

火事場の馬鹿力は恋愛でも発揮されるみたい。
ただ「ある人」を追いかけて、自ら飛び込む新しい世界。
「手に入れたい」って一番の原動力だ。
不安ばかりの中に、時折明るい兆しが舞い込む嬉しさ。
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いつか読書する日(2004年製作の映画)

4.0

知らんぷりの先に。

人の本音なんて“くっきり”とわかりかねる。
純な部分と笑いの要素の配合が最適。
時間の流れには逆らえないのに、イタズラにも時間は歪む。
良い人生を作ってくれた夫に、自分が死んだ先
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妻の愛、娘の時(2017年製作の映画)

3.5

知るはずもない本音

二重婚が何十年もの時を経て暴かれた。
温かいホームドラマかと思いきや、愛情の証明を探す物語だった。
「関係」の立証なんて無意味にも思える。
過剰すぎるマスコミの煽りが、他人による
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ライスフラワーの香り(2017年製作の映画)

3.7

同郷

揺らぎ続ける母娘の感情が、静かに丁寧に紡がれる物語でした。
二人を近づけたものは、いたってシンプルだった。
大きく息を吸いたくなる環境の美しさ。
異物の様な「都会」から戻った母親と、問題児の娘
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光にふれる(2012年製作の映画)

3.7

慢慢地前走

「自分のやり方」が必ずあること。
カフェの窓際の席で外を眺めながら、そんなありふれたことが叶わないのは悲劇ではない。
互いに刺激し合える存在でいくらでも人生は豊になる。そう証明してくれる
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ハウエルズ家のちょっとおかしなお葬式(2007年製作の映画)

3.6

全てグリーン

安定剤による不安定が悲劇の始まり。
至ってありふれた悩みと不謹慎すぎる出来事の積み重ね。
いろんなかけ違いがじわじわ笑わせてくれました。
ハワードの空気の読めなさとアルフィー叔父さんが
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グッド・ボーイズ(2019年製作の映画)

3.6

ローティーン

アダルト向け、子供の映画。
成長過程はそれぞれで、おもちゃの用途は使う者に委ねられるのだ。
遠吠えで始まり、遠吠えで締めるミニマムな世界。
くだらなさの極限に垣間見る無知の魅力に泣いた
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ソーセージ・パーティー(2016年製作の映画)

3.3

ゲートの向こう側

お店の外は「楽園」だと信じる食べ物たち。
クリーンに生きてる人間より圧倒的に、ラブ&ピースだけで命を全うしてる。
スーパーの中は種類のサラダボウルだった。
私はキシリトールガムが好
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ファイティン!(2018年製作の映画)

3.7

理由

マブリ〜!108分に10億回くらい言いました笑
家族の絆が軸になるライトなハートフルコメディ。
唐突に始まる家族ごっこですが、じんわり深まる様子が素敵。
ドンソク兄貴に負けない子役の愛らしさ。
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犯罪都市(2017年製作の映画)

4.0

弁護士スタンさん

人殺しは例外的、殴っていいのだよ。
携帯片手に素手で突き進むNewヒーロー。
対する敵は斧にナタ、スマートではない刃物で非常に向かってくる。
コミカルさのバランスが秀逸すぎる物語だ
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暗数殺人(2018年製作の映画)

3.6

追悼

答え合わせが痛快。
被害者遺族の上映禁止運動の中、公開に踏み切った結果は完全なる刑事目線だった。
都合の良い展開にも見えるけど、犯人の表情が本当に気持ち悪くて、もはや愉快。
物を介したり視点的
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欲望(1966年製作の映画)

3.7

膨らむままに

1.5倍速かと思う程、小刻みに動く彼。
自分本位で刻まれていた世界が、いいネタを見つけてから色が変わる。
表情の騙し合いみたいな掛け合いがクスクスきた。
フィルムを超えて興味を突き詰め
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あるスキャンダルの覚え書き(2006年製作の映画)

3.7

賢い助言者

正気はどっちだ?
友達の果てはどこに行きつくのだろう。共犯者の欲望が走り出した時から鳥肌ものだった。
教職者だって人間だ。理性のハードルは少しだけ高いけれど。
孤独の穴埋めって永遠に続く
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幸福(しあわせ)(1964年製作の映画)

3.8

素直に不誠実

一見、愛情の詰め合わせみたいな愛らしい表情の作品なのに。蝕まれてた、欲に。
ずっと陽を浴びてる様な時間だったのに、あるワンシーンから状況は覆る。
幸福の審査基準はどこにあるのだ。
子供
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バード・ボックス(2018年製作の映画)

3.6

最重要事項

生き抜くこと。見れば最期、期待は不要。
辛辣な世界に生まれた、ボーイとガール。
徐々に明かされていく出来事の一つ一つが理解を深めてく。
確信できない中で、何を選択するか。
有利になる条件
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狩りの時間(2020年製作の映画)

3.6

決着方法

法のない、生活臭もしない世界。終始、不穏な色味が4人を包んでいる。
正体不明の男との、命懸けの追いかけっこ。
永遠のどん底から抜けるための一筋の光は、本当にこれだった?
「逃走中」より非リ
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ディヴァイン(2016年製作の映画)

3.7

アディダスは持っておきたい一品だ。

素直に笑う二人の表情を忘れずにおきたい。
どこにでも底辺はあるのだ。上を望めばキリがない。
信仰はいざという時、救ってくれるのか。
仲間は自分を見ていてくれるけど
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宮本から君へ(2019年製作の映画)

3.9

褒められたい一心で

表情のぶつかり稽古を見た。究極のにらめっこか。
炊飯ジャーから白米直食いして、頬を真っ赤にする宮本。
ただ声を出して感情をコントロールする宮本。
「不器用」ではない、あれは策士だ
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