ゆきさんの映画レビュー・感想・評価 - 31ページ目

ゆき

ゆき

映画(1964)
ドラマ(141)
アニメ(0)

荒野にて(2017年製作の映画)

3.8

選択肢。

16歳の息子と父親。料理が上手い父のガールフレンド、学校には行けない息子が見つけた興味の湧く仕事。新境地での男2人暮らしは順調なはずだった。

人生を豊かにするには並走してくれる存在が必要
>>続きを読む

ドッグマン(2018年製作の映画)

3.8

厄介

さびれた町と顔なじみの仲間。ドッグサロン「ドッグマン」を営む彼は、町の疫病神と友達でもあった。

果てしない虚無感が鑑賞後に襲いかかった。
トリマーの大会で3位の実力を持ち、愛娘の為に働く健気
>>続きを読む

ぼんとリンちゃん(2014年製作の映画)

3.4

不安はオヤジの仕事

通称「肉便器ちゃん」を救うべくぼんとりんは東京へと向かう。

やれやれ、だよ。
顔面が口でできてるんじゃないかってくらいよく喋る。
不器用によく喋る。
表情に動きはないが、いろん
>>続きを読む

怪怪怪怪物!(2017年製作の映画)

3.8

本質。

突如、いじめの対象となった優等生。いじめっこたちとボランティアに向かった先で正体不明の少女を拾うこととなった。

観てしまった。怪作。
学園ものでもサスペンスでもホラーでもない。
いろんな要
>>続きを読む

セイフ ヘイヴン(2013年製作の映画)

3.8

完全な形の家族

港町へ一人移住してきたケイティ。森の中に借りた小さな小屋で生活する彼女を手助けしてくれるアレックスへ気持ちを寄せ始めた矢先。彼女の過去が明らかになっていく。

恋愛小説の名手の作品が
>>続きを読む

シークレット・サンシャイン(2007年製作の映画)

3.9

目には見えない

交通事故で亡くした旦那の故郷に息子と移住したピアノ講師。母であり、女である一人の人間の変化を追う。

笑い方が下手になっていく彼女はどこに行きつくんだろう。
人生は起承転結とは綺麗に
>>続きを読む

ママレード・ボーイ(2018年製作の映画)

3.0

デートイメージムービー

両親の交換再婚をきっかけに惹かれ合ったふたりの恋愛を描く。

無駄に淡々として現代版化された、急すぎる全ての展開。
ムードの合わない名曲たち。終始どよんとしたあの空気感。
>>続きを読む

存在のない子供たち(2018年製作の映画)

4.2

命の証明

懲役5年。出生日も年齢もわからない12.3歳の少年に与えられた実刑。そして彼は「自分を産んだ」罪で両親を訴える。

目の前の壁を超える能力も気力もないというのは不憫だ。
宿すことと育てるこ
>>続きを読む

火花(2017年製作の映画)

3.6

着地点。

「お笑い」に翻弄されるふたりの男の10年間を描く。

ストーリーはいたって地味。きっと現実味が強すぎるんだ。
役者に華があって、色付いた映像にのってこそ見られるけれど、芸に生きて、芸に生か
>>続きを読む

アンダー・ユア・ベッド(2019年製作の映画)

3.9

違う世界の人

彼の人生で唯一名前を呼んでくれた彼女。11年の歳月を経て、再び彼の目に映った彼女はまるで別人のようだった。何が起こったのか?できればまた名前を呼んでほしい。関心は狂気となって彼女の監視
>>続きを読む

デトロイト(2017年製作の映画)

3.8

深層心理

1967年、黒人たちの暴動の裏側で白人警官たちが起こした不当な尋問を描く。

「リトル・ランボーズ」「なんちゃって家族」と最高のキャラクターを演じてたウィルが…なんてこった。
目をそらした
>>続きを読む

BRAVE STORM ブレイブストーム(2017年製作の映画)

3.5

ミライを変えろ

地球人類は滅亡寸前の2050年。唯一残された春日5人兄弟 は 過去にタイムスリップし、侵略者を抹殺することを計画した。
時は2015年。紅健一郎・紅健兄弟とともに壮絶な戦いへと向かう
>>続きを読む

トイ・ストーリー4(2019年製作の映画)

3.9

友情の彼方

バズが良い男すぎて、私も内なる声に何度か問うた。
「ゴミ」でいたがる先割れフォーキーに巨大な仮想力だけあるもふもふコンビ、自分の立ち位置探しのギャビー。
ポップに見えて自分の力量を知って
>>続きを読む

あなた、その川を渡らないで(2014年製作の映画)

4.0

会いたくても我慢してね、

お揃いの韓服で手をつないで歩く。結婚76年目の二人の日常を描く。

昔むかし、そんな話ではない。これは真実でこれが現実。
どうしてこのご夫婦に焦点を当てたんだろう。
気苦労
>>続きを読む

劇場版 ファイナルファンタジーXIV 光のお父さん(2019年製作の映画)

3.8

執念のお父さん

父が突然会社を辞めた。寡黙な父の本心を知るために、幼いころに一緒にやったFFで交流を図ってみることにしたが…

現実とゲーム内のリンクっぷりが見事。
FFってこんなにリアルな映像のゲ
>>続きを読む

新聞記者(2019年製作の映画)

4.1

汚仕事

真実を伝えようとする新聞記者と国の為として国の秘密と葛藤する官僚の対峙する様を描く。

こんなにも悔し泣きをしたのは久しぶり。
断片的なバックグラウンドのみで魅せられた登場人物たちに気持ちを
>>続きを読む

ヘヴンズ ストーリー(2010年製作の映画)

3.7

屈折

全9章、身近な人の死によって人生が変わった人たちの運命が交差する様を描く。

掴み合って奪い合う加害者と被害者の時間。
-前半の終了です。休憩。-というテロップで息つく間もなく後半。
この作品
>>続きを読む

此の岸のこと(2010年製作の映画)

4.0

最期の灯火

二人暮らしの老夫婦を描く。

言葉も無駄な音も無いだけに表情にぐっと集中してどっと感情を持っていかれる。
反復されるシーンに対比するかのように並ぶ新しい命に対してと先が見える命に対しての
>>続きを読む

春なれや(2016年製作の映画)

3.6

“また”

学生時代に植えたソメイヨシノは60年後も咲き続けているのか、その真相を求めて老人ホームから抜け出した女性と偶然巻き込まれた青年のひと時を描く。

なんとなく過ごす、これって贅沢なのかもしれ
>>続きを読む

わさび(2016年製作の映画)

3.7

その先。

うつ病の父と暮らす進路選択に迫られた女子高校生の娘を描く。

愛と勇気だけになっちゃアンパンマンも報われない。
自分の置かれた環境を受け入れるってそう簡単ではない分、外面はどんなに整えられ
>>続きを読む

今日も嫌がらせ弁当(2018年製作の映画)

4.0

裏返し

見ざる・聞かざる・言わざるの反抗期真っ盛りの娘への仕返しに始めた「キャラ弁」を通じて変化する母娘の高校3年間を描く。

だだ漏れる愛情とユーモアの詰め合わせ、エンタメ幕の内弁当でした。
大げ
>>続きを読む

犬猿(2017年製作の映画)

4.1

ノーチェンジ

性格のみならず見た目も真逆な2組の家族を描く。

爽やかさ0秒。憎たらしさ満点の人間の描き方、なんて意地悪なんでしょう。
試写会の映像でよくある“あれ”(私も言わされたことあります。笑
>>続きを読む

犬、走る DOG RACE(1998年製作の映画)

3.7

新宿を泳ぐ

裏社会と繋がりつつ手柄を挙げる刑事。ある日恋人が殺されたことで事態は一変する。

舞台は歌舞伎町。気持ちいいくらいの好き放題っぷり。
彼女の裏の顔が暴かれていく様もありつつ、男臭すぎる名
>>続きを読む

柴公園(2019年製作の映画)

3.9

日常の中に。

同じマンションで愛犬は柴犬。同じ公園に集うも名前は知らない。そんなおじさん3人の日常に訪れた小さな異変によるドタバタ劇を描く。

ついに公園を抜け出して、あたるパパの恋模様もみられると
>>続きを読む

7つの贈り物(2008年製作の映画)

3.8

できる範囲のこと。

とある計画を遂行すべく、関係性の見えない7人と一人の男が関わる日々を描く。

「償いきれない」と言う言葉は耳にするが、目の当たりにするとこんなにも残酷なんですね。
彼が贈れる範疇
>>続きを読む

スナッチ(2000年製作の映画)

3.9

脳みそ奮い立たせて

86カラットのダイヤに踊らされる男たちを描く。

アラジン明けの再鑑賞。
オープニングのキャラ紹介ですでに高まる。
各々やってることはも発言もドープなのに軽やかに小気味好い。
>>続きを読む

アラジン(2019年製作の映画)

4.3

一目見た瞬間に

アラビアンナイトを筆頭に感情の高まりが止まらない、アトラクションみたいな時間でした。これは映画館で観てこその高揚感。
友情も愛情も全部が詰まってる。大人も納得、子供はわくわく。
キャ
>>続きを読む

愛しのアイリーン(2018年製作の映画)

4.0

4番目の我、岩男。

42歳、独身。自慰の繰り返しの果てにフィリピンで妻を買ってきた男と家族を描く。

愛情と欲情のぶつかり稽古。
母性の手榴弾を受け続けた挙句、やっとむさぼりあうことのできた岩男とア
>>続きを読む

雨にゆれる女(2015年製作の映画)

3.3

偶然か計算か必然か。

ある過ちによって他人に深入りせず孤独な日々を過ごす男のもとに同じく秘密を抱えた女性が現れた。

雨のシーンが多い映画はムッとするほど人間臭いものが多い気がしてる。この作品はちょ
>>続きを読む

凪待ち(2019年製作の映画)

3.9

鎮まりを待つ。

ギャンブルと酒に見舞われた男が、失業を転機に移り住むこととなった石巻での出会いと変化を描く。

純朴すぎるというのは悲劇の元だ。
ギャンブル依存、引きこもり、DV、天災。
つまづき、
>>続きを読む

ビューティフル・マインド(2001年製作の映画)

4.1

生涯を数に捧げる。

ノーベル経済学賞受賞の数学者“ジョン・ナッシュ”の伝記を元に、偉業と苦悩を描く。

真実が最初からなかったとしたら、本当にぞっとした。
人間性を抽出した前半と大きく印象を変えてい
>>続きを読む

手紙は憶えている(2015年製作の映画)

4.0

大罪

友人から託された1通の手紙には過去の懸念について記されていた。
妻の死も覚えていられない男は友人の思いも背負って復讐の旅に出る。

忘れることは意としないうちに大きな罪になっているのか。
ただ
>>続きを読む

ハウス・ジャック・ビルト(2018年製作の映画)

3.7

ミスター洗練

欲望の赴くまま殺人を繰り返すジャック。彼が「自分の家」を建てるまでの12年間を追う。

物語は彼が抜粋した5つの殺人をたどって進む。
建築家になりたかった、という彼は材料を変え何度も壊
>>続きを読む

灼熱の魂(2010年製作の映画)

4.0

命の発生源

理由がわからないまま言葉と命を閉ざした母が遺した遺言をきっかけに自分たちの出生の真相を知ることとなった双子を追う。

知られざる母の過去。
あの想像しきれない苦痛を経てプールサイドで笑え
>>続きを読む

ボーダーライン(2015年製作の映画)

3.8

オオカミが住む地

メキシコの麻薬関連組織の巨大化を阻止すべく投下された女性FBI捜査官が目の当たりにした現実を描く。

しょっぱなの映像のむごさに見るの断念しようかと思いつつも、淡々とした緊迫感の中
>>続きを読む

クワイエット・プレイス(2018年製作の映画)

3.7

相反する営み

その一家が暮らす世界は音に反応して人間を襲う「何か」によって人類が滅亡の危機に瀕している。

あの環境下でも「家庭」を維持するのはあえての決断なんだろう。
滝の近くや音の溢れた場所に住
>>続きを読む