いや、もうこれは監督の趣味でしょ。ちゃとプロトコル通りに作られていて違和感もないけど特に何かが残ることもなく、まあ単純に面白かった。日本人や中国人も制作に関わっているのに東京や香港の描写がステレオタイ>>続きを読む
とてもピュアな内容というか、ものすごく素直なので何もあまり言うことがない。裏を返すとそれだけ伝えるべきことを伝えられているとてもよくできた映画。「背景美術がすごいのでNetflixで配信される前に劇場>>続きを読む
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なんか全体的にめちゃくちゃよくできているし面白いんだけど「こんなもんかあ……」感があり傑作とまでは言えないかな、という作品だった。『アイズ・ワイド・シャット』のような最後のどんでん返しというか、作品そ>>続きを読む
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ベッタベタの直球ボーイミーツガール、
という以上の何かがない。普通によくできている。語らないことによって疑問を抱かせないことを徹底しているし、それぞれのシーンへの意味付けもきちっとされていて(フジヤマ>>続きを読む
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そこそこよくできた二次創作ということで妻とも認識が一致。脚本そのものは悪くないのだが、いかんせんキャラクターが全てにおいて若過ぎる。唯一このようであったかもしれないと思えたのは少佐だけ。こんな一足飛び>>続きを読む
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コミュニケーションこそが自己と他者を分かつ。アイデンティティは差異から生まれる。差異、コミュニケーションの集積であるはずの、ネット(外部記憶装置)から「人形遣い」という単一の人格が生じ(この名前もまた>>続きを読む
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自分なりの整理の過程のような文章。
まどか☆マギカ 叛逆の物語は、この映画を土台にして作られたのではないかというくらい、あの映画と比較することで印象が変わったし、理解が深まった。
バトーは少佐が“失踪>>続きを読む
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これは命の選別に反対するキリスト教者の話だ。真の対立は選別されなかった兄と選別されてきた弟の間にあり、両者比較して兄の方が優れてると示すのがこの映画の主題。
本物のジェロームがどうしてヴィンセントにエ>>続きを読む
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同じ種類の夢や希望を描くうち、とにかく考え得る最悪の道をひたすら選ぶとこうなるという感じの作品。アニメ映画を見ながら吐き気を催すとは思わなかった。このようなシナリオを思いつく人間が世の中にはいて、それ>>続きを読む
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まず台湾のアニメ制作技術が2019年時点でここまでの水準に達していることに驚く。その依って立つものが、劇中で示されるように日本の1970年代のアニメにある、そのうえで「この作品を通して何を訴えたいのか>>続きを読む
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よくこんな重層的な脚本を思いつき、しかもこの練度で纏め上げられるなという代物。父から子へ受け継がれる文脈ではなく「超越的存在となった姉がいつもどこかで見ている」という形で受け継がれる“正義”のあり方は>>続きを読む
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背景を考えると別に何一ついいことなどないのだが、鑑賞後の感想は一言、おじいさん良かったねということに尽きる。彼は孤独ではなかった。普通によかったのであまり何も言うことがないのだが、現代に生きるドイツ人>>続きを読む
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監督の父親なら5カットくらいで終わらせる内容をひたすら長引かせてまさか一本の映画にしてしまった怪作。バンドのボーカルの赤髪の魔女がとにかく最悪で無責任な親というだけの事実上の胸糞映画。お前、今更この家>>続きを読む
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特に劇中劇である作品を完成させたのちに語るべきこともないからこうなっているのだが、途中に蛇足のようなシーン(ミュージカル風に宮森が歌い歩いたり、冒頭でこれまでのテレビシリーズの話をまとめたり)が多い、>>続きを読む
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独身男性の野心と独り善がり、横暴な妻と優しさとを勘違いした夫からなる家庭、ストレスをため込んだ母と何も考えていない祖父そして無気力になった娘。どこにでもある、どこか笑えてしまうけど実はストレスに満ちた>>続きを読む
いや、面白いのだが、とにかく疲れるし、疲れるわりに最後特に何も残らない。またこの結果ならむしろもっとすさまじいカタストロフから始まってもよかった気もする。主観的には因果律が逆を向いているように捉えられ>>続きを読む
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期待しなければ面白いが期待して観ると肩透かしを食らう、という感じの映画だった。オールドファン向けのジョークと“安心感のあるフィクション”で構成されており、まあ満足感はあるのだが、これで終わるならトリニ>>続きを読む
え、これ映画として成り立つのか……!という新鮮な驚きのある作品。物語らしい物語というとまあ拾えばなくはないのだが、それ以上に「何かを語る」ことや「意味をなす」こと全般を放棄しつつ、そんなふわふわした状>>続きを読む
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妹のために世界を壊すなどと標榜して、大切なもの、その妹の気持ちすらもことごとく損ない、壊し、ダメにしてきた、傍目には本物のバカ(頭の良し悪しではない、自分の本心にどこまで誠実であれるかという意味でだ)>>続きを読む
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オチがわかってからエンドロールまでがやや長いが基本的によくできたバカ映画だった。こんなのもあるんだなA24って。
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うんまあ、言いたいことはわかるけど、だから?と思ったが、これは「イランってどーしようもない宗教的、保守的偏見の蔓延る国家で、しかもその田舎なんてこんなもんでしょ」みたいな先入観で見ていたから「うんまあ>>続きを読む
なんだこれ……。やりたいことは理解できるのだが、さすがにぶっ飛びすぎていて、なんというか、品位と秩序に欠けているというか……もう少しなんとかなったんじゃないか。テレビシリーズの最後を見てからでないと絶>>続きを読む
一見すると分厚い社会派ドラマのようでいて、実のところ「戦後日本という巨大な虚構の中にもそこに生きる現実の人間がおり、その先には不確かで行方は知れないが絶望には値しない可能性が備わっている」という非常に>>続きを読む
これから、あるいは今まさに、受験産業の食い物にされ、多くの場合は収入に結びつかないスキルを安くない金で買うことになる少女たちの物語、と言ってしまえばそれまでで、この作品の言いたかったことは「そのような>>続きを読む
ダメ邦画一歩手前で踏みとどまったが決してそれ以上ではない、最初から最後まで「待て待て……それは当事者の意見じゃないだろ」というリアリティ欠如の状態で走りきった映画。
『一果という少女の持つバレエの才能>>続きを読む
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土地や住居費がもはや富裕層以外には手の届かない域にまで高騰したサンフランシスコの街や、そこで繰り広げられる相続を巡るゴタゴタを戯画的に描きつつ、そこに住むことの意味を問うた作品。まあ、と言われてもサン>>続きを読む
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アメリカにおける社会的な規範、ないしは期待とその達成が、今どのように人々を抑圧しているかをサスペンスチックに描いた力作。
特殊な出自から養子にもらわれてきた主人公というのは、あくまで核心的な事柄を何も>>続きを読む
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どう考えてももう一歩先まで行けるのに、あえてここで終わらせるのは初監督作ゆえの自信のなさなのか、なんなのか。いずれにせよ物足りなさの残る作品だった。
90年代半ばの質感、空気感の描写のために、アナログ>>続きを読む
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ベタにいい映画。悲しみも苦しみも家族である限り訪れる。それは家族そのものに与えられることすらある。むしろ家族であるが故に苦痛は大きい。しかし家族であることの繋がりは、たとえ家族であることを諦めようとし>>続きを読む
本物のクソ邦画。魂(描きたいもの)がないのに企画ベースで映画を撮るな。
菅田将暉と小松菜奈という星の数より多く繰り返されたダブル主演の二人が演じる役柄が結ばれる様子を描くために何もかもが存在しており、>>続きを読む
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意外と(?)まっとうな青春映画だった。ベルギーにも押見修造のような想像力の持ち主がいるらしい。主人公の男の子の“まるでどうしようもなさ”を受け入れられるかどうかで評価が変わりそうだ。殉教者にもなれず、>>続きを読む
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正直「またトランスジェンダーないしLGBTQかー……」というのは否めない。もはや国際的な映画祭で高い評価を受けるためにはこのような“問題意識”が不可欠で、映画は一つの鉱脈を見出したのだ(一応断るとこれ>>続きを読む
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アラサー女性の“普通”の悩みを描くために、職場でのハラスメントやキャリア、結婚した同年代との関係等々においてここまで多くのエクスキューズを周到に配置しなければならない、ということがある意味で示された作>>続きを読む
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事実上のホームレス状態に陥った母子がおり、母親は定職に就けずその日暮らし、そして家庭内に客を呼び込んで風俗営業を始め、事情を察した周辺の人々により通報され、児童相談所に相当する役人が子供を母親から引き>>続きを読む
ドキュメンタリー映画としてどうかと言うと、聞き手の側の問題意識だけに沿って編集された内容になっておりあまり良いものだとは言い難いのだが、エンターテイメントとしてこれはかなり面白い。
芥が三島に美術論を>>続きを読む
小川淳也という政治家に対する何かというよりは、二世議員や小泉チルドレンのようなキャンペーン発でもない野党の(一時期は与党だが)政治家が、いったい普段どんな活動をしており、どんな選挙運動をしてるのかがわ>>続きを読む