chiakia

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ヒトラーへの285枚の葉書(2016年製作の映画)

3.9

@試写

アウシュヴィッツから生還し、数々の貴重な証言を遺したプリモ・レーヴィが「ドイツ国民による反ナチ抵抗運動を描いた最高傑作」と評したという、この映画の原作小説『ベルリンに一人死す』(邦訳はみすず
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歓びのトスカーナ(2016年製作の映画)

3.9

@試写

トスカーナの丘の上にあるレンガ造りのヴィラを改造した精神科ケア付きグループホーム。女王然と振る舞うベアトリーチェは自称「伯爵夫人」で虚言癖のある賑やかな困ったサン。そこに新しく入ってきたのが
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ボンジュール、アン(2016年製作の映画)

4.5

@試写

監督はフランシス・フォード・コッポラ監督の妻にして、先頃カンヌ国際映画祭で監督賞を受賞したソフィア・コッポラの母。『地獄の黙示録』
(79年)の制作現場のドキュメンタリーの共同監督を務め、エ
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ローサは密告された(2016年製作の映画)

3.5

@試写

マニラのスラム。スーパーで大量に仕入れたものを小分けにバラして売って商売をするサリサリストアをやっているしっかり者のローサ。夫は、悪い人間ではないけれど不甲斐ないだけに、4人の子どもを抱えて
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裁き(2014年製作の映画)

3.8

@試写

ムンバイ。下水清掃人の死体がマンホールで発見され、ほどなく年老いた民謡歌手(〝民衆詩人〟というニュアンスもあるらしい)のカンブレが逮捕される。人々にある種の抵抗を呼びかける彼の歌が、自殺を煽
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オラファー・エリアソン 視覚と知覚(2009年製作の映画)

3.9

@試写
 オラファー・エリアソンの名前は知らなかったけれど、たぶん、これまでにない新しい知性の持ち主なのだと想う。

 「大自然を都会で体験し、環境を考える機会にするのだ」と、2008年、ニューヨーク
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ありがとう、トニ・エルドマン(2016年製作の映画)

4.5

@試写。
ドイツの女性監督によるドライでクールでビターでスウィートでくそリアルでシュールな(?)コメディ。

ヒロインのイネスは金髪でいかにも知的なバリキャリ。ルーマニアのブカレストでコンサルティング
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ザ・ダンサー(2016年製作の映画)

4.8

@試写
 「芸術と恋愛は、自分の力で勝負しなければならない」とはまもなく公開されるアンジェ・ワイダ監督の伝記的な映画『残像』のヒーローである画家の言葉だが、芸術家たらんとする女性は恋愛についても、男性
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ハロルドとリリアン ハリウッド・ラブストーリー(2015年製作の映画)

4.3

 映画『十戒』(1956)で海がまっぷたつに割れるシーンを最初にヴィジュアライズ(視覚化)したのは、絵コンテを描いたハロルド・マイケルソン(1920−2007)。彼と駆け落ちして結婚したリリアン(19>>続きを読む

(2017年製作の映画)

3.0

永瀬正敏が前作『あん』に優るとも劣らぬ入魂の演技で、写真表現にイノチをかけてきて、病により次第に視力を失っていくカメラマン役を熱演。アブラッ気がきれいに抜け落ちたような藤竜也もすっかり河瀬直美ワールド>>続きを読む

オリーブの樹は呼んでいる(2016年製作の映画)

4.0

こんなふうにパンキッシュなヒロインが、それも社会的に大きな問題背景を踏まえて、生き生きと造型されたことが画期的だと思う。

アルマは20歳。代々続いたオリーブ園は、グローバルな金融経済に翻弄され−−−
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甘き人生(2016年製作の映画)

3.5

試写で。

主人公マッシモは9歳の時に母を失う。だが、いつ、何故、どのように大好きだった母親が亡くなったのか、誰も彼に教えてくれない。9歳の少年にはこれは酷い体験だ。彼は混乱を独りで抱え込むしかない。
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ターシャ・テューダー 静かな水の物語(2017年製作の映画)

3.8

 鈴木ゆかりプロデューサーと松谷光絵監督の10年間にわたる取材の集大成ともいうべき作品。ターシャ・テューダーという見るからに素敵なおばあちゃんについては、アイコニックなイメージしか知らなかったけれど、>>続きを読む

午後8時の訪問者(2016年製作の映画)

4.3

 ベルギーの都市の郊外にある小さな診療所。診療時間を過ぎて鳴った呼び鈴に、医師のジェニーは応じなかった。翌日、身元不明の死体が発見されたと警察が来訪、亡くなったのは防犯カメラに映っていたアフリカ系の少>>続きを読む

ぼくと魔法の言葉たち(2016年製作の映画)

3.8

 2歳で突然に言葉を失い、自閉症と診断されたオーウェンは、テープがすり切れるほどディズニーのアニメを観ていた。6歳の時、彼がモゴモゴと発する言葉がアニメの台詞であることに気づいた父親が、息子が大好きな>>続きを読む

マイ ビューティフル ガーデン(2016年製作の映画)

3.8

 いや、イマドキ、こんなにメッチャ可愛い物語を成立させるなんて、イングリッシュ・ガーデンの力ってスゴイなぁ。

 ヒロインの自己実現−−−−この作品では絵本作家になるという夢−−−−をドッキングさせな
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ムーンライト(2016年製作の映画)

4.4

 マイアミの黒人居住地区を舞台に3部構成で進行するひとりの少年の成長物語。が、見終えると同時に、比類のないラブストーリーであることに気づかされる。原案となった戯曲のタイトル「月の光の下で、黒人の少年の>>続きを読む

マギーズ・プラン 幸せのあとしまつ(2015年製作の映画)

4.8

 ついに女性監督による気持ちよ〜く笑えるロマンティック・コメディが作られた!

 何が新鮮かって、まずはヒロイン・マギー役のグレタ・ガーウィグ。主演・共同脚本『フランシス・ハ』(2012)でブレイクし
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モン・ロワ 愛を巡るそれぞれの理由(2015年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます。

 ついに女性目線を徹底させた激しくもイタイ恋愛映画が女性監督によって作られた! 女たちが性に関して持ってしまいがちなコンプレックスや相手に過剰な期待をかけてしまうことなどもリアルに描かれている。

 
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未来よ こんにちは(2016年製作の映画)

4.0

 ついにこのような熟年(50代前半という設定)のヒロインが女性監督によって生み出された! ある種のほろ苦さをちょっぴり滲ませながらも、〈女性の自立〉のイメージが鮮やかに刷新されていると言っていい。>>続きを読む

わたしは、ダニエル・ブレイク(2016年製作の映画)

4.2

 ITと官僚主義は当然相性がいい。そこに〝イェルサレムのアイヒマン〟化−−−−彼らが仕えるのはファシズムではなくネオリベラリズムだが−−−−が加わればテッパンのシステムになる。しかも福祉制度の受給者に>>続きを読む

娘よ(2014年製作の映画)

4.0

 日本で初めて劇場公開されるパキスタン映画。山岳地帯の部族社会で、10歳の娘ザイナブが和睦のため相手方の老部族長に嫁がされることを知った母親アッララキが、結婚式当日に当の娘を連れて家を脱出、名誉を傷つ>>続きを読む

メットガラ ドレスをまとった美術館(2016年製作の映画)

4.0

スミマセン、誤植を直しました。

 ファッションをテーマにしたドキュメンタリーでも、そのゴージャスさは群を抜いている。メットガラとは雑誌VOGUEの辣腕編集長アナ・ウィンター(『プラダを着た悪魔』のモ
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タレンタイム〜優しい歌(2009年製作の映画)

4.0

 「ヤスミン・アフマドは多民族国家であるマレーシアの豊かさを映画に描き出すことで、マレーシアの未来を拓こうとしていた偉大な監督だった」と述べたのは、2010年の東京フィルメックスで登壇したピート・テオ>>続きを読む

彼らが本気で編むときは、(2017年製作の映画)

4.0

 女らしさ、男らしさ、つまりジェンダーを問うことは、恋や愛、友情、親子、家族の関係性を問うこと。逆に言えば、愛がそのまま愛であるために、ジェンダーは問われる必要があるということ。

 サブ的なテーマだ
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海は燃えている イタリア最南端の小さな島(2016年製作の映画)

4.0

イタリア最南端の住民5,500人の島に、アフリカや中東から年に5万人もの難民が船で渡ってくる。その小さな島の古い港に小さな家を借りて1年半、住み込んだという監督のこのドキュメンタリーに戸惑いを覚える人>>続きを読む

汚れたミルク/あるセールスマンの告発(2014年製作の映画)

4.0

巨大な多国籍企業ネスレ(「ネスカフェ」の会社、「キットカット」もその商品)がアフリカの国々で粉ミルクを売りつけ、母乳よりも粉ミルクの方が優れていると思い込まされた母親たちが、しかし、粉ミルクを溶くのに>>続きを読む

ヨーヨー・マと旅するシルクロード(2015年製作の映画)

4.0

ミュージシャンには国境が立ちはだかる、トランプ政権が露骨に示したように。でも、音楽はどんな壁も越える・・・・・・。ヨーヨー・マのはじけるような笑顔が印象的。

スノーデン(2016年製作の映画)

-

主演のジョゼフ・ゴードン=レヴィットはモスクワにスノーデン本人に会いに行っている。2016年9月にトロント国際映画祭で『スノーデン』がプレミア上映された際の記者会見で、彼はおおむね次のように語っている>>続きを読む

日本と再生 光と風のギガワット作戦(2017年製作の映画)

4.7

辣腕弁護士の河合弘之さんが、その腕を企業のためではなく、脱原発訴訟において振るうようになり、3・11以後、かつて儲けたお金で日本の原子力ムラの構図を余すところなくわかりやすく描いた『日本と原発』とその>>続きを読む

未来を花束にして(2015年製作の映画)

4.7

女性の製作チームによる直球の政治的な女性映画が、名もない労働者のヒロインにキャリー・マリガン、実際に護身術を指導したりしたともいう実在の人物をモデルにして造型された中産階級の薬剤師にヘレナ・ボナム=カ>>続きを読む

人類遺産(2016年製作の映画)

4.5

試写で見せてもらった。打ちのめされるような感覚から言葉になる部分を少しずつでも。

廃墟のドキュメンタリーであるということだけは知っていた。廃墟は規模が大きければ大きいほどインパクトがある。巨大な建造
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ニーゼと光のアトリエ(2015年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます。

1940年代のブラジル、心の自然治癒力を信じ、精神病院で芸術療法に奮闘した女性医師ニーゼの物語。太陽の光や木々の梢を渡る風を感じ、ボール遊びに水遊び、犬を飼い、絵筆や粘土で無意識を表出させる・・・・・>>続きを読む

TOMORROW パーマネントライフを探して(2015年製作の映画)

4.6

 地球規模の人類の危機を回避し、未来の社会をポジティブに構想するために世界中の〝新しい暮らしを始めている人々〟に会いに行く−−−−というドキュメンタリー。政策提案型という点では『マイケル・ムーアの世界>>続きを読む

クリスマスの伝説 4人の若き王子たち(2015年製作の映画)

4.0

 クリスマスを入院中の精神病院で過ごさねばならない4人の若者たち。要注意人物とされる青年は爆発しそうな怒りをその身に抱え、もうひとりの青年は酷いイジメを受けたためにすっかり脅えている。女のコたちの方と>>続きを読む

パリ、恋人たちの影(2015年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます。

 女は自分のキャリアをあきらめ、ドキュメンタリー映画を作っている未だ無名の男を献身的に支える〝糟糠の妻〟。男性経験が豊富らしい彼女の母親は「自分を捨てて尽くすほどの男なんていない」と言うのだが。
 製
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