chiakihayashiさんの映画レビュー・感想・評価

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月刊『女性情報』に時々映画評を書かせてもらっていました。1978年に女性が作った映画が見たいと開催された「女たちの映画祭」にコミットして以来、女性監督の作品優先で映画を見てきました。

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苦い銭(2016年製作の映画)

3.6

@試写

『3億人の中国農民工 食いつめものブルース』の著者・山田泰司によると中国は「都市戸籍を持つ4億人が農民戸籍を持つ9億人から搾取するといういびつな構造を持つ」という。(http://busin
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否定と肯定(2016年製作の映画)

4.3

@試写

「歴史修正主義者」とフランスの『ル・モンド』紙に名指された首相をいだく国の人間として、自分の無知にいささか茫然としながらも圧倒されるような思いで見た。

この場合の歴史修正主義とはなんと「ホ
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女の一生(2016年製作の映画)

4.1

@試写

前作『ティエリー・トグルドーの憂鬱』で社会に対する洞察といい、映画技法といい、感嘆させられたステファヌ・ブリゼ監督。彼が20年前から構想していたというモーパッサンの原作の映画化。

ヒロイン
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ロダン カミーユと永遠のアトリエ(2017年製作の映画)

3.6

@試写

邦題の副題はミスリーディング。とはいえ、イザベル・アジャーニが製作・主演、彼女が一児をなしたブリュノ・ニュイッテンが監督を務めた『カミーユ・クローデル』(1988)他、カミーユ・クローデルの
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希望のかなた(2017年製作の映画)

4.0

@試写

フィンランド名物(笑)のアキ・カウリスマキ監督作品の名物(?)と言えば、孤独な登場人物たちの能面ならぬ蝋人形のようなテッパンの無表情。それが、まさに陽を受けて蝋が溶けるかのように、彼女/彼ら
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ポリーナ、私を踊る(2016年製作の映画)

3.8

プリマを目指すバレリーナの物語といえば、なんといってもいくつかの少女漫画が思い浮かぶのだけれど、この映画が新しいのはヒロインが文字通り自己表現する〈自己〉を自ら産み出すまでを描いた物語であることだろう>>続きを読む

被ばく牛と生きる(2017年製作の映画)

3.9

無惨な死骸となった牛たちが並ぶ牛舎の光景には、息を呑み、言葉がない。

福島・浪江町で300頭以上の被ばく牛を飼い続けている「希望の牧場」の名物(?)牧場長の吉沢正巳さんのことは、〝変わり者〟(当然!
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ワンダーウーマン(2017年製作の映画)

3.9

 この映画についてはいろいろ議論があったけれど、私がほぉ!と思ったのはまず、アマゾン族の女優さんたち。ヒロインのダイアナ/ワンダーウーマンの母親である女王や、ヒロインを厳しく鍛える叔母で将軍の存在感が>>続きを読む

ル・コルビュジェとアイリーン 記憶のヴィラ(2015年製作の映画)

4.2

@試写

原題The Price of Desireは意味が取りにくいとしても、邦題はミスリーディングであるだけでなく、明らかにアイリーン・グレイの評伝映画として撮った監督に対する、同時にアイリーン・
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ブルーム・オブ・イエスタディ(2016年製作の映画)

4.0

ホロコーストについては語られすぎたことと語られずにきたことがある、と監督は述べている。誰も反対しないけれども陳腐な紋切り型に陥りがちな語られすぎたこと。一方、語られずにきたこととは、例えば監督自身の立>>続きを読む

愛を綴る女(2016年製作の映画)

3.9

@試写

「恋に恋する」というような生やさしい情熱ではなく、性的な官能も含めて、〝ほんとうの愛〟に生きることを求めてやまないヒロインが、17年に及ぶ精神的な彷徨の末に、すぐ身近に〝愛のほんとう〟があっ
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ゴッホ~最期の手紙~(2017年製作の映画)

3.6

@試写

画家ゴッホの最後の日々とその死の謎をひとりの青年が追っていく物語なのだけれど、まずは〝動く絵画〟というか、ゴッホの絵のなかに入っていくような作られ方に感嘆する。

ゴッホの絵画を再現したセッ
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不都合な真実2:放置された地球(2017年製作の映画)

4.2

@試写

2007年、アカデミー賞長編ドキュメンタリー賞を受賞した『不都合な真実』(プレゼンターはレオナルド・ディカプリオだった)から10年、第2部は世界を飛び回るアル・ゴアに密着取材をしただけあって
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ノクターナル・アニマルズ(2016年製作の映画)

3.6

このレビューはネタバレを含みます

@試写

画面の隅々までスタイリッシュに構築されたこの映画の世界で、幾重にも逆説的に描かれる2,3のテーマについてだけ、書き記しておく。

冒頭のシーン。たっぷりと贅肉を携えて脂肪そのものの女性たちが
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婚約者の友人(2016年製作の映画)

4.1

このレビューはネタバレを含みます

@試写

第一次大戦、ドイツから「祖国のために闘え」と父親に送り出された、パリに留学したこともある詩を愛する青年。まったく偶然に彼と塹壕で真正面から対峙し、たまたま彼よりも引き金を早く引いたのは、パリ
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シンクロナイズドモンスター(2016年製作の映画)

3.4

このレビューはネタバレを含みます

 酒浸りの負け犬になってニューヨークから故郷の田舎町に戻ったグロリア(アン・ハサウェイ)は、小学校時代の同級生オスカーと再会、彼が父親から受け継いだバーでアルバイトをすることに。で、何故か突然、ソウル>>続きを読む

アンダー・ハー・マウス(2016年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

@第26回レインボーリール東京

屋根葺き職人と呼ぶべきか、大工のように屋根に上って働くダラスは、私生活では女が放っておかない、言ってみれば女たらし。でも、どんな女性にも身心ともに満たされることがない
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ボブという名の猫 幸せのハイタッチ(2016年製作の映画)

3.5

舞台はロンドン。ストリート・ミュージシャンのジェームズはホームレスで薬物中毒。ただ、更正プログラムにはつながっていて、その担当者の尽力で住まいが見つかる。そこに迷い込んできた茶トラの猫が、なんと幸運の>>続きを読む

サーミの血(2016年製作の映画)

3.5

@2017年東京国際映画祭で

サーミ人とは北欧のラップランドでトナカイを飼って暮らす先住民族。その血を引く監督の長編デビュー作。監督は「多くのサーミ人が何もかも捨てスウェーデン人になったが、私は彼ら
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ギフト 僕がきみに残せるもの(2016年製作の映画)

4.0

アメリカン・フットボールのスター選手スティーブ・グリーソンは引退後、全身がマヒしていく進行性の難病ALSと診断された。その6週間後に妻の妊娠がわかり、彼は生まれてくる子のために自撮りでカメラに語りかけ>>続きを読む

ネリー・アルカン 愛と孤独の淵で(2016年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

@試写

これは女性にとってはイタくて、かつ悼ましい作品だ。

ネリー・アルカンは1973年カナダ・ケベック州生まれ。2001年、学費のために高級エスコートガールをしていた時代のことを書いた小説第一作
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夜明けの祈り(2016年製作の映画)

4.4

1945年のポーランドは、5年以上に及んだナチス・ドイツの占領からソ連軍によって「解放」されたものの、ソ連軍もまた新たな「占領軍」という側面を持っていた。この映画は戦争末期、ソ連兵に暴行されて妊娠した>>続きを読む

ヒトラーへの285枚の葉書(2016年製作の映画)

3.9

@試写

アウシュヴィッツから生還し、数々の貴重な証言を遺したプリモ・レーヴィが「ドイツ国民による反ナチ抵抗運動を描いた最高傑作」と評したという、この映画の原作小説『ベルリンに一人死す』(邦訳はみすず
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歓びのトスカーナ(2016年製作の映画)

3.9

@試写

トスカーナの丘の上にあるレンガ造りのヴィラを改造した精神科ケア付きグループホーム。女王然と振る舞うベアトリーチェは自称「伯爵夫人」で虚言癖のある賑やかな困ったサン。そこに新しく入ってきたのが
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ボンジュール、アン(2016年製作の映画)

4.5

@試写

監督はフランシス・フォード・コッポラ監督の妻にして、先頃カンヌ国際映画祭で監督賞を受賞したソフィア・コッポラの母。『地獄の黙示録』
(79年)の制作現場のドキュメンタリーの共同監督を務め、エ
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ローサは密告された(2016年製作の映画)

3.5

@試写

マニラのスラム。スーパーで大量に仕入れたものを小分けにバラして売って商売をするサリサリストアをやっているしっかり者のローサ。夫は、悪い人間ではないけれど不甲斐ないだけに、4人の子どもを抱えて
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裁き(2014年製作の映画)

3.8

@試写

ムンバイ。下水清掃人の死体がマンホールで発見され、ほどなく年老いた民謡歌手(〝民衆詩人〟というニュアンスもあるらしい)のカンブレが逮捕される。人々にある種の抵抗を呼びかける彼の歌が、自殺を煽
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オラファー・エリアソン 視覚と知覚(2009年製作の映画)

3.9

@試写
 オラファー・エリアソンの名前は知らなかったけれど、たぶん、これまでにない新しい知性の持ち主なのだと想う。

 「大自然を都会で体験し、環境を考える機会にするのだ」と、2008年、ニューヨーク
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ありがとう、トニ・エルドマン(2016年製作の映画)

4.5

@試写。
ドイツの女性監督によるドライでクールでビターでスウィートでくそリアルでシュールな(?)コメディ。

ヒロインのイネスは金髪でいかにも知的なバリキャリ。ルーマニアのブカレストでコンサルティング
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ザ・ダンサー(2016年製作の映画)

4.8

@試写
 「芸術と恋愛は、自分の力で勝負しなければならない」とはまもなく公開されるアンジェ・ワイダ監督の伝記的な映画『残像』のヒーローである画家の言葉だが、芸術家たらんとする女性は恋愛についても、男性
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ハロルドとリリアン ハリウッド・ラブストーリー(2015年製作の映画)

4.3

 映画『十戒』(1956)で海がまっぷたつに割れるシーンを最初にヴィジュアライズ(視覚化)したのは、絵コンテを描いたハロルド・マイケルソン(1920−2007)。彼と駆け落ちして結婚したリリアン(19>>続きを読む

(2017年製作の映画)

3.0

永瀬正敏が前作『あん』に優るとも劣らぬ入魂の演技で、写真表現にイノチをかけてきて、病により次第に視力を失っていくカメラマン役を熱演。アブラッ気がきれいに抜け落ちたような藤竜也もすっかり河瀬直美ワールド>>続きを読む

オリーブの樹は呼んでいる(2016年製作の映画)

4.0

こんなふうにパンキッシュなヒロインが、それも社会的に大きな問題背景を踏まえて、生き生きと造型されたことが画期的だと思う。

アルマは20歳。代々続いたオリーブ園は、グローバルな金融経済に翻弄され−−−
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甘き人生(2016年製作の映画)

3.5

試写で。

主人公マッシモは9歳の時に母を失う。だが、いつ、何故、どのように大好きだった母親が亡くなったのか、誰も彼に教えてくれない。9歳の少年にはこれは酷い体験だ。彼は混乱を独りで抱え込むしかない。
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ターシャ・テューダー 静かな水の物語(2017年製作の映画)

3.8

 鈴木ゆかりプロデューサーと松谷光絵監督の10年間にわたる取材の集大成ともいうべき作品。ターシャ・テューダーという見るからに素敵なおばあちゃんについては、アイコニックなイメージしか知らなかったけれど、>>続きを読む

午後8時の訪問者(2016年製作の映画)

4.3

 ベルギーの都市の郊外にある小さな診療所。診療時間を過ぎて鳴った呼び鈴に、医師のジェニーは応じなかった。翌日、身元不明の死体が発見されたと警察が来訪、亡くなったのは防犯カメラに映っていたアフリカ系の少>>続きを読む

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