chiakihayashiさんの映画レビュー・感想・評価

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幸福路のチー(2017年製作の映画)

3.8

 チーという名の元気な少女が10代、20代と自分の生き方に迷いながら悩みながら成長していく多分に自伝的な台湾発のアニメ。蒋介石が死去した年に生まれたチー。中学入学時に戒厳令解除、大学時代には初の国民直>>続きを読む

リンドグレーン(2018年製作の映画)

4.7

 『長くつ下のピッピ』や「ちいさいロッタちゃん」シリーズの作者アストリッド・リンドグレーンの若き日々を描く。もう、この作品は誰彼となくオススメしたい。児童文学を読んでいるときって、どこか素直な気持ちに>>続きを読む

第三夫人と髪飾り(2018年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

 19世紀の北ベトナム、「絹の里」が舞台。ヒロインは大地主の第三夫人として嫁いできた14歳のメイ。第一夫人には成人した一人息子。第二夫人には娘が3人。メイにはもうひとり男児を生むことが期待されている−>>続きを読む

ドリーミング村上春樹(2017年製作の映画)

4.0

 「完璧な文章は存在しない、完璧な絶望が存在しないようにね」というのは村上春樹『風の歌を聴け』の冒頭の一文。このドキュメンタリーは村上春樹の作品のデンマーク語への翻訳をずっと手がけている女性がその『風>>続きを読む

レディ・マエストロ(2018年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

 女性指揮者のパイオニアであるアントニア・ブリコ(1902年オランダ生まれ、1989年アメリカ・コロラド州デンバー没)の半生を、オランダで最も成功した女性監督がよく出来たエンタメとして映画化。

 幼
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新聞記者(2019年製作の映画)

3.3

 『ブルーアワーにぶっ飛ばす』(箱田優子監督)を試写で見せてもらい、すっかりシム・ウンギョンに魅了されて、それだけで見るつもりは全然無かった本作も見に行ったことは『ブルーアワー〜』のレビューに書いた。>>続きを読む

ブルーアワーにぶっ飛ばす(2019年製作の映画)

3.3

このレビューはネタバレを含みます

 監督は1982年生まれ。東京藝大卒、CMディレクターとして活躍。本作の企画が2016年のTSUTAYA CREATORS’ PROGRAMで審査員特別賞を受賞、プロデューサー、スタッフ(例えば撮影は>>続きを読む

ディリリとパリの時間旅行(2018年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

 フランスの鬼才がベル・エポックのパリを舞台に創り上げた絢爛たるアニメーション。ヒロインは、フランスの植民地ニューカレドニアから密かに船に乗ってやってきた賢い少女ディリリ。「人間動物園」(!)で原住民>>続きを読む

命みじかし、恋せよ乙女(2019年製作の映画)

4.2

このレビューはネタバレを含みます

 樹木希林の遺作(昨年7月に撮影、9月15日逝去)はドイツの大ベテラン女性監督ドーリス・デリエの本作。

 カールの人生はボロボロだった。アルコールに溺れ、仕事は続かず、愛想を尽かした妻に離婚され、愛
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マイ・エンジェル(2018年製作の映画)

3.9

このレビューはネタバレを含みます

 フランス人のアカデミー賞女優マリオン・コティヤールと言えば、ジョニー・デップ、レオナルド・ディカプリオ、クリスチャン・ベール、マイケル・ファスベンダー、ブラッド・ピットとハリウッドのイケメン男優を網>>続きを読む

ガーンジー島の読書会の秘密(2018年製作の映画)

3.6

このレビューはネタバレを含みます

 ただただウェルメイドとしか言いようがないこの映画で、ヒロイン像が変わったことを実感。

 リリー・ジェームズ扮するヒロインのジュリエットは、1946年という時代を先駆けた強さを持っている。まず、〈書
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存在のない子供たち(2018年製作の映画)

4.7

 レバノンの女性監督ナディーン・ラバキーの長編3作目。
 シリア難民の推定12歳の少年ゼインを主人公に、彼が傷害事件を起こし、少年刑務所からテレビ番組を媒介にして、両親を「自分を産んだ罪」で訴えるに至
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見えるもの、見えざるもの(2017年製作の映画)

3.5

 死者たちは見えないが、実はひそやかに生者たちの傍らに在り、鶏や猿と人間を分かつ境界はある次元ではたやすく開かれる・・・・・・。そんなコスモロジーを映像化した作品。

 カンヌ国際映画祭でパルム・ドー
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ホットギミック ガールミーツボーイ(2019年製作の映画)

3.2

このレビューはネタバレを含みます

 雑誌『ユリイカ』が特集を組んでいる山戸結希監督はこの作品について、「自分自身の主体性を奪われる恋ではなくて、自分自身の主体性を知るための恋が、もしもこの世にあるのなら、そのようなものをこそ今、新しく>>続きを読む

COLD WAR あの歌、2つの心(2018年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

 正方形に近いモノクロームの画面は、その肌理の美しさといい、氷のようにエッジが効いている。が、そこに封じ込められた15年間に及ぶ男女の愛の物語は触れれば火傷しそうなほどに烈しい。「まばたきするのも惜し>>続きを読む

ニューヨーク 最高の訳あり物件(2017年製作の映画)

4.1

 はい、あの『ハンナ・アーレント』(12年)を撮った後に、マルガレーテ・フォン・トロッタ監督が楽しんで撮ったというコメディ。私は東京国際映画祭で観た。

 一世を風靡したモデルのジェイドも40歳、デザ
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アマンダと僕(2018年製作の映画)

4.2

 僕はダヴィッド、24歳、パリでアパートの管理人兼便利屋のようなことをしている。シングル・マザーの姉は7歳になる娘のアマンダとふたり暮らし。20年前に母と離婚して、僕たち姉弟を育ててくれた父は3年前に>>続きを読む

マイ・レボリューション(2018年製作の映画)

3.9

このレビューはネタバレを含みます

 ヒロインはフランスのロスジェネ世代か。といっても日本のロスジェネ世代が就職氷河期世代と呼ばれ、日本型雇用の行き詰まりに合わせて非正規雇用、ブラック企業、自己責任といった語られ方をするのに対し、このい>>続きを読む

パリの家族たち(2018年製作の映画)

4.1

 母と子のさまざまな関係性をパリを舞台に描いて、いかにもありそうな−−だけど日本では未だ(?)なさそうな−−エピソード満載の群像劇。もちろん母性神話を脱構築しようとのねらいもあって、「母の日」(仏語の>>続きを読む

よこがお(2019年製作の映画)

2.5

このレビューはネタバレを含みます

深田晃司監督については、2016年の東京国際映画祭の機会に「独立映画鍋」が開いたトークイベント「女もつらいよ!?日本映画と現場のリアル~映画・仕事・子ども~」(いい企画だった。「独立映画鍋」のサイトに>>続きを読む

カブールのツバメ(2019年製作の映画)

4.3

このレビューはネタバレを含みます

1998年、タリバン政権下のアフガニスタンの首都カブール。神の名のもとに狂気と暴力が横行する荒廃した街で、二組の男女の愛が、それぞれの抵抗とその敗北に交差する。

アティクは女子拘置所の看守。ソ連軍と
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世界の涯ての鼓動(2017年製作の映画)

3.6

このレビューはネタバレを含みます

今日的なラブ・ストーリーをヴィム・ヴェンダースが映画化。

女(アリシア・ヴィキャンデル)は優秀な若き海洋生物数学者。生命の起源を探るため、超深海層からさらに深く、地球が存在して以来一度も光が差したこ
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ニューヨーク公共図書館 エクス・リブリス(2016年製作の映画)

4.0

名称にPublicと入っているが、ニューヨーク公共図書館(The New York Public Library)は「公立」ではなく、独立法人。財源の半分はニューヨーク市から、半分は民間からの寄付で、>>続きを読む

RBG 最強の85才(2018年製作の映画)

4.4

 『ビリーブ』(ミミ・レダー監督)のヒロイン、アメリカ連邦最高裁判事のルース・ベイダー・ギンズバーグ(RBGと敬愛を込めて呼ばれている)のドキュメンタリー。
 1999年に大腸ガン、2009年には膵臓
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マルリナの明日/殺人者マルリナ(2017年製作の映画)

4.4

このレビューはネタバレを含みます

 インドネシアの気鋭の女性監督(1980年生まれ)による闘う女性をヒロインに据えたマカロニならぬナシゴレン(焼き飯)・ウェスタン。

 夫と幼い息子を失ったマルリナが独りで住む荒野の一軒家に強盗団がや
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女性の名前(2018年製作の映画)

4.0

老人施設で職を得たシングル・マザー。だが、施設長によるセクシュアルハラスメントを受け、混乱と逡巡を経て、法廷での闘いに挑む。実際にあった事件をもとに、入念な取材をした女性脚本家と巨匠ジョルダーナ監督が>>続きを読む

幸福なラザロ(2018年製作の映画)

4.1

 イタリア、大洪水の後、深い渓谷に閉ざされ、外部との交流を断たれた小さな集落。農民たちは封建的な小作制度に縛られ、半奴隷的な暮らしを送っていた。実は1982年に小作制度は廃止されたにもかかわらず、丘の>>続きを読む

ビリーブ 未来への大逆転(2018年製作の映画)

4.1

 直球ど真ん中のフェミズム映画。この3月に86歳の誕生日を迎えた米連邦最高裁判事ルース・ベイダー・ギンズバーグ(RBGと敬愛を込めて呼ばれている)の若き日を描く。

 1956年、彼女は初めて女性に門
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ある少年の告白(2018年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

 自慢のひとり息子に同性愛者であることを告白された信仰篤い両親は、彼に矯正療法(conversion therapy:「改宗」「転向」を意味する)を受けさせることにした。同意して矯正施設に赴いた彼がそ>>続きを読む

ソーシャルメディアの“掃除屋”たち(2018年製作の映画)

4.2

@ドイツ映画祭2019

 日々、インターネット上の膨大な画像をチェックして〝不適切〟と思われる画像を削除する業務(コンテンツ・モデレーターと呼ばれる)を取材した良質なドキュメンタリー。

 コンテン
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セメントの記憶(2017年製作の映画)

4.7

 画面を見入っているうちに、心にくっきりと刻印されるような力強いドキュメンタリー。美学的なセンスでカメラが切り取り、陽の光と地下室の影を映し出す映像。一切の音を入れない瞬間をも織り成すサウンドデザイン>>続きを読む

シリア・モナムール(2014年製作の映画)

3.5

 この作品については私も長く何も書けなかった。どうしてもこのドキュメンタリーを日本で上映したいとの志を持つ人たちによって配給された作品で、試写で見せてもらったにもかかわらず。いや、見ている間中、私の身>>続きを読む

マックイーン:モードの反逆児(2018年製作の映画)

4.2

 ファッション界の「反逆児」「革命児」リー・アレクサンダー・マックイーンの生涯を描いたドキュメンタリー。2010年、最愛の母親の葬儀の前日に自死した彼は永遠に「児」と呼ばれる存在になった。享年40歳。>>続きを読む

21世紀の女の子(2018年製作の映画)

3.3

 「自分自身のセクシャリティあるいはジェンダーがゆらいだ瞬間が映っていること」がテーマで、恋あるいは性愛の関係性を描いた作品では異性愛と同性愛がほぼ拮抗。

 他に目立ったのがカメラを手にしたヒロイン
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ふたりの女王 メアリーとエリザベス(2018年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

 原題はMary, Queen of Scotsで、シアーシャ・ローナンがメアリー・スチュアートを演じることは早くから決まっていたようだ。対するエリザベス1世には、『アイ・トーニャ 史上最大のスキャン>>続きを読む

マイ・ブックショップ(2017年製作の映画)

4.1

このレビューはネタバレを含みます

 1959年、イギリス東部の海辺の小さな町。戦争で夫を亡くしたヒロインが、夫との夢でもあった書店を開くべく、長年放置されていた古い建物を買い取った。ところが、とかく旧弊に流れがちな町の人びとに加えて、>>続きを読む

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