おさるのじょじへいさんの映画レビュー・感想・評価

おさるのじょじへい

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枯れ葉(2023年製作の映画)

4.0

雪深い故郷で暮らしていた時。秋の終わりごろになると、えも言われぬ切なさに襲われ、『枯れ葉』のメロディが何度も頭の中を流れたものです。
やはりあの曲は、寒い地域が似合います。雪が降り出す前の物悲し気な街
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時計じかけのオレンジ(1971年製作の映画)

3.8

様々な映画監督が今作に影響を受けたと聞いたので、これは観ておかなくては!と思っていた一本です。
内容は全く知らなかったので、タイトルの雰囲気からして、タイムトリップ系の青春ファンタジーだと勝手に思い込
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彼岸花(1958年製作の映画)

3.9

ここ数年、年に1本は小津作品を観ています。
そうしているうちに、佐分利さん、中村さん、北さん、笠さん、and 高橋とよさんのカルテットが今でも健在で、どこかでばったりと会えるような気がしてきました。
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(2023年製作の映画)

4.0

血みどろな描写がどうしても苦手で、北野作品には鑑賞が叶わないものが多々あります。でも時代劇ならば、ある程度耐性があるはず…と言い聞かせ、思いきって今作を劇場で鑑賞してみました。
やはり目を伏せずにはい
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キリエのうた(2023年製作の映画)

4.0

岩井監督の特徴的な要素が、すべて詰められたような作品でした。
(でも今回は、ロマンチックは薄め…)

映像美はこれまでとたがわず。
キリエのステージ衣装は、『最後の晩餐』やフェルメールブルーを想起させ
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福田村事件(2023年製作の映画)

4.2

「流言飛語には、気を付けないといけないなぁ…」と、鑑賞後に連れがぽつりと。
一緒に映画を観に行く機会も少ないですが、大概の作品において、淡白な感情しか湧かない連れにしては、珍しい。それだけ心に響いたの
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君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)

4.4

うぅぅ、観てよかったぁ。
スクリーンを後にしながら、思わず自分の心の声が漏れ出ていたかもしれません。

自分にとっては、どんなテーマパークに出掛けるよりも、宮崎駿監督の作品を観る方が夢の国へいざなって
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スイート・マイホーム(2023年製作の映画)

-

このレビューはネタバレを含みます

ホラーが苦手で、あまり鑑賞する機会も少ないため、スリラー作品として優れているか否かは自分には分からないのですが、”家族”を描いた物語との印象を受けました。
特に、聡さんの想いが分かった場面、賢二の過去
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ジェーンとシャルロット(2021年製作の映画)

-

作品の冒頭がコンサート開演時のシーンだったため、実際に会場にいる錯覚を起こして、気持ちが高揚しました。ところがすぐに我に返ると、もうジェーンがステージに立つこともないと気付き、涙があふれてきてしまい…>>続きを読む

怪物(2023年製作の映画)

4.1

なんと、みずみずしい。
生きていくためには通らなければならない、多感な時期の心の揺れ。
少年2人の戸惑いと純粋さが手に取るように伝わってきて、同調する気持ちと、大人として彼らを抱きしめたい感情どちらも
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THE FIRST SLAM DUNK(2022年製作の映画)

3.8

スラムダンク世代と呼べる年齢にも関わらず、不思議と原作もアニメも観たことがありませんでした。
そんな人物ではありますが、安西先生の名言を何度も耳にしているということは、スラムダンクがいかに人気作である
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ICE ふたりのプログラム(2018年製作の映画)

3.5

以前に鑑賞したロシア映画がミニシアター系の作品だったため、ロシアもヨーロッパ寄りの作品が多いのかと思っていましたが、実にハリウッドテイストだった今作。
佳品かと問われたならば素直に頷けませんが、フィギ
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ピアノ・レッスン(1993年製作の映画)

4.0

フィギュア題材未鑑賞シリーズ・第十弾。

フィギュアを抜きにしても、いつかは観たいと思い続けていた作品です。

実際の19世紀の映像を見ているようでした。
人間の手が及んでいない自然と鳥のさえずり、広
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閉鎖病棟ーそれぞれの朝ー(2019年製作の映画)

3.6

生きることの意味を理解した時、人は強くなるものだと切々と感じました。

ビリー・ボブ・ソーントン監督兼主演の『スリング・ブレイド』にも似た物語でした。
犯罪者の心情に共感できるため、観ていて苦しくなっ
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ミッション(1986年製作の映画)

4.2

フィギュア題材未鑑賞シリーズ・第九弾。

本編を観る以前から『ガブリエルのオーボエ』は何度も耳にしていました。
穏やかな緑風や、柔らかな陽だまりに包まれた心地になる清らかな旋律だと感じてきましたが、こ
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マスク(1994年製作の映画)

-

フィギュア題材未鑑賞シリーズ・第八弾。

『ラ・ラ・ランド』同様に、今作の衣装やキャラクターは、氷の上でも再現しやすそうですね。
ただし、ジム・キャリーの表情を除く…。

ジム・キャリーは顔の筋肉を動
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セント・オブ・ウーマン/夢の香り(1992年製作の映画)

-

フィギュア題材未鑑賞シリーズ・第七弾。


下ネタやスラングであろう言葉の連続でしたが(苦笑)、ここぞという時のフランクの発言は万人に共通する人生訓のようでした。

視力としては見えていなくとも、周囲
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秋刀魚の味(1962年製作の映画)

3.8

ここ数年、お正月に小津作品を観ることが自分なりの恒例行事になりました。


まだまだ数は少ないですが、小津作品を鑑賞していると、戦後の日本の復興と発展が見て取れる気がします。
冒頭の工場風景はまさにそ
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ベイビー・ブローカー(2022年製作の映画)

4.0

劇場で一度だけ見たきりでしたが、ようやく二度三度と鑑賞。新作公開までに間に合ってよかったです。

あくまでベースは犯罪であり、人身売買など許されない行為ですが、作品そのものそして、登場人物の根底にある
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キャロル(2015年製作の映画)

4.0

好きな人に触れられたとき。
ほかの誰かのものとはまったく違う、特別な感触がするものですよね。不思議なことに。

作家パトリシア・ハイスミスの半自伝的ストーリーとのことで、同性愛などが弾圧されていた時代
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グレイテスト・ショーマン(2017年製作の映画)

-

フィギュア題材未鑑賞シリーズ・第六弾。

ストーリーも演出も、キャラクター像やダイナミックさもすべて、ハリウッドのお手本のような作品でした。
すなわちひねくれ者の自分には、さほどこみ上げてくるものが無
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ドライブ・マイ・カー(2021年製作の映画)

4.0

昨年から何度か上映されるたびに、映画館に行きづらい時期に当たっていましたね。タイミングが悪くて、本当に気の毒でした。
わたしも観たいと思いつつも劇場には行けず、悔しさに見舞われていましたが、初公開から
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ラ・ラ・ランド(2016年製作の映画)

-

フィギュア題材未鑑賞シリーズ・第五弾。

『ラ・ラ・ランド』は早くもフィギュアの定番になりつつあるなぁ、なんて思っていましたが、“早くも”ではなく公開からもう6年も経っていたのですね。時の流れの速さを
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オペラ座の怪人(1925年製作の映画)

-

フィギュア題材未鑑賞シリーズ・番外編

サイレント作品につき、フィギュア音楽とは直接関係がないのですが、『オペラ座の怪人』の映画版の中では今作が一番知名度が高く、ストーリーも原作に近いとのことで、鑑賞
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へんな体験記(1951年製作の映画)

4.0

面白いですねぇ、ちょっと皮肉っぽい雰囲気もまた。

登場する言葉の半分ほどは、英語と日本語の慣用句表現が似ていて、意外と理解できる内容が多かったです。英語は全然話せませんけど…。

駆け足で過ぎていく
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巴里のアメリカ人(1951年製作の映画)

-

フィギュア題材未鑑賞シリーズ・第四弾。

ジーン・ケリーの動きを観るたびに、世の中にはこれ程までに運動神経がいい人が存在するものなのだと嘆声を漏らします。バックダンサーの方々も相当優秀なのでしょうけど
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オペラ座の怪人(2004年製作の映画)

-

フィギュア題材未鑑賞シリーズ・第三弾。

いわゆる『オペラ座の怪人』の音楽と言えばミュージカル版ですが、とりあえずわたしはシネマにて。
かつて村上佳菜子ちゃんが今作の音源でショートはクリスティーヌを、
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ロミオとジュリエット(1968年製作の映画)

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フィギュア題材未鑑賞シリーズ・第二弾。

なんて見目麗しいこと!
ロミオやジュリエット役に選ばれる美貌の持ち主は、一体どんな気持ちなんだろうと想像してしまいました。
これを杞憂と言わずして何と言う(苦
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ムーラン・ルージュ(2001年製作の映画)

-

フィギュアスケートが好きで、選手や関係者でもないのに五輪開催中はそわそわしてしまい、映画を観られる状況ではありませんでした。
北京五輪も深く心に残る演技と結果で、しばらくフィギュアへの熱い気持ちが抑え
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ゾッキ(2021年製作の映画)

3.7

観終わったあとに包まれた感覚を何と表現したらよいものか…。
空虚感と郷愁が一番近いように思いますが、決して嫌な気分ではないと言いますか。
公式サイトにて“この映画は『ゾッキ』という新しいワンジャンル”
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永い言い訳(2016年製作の映画)

4.0

西川監督作はまだ3本しか観ていませんが、どの作品も本当に濃密な取材をされていることが伝わります。だからこそ、劇映画でありながらノンフィクション作品を観ている感覚になるのでしょう。
お師匠さん譲りだと感
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MOTHER マザー(2020年製作の映画)

-

いつもは羨望の眼差しで見てしまうまさみちゃんの長く細い脚。あの脚が、努力もせずに食いつなぐための下衆な道具にしか見えなくて、羨ましいとは感じませんでした。
いい俳優ですね、本当に。

若い時分に似た題
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秋日和(1960年製作の映画)

3.7

本音と建前の応酬が滑稽ですね。
夫たちの下心を妻たちが難なく見透かしているという構図もじわりと笑えます。当時から、妻がでんと構えている家庭の方が多かったのでしょうか(笑)。
そのうえ50年前から、すで
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