おさるのじょじへいさんの映画レビュー・感想・評価 - 5ページ目

おさるのじょじへい

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こんぷれっくす×コンプレックス(2015年製作の映画)

4.0

己の青春時代を追憶させ、些細な出来事で胸を高鳴らせたあの時の気持ちを再燃させてしまうパワーは、
フランソワ・トリュフォーや岩井俊二、
はたまた『君の名前で僕を呼んで』に匹敵するかもしれない。

傑作で
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放浪の画家 ピロスマニ(1969年製作の映画)

3.8

ピロスマニの絵にオマージュを捧げたと思われる絵画のような映像。
ただただ美しい。
マルガリータとの恋について、ばっさりと省いてしまうところなんかにも、監督のピロスマニへのリスペクトが感じられました。あ
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アイスと雨音(2017年製作の映画)

3.5

ワンカット勝負という点で
松江監督の『ライブテープ』を思い出しました。

サイレントからトーキーになり
ヌーヴェル・ヴァーグが起こり
モノクロからカラーに変わり
CG表現は当たり前
フィルム撮影は衰退
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エリカ38(2018年製作の映画)

3.4

まさに
樹木希林による浅田美代子のための浅田美代子の映画

大体のストーリーはすでに多くの人に知られているし、ほとんどのあらすじが公式サイトで紹介されています。それを鑑みても、冒頭の内容で腑に落ちるの
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星に願いを。 Nights of the Shooting Star(2002年製作の映画)

3.2

口は悪いですが、きっと陳腐な商業ラブストーリーだろうと思って期待もせずに鑑賞しました。
看護師が白衣姿で芝生で寝ないだろう、とか
視力を失った人に対し、あんなに暴力的な介護はしないだろう、とか(苦笑)
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家族の写真(2011年製作の映画)

3.2

なんじゃ、この悪い男は~。
クロエちゃんは、その後はどうするのかなぁ…。

衣装が素敵でした。自分の恋人の家族たちが、こんなへんてこりんで、リッチ感まるだしで、時代錯誤な格好をしていたら、もちろんのけ
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愛して飲んで歌って(2014年製作の映画)

3.7

軽妙洒脱とはこういう作品のことを言うのでしょう。
フランス語は理解できないけど、響きがとても流麗かつ軽快で、耳心地?が非常によかったです。登場人物それぞれの特徴が、嫌味っぽいほど濃く描かれていて、笑い
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長いお別れ(2019年製作の映画)

4.1

中野監督ファンとしては、やはりオリジナル脚本の方が奇想天外な表現があるので好きなのですが…。
それでも中野原作同様に、あたたかな家族像とコミカルな演出に泣いたり、笑ったり。

それにしても細かな演出の
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スプリング-春へ(1986年製作の映画)

3.4

日本人には理解ができないほど何かと規制の多いイランで、しかも戦時中にこの作品を制作していたということが、まずすごい。反戦映画としては描かれていないけど、まさに反戦映画だと感じました。

現在は不明です
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オリーブの林をぬけて(1994年製作の映画)

4.0

すごいなぁ。
三部作を順に観ていなければ、なんのこっちゃ!と言わんばかりの内容だけど、『友だち…』のアハマッド兄弟や先生役、『そして…』の監督役のファルファッドさん、プヤ君の声、そして見たことのあるシ
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フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法(2017年製作の映画)

3.5

さすがにモーテル暮らしは経験がないけど、母子家庭で貧しい幼少時代を送った自分からしてみると、ちょっと疑問が…。
子供って自分が置かれた環境や事情を意外と理解しているもの。マジック・キャッスルで暮らす子
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想影(2016年製作の映画)

2.0

どうも解せないのです。
あんなに無垢で爽やかだった由美が、10年経って
あんなにじっとりとした女になっていたことが。
どうも同一人物には見えないんだなぁ。

美しい恋物語として描かれているけど、
好き
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そして人生はつづく(1992年製作の映画)

4.2

この感動をうまく言葉には表せない。

『友だち…』を見た後に今作を見れば、
あのジグザグの山が自分の故郷になっていく感覚。
そして気持ちはせく。車は加速する。
アハマッド君らしき人物を見つけた喜び、
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ファントム・スレッド(2017年製作の映画)

3.8

どこまでも麗しいドレスと風景、そして上品なピアノの旋律。
ああ、流石はアカデミー賞衣装賞受賞作。

本来なら、こんな感想のはずだけど…。
上記に反比例するような、歪みに歪んだ愛憎劇。
敢えてしたであろ
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ガザの美容室(2015年製作の映画)

3.6

人は真の悩みから目を逸らすために、些細な悩みを持ち出して、悩みをすり替えるのだと聞いたことがあります。しかし真の悩みを解決しなければ、結局、心のモヤモヤが晴れることはない。(胸がいたい…。)

戦争へ
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福福荘の福ちゃん(2014年製作の映画)

3.2

恋愛経験もないのに、千穂みたいな美人さんと毎日至近距離で、何かを一緒にやり遂げていたら、そりゃ好きになっちゃうでしょう。罪な女ですよ…。
と、筆者は女ながらシマッチの気持ちに一票!

大島さんの割り切
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モリのいる場所(2018年製作の映画)

3.8

平成でさえ過去になっていくけれど…。
40年ちょっと前の昭和。そこまで昔じゃないのに、こんなにも懐かしく、あたたかっだったのかとしみじみ。無機質な現代に憂いを感じてしまいました。
静かになった夜の熊谷
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ワンダー 君は太陽(2017年製作の映画)

3.6

不思議とこのところ自分が見た作品で、子供の人格形成や成長には、周囲の大人の在り方が重要だということを教えてくれるものが続いているのですが、今作はまさにそれを語っていたように思います。厳しくも愛のある母>>続きを読む

大人は判ってくれない(1959年製作の映画)

4.2

数十年前の幼い自分が、蘇ってくるではありませんか!
モノクロなのに、舞台はパリなのに…。
観る者の感情をもコントロールしてしまうような、小粋かつリアルな演出に脱帽!その手法は1950年代の作風とは思え
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戦場でワルツを(2008年製作の映画)

4.0

日本人(少なくとも自分)には疎い中東での史実。
自分が物心も付かない時代の出来事とは言えども、まさにホロコースト同様の事件が起きていたことなど知らず、絶句しました。
兵役中のアリが休暇で地元に戻っても
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あこがれ(1958年製作の映画)

3.8

映画好きと自称するなら、トリュフォーは見ておかなければ…と思い、いざ一本目。

男とは単純な生き物だという真実を、短い時間に詰め込んだ秀作でした。
そして風をなびかせる麗しいベルナデット・ラフォン。自
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ビューティフル・ボーイ(2018年製作の映画)

4.2

2回目の鑑賞にて印象が変わり、☆もアップしたので、追記をば。
ニックがドラッグに溺れていた最中でも、”everything”のハグを父に求める姿を見て、彼にとって父の存在がどれだけ大きかったのか…とい
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リリイ・シュシュのすべて(2001年製作の映画)

3.9

こんなにも田園風景が美しい映画は他にはない。
それなのに、ああ、それなのに…。
どうしてこれ程までにむごいのでしょう。
見るのもとても苦しくなるけど、では、むごいテーマは映画にしてはいけないのでしょう
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blank13(2017年製作の映画)

3.8

齋藤監督の短編作品がレンタルではなかなかお見かけしないので、今作をとても楽しみにしていました。

ちょっと主張が強い気もするけど、映像でストーリーを語る演出はフランスや北欧映画のようでした。見返してみ
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かぞくのくに(2012年製作の映画)

3.9

祖国に帰国しなければよかったと思う(周囲にはそう思われる)ことの苦しさとは、どれだけのものだろう…。あまりにもつらいストーリーで、なかなか言葉が浮かばない。母の想いがヤン同志に響くのではないかと期待し>>続きを読む

KIDS/キッズ(1995年製作の映画)

3.5

言葉を失いました。
テリーの生き方はもちろんのこと、10歳にも満たなさそうな少年たちが、こましゃくれた雰囲気でマリファナやタバコを吸っているシーンに…。

今作はフィクションにしたものの、写真家だった
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友だちのうちはどこ?(1987年製作の映画)

4.2

母のような気持でアハマッドくんを案じ、走ってもいないのに疲れ、あの絶妙なカメラワークに完全にやられました!
と思いきや、童心も蘇るのです。自分の知らない世界に飛び出すことが、恐怖でいっぱいだったあの頃
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小さな手/リトル・ハンズ(2017年製作の映画)

3.6

セザール賞短編賞受賞とのことで、納得の作品でした。
(myFFF2019の短編作品では『野獣』が突き抜けていましたが、カナダ映画なので)

15分ほどの短い上映時間のなかで、多くのストーリーを想像し、
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女と男の観覧車(2017年製作の映画)

3.8

まるで「テレフォン人生相談」の相談内容のような物語でした。
空虚さの原因を顧みようともせず、ただただそれを埋めようとする登場人物たち。進んだと思ったら、結局入口へ戻ってくる。そこを観覧車に例えたという
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野獣(2018年製作の映画)

4.2

このレビューはネタバレを含みます

少年2人を待ち受ける運命が主だった体裁だけど、実はもっと深い内容が隠されているように感じました。
随分と美しい景色だと感じて気になって調べてみたのですが、今作にて鉱滓ダム(サイズから考えると貯泥池かも
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此の岸のこと(2010年製作の映画)

3.7

明日は我が身。
政府や行政に期待しているだけではいけないと感じてしまいました。生き抜くためには、自らが行動しなくてはならないと…。

台詞を排した分、雄一郎の号泣や、千鶴子の喚く声が際立っていました。
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わさび(2016年製作の映画)

3.4

脚本が文語体っぽく、リアリティにかけていたような…。
特に担任と母親の言葉遣いや考え方に違和感も。

あんなに美しい街並みなのに、「こんな田舎」という発言も、どうも説得力にかけて…。
と思っていたけれ
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春なれや(2016年製作の映画)

3.5

短編映画は鑑賞者が何かと想像させられるものが多いですが、今作はまさにそれでした。
小春の恋人は戦争で亡くなったのか、きっと他の人と結婚したのだろう、幹夫は叶えたい夢でもあるのだろうかetc…。
答えも
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ぼくの名前はズッキーニ(2016年製作の映画)

4.2

物心がついた時には父のいない生活を送った自分には、ほんの少しだけだけどズッキーニたちの気持ちが理解できるため、とても胸の痛む内容でした。とは言え、彼らの苦しみは自分とは比べ物にならないと思うと、本当に>>続きを読む

青い犬(2018年製作の映画)

3.8

青く塗られてしまった犬には心苦しさがありますが
青にとことんこだわった映像は美しかったです。
またソラヤもとても麗しかった。

人種を越え、個性や病に差別もなく
とにかく優しさに溢れた作品でした。
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犬のおまわりさん てのひらワンコ3D(2011年製作の映画)

2.8

道徳の教材のような内容でした。

演出はいかがなものかと感じますが、
犬の飼い方については、
ふむふむと学べるものがありました。