leylaさんの映画レビュー・感想・評価 - 5ページ目

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aftersun/アフターサン(2022年製作の映画)

4.3

誰もが心の中にしまってある想いを重ねたくなるし、今を大切にしたくなる。サスペンスでもないのにずっと心拍数が上がってた。

主人公の記憶と想像、ホームビデオの記録だけで描かれるパーソナルでミニマムな作り
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音楽(1972年製作の映画)

3.5

三島由紀夫の小説に増村保造監督が挑む。ATGなのでそれなりにアヴァンギャルドです。

ハサミと女体を一体化したシュールなオープニングに始まり、近親相姦と精神分析に斬り込んだ異色作。一歩間違うとピンク映
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コード・アンノウン(2000年製作の映画)

3.9

この作品自体が観客に理解を求めていなくて、人間なんて通じ合うことができないものだ、という視点で描いているよう。移民問題、人種差別、虐待、無関心など、現代の問題を提起した冷淡でいて根は優しいハネケ監督ら>>続きを読む

神様メール(2015年製作の映画)

3.8

予想と違ってブラック&キュートなファンタジー♡

新約聖書をモチーフに、現代人の様々な悩みを描きつつ、ネットの世界にハマりすぎる現代人や宗教をシニカルにもてあそんでる。

実は神様はブリュッセルに住む
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櫻の園(1990年製作の映画)

3.9

吉田秋生の漫画の実写化。桜散る4月、女子高生の数時間をショパンのプレリュードの劇伴と共にみずみずしく描く。

創立記念日にチェーホフ『櫻の園』を上演する女子校の演劇部員たちの開演前2時間を描く群像劇。
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オルランド(1992年製作の映画)

3.8

ヴァージニア・ウルフの小説を映画化。サリー・ポッター監督が脚本・作詞・作曲も行っているそう。1920年代にジェンダー作品を書いているのが先駆的すぎる。

ティルダ・スウィントンを100%堪能する作品。
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デッドゾーン(1983年製作の映画)

3.8

スティーブン・キング×クローネンバーグ。事故をきっかけに未来を予知できる能力を得た男の話。特殊能力モノだけど、グロ抜きでしっかり人間ドラマな仕上がり。

クリストファー・ウォーケンが誠実そうなので余計
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白と黒の恋人たち(2001年製作の映画)

3.7

たまに浸りたくなるフィリップ・ガレル監督のスタイリッシュな雰囲気。ゴダールやトリュフォーでお馴染みの撮影監督ラウール・クタールによるモノクロの映像が美しい。ピアノの音もおしゃれ。

まだ芽の出ない若い
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悪の華(2003年製作の映画)

3.8

あるブルジョワ一家の秘密の話だけど、近親相姦と反ナチスが裏テーマとして匂う匙加減が絶妙。後半のたたみかけと、オープニングに繋がるラストが観終わって余韻を残す。

複雑な人間関係や過去の出来事を怪文書1
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ターミネーター ニュー・フェイト(2019年製作の映画)

3.8

T2の正統な続編と言われてるので観てみたけど、それってほんと?とりあえず同窓会みたいで懐かしさいっぱい。ターミネーターも高齢化します笑。女性が未来のリーダーというのは時代ですね。

T2はキャストもス
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ミステリーロード/欲望の街(2013年製作の映画)

3.8

地味だし、ありがちなストーリーで突っ込みどころはあるけれど、すごく惹きつけられたのは、オーストラリアという風土のせいかな。

埃っぽい荒野、簡素な家々、実際にアボリジニでもある主役のアーロン・ペターゼ
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にがい米(1948年製作の映画)

4.1

シルヴァーナ・マンガーノの初主演作ということで鑑賞。パゾリーニやヴィスコンティ作品での高貴でクールな役にも圧倒されましたが、今作のシルヴァーナ・マンガーノはとにかく可愛いくて、太ももムチムチの肉体美で>>続きを読む

ベイビーわるきゅーれ 2ベイビー(2023年製作の映画)

3.7

楽しかった!面白かった!可愛かった!
けれどもアクションが1に比べて物足りないかな〜

主人公2人以外の個々のドラマは、そこまで求めてないです。それぞれのエピソードや人物紹介を入れ込んだ分、1の勢いと
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ある子供(2005年製作の映画)

3.7

ダルデンヌ兄弟作品。

ベルギーの貧困層の少年と少女、恐らく家庭環境も悪いのだろう、労働に就かず盗みを働き生きている。そんな子供たちが赤ん坊を産み、少年はついに子供を売りさばいてしまう…。

短絡的に
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淵に立つ(2016年製作の映画)

3.9

筒井真理子さん見たさに前情報なしで鑑賞したら、ヒリヒリザワザワ…。劇場で観なくてよかったと思えるぐらい鬱になるストーリーだった。(褒めてます)

ある一家に突然やってくる前科者の男。そこから家族が崩壊
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セラフィーヌの庭(2008年製作の映画)

4.2

フランスの画家セラフィーヌ・ルイの伝記的作品。この作品がどうの、というよりもセラフィーヌの人生に打ちのめされました。余韻がぐるぐる渦巻いてます。この画家を知れたことだけでも100%満足⭐︎

↓ネタバ
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絶好調(1965年製作の映画)

3.7

記録


14分の短編。
キャンプ場に行ったつもりが、まるで収容所のような汚い場所に連れられていってしまうシニカルなコメディ。

U-NEXT、エテックス作品を入荷するなんて素晴らしい。劇場で1作しか
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幸福な結婚記念日(1962年製作の映画)

3.9

記録



エテックス監督の短編2作目。

結婚記念日にプレゼントを買って帰ろうとするのに、なかなか帰れない夫。笑いのネタが山盛り。妻の態度も楽しい。

破局(1961年製作の映画)

3.8

記録


エテックス監督の短編デビュー作。

彼女に手紙を書きたいのに、なかなか書けないドタバタ喜劇。Mr.ビーンのようにたたみかける失敗の連続。

ジャック・タチよりも見た目も笑いもスタイリッシュ。

まぼろし(2001年製作の映画)

4.2

32歳にして大人の女性の心や夫婦の機微をこんなに繊細に描くなんて!オゾン監督の才能を改めて思い知りました。すごいな〜

25年連れ添った夫がある日突然いなくなる。妻の喪失感と受け入れられない現実との葛
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CLOSE/クロース(2022年製作の映画)

3.9

子供の心は繊細なのに、子供の世界はあまりに狭くて残酷…

幼い頃からいつも一緒にいて兄弟のように仲のよかったレオとレミが中学校に上がり、2人の関係を疑われる。 女子同士が腕を組んで歩いていても不自然で
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ボヴァリー夫人(1991年製作の映画)

3.7

新年あけましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いします。

新年からやや苦手な文芸作品を。シャブロル監督×ユペールという組み合わせに惹かれて。

何作も映画化されている有名な原作。未読ですが
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ドーナツもり(2022年製作の映画)

3.7

たいしたことは起きないけど、人との程よい距離感が心地よく、大晦日の空き時間に44分の短尺でサクッと観れて満足。

神楽坂にある小さなドーナツ屋もり。そこでバイトをする公子と近所の人々のつながりを描く。
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がんばれ、リアム(2000年製作の映画)

3.8

可愛いジュブナイル作品かと思って観ていたら、けっこうヘビーで救いのない内容でおぉぉとなりました。

1930年代の英国リバプール。敬虔なカトリック信者の家庭に育つ7歳のリアムくんの目線で描かれる家族の
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悲しき天使(1991年製作の映画)

3.7

記録
連投失礼します。スルーしてください。


カウリスマキ監督、4分の短編。
レニングラード・カウボーイズのMV。

1994パリ、ロバを連れてきた男の話。
曲も知ってて演奏もカッコいいし、これが1
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俺らのペンギン・ブーツ(1992年製作の映画)

3.0

記録


カウリスマキ監督、4分の短編。

レニングラード・カウボーイズのPV。
リーゼントにとんがりシューズの赤ん坊で生まれ、結婚するまで。

ワイヤーを通して/スルー・ザ・ワイヤー(1987年製作の映画)

3.5

記録


カウリスマキ監督、5分の短編。
『ハムレット・ゴーズ・ビジネス』の劇中歌のMV。

コメディ感なしのハードボイルドな展開。と思いきや、コーラのオチ。

Valimo(2007年製作の映画)

3.5

記録


カウリスマキ監督、4分の短編。

鋳物工場の労働者が、昼休みにリュミエール兄弟の「工場の出口」を観る。それだけ。シニカルな描写。壁のポスターはマルクス兄弟。

Bico(2004年製作の映画)

3.8

記録


カウリスマキ監督、5分の短編。

ポルトガルの北西部、山あいの小さなビコ村で暮らす人を描くドキュメンタリー。

村に残るのは老人と羊と牛のみ、取り残された村に暮らす一家の日常。時間が止まって
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ロッキーVI(1986年製作の映画)

3.5

記録 
連投失礼します。スルーしてください。


カウリスマキ監督、8分の短編。レニングラード・カウボーイズのPV。

ロッキーのパロディで、セリフなしのコメディ。
細っちょvs.ぽっちゃり

ギャンブラー(1971年製作の映画)

4.0

アルトマン監督の描くヒーロー不在の西部劇。人間ドラマです。色彩が渋くてカッコいい。撮影監督はヴィルモス・スィグモンド氏。失敗するとフィルムごとパーになる技術を使っているとのことです、デビュー作(たぶん>>続きを読む

ゼンタイ(2013年製作の映画)

3.6

橋口亮輔監督によるオムニバス・コメディ。撮影期間3日間、制作費22万円だそうです。俳優たちの即興演技をもとに作られた6編が、最後にカラオケボックスで開かれるゼンタイのオフ会へと繋がる。

ゼンタイ=全
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ファースト・カウ(2019年製作の映画)

4.1

『オールド・ジョイ』の森の中での男同士の友情、『ウェンディ&ルーシー』の行き止まりのロードームービー、『ミークス・カットオフ』の唐突なラストに繋がるような、ようするにどっぷりとケリー・ライカートでした>>続きを読む

枯れ葉(2023年製作の映画)

4.1

主役のキャストを一新したカウリスマキの6年ぶりの新作。相変わらずのカウリスマキ節で、底辺に生きる孤独な人々を描いたラブストーリー。ラジオから流れるウクライナ情勢は監督の怒りと嘆きのメッセージに思え、引>>続きを読む

クイルズ(2000年製作の映画)

3.9

クイルズ=羽ペン
最後までペン(書くこと)を求めたサド公爵、晩年の物語。

監禁・拷問されても、溢れる想像力と書きたい意欲は止まらない。人間の本能の自由を書き続けたサドの執念を垣間見ました。

ワイセ
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夜と霧(1955年製作の映画)

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やっと借りれた。アウシュビッツ強制収容所の映像を収めたドキュメンタリー。アラン・レネ監督の残したい、伝えたいという強い思いを感じる。覚悟はしてたけど、ここまでリアルな映像は見たことがなかったので衝撃を>>続きを読む