ディートリッヒが登場してから映画が走り出した感じ。主役はアーサー・ケネディではなくも少し感じのいい二枚目だったら見やすかったかも。
ゴダール「軽蔑」でBBにラングを紹介するときに言及された映画。
これ、制作がリパブリックだったのか。確かに有名スターが誰も出ておらず、興行的に失敗したのもわかる。
そして、この主人公はスターには演じさせられないよな、と思うようなかなりのクズ野郎で、顔にその陰険な>>続きを読む
コントラストの強い撮影はスタンリー・コルテス。部屋の中を人物が移動するときも必ずといってもいいくらいに影の部分を通過する。
プロデューサーは主演のジョーン・ベネットの夫のウォルター・ウェンジャーだが>>続きを読む
前半は舞台がスイスということもあり、ヒッチコックの「間諜最後の日」を思わせる。のっぽとチビのコンビだし。
主人公がナチの女スパイをハメる手口がなんとも陰険でラング的である。
リリー・パルマー演じる>>続きを読む
カットが何を表したいのかが明確で無駄が一切ない。この軽快さが素晴らしい。
一旦は妻を愛そうとするが、探偵から浮気の報告を受けたあとのアドルフ・マンジューの表情が凄い。
同じ巻き込まれサスペンスでも、ヒッチコックとは違い、ラングの方は画面の重さが感じられる。よって、悪夢感がより際立っている。オープニングや交霊会のシーンの不穏さ、おどろおどろしさ。そして、人物が座ってい>>続きを読む
月に行くまでがかなり長く感じた。モデルアニメもそんなにたくさんは堪能できないし。あと、教授のキャラがバタバタしすぎていて少しくどい。
月生物が機械で英語を喋るが、なかなか心地よい声だった。
「ふんわかした」感じのジョーン・ベネット。何ともいやらしいダン・デュリエ。
ヒロインの住んでいるアパートの造形がいい。玄関から3枚のドアを経た感じ。
ここでのジョーン・ベネットは悪女ではなく巻き込>>続きを読む
小池朝雄と荒木一郎の映画。
女たちとの絡みは脚本の野上龍雄の味かな。
予想よりも普通の編集。ま、時代的な錯誤を入れた映画では編集は普通じゃないとまったく理解できなくなるか。
ショーン・ビーンの野卑なイケメンぶりが光る。
活人画という側面があるので、どうしてもゴダール>>続きを読む
サイレントからトーキーへの移行で映画の画面が平板化したのは事実だが、この映画ではサイレント的な映像も多い。(考えてみれば、耳の聞こえなくなったベートーヴェンの主観はサイレントにならざるをえない)
ガ>>続きを読む
不思議な浮遊感がある。カフェで様々な顔を写しているところで主観・客観の区別が曖昧になっている。また、路面電車の中のやりとり、特に窓を背にしたツーショットは、窓枠が画面に写っていないためか、動く背景を合>>続きを読む
前作に比べやや予算が増えたか。登場人物が多くなり、前作ほどの張り詰めた感じはなくなっている。
お話は、ダメ男映画ばかりを作ってきたガレルのいつもの通り。
モニカ・ベルッチのボリューム感が凄い。あと>>続きを読む
意外や意外、ガレルの怪談映画。が、キャロル役のローラ・スメットのインパクトが強すぎて、後半部分が取ってつけたようになっている。でも、その強烈さこそがガレルらしい。窓際で手紙を書いているキャロルのイメー>>続きを読む
カトリーヌ・ドヌーヴはこのくらいの年齢になった方が魅力的だと思う。
が、ボヴォワの演じた若い男がまったく魅力的でない。監督も年を取ると若さを醜く描きたくなるのか。
特典映像のビデオ版予告編が、エロ>>続きを読む
冒頭で流れる歌は過ぎ越しの祭りで歌われているトラディショナルソングを改変した歌だそうで、イスラエル国内で論争を起こし、放送禁止になったという。イスラエルとパレスチナの終わりの無い紛争を嘆いた歌で、この>>続きを読む
イスラエル建国時の戦闘を描く。
撮影はアンゲロプロス作品でおなじみのヨルゴス・アルヴァニティス。
作戦を立ててそれを遂行するのではなく、ただ黙々と負傷兵を運ぶという任務のため、ゴールはない。爆撃による突然の停止があるだけ。
負傷兵を運ぶ際のドタバタした感じから、ヘリで輸送中に窓の外を流れる地上の>>続きを読む
かなりの豪華キャスト。
無実の罪で追われる男の物語ではあるが、マイノリティ(ヒスパニック)から成り上がろうとした男(ホアキン・フェニックス)の悲劇でもある。
「リトル・オデッサ」につづき、画面や役>>続きを読む
サテライトの子分みたいな子供(松葉杖じゃない方)が何ともいえず可愛らしい。どうやって子供たちを演出してるのだろう。
紙飛行機に戦闘機の音をかぶせたのは少々やり過ぎかも。
ラストカットが前作のそれと同じにしてあるのは意図的なのだろう。
生き埋めの導師の件は笑ってしまう。
とりあえず見ていて撮影中と撮影後のマディ君がどうなったかが気になった。大丈夫だったのかな?
未成年の女に手を出しておきながら、相手が誘ってきたと言い出す男。家名のために殺人やら狂言誘拐やらまで企む父親。そしてニヤニヤ笑いながら噂話を楽しむ周囲の男ども。
シチリアを舞台にした不条理結婚喜劇だ>>続きを読む
キャロル・バーネット素晴らしい。
いろいろしゃれたアイデアもあり、見ていて楽しい映画。
大恐慌時代、弱者救済を訴える民主党選出大統領と、企業を強くするべしと主張する共和党員の大富豪の対立をアニーが>>続きを読む
本来ドタバタ喜劇になる題材だが(そんなシーンもある)、壮大な叙事詩のようでもある。主演二人がやはり素晴らしい。
まるでシェイクスピア時代の男たちが間違えて20世紀に生まれてしまったような。
戦争映画というより、無人島に漂着した男女の話。
が、ロバート・ミッチャムが喋りすぎ。何か緊張感のようなものが感じられない。
日本兵役の人々は一応日本語を喋っていた。中国系の人を使っていて言葉がめち>>続きを読む
フランスで撮っているので、当然、家屋の構造などが台湾とは異なっている。部屋が閉じられていて、台湾での作品のもつ、屋内と屋外がつながって一つの空間を形づくるというニュアンスは薄い。
前作の「百年恋歌」>>続きを読む
過去のホウ作品の総ざらいのような作品。60年代の青春もの(自伝的4部作)、20世紀初頭の遊郭(「フラワーズ・オブ・シャンハイ」)、現代の恋愛(「ミレニアム・マンボ」)。撮影スタイルも若干それぞれの作品>>続きを読む
前作・前前作よりは昔のスタイルに戻った感じ。カメラをあまり動かさず、構図の中を人物たちが動き佇む。なぜだろう。椅子に座るか床に座るかの家屋の違いからなのか?カメラを十分に引くスペースがあるかないかなの>>続きを読む
前作「フラワーズ・オブ・シャンハイ」のコスチュームプレイから題材は一変しているが、人物の動きに合わせてカメラがパンを繰り返すというスタイルは変わっていない。
ランプシェードやロウソクをとらえた撮影が>>続きを読む
全編室内シーンのみ、つなぎはフェードという実験作。
「悲情城市」で確立した自己のスタイルをいかに崩すのかが「好男好女」以降のテーマだったと思うのだが、その極端な形。構図の中を人物たちが動いたり話した>>続きを読む
全編を通して一つの筋を追っている映画ではなく、いくつかのエピソードの連鎖という感じ。なんとなくの夢は持っているがそこにたどり着けずにウロウロ迷っているチンピラたち。
終盤の銃を入手しようとするところ>>続きを読む
ずいぶん昔に見てピンと来ず、そのまま忘れていたのを再見。以前見たときよりは面白く感じた。
カラオケを歌う男の顔が映ったガラス越しにヒロインが歌い始めるシーンがいい。
劇中映画での収容所シーンは、仕>>続きを読む
説明ではなく描写をしている映画。
ホウ監督って基本的にヤクザ好きなのね。
シン・シューフェン可愛いが、これが最後の映画か。
リリアン・ギッシュは、こんな古臭いメロドラマをグリフィス先生が撮るなんて、と思っていたらしいが、たしかにラストの氷河のシーンを除くとかなり19世紀的なメロドラマ。
印象に残ったのはむしろ細かい部分で>>続きを読む