cinefilsさんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

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無頼の谷(1952年製作の映画)

3.8

ディートリッヒが登場してから映画が走り出した感じ。主役はアーサー・ケネディではなくも少し感じのいい二枚目だったら見やすかったかも。

ゴダール「軽蔑」でBBにラングを紹介するときに言及された映画。

ハウス・バイ・ザ・リバー(1950年製作の映画)

4.0

これ、制作がリパブリックだったのか。確かに有名スターが誰も出ておらず、興行的に失敗したのもわかる。

そして、この主人公はスターには演じさせられないよな、と思うようなかなりのクズ野郎で、顔にその陰険な
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扉の陰の秘密(1948年製作の映画)

4.0

コントラストの強い撮影はスタンリー・コルテス。部屋の中を人物が移動するときも必ずといってもいいくらいに影の部分を通過する。

プロデューサーは主演のジョーン・ベネットの夫のウォルター・ウェンジャーだが
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外套と短剣(1946年製作の映画)

3.9

前半は舞台がスイスということもあり、ヒッチコックの「間諜最後の日」を思わせる。のっぽとチビのコンビだし。

主人公がナチの女スパイをハメる手口がなんとも陰険でラング的である。

リリー・パルマー演じる
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結婚哲学(1924年製作の映画)

4.0

カットが何を表したいのかが明確で無駄が一切ない。この軽快さが素晴らしい。

一旦は妻を愛そうとするが、探偵から浮気の報告を受けたあとのアドルフ・マンジューの表情が凄い。

恐怖省(1944年製作の映画)

4.2

同じ巻き込まれサスペンスでも、ヒッチコックとは違い、ラングの方は画面の重さが感じられる。よって、悪夢感がより際立っている。オープニングや交霊会のシーンの不穏さ、おどろおどろしさ。そして、人物が座ってい>>続きを読む

H.G.ウェルズのS.F.月世界探険(1964年製作の映画)

2.8

月に行くまでがかなり長く感じた。モデルアニメもそんなにたくさんは堪能できないし。あと、教授のキャラがバタバタしすぎていて少しくどい。

月生物が機械で英語を喋るが、なかなか心地よい声だった。

飾窓の女(1944年製作の映画)

4.3

「ふんわかした」感じのジョーン・ベネット。何ともいやらしいダン・デュリエ。

ヒロインの住んでいるアパートの造形がいい。玄関から3枚のドアを経た感じ。

ここでのジョーン・ベネットは悪女ではなく巻き込
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現代やくざ 血桜三兄弟(1971年製作の映画)

4.0

小池朝雄と荒木一郎の映画。

女たちとの絡みは脚本の野上龍雄の味かな。

カラヴァッジオ(1986年製作の映画)

3.1

予想よりも普通の編集。ま、時代的な錯誤を入れた映画では編集は普通じゃないとまったく理解できなくなるか。

ショーン・ビーンの野卑なイケメンぶりが光る。

活人画という側面があるので、どうしてもゴダール
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楽聖ベートーヴェン(1936年製作の映画)

3.5

サイレントからトーキーへの移行で映画の画面が平板化したのは事実だが、この映画ではサイレント的な映像も多い。(考えてみれば、耳の聞こえなくなったベートーヴェンの主観はサイレントにならざるをえない)

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シルビアのいる街で(2007年製作の映画)

3.9

不思議な浮遊感がある。カフェで様々な顔を写しているところで主観・客観の区別が曖昧になっている。また、路面電車の中のやりとり、特に窓を背にしたツーショットは、窓枠が画面に写っていないためか、動く背景を合>>続きを読む

灼熱の肌(2011年製作の映画)

4.0

前作に比べやや予算が増えたか。登場人物が多くなり、前作ほどの張り詰めた感じはなくなっている。

お話は、ダメ男映画ばかりを作ってきたガレルのいつもの通り。

モニカ・ベルッチのボリューム感が凄い。あと
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愛の残像(2008年製作の映画)

4.3

意外や意外、ガレルの怪談映画。が、キャロル役のローラ・スメットのインパクトが強すぎて、後半部分が取ってつけたようになっている。でも、その強烈さこそがガレルらしい。窓際で手紙を書いているキャロルのイメー>>続きを読む

夜風の匂い(1999年製作の映画)

4.1

カトリーヌ・ドヌーヴはこのくらいの年齢になった方が魅力的だと思う。

が、ボヴォワの演じた若い男がまったく魅力的でない。監督も年を取ると若さを醜く描きたくなるのか。

特典映像のビデオ版予告編が、エロ
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撤退(2007年製作の映画)

3.7

かなり決め打ちというか、待ちポジの構図も多い印象。少し構図を綺麗にしすぎのような。

フリー・ゾーン 明日が見える場所(2005年製作の映画)

3.7

冒頭で流れる歌は過ぎ越しの祭りで歌われているトラディショナルソングを改変した歌だそうで、イスラエル国内で論争を起こし、放送禁止になったという。イスラエルとパレスチナの終わりの無い紛争を嘆いた歌で、この>>続きを読む

ケドマ 戦禍の起源(2002年製作の映画)

3.6

イスラエル建国時の戦闘を描く。

撮影はアンゲロプロス作品でおなじみのヨルゴス・アルヴァニティス。

キプールの記憶(2000年製作の映画)

3.8

作戦を立ててそれを遂行するのではなく、ただ黙々と負傷兵を運ぶという任務のため、ゴールはない。爆撃による突然の停止があるだけ。

負傷兵を運ぶ際のドタバタした感じから、ヘリで輸送中に窓の外を流れる地上の
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裏切り者(2000年製作の映画)

4.2

かなりの豪華キャスト。

無実の罪で追われる男の物語ではあるが、マイノリティ(ヒスパニック)から成り上がろうとした男(ホアキン・フェニックス)の悲劇でもある。

「リトル・オデッサ」につづき、画面や役
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亀も空を飛ぶ(2004年製作の映画)

3.8

サテライトの子分みたいな子供(松葉杖じゃない方)が何ともいえず可愛らしい。どうやって子供たちを演出してるのだろう。

わが故郷の歌(2002年製作の映画)

3.8

紙飛行機に戦闘機の音をかぶせたのは少々やり過ぎかも。

ラストカットが前作のそれと同じにしてあるのは意図的なのだろう。

生き埋めの導師の件は笑ってしまう。

酔っぱらった馬の時間(2000年製作の映画)

4.0

とりあえず見ていて撮影中と撮影後のマディ君がどうなったかが気になった。大丈夫だったのかな?

誘惑されて棄てられて(1963年製作の映画)

3.3

未成年の女に手を出しておきながら、相手が誘ってきたと言い出す男。家名のために殺人やら狂言誘拐やらまで企む父親。そしてニヤニヤ笑いながら噂話を楽しむ周囲の男ども。
 シチリアを舞台にした不条理結婚喜劇だ
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アニー(1982年製作の映画)

4.2

キャロル・バーネット素晴らしい。

いろいろしゃれたアイデアもあり、見ていて楽しい映画。

大恐慌時代、弱者救済を訴える民主党選出大統領と、企業を強くするべしと主張する共和党員の大富豪の対立をアニーが
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王になろうとした男(1975年製作の映画)

4.1

本来ドタバタ喜劇になる題材だが(そんなシーンもある)、壮大な叙事詩のようでもある。主演二人がやはり素晴らしい。

まるでシェイクスピア時代の男たちが間違えて20世紀に生まれてしまったような。

白い砂(1957年製作の映画)

3.0

戦争映画というより、無人島に漂着した男女の話。

が、ロバート・ミッチャムが喋りすぎ。何か緊張感のようなものが感じられない。

日本兵役の人々は一応日本語を喋っていた。中国系の人を使っていて言葉がめち
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ホウ・シャオシェンの レッド・バルーン(2007年製作の映画)

3.9

フランスで撮っているので、当然、家屋の構造などが台湾とは異なっている。部屋が閉じられていて、台湾での作品のもつ、屋内と屋外がつながって一つの空間を形づくるというニュアンスは薄い。

前作の「百年恋歌」
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百年恋歌(2005年製作の映画)

4.1

過去のホウ作品の総ざらいのような作品。60年代の青春もの(自伝的4部作)、20世紀初頭の遊郭(「フラワーズ・オブ・シャンハイ」)、現代の恋愛(「ミレニアム・マンボ」)。撮影スタイルも若干それぞれの作品>>続きを読む

珈琲時光(2003年製作の映画)

3.9

前作・前前作よりは昔のスタイルに戻った感じ。カメラをあまり動かさず、構図の中を人物たちが動き佇む。なぜだろう。椅子に座るか床に座るかの家屋の違いからなのか?カメラを十分に引くスペースがあるかないかなの>>続きを読む

ミレニアム・マンボ(2001年製作の映画)

4.1

前作「フラワーズ・オブ・シャンハイ」のコスチュームプレイから題材は一変しているが、人物の動きに合わせてカメラがパンを繰り返すというスタイルは変わっていない。

ランプシェードやロウソクをとらえた撮影が
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フラワーズ・オブ・シャンハイ(1998年製作の映画)

4.3

全編室内シーンのみ、つなぎはフェードという実験作。

「悲情城市」で確立した自己のスタイルをいかに崩すのかが「好男好女」以降のテーマだったと思うのだが、その極端な形。構図の中を人物たちが動いたり話した
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憂鬱な楽園(1996年製作の映画)

4.1

全編を通して一つの筋を追っている映画ではなく、いくつかのエピソードの連鎖という感じ。なんとなくの夢は持っているがそこにたどり着けずにウロウロ迷っているチンピラたち。

終盤の銃を入手しようとするところ
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好男好女(1995年製作の映画)

3.8

ずいぶん昔に見てピンと来ず、そのまま忘れていたのを再見。以前見たときよりは面白く感じた。

カラオケを歌う男の顔が映ったガラス越しにヒロインが歌い始めるシーンがいい。

劇中映画での収容所シーンは、仕
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悲情城市(1989年製作の映画)

4.3

説明ではなく描写をしている映画。

ホウ監督って基本的にヤクザ好きなのね。

シン・シューフェン可愛いが、これが最後の映画か。

東への道(1920年製作の映画)

3.9

リリアン・ギッシュは、こんな古臭いメロドラマをグリフィス先生が撮るなんて、と思っていたらしいが、たしかにラストの氷河のシーンを除くとかなり19世紀的なメロドラマ。

印象に残ったのはむしろ細かい部分で
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