ケンカのシーンがやはりいい。縦の構図でいろんな方向に逃げていく感じがいい。
バビロニア編では当然のように圧倒されてしまうが、現代編のカーチェイスシーンも好きだ。
スタイルはほぼ確立しているが、まだ固まってはいないので、わりと柔軟な感じ。ストーリーもシンプルなので、ホウ作品を一本も見たことがない人に一番薦めやすい作品かも。
映画館で見ていたモノクロ映画はヴィス>>続きを読む
本筋には関係ないが、戦前・戦後の日本とのかかわりを考えさせる。日本の雑誌からサンドイッチマンを提案する男(年齢的に戦前の日本占領期に少年時代を過ごしたはず)、日本製の圧力鍋を売り歩く男。
ホウ・シャ>>続きを読む
以前に見たのは2時間を超えないくらいのバージョンだったので、今回は3時間以上ある紀伊國屋書店DVDで鑑賞。
シンプルだが力強い画面。内容に関しては言わずもがなというところがあるが、しかし、必見の映画>>続きを読む
前2作に比べ一気に変わった印象。アイドル映画でありつつも、造形等が格段に良くなっているし(坂道や階段の多い地形が面白い)、何よりも子供たちのイキイキした感じが素晴らしい。教室でのそれぞれの表情が皆バラ>>続きを読む
前作に比べずいぶん落ち着いた感じ。引いた画面が多くなっていて、シネスコ画面の奥と手前の演出等、後の片鱗を感じさせる。
悪役がジェームズ・メイスンというのが豪華。
他にはイライシャ・クックとかマリー・ウィンザーとか50年代のB級スターが出ているのが興味深い。フーパーが好きだったのか、他の要因なのか。
吸血鬼がノスフ>>続きを読む
ウエイトレスを殺すシーン、部屋に誘い入れてからのキャメラの後退移動の演出に唸る。ラストシーンからエンドクレジットへの流れもいい。
労働者階級が舞台のヒッチコック作品。
刑事夫妻のやりとりが楽しいが>>続きを読む
ロバート・バークス、ジョージ・トマシニ、バーナード・ハーマンというスタッフたちがヒッチコック作品にとっていかに重要だったのかを逆説的に証明している作品。カラーは何となく冴えないし、音楽も今ひとつサスペ>>続きを読む
冒頭の逃亡シーンは、明らかに景色を見せるためのシーン。ヨーロッパの風景をスタジオではなくロケで撮ることが多くなったこの頃のアメリカ映画の特徴。
それにしても、引退していた宝石泥棒という設定は、やはり>>続きを読む
直球で犯罪を描いた傑作。犯罪計画の説明シーンから一切のムダが無く一気に進行する。
主演のレイ・ミランドのいやらしい感じが最高。
この作品のリメイク版に触れて脚本家の桂千穂が「リメイク版は駄作ばかり>>続きを読む
ヒッチコック低迷期の作品とされることが多いが、なかなかどうして。面白い。ただし、その面白さが、サスペンスというよりはコミカルな感じ。
自身をパロディ化したかのようなディートリッヒの大女優ぶり。そして>>続きを読む
題材は違えど、前作「ロープ」を思わせるのは、単に長いショットが多いというだけでなく、人物の独白を長回しでとらえながら、それを聞いている人物をフレームの中と外をあわせながら提示している点。フレームの外が>>続きを読む
長回しを極限まで使った実験作。が、フレームの中に現在何が写っていて何が写っていないのか、フレームの外で何が起こっているのかを絶えず意識させるという点で、ヒッチコックの核心に触れる作品だと思う。
ジェ>>続きを読む
不評だったのも宜なるかな、という感じ。カタルシスの置きどころが今ひとつ中途半端。弁護士夫妻の関係描写はもう少しあっさりでもよかったのでは。
あと、不思議な魅力で皆を狂わせてしまう女性という設定は、裁>>続きを読む
コメディ演技が印象深いグラントだが、ホークスの「コンドル」でもそうだったように、クールな演技も素晴らしい。
有名な長いキスシーンだけでなく、全編がささやきあいに満ちていて、音声だけ抜き出したら、睡眠>>続きを読む
10年ぶりくらいで再見。
グレゴリー・ペックが下手なんじゃ、という気もするけど、眼鏡バーグマンがキュート。
縦の構図を多用して、日常的な風景の中に不安感を出す演出が見事。いかにも物語を終わらすための強引なラストはご愛嬌。
飛行機工場の爆発シーン(人が焼けているところ)は凄い。
あと、サーカスのフリークスのシーンは当時としては結構大胆かも。
古典的ハリウッド映画の主人公としては珍しいほどのクズ男を演じるケーリー・グラントが素晴らしい。
電球入りのミルクも凄いが、家の玄関ホールに落ちる窓枠の影が蜘蛛の巣のように全体を覆っており、不安をかき>>続きを読む
当時隆盛を極めたスクリューボール・コメディをヒッチコックが手がけた唯一の作品。このジャンルのお約束である「別れた女房の再婚話ぶちこわし」をやっている。
が、何となく軽快さが感じられなかった。画面が混>>続きを読む
GyaOで視聴。
前田敦子殺害を命令する場面のカーテンの揺れる部屋がいい。
主人公二人が恋に落ちるプロセスが謎とか、主人公のジョエル・マクリーは特に何もしておらず、活躍してるのはジョージ・サンダースじゃないのかとか、いろいろあるけど、面白いの一語で片付けていい映画だと思う。
ストーリー的には少女マンガ(小説)風なんだけど、造形、演出ともにもはや怪奇映画の域に達している。
蓮實重彦少年も震え上がったというジュディス・アンダーソンの存在感。
船の難破シーンはかなりの迫力。が何よりもモーリン・オハラの美しさ!
次作の「レベッカ」もあわせて考えるに、ヒッチコックにストレートな怪奇映画を撮ってほしかった。
今の感覚からすると、列車に乗るまでがかなり悠長な感じだが、個々のキャラクターの描写が丁寧ということでもある。イギリス人二人組の描写は、さすがイギリス人監督、という感じ。
マイケル・レッドグレイヴ、後>>続きを読む
女優のアップからドアを開けて男が雨の中に佇むシーン。
男が死体を発見してから走り去るまでのアップ、ロングを組み合わせた緩急の付け方。
ホテルのロビーから食堂を通ってバンドのドラマーのアップまでワン>>続きを読む
密命を帯びた3人のドタバタ、というよりはいきあたりばったり喜劇、という印象。特に男二人はノッポ(ギールグッド)とチビ(ローレ)という喜劇の基本的カップリング。もともと劇場のコメディアンだったピーター・>>続きを読む
「暗殺者の家」と比べても一気に見やすくなった印象。一人で逃げ回る主人公を追っていくというシンプルなストーリー故か。演出も冴え渡っており、後のハリウッド時代の完成度に近づいている。いろんなところで「んな>>続きを読む
見終わっても主人公の顔は思い出せないが、ピーター・ローレの顔は忘れられない。総じて主人公側よりも悪人側の面構えが記憶に残る。(ザキヤマ似の狙撃手とか女性とか)
映像の感じからしょうもないギャグ、ラストのご都合主義など、80年代前半の日本のアイドル映画にあったなぁこういうの、という懐かしさ。
中盤の田舎でのシーン、「道路どうなった?」「測量どうなった?」と問>>続きを読む
珍しい闘鶏映画。といってもネストール・アルメンドロスのややソフトな映像に見合った緩いカットつなぎが何とも心地良い。凝ったアングルとかはないのに見入ってしまう。ニューシネマという雑なくくりには入れられな>>続きを読む
これぞ娯楽という作品。
「ウェインだけでは面白くなく、対抗できるようなスターがもう一人いると面白くなる」というホークスの言の通り、ウェインとミッチャムのコンビがいい。
この映画が作られた1966年>>続きを読む
風景の中の人物の佇まいがいい。BGMがほとんど流れないのもいい。
娘役の女優のメイクがいかにも60年代である。
アリが来てからは意外にあっさりしている。むしろ、前半1時間ほどの室内での会話シーンが丁寧で素晴らしい。ドアの開け閉めで奥行きを出しながら構図=逆構図の繰り返しにならないようにしていて、この屋敷の造形も>>続きを読む