田舎のシネマファンさんの映画レビュー・感想・評価

田舎のシネマファン

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君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)

3.5

宮崎駿のプロフェッショナルを見たので、公開直後以来2回目観に行った。
1回目は正直理解が及ばず、どう解釈していいか分からなかったが、プロフェッショナルを見て見方が分かった気がする。宮崎駿にとって師であ
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⻤太郎誕生 ゲゲゲの謎(2023年製作の映画)

3.1

面白かったが、思っていたのとは違った。
途中までは村社会の風習、陰湿さの描写が気味悪く、参列者全員が水木をじとーっとした目で睨むシーンなんかは暗鬱な雰囲気が出ていて良かった。沙代に関してはあからさまに
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ディセント(2005年製作の映画)

3.2

食人鬼よりも怖い人間模様。
ラストはかなり絶望的な終わり方で個人的に好み。
終始画面が暗く血みどろなので家のモニターだと見づらい。

正欲(2023年製作の映画)

4.4

傑作。
観る前の自分には戻れない、というキャッチコピーは嘘ではない。物事を考える時、良くも悪くも人は自分の中のフィルターを通して何かを考えると思うが、全く新しい形のフィルターを得た気がする。

ディープ・インパクト(1998年製作の映画)

3.0

良く言えばシンプルで見やすい、ストーリーも至極分かりやすく感動的。単純だがグッと来る所もある。
悪く言えば散漫的で盛り上がりに欠ける。キャスター、船長、リオがメインだが焦点絞らず、広く浅く感動要素だけ
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スマイル(2022年製作の映画)

3.6

斬新な宣伝で話題になっていたが、宣伝だけでなく中身も作り込まれていてかなり面白かった。

他人の自殺を目撃するという強烈なトラウマをトリガーに、幻覚のような何かに取り憑かれる。現実と幻想が入り混じる演
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グリーンマイル(1999年製作の映画)

2.8

このレビューはネタバレを含みます

ところどころ良いと思えるシーンはあったが、どうも自分は納得できない映画だった。ジョンが所長の奥さんの病を吸い込み、それをパーシーに移し、結果的にビリーを射殺した上にパーシーは精神病棟行きになった。確か>>続きを読む

ゆとりですがなにか インターナショナル(2023年製作の映画)

3.5

面白かったけど、インターナショナルというから海外行くのかと思いきやそういうことじゃないのね。皆のわちゃわちゃした感じの懐かしさとともに、ドラマにどはまりしたあの時から7年も経っていることに切なくなった>>続きを読む

バービー(2023年製作の映画)

3.3

ピンク一色の世界観と小ボケでカモフラージュされているが、社会派映画。良し悪しは別にして、性別を巡る近年の社会的運動や潮流をかなり直接的に描写している。映画としては表面的に面白かったが、メッセージ性は個>>続きを読む

大脱走(1963年製作の映画)

3.4

このレビューはネタバレを含みます

初めて見た。いや捕まるんかい!
タイトル通りに大脱走はするが、その後普通に捕まるとは思わなかった。まあそれまでの過程や何度でも脱走すること自体が目的なのはもちろん分かっているが、タイトルだけ見て多くの
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女神の継承(2021年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

面白かった。
キリスト教モチーフの欧米ホラーも良いが、やはりこういう田舎の土着信仰的なホラーの方が好みだ。血の生々しさだったり、儀式の根拠のないリアルさが気味悪く、非常に完成度が高かった。モキュメンタ
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パーフェクトブルー(1998年製作の映画)

4.5

信じられないほどの傑作。
現実と虚構の融合は今敏監督作品の共通テーマであるが、本作は特に混濁した世界観で、混乱しつつもその描写の緻密さに圧倒される他ない。セリフや表情、舞台装置を用いた場面のトランジシ
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千年女優(2001年製作の映画)

3.6

作画が凄まじい。特に雪の描写。雪のシーンが非常に多く印象的で、走る千代子のスピード感、立ち止まった時の静けさ、背景の奥行きが雪だけで伝わってくる。
インタビューしながら過去の記憶に入り込む演出は斬新で
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パプリカ(2006年製作の映画)

3.9

夢とうつつが入り混じる、まさに「イマジネーションと現実が融合」した作品だった。
秩序のない出鱈目な夢を舞台にしている分、社会的な秩序で生きる小山内の酷く人間的な言動が際立っていた。小山内だけでなく、氷
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アラビアのロレンス(1962年製作の映画)

3.5

冒頭の映像なしの壮大な音楽は、単純だがこれから始まる4時間近くの冒険の序曲のようでグッと引き込まれた。
最初に思ったのは、砂漠のシーンはどこでどうやって撮っているんだということ。前半ひたすら砂漠シーン
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ユージュアル・サスペクツ(1995年製作の映画)

3.5

時系列通りではない上に、語りと回想シーンが頻繁に切り替わるにも関わらず、100分でここまで見やすいのは凄い。結末はもちろんだが、自分がそこまで見てきた出来事のどこが本当でどこが嘘か、はたまた全てが嘘だ>>続きを読む

怪物(2023年製作の映画)

3.9

依里の父は怪物と呼ぶに相応しい酷い人間性だったが、それ以外の人物は皆、見る者の視点によって印象が大きく異なった。3人の視点を通して物語の全貌が浮かび上がる構成で、全体を俯瞰できない登場人物たちの真に迫>>続きを読む

IT/イット THE END “それ”が見えたら、終わり。(2019年製作の映画)

3.7

面白かった。ホラーの側面よりも、グロテスクな表現がかなり上手く世界観に引き込まれた。封印の仕方云々はまあ何言ってるのかよく分からないが、ホラーとグロの見せ方が上手い分、そこら辺はあまり気にならなかった>>続きを読む

岸辺露伴 ルーヴルへ行く(2023年製作の映画)

3.3

面白かったが、少し期待しすぎた。
ルーブルは息を呑む圧巻の美しさだが、シーン自体は短い。ルーブルで撮影されているということだけで大きな価値があるのは間違いないが、もっと見たいと思ってしまった。
岸部露
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波紋(2023年製作の映画)

2.8

原発の放射線の話から始まり、宗教、介護、障害者といった、一部の日本人が思う否定的あるいは差別的対象が物語の軸となっている。作中で依子は差別は良くないと薄ら思っていても、いざ自分の息子が聾者と結婚すると>>続きを読む

お葬式(1984年製作の映画)

3.7

特別おかしなことが起きるわけではないただのお葬式の一部始終だが、面白くて目が離せなかった。
よく「悲しむ暇もない」なんて言葉を聞くが、この映画内でも故人との回想シーンなど一つもなく、次から次へと事務的
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グリッドマン ユニバース(2023年製作の映画)

4.2

このレビューはネタバレを含みます

ロボットアニメが特別好きなわけではないが、友人に強く勧められたのでグリッドマン、ダイナゼノンの計24話を見てから映画を鑑賞。観る前から最高だと聞かされていたが、実際本当に最高の映画だった。
最高だった
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ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー(2023年製作の映画)

3.6

吹替版で鑑賞。小さい頃ゲームで見た世界観そのままでめちゃくちゃ面白かった。特にドンキーと勝負するあたりが個人的に好きだった。皆知っているマリオ要素をふんだんに盛り込んでいたが、唯一ピーチが可愛くなかっ>>続きを読む

IT/イット “それ”が見えたら、終わり。(2017年製作の映画)

3.5

ただ有名なだけでなく、しっかりと怖いし面白いホラーの名作。ホラーシーンは様々あるが、どれもかなり凝っていて見応えがある。
ペニーワイズだけでなく、いじめや毒親たちもかなり怖い。何一つ悪くない他人の腹に
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ライト/オフ(2016年製作の映画)

3.1

このレビューはネタバレを含みます

見たことあるようでないような、やっぱりあるような暗闇の中に潜む化け物ホラー。実態が分からない化け物にありがちな、結局正体が何も分からずに終わるというわけではなく、化け物にも事情があるのはまあ良かった。>>続きを読む

戦慄怪奇ファイル コワすぎ! FILE-04 真相!トイレの花子さん(2012年製作の映画)

3.4

このレビューはネタバレを含みます

面白かった。コワすぎ!シリーズはこれが初めてだが、他の作品もみたくなった。
まさかのタイムリープ物で、昔ながらの怪談と組み合わせるのは珍しく斬新だった。タイムリープするものの話が難しくなるわけではなく
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ノック 終末の訪問者(2023年製作の映画)

3.6

このレビューはネタバレを含みます

意外にも評価が低くて驚いた。シャマランの集大成的な見方もできる非常によくできた映画だと思った。
まず、なによりこの映画は所謂どんでん返しがない。シャラマンの映画ということで、観ている途中は一体どんな仕
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ヴィレッジ(2023年製作の映画)

3.3

このレビューはネタバレを含みます

救いも希望もない映画だった。まあエンドロール後にわざわざあのカットを差し込んだのは、犯罪者の家族として村に居続けた優と違い、村を出ていく恵一という対比でそこだけは希望と見ていいのだろうか。
冒頭の「夢
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ダンジョンズ&ドラゴンズ/アウトローたちの誇り(2023年製作の映画)

3.5

日本の宣伝方法が悪いのか、クソダサB級映画かと思って観に行ったらなかなかの良作だった。セットやCGがかなりしっかりしていて、魔法の演出が思いの外良く、世界観が作り込まれていた。唯一、あれだけ苦心して手>>続きを読む

パンズ・ラビリンス(2006年製作の映画)

3.4

勝手にほんわかおとぎ話かと思っていたら、かなり重めのストーリーでまあまあグロいシーンもあった。
内戦後の混沌としたスペインで、独裁政権とそれに反乱する者たちのせめぎ合いが克明に描かれている。大尉の家政
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Winny(2023年製作の映画)

3.5

恥ずかしながらこの事件を知らなかったが、多くの人が知るべきだと思った。
この映画が全て事実なら、警察なりの正義のために争うならまだしも、くだらない保身のために裁判が引き起こされたのは愚かだと思った。腐
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