コーディーさんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

正欲(2023年製作の映画)

4.0

この星の〝多様性〟という枠からも弾かれる人々。所詮は大多数が理解できるものだけを許容し、その範囲に収まらない者は排除する…
そんな生き辛さを抱える人々の〝生〟や〝性〟に寄り添いながらも無理に理解するこ
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マーベルズ(2023年製作の映画)

3.7

MCU最強ヒーローとしての顔と、そこに包まれた感情的な揺らぎ…そんな抑えてきた弱さを漸く共有できるチームに導かれ、更に輝きを増すキャロル!
モニカとの確執と向き合ったり、可愛い後輩カマラの憧れの眼差し
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私がやりました(2023年製作の映画)

3.6

殺人容疑も好機と捉えて名声を手にしようとする売れない女優と親友の新人弁護士による大勝負!
大物プロデューサーによる性的搾取や女性を操ろうとする男性優位社会を逆に操作しながら〝私の犯罪〟を上演する二人の
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人生は、美しい(2022年製作の映画)

4.2

妻として母として家族に捧げてきたセヨンが受ける突然の余命宣告、なのに相変わらず傲慢な夫。
そんな報われない人生に嫌気がさした彼女の最期の願い、初恋の人を探す旅がいつしか夫婦の足跡、愛を辿る旅に…
無神
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ゴジラ-1.0(2023年製作の映画)

3.9

ゴジラがしっかり怖い!
戦争の傷跡癒えぬ日本、踏ん張って生きる人々に追討ちをかける規格外の災厄。

激情過多なドラマもその絶望わ前にしては仕方ないしw相変わらず大味な展開ではあるけど、生きる為に奮い立
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ザ・キラー(2023年製作の映画)

3.7

感情も熱も持ち込まず入念な準備のもと仕事をこなしてきた暗殺者が招く、まさかの結果w
唐突に完璧が揺らぎながらも主導権を取り戻すため、あくまで冷酷に無駄を排除していく彼にあるのは自制を促す独白だけ…
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愛にイナズマ(2023年製作の映画)

4.2

〝あり得ない〟と一蹴された我が家族の物語、その悔しさを壊れた家族との10年ぶりの再会&ドキュメンタリー映画にぶつける新人監督◦花子。
本物か偽物かもわからない感情、意味不明な赤wけれど彼女が構えるカメ
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ヨーロッパ新世紀(2022年製作の映画)

4.2

衰退する村の経済、共同体の規律、そして自分を脅かす何か…
二人の外国人労働者を迎えたことにより生じる不和が瞬く間に人々に差別意識を芽生えさせ、剥き出しの悪意を的外れの標的へと向ける。そんな恐怖や憎しみ
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極限境界線 救出までの18日間(2020年製作の映画)

4.0

堅実な交渉戦略を重んじる外交官と、そんなものはテロ組織に通用しないことを思い知る国家情報院職員。
互いの最善がぶつかり合いながらも、タリバンに拉致された人質23人の命を救うため最前線での決断を迫られる
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キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン(2023年製作の映画)

4.3

慈悲深い顔をした毒の支配に侵されてゆく先住民族。自堕落な夢に溺れる飢えたコヨーテと、それを導く邪悪なる王。
そうやって捜査される事なく、操作され形成される文化の悍ましさをひたすら抑えた視点で描く206
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シック・オブ・マイセルフ(2022年製作の映画)

4.0

芸術家として注目を浴び始める彼氏の傍で、何もない自分にウンザリなシグネが嘘と薬で塗りたくったドロドロの自意識を覚醒させる…
たとえ同情でも構われたいという病的な欲求に身も心も蝕まれてく様子が哀れやけど
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キリエのうた(2023年製作の映画)

3.8

どうにもならない事に揺られ流される日々を経て今私は何処にいるのか、そんなものを確かめ合う様に巡り巡る人々。
路上に響く歌声、絞り出される祈りが現在や過去、そして未来を照らしてゆく…
まあ余りにもピュア
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バレリーナ(2023年製作の映画)

3.5

ただひとりの親友の無念を晴らすため復讐を決意する元警護員。という超シンプルな話やけど二人の関係に余白を残しながら、悲哀に満ちた表情で躊躇なくクソ変態悪党共を殺しまくる展開は痛快w
そして極薄なストーリ
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アンダーカレント(2023年製作の映画)

4.2

銭湯を営むかなえの元から何も言わず蒸発した夫と、何も言わずに住み込みで働くある男。
表出されない内面を探る不毛さとそれでも手間をかけ薪を焚べれば何か柔らかな感覚を掬えるかもしれない…
そんな他者や自分
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イコライザー THE FINAL(2023年製作の映画)

4.1

ゆっくり歩いて、ゆっくり紅茶を嗜む安息の時を奪おうとする奴らには容赦しない!と、シリーズ3作目にしてマッコールさんの輪郭がさらにハッキリと浮かび上がる途轍もない味わい深さ。
悪党に割く時間など無い。と
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オクス駅お化け(2022年製作の映画)

3.3

ゴシップサイトの記者が不審な出来事相次ぐ駅でスクープと共に引き寄せる呪いの真相。
という特に新鮮味の無いジャンプスケア頼りなホラーやけど、超自然の謎が明かされる程に人間の愚かさも伝播していく展開はそれ
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BAD LANDS バッド・ランズ(2023年製作の映画)

4.0

詐欺師も大阪府警も良い意味で緊張感のない関西弁を操りながら、光の当たらぬ世界で追いつ追われつ…
特殊詐欺を生業にする者たちのどこまでも流れ堕ちて行く生き様を型通りではあるけど地に足のついた人物描写でヒ
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ハント(2022年製作の映画)

4.1

民主化と独裁に揺れる80年代を背景に、北のスパイを巡って疑念と暴力に塗れていく旧KCIA内での派閥争いを描く…
息詰まる諜報戦やド派手な銃撃戦など互いの使命がぶつかり合う程にエスカレートする悲劇を抜群
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ジョン・ウィック:コンセクエンス(2023年製作の映画)

4.0

長〜い復讐の旅もいよいよ最終局面に突入し、大阪もパリも駆け抜けての全編殺しまくりな169分!
間違いなくシリーズNo.1の殺戮マラソンに加えて、ひとり桁違いな殺陣で魅せる盲目の刺客ドニー◦イェンまで迎
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コンフィデンシャル:国際共助捜査(2021年製作の映画)

3.9

前作の南と北の共助捜査に続き、今度はアメリカFBIも参戦…しかもまた超絶イケメン!
と、ユ•ヘジンの自虐が更に哀愁を帯びる中wそれでも正義と家族の為に悪党に立ち向かう姿がめちゃ格好良いし、そんな兄貴の
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ダンサー イン Paris(2022年製作の映画)

4.0

恋人の浮気と、その動揺が招いたバレエ公演中の転倒で心にも体にも傷を負ったエリーズ。
そんな夢を断たれる不安に心を乱す彼女が休息の地での出会いを通し再び表現する喜びに目覚めていく…
クラシックから現代舞
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グランツーリスモ(2023年製作の映画)

3.9

バーチャルがこじ開けた現実の夢!
幾ら極めようと所詮ゲームだろ?と嘲笑されながら、それでも注ぎ続けた情熱で自身の可能性を高めていくヤン。嘘みたいな伝記に押されドラマはやや淡白やけど昔気質なトレーナーと
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(2021年製作の映画)

3.5

『オオカミの家』の同時上映として本編の前に上映される14分の短編作品。

1901年制作の世界初のストップモーションアニメ作品が最近チリで発見された。っていう設定で描かれる人骨から死者を蘇らせる儀式を
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オオカミの家(2018年製作の映画)

3.7

コロニアの悪夢に蝕まれたマリアの精神。罰を恐れて逃げた先、不安から解放された様に見えた彼女の世界は平穏を求める程にグロテスクに変容したいく…
絶え間なく動き続け、確実なものが何もない世界に響き渡るオオ
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あしたの少女(2022年製作の映画)

4.3

ダンスを愛する高校生ソヒの奔放さや情熱、尊厳をゆっくり奪い自死に追い込んだもの、その正体は何か。
生産性ばかりを重視し耐えることを強要する社会、声をかき消す構造を絶望的に見つめながらも、〝話を聞くよ〟
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福田村事件(2023年製作の映画)

4.2

〝違い〟への偏見が混乱やデマに煽られ瞬く間に排除すべき標的を作ってしまう。
国家を、村を、家族を守る為、あるはずのない正当性を盾に加害に至った100年前の惨劇。
関東大震災が発生した9月1日を境に一気
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復讐の記憶(2022年製作の映画)

3.8

妻を亡くし認知症も悪化してきた80代の爺ちゃんが長年背負ってきた痛み、消えることのない過去を精算する為、ここぞと銃を携え計画を実行する…
悪行への復讐を痛快に描きながらも漂う哀愁。けどそんな終わらぬ哀
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アステロイド・シティ(2023年製作の映画)

3.9

真っ青な空、オレンジがかった砂漠など現実離れした奇妙な世界に配置された登場人物らの心をフワフワ空虚に描きながらも、そんな虚構の中で現実的な感情や存在を目覚めさせる…
もはやウェス・アンダーソン監督が何
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アリスとテレスのまぼろし工場(2023年製作の映画)

4.1

ひと足先に試写会で鑑賞。

変化を恐れて静止した街。
そんな仮初の平穏に護られ生きる14歳の正宗がある少女と出会い、まだ知らない世界を知覚する…
たとえ苦しくとも他者を求めて終わりに向かう、不変より変
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MEG ザ・モンスターズ2(2023年製作の映画)

3.8

鮫より水圧と闘ってる中盤までは先行き不安やったけど、ギミック満載ステージで生態系の頂点へ上り詰める環境戦士ステイサムはやっぱクレイジーで安心した!
まあ脅威が散らばりメグの影が若干薄いけど、物理無視な
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君は行く先を知らない(2021年製作の映画)

4.2

何処かに向かって車を走らせる家族の口は悪いが愛情溢れる関係と、そんな和やかな旅にジワジワと覗く哀愁。
寡黙な長男と駄々をこねる幼い弟、ふと憂いの表情を浮かべる父など他愛ない時間の中に映し出される家族の
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ホーンテッドマンション(2023年製作の映画)

3.5

4DX試写会にて鑑賞。

ゴーストだらけの邸宅に集う胡散臭い専門家達が空回りしながらも超自然への敬意を武器にゴーストも喪失の痛みも鎮めていく…
賑やか幽霊ファンタジーを通して悲しみを超えた人の繋がりに
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クライムズ・オブ・ザ・フューチャー(2022年製作の映画)

4.0

進化か堕落か。
痛みの感覚を失った人類の肉体的快楽、アートへの探求は倫理を超越して新たな感受性を高めていく…
と、不快でグロテスクな仕掛けも盛り沢山やけど刺激のラインが変化した世界の有り様としては割と
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SAND LAND(2023年製作の映画)

4.0

砂漠化した世界で幻の泉を求めて手を組む事になった老保安官と悪魔なのに良い奴なベルゼブブ、&ボヤキ屋シーフ。
RR軍編までのDBを彷彿とさせる冒険活劇とメカメカしさ、笑いも満載な会話など異色チームのドタ
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マイ・エレメント(2023年製作の映画)

4.2

他属性に煙たがられながらも両親の愛を受け火属性コミュニティで元気に育ったエンバーと、水の青年ウェイドの出会い。
決して交わらない文化で生きてきた2人が惹かれ合い、ここにしかなかった私の人生が広がり始め
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クエンティン・タランティーノ 映画に愛された男(2019年製作の映画)

4.0

10作撮ったら引退すると語るタランティーノ監督の8作目までの足跡を追う、2019年に制作されたドキュメンタリー。
ビデオショップ店員から瞬く間に時代の寵児となっても変わらない映画への愛を、側で見てきた
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