netfilmsさんの映画レビュー・感想・評価 - 14ページ目

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ひとりぼっちじゃない(2023年製作の映画)

2.8

 う~ん、なんだろう、ものすごく捉えどころのない、心底掴み切れない映画に上映後、打ちのめされて座席から起き上がれず、ぐったりしてしまった。監督自身も映画の作り方がまるで理解出来ていないご様子。独りよが>>続きを読む

唯一、ゲオルギア(1994年製作の映画)

4.4

 空中から撮影されたジョージアの手付かずな自然風景、なだらかな緑の山々と広大な美しい自然、そして世界遺産スヴァネティの尖塔。豊饒なジョージアの魅力がイオセリアーニによって魅力的にモンタージュされて行く>>続きを読む

ブラックライト(2021年製作の映画)

3.6

 トラヴィス・ブロック(リーアム・ニーソン)はFBI長官ガブリエル(エイダン・クイン)に直々に雇われており、極秘任務で潜入捜査している秘密捜査官に危機が迫ると救出し、更生させるという影の任務を負ってい>>続きを読む

オマージュ(2021年製作の映画)

4.4

 映画監督のジワン(イ・ジョンウン)は3本の映画を撮るもヒット作に恵まれず、新作『幽霊人間』も映画館では閑古鳥が鳴く。プロデューサーからの資金の援助がないため、新作を撮る目処も立たない状況に陥っている>>続きを読む

Winny(2023年製作の映画)

3.9

 メディアに出たがらず、自分が主役になるような人生はゴメンだと思う金子勇さんは天国でこの映画を観てどう思うのか?2002年、開発者・金子勇(東出昌大)は、簡単にファイルを共有できる革新的なソフト“Wi>>続きを読む

オットーという男(2022年製作の映画)

3.7

 オットー・アンダーソン(トム・ハンクス)の1日は、いつも近所のパトロールで始まる。何か変わったことがあればため息をつき、隣人との諍いも絶えない彼は変人で、町内一の嫌われ者という評価も納得の偏屈爺さん>>続きを読む

左様なら今晩は(2022年製作の映画)

3.5

 2年も同棲しながらギクシャクした空気が抜けられず、会話もない2人に待つのは悲しい結末しかない。ベランダで煙草を吸う陽平(萩原利久)はパートナーが出て行った部屋を茫然とした表情で見つめるだけだ。高台に>>続きを読む

飢える魂(1956年製作の映画)

3.8

 等間隔に光の差し込む病院の廊下を、静かにゆっくりと患者が運ばれて来る。大学教授夫人の味岡道代(高野由美)の子宮筋腫の手術は無事成功し、2人の女性が彼女の見舞いにやって来る。芝令子(南田洋子)は富豪の>>続きを読む

Sin Clock(2023年製作の映画)

3.6

 クエンティン・タランティーノ丸出しの円卓から始まり、えぐり取った目が出て来る時点でうぉっとなったのだが、その後は妙に淡々とまったりとした編集で、映像の繋ぎ目のフェードアウトの瞬間が長いことこの上な>>続きを読む

そして光ありき(1989年製作の映画)

4.4

 アフリカはセネガルの森に住むディオラ族は自然と共存しながら、未開の地で日々暮らしている。男たちが川で洗濯し、女たちは弓矢で鹿を狩るという男女の役割が逆の異色の村の風土がひたすらユニークだ。この村の3>>続きを読む

丘の上の本屋さん(2021年製作の映画)

3.5

 石畳に陽光が差し込む穏やかな風景。イタリアの風光明媚な丘陵地帯を見下ろす丘の上の小さな古書店。この道の店主であるリベロ(レモ・ジローネ)はいったい何度足を踏みしめたであろうか?古書店の隣のカフェで働>>続きを読む

帆綱は唄う 海の純情(1956年製作の映画)

3.6

 南氷洋を目指して出航した捕鯨船団・磐城丸。歌の上手い春日八郎ならぬ春海八郎は、がんこ一途の織田船長(小林重四郎)や二枚目気取りの大山航海士(木戸新太郎)らに揉まれながら下っ端として頑張っていた。川村>>続きを読む

マジック・マイク ラストダンス(2023年製作の映画)

4.0

 金も愛も同時に失ったストリップダンサーのマイク(チャニング・テイタム)はマイアミで1人、路頭に迷う。ビーチで水面を眺めても答えなど出ようはずがない。屋根拭きや洗車サービスのバイトは器用にこなす癖に、>>続きを読む

バニシング・ポイント 4Kデジタルリマスター版(1971年製作の映画)

4.3

 2台のブルドーザーは対になりバリケードを作ると、道路を封鎖して何者かの侵入を阻もうとする。物々しい雰囲気の裏にはうらぶれた田舎町の人々の好奇の目がある。その名はコワルスキー(バリー・ニューマン)。元>>続きを読む

フェイブルマンズ(2022年製作の映画)

4.3

 ヤヌス・カミンスキーのカメラが捉えた漆黒の黒の石畳の上で、暗闇を怖がる少年が両親に説き伏せられ、列車の衝突を巨大なスクリーンで体感するファースト・シークエンスだけでこれは並の映画とは思えなくなる。『>>続きを読む

エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス(2022年製作の映画)

4.0

 なんと138分間で10人以上の観客が途中退席し、2度と戻らなかった。これは私の映画体験の中でも前代未聞の様相だ。 『バビロン』や『逆転のトライアングル』のようなゲロまみれの映画でも僅かに数名だったの>>続きを読む

レッドシューズ(2022年製作の映画)

3.2

 女子ボクシングに打ち込む真名美(朝比奈彩)は娘と2人で慎ましく、貧しいアパートに静かに暮らしている。年端も行かぬ娘の為に何とか生活費を稼ごうと苦労するものの、シングル・マザーで生活は苦しい。ある日、>>続きを読む

穴の牙(1979年製作の映画)

4.3

 酒場でムラムラした男(原田芳雄)は小声で囁きながら、カウンター越しに女(稲川順子)をホテルにチェックインしようとあれこれ言葉を尽くしながら大きな手で体を撫で回す。女の方もムーニーマンで、いつでも着脱>>続きを読む

湯道(2023年製作の映画)

3.7

 亡き父が遺した銭湯・まるきん温泉を切り盛りする悟朗(濱田岳)の元に、建築家の兄・史朗(生田斗真)が突如何の連絡もなしに帰って来る。史朗は東京で一級建築士として働きながら一見華やかな世界で活躍するかに>>続きを読む

ちひろさん(2023年製作の映画)

3.6

 元・風俗嬢の肩書は置いておいて、ちひろ(有村架純)は弱者に優しい眼差しが向けられる女性だ。人の気持ちに寄り添い、かまってあげられる。だからこそ彼女に町の人々は会いに来る。人は1人では生きられない。公>>続きを読む

東京マダムと大阪夫人(1953年製作の映画)

4.1

 東京都西部、あひるが丘のとある紡績会社の社員寮。西川隆吉(大坂志郎)の家に洗濯機が運び込まれ、ご近所の人々はパニック状態に。西川の妻・房江(水原真知子)の貯め込んだへそくりで遂に念願の電化製品を一番>>続きを読む

少女は卒業しない(2023年製作の映画)

3.7

 廃校が決まり、校舎の取り壊しを目前に控えたとある地方高校を舞台に、世界のすべてだった「学校」と「恋」にさよならを告げる4人の少女たちの卒業式までの2日間が描かれる物語は、何だか『白線流し』のようだ。>>続きを読む

殺人者たち(1964年製作の映画)

4.0

 聾唖学校に押し入る明らかに堅気ではない2人の男。彼らのコンビネーションは卒なく無駄がない。ターゲットの教師ジョニー(ジョン・カサヴェテス)は殺し屋チャーリー(リー・マーヴィン)、リー(クルー・ギャラ>>続きを読む

ワース 命の値段(2019年製作の映画)

3.4

 ワシントンD.C.の弁護士ケン・ファインバーグ(マイケル・キートン)は少し偏屈だが話は滅法面白く、どこかカリスマ性を帯びたエネルギッシュな人物だ。オペラをこよなく愛する男は教授で弁護士だから、ある意>>続きを読む

DOOR デジタルリマスター版(1988年製作の映画)

3.8

 ブルジョワジー家庭の部屋にセールスマンが押し入り、思わぬ火種が生じる。1988年、バブル真っ只中の都会の高層マンション。今ならオートロックで管理人常駐で厳戒な警備が敷かれるのだろうがこの頃はまだない>>続きを読む

シャイロックの子供たち(2023年製作の映画)

3.8

 ウィリアム・シェイクスピアの戯曲『ヴェニスの商人』の法廷場面では、強欲な金貸しであるシャイロックに悲劇が訪れるのだが、その場面を舞台劇で再現する。東京第一銀行の小さな支店で、100万円の現金紛失事件>>続きを読む

アラビアンナイト 三千年の願い(2022年製作の映画)

3.5

 古今東西の物語や神話を研究するナラトロジー=物語論の専門家アリシア(ティルダ・スウィントン)は、講演のためトルコのイスタンブールを訪れた。神話は科学に取って代わられ、神々や魔物はメタファーとしての存>>続きを読む

逆転のトライアングル(2022年製作の映画)

4.2

 人気インフルエンサーのヤヤ(チャールビ・ディーン)と男性モデル・カール(ハリス・ディキンソン)のカップルは見事に男女の格差が入れ替わっている。モデルのカールはストイックに筋肉を付け、広告の仕事を得よ>>続きを読む

エンパイア・オブ・ライト(2022年製作の映画)

4.3

 1980年代前半。イギリス南部の静かな海辺の町マーゲイトには地元の人々に愛される映画館・エンパイア劇場があった。マネージャーとして働くヒラリー(オリヴィア・コールマン)を筆頭に、ここには疑似家族と呼>>続きを読む

BLUE GIANT(2023年製作の映画)

4.2

 JAZZにかけてJASSというバンド名は流石にどうかと思うが、主人公は来る日も来る日も河原でテナー・サックスを吹いている。これだけでも胸が熱くなる瞬間だが兄妹が握ってくれた握り飯を食べながら、雪の降>>続きを読む

小さき麦の花(2022年製作の映画)

4.3

 2011年、中国西北地方の農村。マー家の四男・ヨウティエ(ウー・レンリン)は貧しい農民だった。すでに両親と二人の兄は他界して、三男・ヨウトンの家に身を寄せているものの、息子の結婚を心配するヨウトン夫>>続きを読む

いつかの君にもわかること(2020年製作の映画)

3.9

 窓拭き清掃員として働く33歳のジョン(ジェームズ・ノートン)は若くして不治の病を患い、残された余命はあと僅かだと宣告される。妻は息子が小さい時に突如失踪し、それからシングルファーザーとして男手ひとつ>>続きを読む

タイタニック:ジェームズ・キャメロン25周年3Dリマスター(2023年製作の映画)

4.4

 20世紀初頭では世界最大の客船であったタイタニック号は、1912年4月14日の23時40分に氷山に衝突した。映画内でも出て来るが当時は霧で視界が見えずらく、見張り役が気付いた時からも適切な伝達の方法>>続きを読む

ベネデッタ(2021年製作の映画)

4.3

 ベネデッタが夜、崩れ落ちる聖母マリア像の下敷きになりながら、まるで乳飲み子のようにマリア様の乳首をチュウチュウ吸っている場面のほとんど正気とも思えぬ馬鹿馬鹿しさは、これがポール・ヴァーホーヴェンの新>>続きを読む

別れる決心(2022年製作の映画)

4.2

 事件が著しく減ったと漏らす刑事の元へ、事件の報せが入る。中年の男が山頂から転落死したという。刑事ヘジュン(パク・ヘイル)が現場へ向かうと、見通しの良い断崖絶壁から足を滑らせて亡くなったという。その身>>続きを読む

ボーンズ アンド オール(2022年製作の映画)

4.3

 私にはイーターたちが人間の骨をガブリと食べる行為は食事よりも生々しい性欲に見える。最初、18歳のマレンが衝動的に友人の骨を喰らうのも父親の目を掻い潜りながら夜に部屋を飛び出した深夜未明に起こる。これ>>続きを読む