「芸人だよ、バカヤロー」。北野武監督に「何なんだ、お前は!」と怒鳴ったらこう返されそうな感じの映画かな。
「笑われるんじゃねえぞ、笑わせるんだ」「客に媚びるなよ、何がおもしれぇかはオメェが教えてやれ>>続きを読む
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5人の人物によって現代社会を描いている、のかな? 描かれている社会を図示し、私的定義すれば次のよう。
【図】
◉゜
【定義】
・二重丸の内側で大部分を占める黒丸は「マジョリ>>続きを読む
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映像は素晴らしいけれど、演出がなあ…という感想。過剰な感情表現に加え、言葉でなんでも説明するというバタ臭い演出に気持ちが冷めてしまう。映画に芸術性を求める方々には評判悪いだろうなあ、という気がした。>>続きを読む
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面白いとは思わなかった。ディカプリオ演じるダメ男アーネストの葛藤がよく分からなかった。それで原作(『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン──オセージ族連続怪死事件とFBIの誕生』デイヴィッド・グラン著)>>続きを読む
2023年9月、テレビ番組をザッピングしていて、NHKBSのカズ・ヒロさんの特集番組に目を止めた。オードリー・ヘプバーンの若い頃と晩年のポートレートをファインアート作品として作成していた。
カズ・ヒ>>続きを読む
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映画公開後、TVerでテレビ放送12話全部配信をなんとなく見てしまった。主人公の探偵役は、どんなことでもよく知っていて、細かく観察できて、記憶力が抜群という一般人とは異なる特殊能力と、その代償としてな>>続きを読む
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【前提】
・宝くじを買うのは億万長者になりたいと考える人である。
【事実】
・宝くじは確率と投資金額のリターンを計算すると罰金同然である。
【結論】
・宝くじを買うのは頭が悪い人である。
「庶>>続きを読む
「ロシア・ウクライナ戦争」は何故、長期化しているのか。その原因のひとつと思われる「プーチン政権が崩壊しないこと」の理由が腑に落ちる作品。
世界的に有名な反体制活動家ミハイル・ホドルコフスキーのドキュ>>続きを読む
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長尺だけど飽きさせないストーリー、なるほど~のオチ(オカルトOKの前提ですが)。で、我流解釈(私的納得感)にあたっては、マーティン・スコセッシ監督『沈黙ーサイレンスー』を観た後に読んだ『ふしぎなキリス>>続きを読む
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素材、内容は良いけど、ドラマとして盛り上りにかけるかな、 静かな勧善懲悪? というのが第一印象。
その後、原題が『JUST MERCY』(「公正、慈悲」)であることを知り、クグッていくうちに、何だか>>続きを読む
「奴隷制と不本意な隷属を米国内では禁止する。ただし犯罪への処罰は除く。」(アメリカ合衆国憲法修正第13条)
<犯罪者は本質的に国の奴隷である>(本編より)
アメリカの人口が世界に占める割合:5%>>続きを読む
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虚構と現実とか、入れ子構造とかについて、アレはこう、コレはこう、みたいな考察をしないとよくわからない映画は、面白そうと思うものの、考えだすと面倒くさくて苦手。わかったような気になっても、わかってない気>>続きを読む
安倍晋三元首相の国葬当日に、国葬に対する国民の意見をできるだけ幅広く、偏りなくインタビューし、それを大島新監督の国葬反対目線で編集するのではなく、国民の姿として示そうとしたと思われるドキュメンタリー。>>続きを読む
異例のヒット中らしい映画『福田村事件』と同じく、恐怖心を抱く善良な個人が集団になると殺人をも厭わなくなることを映しているけれど、衝撃度、緊迫感、気分が悪くなるという点では本作の方が遥かに上。
意識ま>>続きを読む
エンドロールに流れる主題歌が中島みゆきの新曲『心音』ということで鑑賞。SF的な要素は舞台として割り切り、キャラクターの心情を味わう純文学的な作品かな、という印象。
作品のことについてググっていくうち>>続きを読む
記録によれば2021年3月に映画館で鑑賞した本作。その出自から不自由を強いられる主人公の貴族の女性が、男性を介して繋がった一般ピープルの女性(ミキティ)の生き方、言葉に触発され自分らしく生きることに目>>続きを読む
森達也監督がずっと考えていることを多く盛り込んだ映画かな。女性記者のエピソードなど現代的な要素も加え、説明臭も強めなことから言いたいことはとてもわかりやすい。
優しく、善良な個人が集団になると、とん>>続きを読む
ホラー映画って怖がらせることがメインテーマだから演出に重点をおいて観ようと臨んだら、ホラー感があまりなく、子どもを描くことで大人(親)の危険性を示している作品のように感じた。
子どもとは何か。エスキ>>続きを読む
お母さんを愛するお父さんの姿が眩しすぎた。お母さんを思う心と行動に圧倒された。二人の関係に自分の未熟さを自覚させられ、胸がチクチクした。
愛って時として相手より自分の気持ちを優先しがちで暴力に似てい>>続きを読む
子育て、家族関係について、多くの人が時間をかけて経験、学んでいくことを効率よく描いているような気がする。子育てを終了したオジサンにとって刺さること、ハッとするようなことがなく、正直言うと退屈だった(強>>続きを読む
ケネス・ブラナー監督の半自伝的作品で、小ぢんまりとした良作という印象。北アイルランド紛争の激化で、プロテスタントの強硬派がカトリック教徒の家を焼き討ちするなど緊張感のある環境にもかかわらず、主人公バデ>>続きを読む
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いい映画って、人々の興味を引き付けつつ、人間、社会の本質をきちんと描いている気がするけれど、本作もそうした1本ではないかと。
誰しもが思い当たるフシのある思春期の変化をとても切なく描いているけれど、>>続きを読む
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ジェンダー問題、女性(男性も?)の自立みたいなテーマもさることながら、社会構造に切り込み、<人がより自分らしくなる、人間らしくなること>とはどういうことかを鮮やかに描き切っている気がするけれど、どうか>>続きを読む
映画観て、久しぶりに涙が出た。媒体がネット配信ということもあり、途切れ途切れに観たというのに、ベタと言えばベタなクライマックスなのに。
不思議だったので、ググってみたら「感極まって涙が出るのはなぜ?>>続きを読む
北アイルランド、ベルファスト。プロテスタントとカトリックの対立が長く続いた同地域は発展が遅れ、子どもたちの教育環境としてふさわしいとは言えない雰囲気。
同地域の男子小学校では主要科目として哲学を教え>>続きを読む
全く予備知識がなかったものの、評価が高いというだけで鑑賞。レスリー・チャン演じる女形の程蝶衣(チェン・ディエイー)の切なさを、美しい演技、映像が一層引き立て、観る者に「感情の絆」が生まれてしまう作品か>>続きを読む
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人生の真実を語る神父役のアンディ・ガルシアが、ただただカッコいい。
高校3年男子の主人公は統合失調症を患い苦しんでいるけれど、青春映画らしく、好きな女の子や家族などとアレコレありながら、病を取り除く>>続きを読む
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世界が自分の思い通りにならず苦しい気持ちの時、オジサン(自分)は世界がめちゃくちゃになって欲しい、あるいはこの世界から消えてしまいたい、と思うけれど、少年の頃は世界を自分の理想の姿にしたい、と思ってい>>続きを読む
不安で不安で、いてもたってもいられない−−。ちょうどそんな気持ちになった少し前に鑑賞した。少年の気持ち、よく分かる。
自分のせいで大変な問題が発生するかも、どうしよう? そんな不安が頭から消えない。>>続きを読む
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「純粋で、任務に忠実」「信じるものを信じたい」。肉親の言葉よりも上官の命令、それは神託。
「武士ではなくヨブ」。フランス人のアルチュール・アラリ監督は小野田寛郎をそのように見たのかもしれない。
上>>続きを読む
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映画レビューでしばしば目にする「邦画の悪いところが出た」という意味が本作でようやくわかった気がする。商業映画となると日本人内輪ウケのエモーションで包んでしまう。世界に通じる普遍的なメッセージを持ちうる>>続きを読む
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理想と現実の争い。フィクションの世界なら理想が勝つのが王道だけど、「嘘臭さ」をどう克服するかが問題なのだろうと思う。エンタメ感の強い本作のような作品ならなおさら。
お家再興を託された雪姫の脱出(理想>>続きを読む
「午前十時の映画祭」で鑑賞。幕府の御番医になるため長崎遊学を終えて江戸に戻ったエリートの青年医師の保本が、貧乏人相手に黙々と治療を施す赤ひげがいる小石川養生所に配置されクサる。しかし赤ひげはスーパー医>>続きを読む
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すぐ怒る人(お父さん)と、怒れない人(スーパーの店長)の対立を描いた物語。自分を守るためコミュニケーションを断絶し、不都合に正面から向き合わないという点が共通しているけど、その方法が両極端。
(以下>>続きを読む
ちょっともったいない気がした。写真家ユージン・スミスの作品テーマは<公害の悲惨さと人間の美しさと>(https://www.buzzfeed.com/jp/naokoiwanaga/minamata->>続きを読む
東京・渋谷の映画館ユーロスペースで映画『MINAMATA−ミナマタ−』公開記念として『水俣 患者さんとその世界<完全版>』(1971)と『水俣 患者さんとその世界』(1973)の2作を特別上映。水俣病>>続きを読む