小一郎さんの映画レビュー・感想・評価

小一郎

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友だちのうちはどこ?(1987年製作の映画)

5.0

不安で不安で、いてもたってもいられない−−。ちょうどそんな気持ちになった少し前に鑑賞した。少年の気持ち、よく分かる。

自分のせいで大変な問題が発生するかも、どうしよう? そんな不安が頭から消えない。
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ONODA 一万夜を越えて(2021年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

「純粋で、任務に忠実」「信じるものを信じたい」。肉親の言葉よりも上官の命令、それは神託。

「武士ではなくヨブ」。フランス人のアルチュール・アラリ監督は小野田寛郎をそのように見たのかもしれない。

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護られなかった者たちへ(2021年製作の映画)

2.5

このレビューはネタバレを含みます

映画レビューでしばしば目にする「邦画の悪いところが出た」という意味が本作でようやくわかった気がする。商業映画となると日本人内輪ウケのエモーションで包んでしまう。世界に通じる普遍的なメッセージを持ちうる>>続きを読む

隠し砦の三悪人(1958年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

理想と現実の争い。フィクションの世界なら理想が勝つのが王道だけど、「嘘臭さ」をどう克服するかが問題なのだろうと思う。エンタメ感の強い本作のような作品ならなおさら。

お家再興を託された雪姫の脱出(理想
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赤ひげ(1965年製作の映画)

4.0

「午前十時の映画祭」で鑑賞。幕府の御番医になるため長崎遊学を終えて江戸に戻ったエリートの青年医師の保本が、貧乏人相手に黙々と治療を施す赤ひげがいる小石川養生所に配置されクサる。しかし赤ひげはスーパー医>>続きを読む

空白(2021年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

すぐ怒る人(お父さん)と、怒れない人(スーパーの店長)の対立を描いた物語。自分を守るためコミュニケーションを断絶し、不都合に正面から向き合わないという点が共通しているけど、その方法が両極端。

(以下
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MINAMATAーミナマター(2020年製作の映画)

3.5

ちょっともったいない気がした。写真家ユージン・スミスの作品テーマは<公害の悲惨さと人間の美しさと>(https://www.buzzfeed.com/jp/naokoiwanaga/minamata->>続きを読む

水俣一揆-一生を問う人々-(1973年製作の映画)

4.0

東京・渋谷の映画館ユーロスペースで映画『MINAMATA−ミナマタ−』公開記念として『水俣 患者さんとその世界<完全版>』(1971)と『水俣 患者さんとその世界』(1973)の2作を特別上映。水俣病>>続きを読む

水俣 患者さんとその世界(1971年製作の映画)

4.0

東京・渋谷の映画館ユーロスペースで映画『MINAMATA−ミナマタ−』公開記念として『水俣 患者さんとその世界<完全版>』(1971)と『水俣 患者さんとその世界』(1973)の2作を特別上映。公開順>>続きを読む

由宇子の天秤(2020年製作の映画)

3.0

本音と建前を秤にかける現代社会にマジガチで適合した女性が窮地に陥るものの、その後に起こる出来事は彼女の判断に都合の良いものばかりで、大して葛藤しないまま、自ら否定していた勝負に挑み(守るものが少なくな>>続きを読む

浜の朝日の嘘つきどもと(2021年製作の映画)

4.0

福島中央テレビ開局50周年記念作品として2020年10月に放送された同タイトルのテレビドラマ版の前日譚(ドラマは未見)らしい。ストーリーはベタでナニだけど、可笑しい、好き。

100年近く続いた福島県
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くじらびと(2021年製作の映画)

4.5

美しい映像、クライマックスのクジラ漁の迫力(これだけでも観る価値ありかも)もさることながら、生きることの根源的・本質的な姿が映し出されているような気がして、中盤から目が離せなくなった。

「生と死は隣
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子供はわかってあげない(2020年製作の映画)

4.0

豊川悦司さん演じる実の父親に共感しかなく、ちょっと泣きそうになった。子供の興味に自分をあわせて子供とコミュニケーションをとる、みたいな。トヨエツパパは、プリキュアを見たり、声優さんの顔と名前をちょっと>>続きを読む

ドライブ・マイ・カー(2021年製作の映画)

3.5

さすが、しっかりしている、とは思うもののイマイチハマらなかった。

どんなことでも、はじめのうちは楽しく、慣れてくるに従って飽きてくる。世阿弥は『風姿花伝』で「珍しきが花」、「住する所なきをまず花と知
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かば(2021年製作の映画)

4.5

ド直球の泣かせるファクツ満載。それでも感動の押し売りみたいに感じないのは、それらがほぼ事実に基づくリアリティーによるものなのだろう。

大阪市西成区の公立中学に実在した教師、蒲益男(かば・ますお)の日
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サマーフィルムにのって(2020年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

<僕らはよく、役者が会話するシーンや泣いているシーンなどがドラマで、銃撃戦とかチャンバラが始まったらそれはアトラクションなんだ、ドラマは停止状態なんだと思いがちなんだけれども、実はぜんぜんそうじゃなく>>続きを読む

少年の君(2019年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

久々に感想を書きたくなる映画だった。『乱世備忘 僕らの雨傘運動』で香港の反政府デモのことを知り、『十年』で“香港人”のアイデンティティーに触れ、2019年からの香港の民主化デモに共感した自分にとって、>>続きを読む

すばらしき世界(2021年製作の映画)

4.5

「マジガチで定住社会に適合すると病気になる。」

鑑賞後、かつて某映画館で観た『サーミの血』のトークショーで宮台真司先生が話していた言葉が真っ先に思い浮かんだ。

「宮崎学の著書にあったが、被差別側は
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燃ゆる女の肖像(2019年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

恋愛関係のストーリーで芸術性が高いという、自分には良く分からないうえに寝落ちリスク大な苦手な映画。専門家の評価はとても高いようだけど、違いのわからないオジサンとしては理解のため外部の力に頼らざるを得な>>続きを読む

NETFLIX 世界征服の野望(2019年製作の映画)

3.0

コロナ禍でますます存在感を高めているネットフリックスのドキュメンタリー。サラリーマンのオジサンだから、ビジネスものはついつい興味をそそられてしまう。

オンラインのDVDレンタルサービスから始まった創
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サイレント・トーキョー(2020年製作の映画)

2.5

話が雑過ぎて、「要するにハロウィンとかで渋谷に集まる若者たちを爆破したいとう願望を表現した映画じゃないの?」と思った映画。

まず政府がバカっぽいでしょ。日本政府は危機管理ができないだろうということか
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電車を止めるな! 呪いの6.4km(2019年製作の映画)

3.5

12月18日、『カメラを止めるな!』の聖地・池袋シネマ・ロサでの劇場公開、おめでとうございます! 地域住民のため、赤字の鉄道を走らせ続けるため、ダジャレとパクリ一歩手前の食品販売やイベント、マスコミ露>>続きを読む

ヒルビリー・エレジー -郷愁の哀歌-(2020年製作の映画)

3.0

アカデミー賞にノミネートされそうなネットフリックス映画ということで、何気なく観た。物語は主人公の過去と現在を行き来しながら、困難な環境にある少年が祖母の愛情を受け、全米1%の富裕層に辿りつこうとする様>>続きを読む

罪の声(2020年製作の映画)

3.5

2回観てしまった。1回目は「良くできていると思うけど、ノレなかった」という感じ。背景説明の台詞が多いうえ、登場人物が多く、謎解きが次々と進むため、自分の頭ではついて行けずちょっと寝落ち。謎解きへの集中>>続きを読む

劇場版「鬼滅の刃」無限列車編(2020年製作の映画)

3.5

特にアニメ好きというわけでも、映画好きというわけでもなさそうな大人たちも『鬼滅の刃』にハマっている人が多いらしい様子をテレビで見て(ミスリードかもしれないけど、そうであるという前提で)、その理由を本作>>続きを読む

薬の神じゃない!(2018年製作の映画)

4.0

中国で「現象級(社会全体の注目を集めるレベル)」、要するに話題性、興行成績が『鬼滅の刃』級の映画ということらしい。社会事情が異なる日本では、本作は上映する映画館の数からして「現象級」にはなりえないけれ>>続きを読む

朝が来る(2020年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

河瀬直美監督は作品を通じて、自身の埋めようがない喪失、己が何者であるかを知りたいという渇望を表現したいのだろうと思うけれど、それが原作とピタリとハマり、とても良くできたドラマになっているのではないかと>>続きを読む

れいわ一揆(2019年製作の映画)

4.0

2019年の参議院選挙における「れいわ新選組」の候補者たち、主として女性装の東大教授、安冨歩さんの奇抜な選挙活動を通じて「言葉の表情を観る映画」(原一男監督)。本作で私自身が一番考えたのは「選挙とは何>>続きを読む

アリ地獄天国(2019年製作の映画)

4.0

一個人がブラック企業と闘うことの現実を映した、歌舞いていない、"リアル半沢直樹"なドキュメンタリー。

アリさんマークの「引越社」の現役社員が、待遇改善を求め個人加盟の労働組合(ユニオン)に加入したこ
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スパイの妻(2020年製作の映画)

3.0

何か考えようと試みたものの、引っかかってくるものがなかった。テーマはいくつかあることあるけれども、娯楽性優先でかすんでしまっているというか…。で、その娯楽性も面白いけれど、目を見張るほどではないという>>続きを読む

シカゴ7裁判(2020年製作の映画)

4.0

ネットフリックス配信の前日、映画館で観た。ラストシーンに痺れ、もう一度観たいと思い、配信で観直した。

実話に基づく物語で、現実に起こった出来事や人物について知らなくてもわかるように描かれてはいるけれ
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本気のしるし 劇場版(2020年製作の映画)

4.5

何事にも「明」と「暗」があるけれど、明るいところから暗いところは見えない。そのことを肝に銘じ、自分から暗いところに近づいて良く見ることが、明るいところへの理解、つまり全体の理解につながる。深田晃司監督>>続きを読む

82年生まれ、キム・ジヨン(2019年製作の映画)

3.5

韓国社会において女性ならではの抑圧がストレスとなり、それが許容範囲を超えると精神を守るために別人格になってしまう病を抱えた妻と、どうしよう?と悩む夫、家族の物語。

ググったところによると、韓国では1
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わたしは金正男を殺してない(2020年製作の映画)

3.5

北朝鮮の朝鮮労働党委員長・金正恩の実兄である金正男が、監視カメラが多数あるマレーシアのクアラルンプール国際空港で、2人の女性に神経猛毒剤「VX」を顔に塗られ殺害されたことは、当時ニュースで大きく取り上>>続きを読む

異端の鳥(2019年製作の映画)

4.0

長尺で、映像がタルコフスキーを彷彿とさせるから集中力を持続するのがまあまあ大変だったけど、ストーリーと言いたいことはシンプルだと思う。本作の手柄は、観る人によれば、最低このうえないようなことを怖れずに>>続きを読む

浅田家!(2020年製作の映画)

4.0

大満足ではなかったけれど、観た人それぞれに考える余白のある映画で、それを埋めていくことでその人なりの良さがじわじわと出てくる、そんな感じかな。以下、自分なりに余白を埋めてみる。

本作を観て、写真とは
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