coroさんの映画レビュー・感想・評価 - 5ページ目

coro

coro

映画(571)
ドラマ(0)
アニメ(0)

永遠の0(2013年製作の映画)

-

原作を初めて手にしたとき、浅田次郎の壬生義士伝にあまりに酷似していることや若干弱さを感じる文筆力に(ファンの方ごめんなさい)ひと粒の涙さえ浮かばなかった。そんな理由から今まで敬遠していた作品。

それ
>>続きを読む

壬生義士伝(2002年製作の映画)

3.3

原作既読。随分遠い日のこと
涙なしには読めない
浅田次郎の中でも特に好きな作品。

家族を養うために脱藩し新撰組と共にこの時代を生き抜いた主人公(吉村貫一郎)の生き様を通して見えてくる幕末の別の視点。
>>続きを読む

フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法(2017年製作の映画)

3.9

現実味のないオープニンググレジットと夢の国以外は無音の世界。
そんな世界の片隅で、教育も躾も未来も煌めく世界も知らずに毎日を綱渡りするように生きている親子。
帰る当てのない主人を待つ家々や、古からこの
>>続きを読む

ゾンビランド(2009年製作の映画)

-

テキサスの寂れた街が舞台。汚染バーガーに毒されてから2ヶ月、町で人を食さない変態はもう4人とあとほんの少しばかり。神経質で腸が弱くそれ故に生き残っているコロンバスと、駄菓子(トゥインキー)を求めて止ま>>続きを読む

霧の中のハリネズミ/霧につつまれたハリネズミ(1975年製作の映画)

4.5

随分昔に、その頃すでにブームとなっていたチェコアニメや、ノルシュテインも含め東欧アニメを見漁っていた頃に出会った大好きな作品。

絵本のほうは何度も読んでいて、このアニメに出会ったときには心がときめい
>>続きを読む

FLIRT/フラート(1995年製作の映画)

3.3

反復される展開が余りにも直線的すぎて、たとえどんなに視点を変えてみようと、少しずつ募っていく想いも、積もっていく愛も、ましてやこの作品の意図する前衛的なものも、少しずつそこから零れ落ちてしまう。

シンプルメン(1992年製作の映画)

3.3

トラスト・ミーに導かれて

ボギー気取りの饒舌な主人公。彼の哲学や価値観やアヴァンギャルドな組み合わせに感性がついていけず、ダンスが上手く踊れない…

不思議は好物なはずなのに

ブリグズビー・ベア(2017年製作の映画)

4.0

世間から隔離された狭い世界(シェルター)の中で25年間両親と仲良く暮らしているジェームス。彼の唯一の楽しみは、ブリグズビーベアの新作ビデオを見ること。寝ても覚めてもブリグズビーベアのことばかりを考えて>>続きを読む

28時間後...(2009年製作の映画)

1.5

過去鑑賞記録 ついでに

タイトルに騙され泣き寝入り

28週後...(2007年製作の映画)

3.4

28日後の流れで再視聴

アクション全開。保菌者を殲滅。非保菌者も殲滅。街も殲滅。でも一抹の光。

その光も、遺伝子の異形が免疫の役目を果たしているが、分泌液中にウィルスが存在している。つまり非感染者
>>続きを読む

28日後...(2002年製作の映画)

3.6

再視聴

レイジウィルス。感染したものは異常に凶暴性を増す。どうしてこんな研究をしているのかは(予想はつくが)不明。感染者は手当たり次第に非感染者を襲っていく。血液や唾液などの分泌液から感染していくが
>>続きを読む

ネオン・デーモン(2016年製作の映画)

3.8

照度の低いメーク室で、モデルさんたちがリップのネーミングについて話している。その最中に登場してくる、鏡に書かれることのない(redrumと発音しているんじゃないかと思ったりもする) レッドラムという言>>続きを読む

愚行録(2017年製作の映画)

3.2

一年前に起こった一家惨殺事件。いまだに犯人は見つかっていない。そんな世間から忘れ去られようとしている事件を、ひとりの記者が再び掘り起こしていく。

寡黙な雑誌記者とその取材を受ける饒舌な人たち。それが
>>続きを読む

トラスト・ミー(1990年製作の映画)

3.7

何かしらの事情で心を病んでいる、そんな寂しい人々ばかり。

理不尽なことを許容できないのに、不条理な人生に身を置くマシュー。社会に上手く馴染めず詩人のようにどこか浮世離れしている彼は、いつ人生を放棄し
>>続きを読む

マダム・フローレンス! 夢見るふたり(2016年製作の映画)

3.3

偉大なるマルグリットを先に鑑賞。そのせいか若干の物足りなさを感じてしまった。でも、こちらがホンモノ(実話)

久し振りのヒュー・グラントは相変わらず頼りなくて相変わらず女性にだらしないけれど、それでも
>>続きを読む

心が叫びたがってるんだ。(2017年製作の映画)

3.5

青春群像劇

幼い頃のトラウマから声をなくしてしまった少女。ある事がキッカケでメロデイさえあればさえずれることを知る。
喋ることは出来ないけれど、心の中ではいっぱい喋っている少女の言葉を歌にして綴られ
>>続きを読む

哭声 コクソン(2016年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

小野不由美の「屍鬼」のような構成。妻も同じように感じていた。

何の植物だかは分からないが、南天や彼岸花の類の意味を持つ草花や香炉、燭台など、殆どすべてのものが古来から伝わるお祓いの意味を持つもので支
>>続きを読む

ゲット・アウト(2017年製作の映画)

3.5

主人公と同じように、何だか不自然で居心地の悪さを感じながらも共に一夜を過ごす。
街全体が、野生の鹿さえも夢遊病患者のような薄気味悪さはいつか目にしたSキングの世界。でも、ことは思った方向に向かってくれ
>>続きを読む

葛城事件(2016年製作の映画)

3.4

仲睦まじかった頃も遠い昔の話。理想の家族像を求めて止まない抑圧的な父親に支配され崩壊寸前の家族。やがて幻が消え去るまでの長い長い前日譚。

理想の家族像という重責を担おうと必死に努力をしながら、あと一
>>続きを読む

わたしは、ダニエル・ブレイク(2016年製作の映画)

3.8

善き人のためのソナタ

いつものように労働者階級の人々に焦点を当て淡々と描かれるケン・ローチの世界。今回は、ソルジャーよりもっと危険な鉛筆世代の大工さんが主人公。

妻に先立たれてひとり寂しく暮らして
>>続きを読む

レイニング・ストーンズ(1993年製作の映画)

3.3

愛する家族のために厳しい現実社会と向き合い奮闘する、少々モラルを欠いた愛すべき主人公。
次第に、誰の言葉にも耳を貸さずに突き進んでいく彼の余りにも安直で短絡的過ぎる行動に辟易としてしまう。
それでも
>>続きを読む

ナイト・ガーディアンズ(2016年製作の映画)

2.7

綻びだらけのダークファンタジー。

この世界観にマッチしない脚本と微妙にマッチしてるロキス家の王女(ジェーン・マーチ似)

ダークハウス(2015年製作の映画)

2.7

ジェームズ・ワンの名に導かれて

夜ごと訪れる悪夢。見知らぬ家には母がいて、20年もの時を隔てて僕を呼んでいる。若き日の母が、今は亡き母が…

道なき道に掛けられた大量の風鈴を過ごして行く余りにも未熟
>>続きを読む

トーク・トゥ・ハー(2002年製作の映画)

4.1

過去鑑賞記録 (ついでに)

極上のアルモドバル版
眠れる森の美女。

無償の愛と歪な愛
talk to herと背徳の囁き

ライブ・フレッシュ(1997年製作の映画)

3.4

ある愛の風景

人通りもなく静まり返った夜の街。この世界にたった1台だけ存在しているかのように走るバルセロナ色のバス。車中で繰り広げられる滑稽ながらも清らかな泉のほとりに差し込まれる行く末を暗示させる
>>続きを読む

エル・クラン(2015年製作の映画)

3.0

国家情報局のアルキメデスと、その家族を軸に構成された犯罪組織は誘拐を繰り返し、その身代金で生計を立てている。
独裁政治の崩壊により職を失いつつある軍の関係者たちのあがく姿に権力の腐敗した陰が見える。
>>続きを読む

この世界の片隅に(2016年製作の映画)

-

徹底して戦争という名の暴力を撮り続けた黒木和雄監督の戦争レクイエム3部作を、改めてアニメーションで見ているかのよう。
主人公は想像力豊かで絵を描くことが好きな女の子。ありふれた景色も彼女の手にかかれば
>>続きを読む

ヒトラー最後の代理人(2016年製作の映画)

2.5

アウシュビッツ強制収容所で最も長く指揮官を務めたルドルフ・ヘスの苦悩や自己弁護を只々聞き入る。

大量虐殺に至るまでの経緯や心中を、まるで他人事のように淡々と語るルドルフ・ヘス。彼を責め立てることもな
>>続きを読む

愛の犯罪者/ラヴ・イズ・パーフェクト・クライム(2013年製作の映画)

3.7

主人公は大学教授のマルク。人里離れた雪深い山荘で妹のマリアンヌとふたりで暮らしている。巧みな言葉で女性を誘惑しては数々の浮名を流す、そんな自堕落な日々の最中彼と一夜を過ごした女学生が忽然と姿を消す。>>続きを読む

その夜の侍(2012年製作の映画)

3.0

転がる鯖の味噌煮を見つめるモラルに欠けた眼差しも、見て見ぬ振りも
消えてしまえばいい

そんな簡単なことじゃないってことは分かっているけれど、賞味期限の過ぎたプリンも、すれ違うばかりの心に沁み入る歌も
>>続きを読む

エターナル・サンシャイン(2004年製作の映画)

4.1

過去鑑賞記録 (ミッシェル・ゴンドリーつながりで)

何度も観ている大好きな作品。
女性たちがもっと美しければなんて、たまに思ったりもするけれど(許して)、ケイト・ウィンスレットの出演する恋愛映画は結
>>続きを読む

グッバイ、サマー(2015年製作の映画)

3.7

行き方も、生き方も、自由

主人公は14歳の少年ダニエル。女の子のような顔立ちをしているせいか男の子と遊ぶよりも女の子と一緒に過ごすことの方が多い。繊細で感受性のつよい彼は、仕事に追われ近頃不仲な両親
>>続きを読む

スケア・キャンペーン(2016年製作の映画)

3.0

どこまでが真実で、どこからがフェイクなのか分からないと謳っているのに、このジャケット。
初回のフェイクまでは良質なのに、重ねれば重ねるほど浅くなっていく。

岸辺の旅(2015年製作の映画)

3.3

此岸を遠く離れ、生や死は人間の意識が作りだした不確かな幻影だとでも言うように、彼岸からこの世界を見つめ直す主人公。
妻に逢いに行くのに3年もかけながら、そこから少しずつ離れていく遡行の旅は切ない。浮遊
>>続きを読む

犬ヶ島(2018年製作の映画)

3.6

オープニングクレジットに名を連ねる豪華な声優陣。もうそれだけで充分に面白そうな予感がしてくるファンタスティック都市鉱山。荒野の用心棒の残り香を漂わせながらも、独特な世界観で日本の伝統文化をポップカルチ>>続きを読む

溺れるナイフ(2016年製作の映画)

2.8

海での出会いも、小川での戯れも、森での追いかけっこも、火祭りのアバターも、赤い椿も、すべて
レンズの向こうで奏でられる絵空事

主役のふたりはいいのに、残念