ミュージカルではおなじみの“バックステージもの”だし、時代設定も大昔なので”コンプライアンス”も何もないって感じだが、これはもう、ひたすら歌とタップ、レビューショーを愉しむための2時間なのだ。女性が歌>>続きを読む
ミポリンと織田はTBSドラマ『卒業』のコンビだし、ホイチョイ・ムービーと甘く見て、デート気分で観に行ったが、冒頭のモノクロのウエディング・シーンで泣きそうになって、あわてて映画館を飛び出した。バブル気>>続きを読む
閉所恐怖症気味にもかかわらず、ダイビングの講習に通ったり、遠く沖縄に潜りに行ったりできたのは、この映画のおかげだった。もちろん、自分は全然バブリーじゃなかったんだけど、憧れの水中スクーターは、グアムの>>続きを読む
初鑑賞は、昭和の『○○洋画劇場』での吹替え放映だったが、リズやハドソン、ディーンのスター性を知らなくとも、この映画の凄さは分かった。そのあと、幾度も観なおしているが、成長と共に感じる部分も変わってきた>>続きを読む
もはや、お馴染み感があり過ぎる設定の韓流ノワールだが、主演のソル・ギョングが、内野聖陽に似ていることを再確認させられた。年齢も同じなのね。
しかし、こういう映画だとわかっちゃいるけど、死なせすぎだよ。
いまや名コンビなコン・ユとチョン・ユミの一作目。最初にスクリーンで観たときは、韓国にも“社会派映画”があるんだと驚いた憶えがある。
日本の特別支援学校制度も、分離教育だと非難されているが、いろんな事情>>続きを読む
ほとんどアンドリュー・ガーフィールドな、デビュー間もないパーキンス君が、チューター役のヘンリー・フォンダの導きで、保安官バッジに相応しい男に変わってゆくヒューマン西部劇。
西部に生きることの過酷さから>>続きを読む
WWⅡ(太平洋戦争)の最中に、こんな映画を作り人々を感動させていたアメリカと、戦意高揚のためだけに映画を作っていた日本。“挙国一致”の体制からは、決して生まれない名作だ。
下町の教会、歌に野球、オペラ>>続きを読む
中国は移民の国だ。増えすぎた人口の調整弁という以上に、歴史的・政治的な要因が大きいと思う。90年代にアメリカへ移住したヒロイン家族は、“華人=移住先の国籍を取得した中国人”と呼ばれるそうだが、平穏な生>>続きを読む
公開当時(2010年)、SFマインドをくすぐる設定とスケール、信じ難いレベルのCGによる映像美に圧倒されたのも確かだが、何より私をのめり込ませたのは、民族学(文化人類学)の学究の徒であった時分の憧れを>>続きを読む
学園映画を思わせるタイトルだが、メインは、少し変わった組み合わせの夫婦の愛情物語。とはいえ、パブリックスクールが舞台なので、教師と生徒の話も絡む。「小さな恋のメロディ」のダニエルの母親役がチラッと出て>>続きを読む
主演のマコノヒーなどのキャストが地味だと思われたのか、大阪ではミニシアター系の【テアトル梅田(去年閉館)】で上映されたはず。原作はシリーズ化されているようだし、続編を期待していたのだが、あのデビッド・>>続きを読む
本作でパトリシア・ハイスミスを知ったのは確かだが、原作の面白さを後方に追いやるほど、ルネ・クレマンとアンリ・ドカエ、そして、アラン・ドロンに魅了されるための映画になっている。“午前10時の映画祭”を含>>続きを読む
本作を映画館で観たのは、公開から数年後の3番館落ちした頃だろうか。
もちろん、フランシス・レイのテーマ曲は、アンディ・ウィリアムスの歌声で届いていたし、なぜか、日本語注釈付きの原語本(英語教材?)も買>>続きを読む
アフリカ大陸を“未開の地”と称して、植民地化・分割の先鞭をつけたベルギーと、それに加担したキリスト教布教団体の実態が、ジンネマン監督によりドラマチックに描かれているが、シスター・ルークが実在したと知る>>続きを読む
フランス人作家の原作を韓国に移植した違和感はなく、時空を超えて運命に抗いたくなるほどの愛を、見事なキャスティングで描いてくれた映画。ユンソクでラブストーリーが作れるんだから、韓国映画に不可能はないのか>>続きを読む
「オールド・ボーイ」のミンシク主演作だけに、単に“娘かわいさに道を踏み外す父親”という図式に納まらない物語だった。須川栄三の「蛍川」を観た後だったので、あらためて、男にとっての“愛という業”の重さを感>>続きを読む
最初に映画館で観たときは、まさにバブルの最中で、昭和30年代の北陸を舞台にした少年の成長譚という地味なストーリーを、川北紘一の特撮が救っているという感じだったが、それなりに感動し、パンフレットの他にサ>>続きを読む
原作(短編小説)を読んでる人は寡少だろうが、裏社会や当時(昭和30年代)の風俗、社会格差などをリアルに織り込みながら、小説の名手・藤原審爾がありえないような純愛を描き出した作品だ。
しかし、いくら“純>>続きを読む
これまで幾度となく映像化されてきた【信長と濃姫(帰蝶)の物語】だが、キムタクとはるかのW主演で決定版をという目論みは、実現可能な最善の試みだし、悪いものはできないはずと思える。
最近の『麒麟がくる』の>>続きを読む
好みは分かれるかもしれないが、俺様チャン・ドンゴンと、わたしのお気に入り名優リュ・スンリョンの直接対決が見られるだけに、コクソンな展開でも、気持ちは上がってしまう。
韓国映画を見慣れていないと、とても>>続きを読む
タイトルだけ見て軽くみてしまい,結果、うっちゃられてしまう類の映画。
怪作「ハイヒールの男」で、私の中での“韓国の阿部寛”に確定したチャ・スンウォン。今作でも、冒頭から飛ばしてる。もちろん、娘役のオム>>続きを読む
前日に放映された小津安二郎の「彼岸花」と、この映画を見比べてみると、社会性、時代性、国民性の違いは感じつつも、同時に、ホームドラマとしての相似性も見えてくる。たとえば、変化への惧れと希望、変わらないこ>>続きを読む
健さんに芳雄ちゃんも大活躍なんだが、本作は、ヒロインである中野良子を観るための映画だ。もちろん、それまでも“強いヒロイン”はいた。藤(富司)純子を筆頭に、梶芽衣子や倍賞美津子、関根(高橋)恵子や原田美>>続きを読む
オリジナルは韓国映画だが、韓国、日本ともに“猟奇殺人/シリアル・キラーもの”は厭きるほど作られており、いつのまにか洋画勢を追いやってしまった。
そんな中でも、本作の設定は秀逸で、日・中でリメイクされる>>続きを読む
キム・ユンソク(映画)にハズレはない。実話ベースだろうがフィクションだろうが、彼が求め、体現するリアリズムはぶれない。だから、どれほど異様な物語でも、観客は安心して没入できる。ガンホやマブリーに比べ、>>続きを読む
先にオンエアーされた「ヴェローナの二紳士」も愉しめたが、本作は、大阪での上演(2006年)を運よく観られた。とはいえ、当時は、文字通り呆気にとられてしまった。しかし、10年後に映画館で再見すると、最後>>続きを読む
ジョージ・スティーヴンス監督の「ジャイアンツ」で、印象的なラズ・ベネディクトを演じたマーセデス・マッケンブリッジが出演してると知り、観る気になった。スター女優ジョーン・クロフォードのマーセデスへの対抗>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
”忠臣蔵もの”には、“吉良邸討ち入りの経緯”を主軸にした作品の他、“外伝”と呼ばれる作品群も数多あるが、下手を打つと『屋上屋を重ねた』駄作になりかねない。しかし、原作小説『四十七人目の浪士』は、東映の>>続きを読む
島を舞台にした映画・ドラマには、それだけで惹かれてしまうのだが、イギリスとフランスに挟まれたような、このガーンジー島を含むチャンネル諸島が、第二次大戦中にドイツに占領され、要塞化していたという史実は、>>続きを読む
直前に公開された「黄色い星の子供たち」は、見慣れた感のある“ホロコースト映画”の類だろうと油断していた私に、新たな衝撃を与えた。【ヴェロドローム・ディヴェール大量検挙事件(ベルディブ事件)】なんて、そ>>続きを読む
『忠臣蔵狂詩曲No.5 中村仲蔵 出世階段(しゅっせのきざはし)』が地上波でも放映されるタイミングで、この「NEWシネマ歌舞伎 三人吉三」を観なおせて嬉しい。映画館で観たときは、スクリーン狭しと縦横無>>続きを読む
原題「Tigers」を見て、レオ様の「ウルフ・オブ・ウォールストリート」が浮かんだが、前半部は、いつまでも廃れず繰り返される“猛烈ブラック営業物語”で、「ドリーム ホーム 99%を操る男たち 」にも通>>続きを読む
リメイク元の1951年の映画は、製作のハワード・ホークス自身が実質的に撮ったというのが定説らしいが、いづれにしろ、後世に多大な影響を残した。「エイリアン」や「プレデター」は言うに及ばず、SFをホラーと>>続きを読む
謎の中心が岩下志麻なのでミステリー性は半減してしまうが、代わりに、清水邦夫の戯曲的な対話劇で、登場人物たちに、ステレオタイプでない存在感を与えている。
鹿賀丈史や古尾谷雅人はもちろんのこと、根岸季衣や>>続きを読む
文化大革命時代やその傷跡を描いた映画は数多く作られているし、チャン・イーモウの最新作もそうだった。本作はラストシーンから逆算して構想されたのだろう。コンパクトだが、ダオミンとコン・リー両名優への厚い信>>続きを読む