guchiyamaakaさんの映画レビュー・感想・評価

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パスト ライブス/再会(2023年製作の映画)

4.0

(セックス出来なかった世界線)≒イニョンという思考に辿り着いてから、あれだけ美麗な撮影とカラーコーディネート、グリズリーベアのスコア(彼らのベストワーク!)に酔っていたハズがすっかりシラフに戻ってしま>>続きを読む

オッペンハイマー(2023年製作の映画)

4.3

我々はこの生涯を費やして犯した罪の贖罪を続けなければならない、赦されるはずもなく。我々はこの生涯を費やして被った不幸を赦さなければならない、赦せるはずがない。
聳え立ったIMAXの長城を占拠したオッペ
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ノイズ(2022年製作の映画)

3.8

「鵜頭川村事件」と似て非なる、今日的な政治システムa.k.a社会システムにて、コーディングされたかの様に愚かな行動を取り続ける人間クラブ。手持ちの長回しシーンが多いのが監督のシグネチャーだと記憶してい>>続きを読む

市子(2023年製作の映画)

4.1

社会の不完全さによって資本主義のシステムの外側に弾かれた少女の話。それはいつだったか、一度だけ出会った事のある片隅に記憶しているあの人のように。
黒髪ボブをシグネチャーとして、真っ黒のワンピースとTE
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(2023年製作の映画)

3.1

日本の芸能・お笑いの世界のアナロジー。
いいところがあったら教えて欲しい。

ファミリー・スイッチ(2023年製作の映画)

3.9

予約が数年待ちの(デヴィッドフィンチャー)食事も素晴らしいけど、たまにはコンビニスイーツも食べたくなる日もあって、これがそれ。Netflixによってエスタブリッシュされたエママイヤーズのブレイク前夜で>>続きを読む

正欲(2023年製作の映画)

3.9

わざわざ動画でみなくてもお風呂場で毎日満たされないんだっけ?海外ならばホラー・サスペンス演出に向かうプロットだが、日本だとエイリアネーション強めの、人との繋がり至上主義で味付けされるのが凄く興味深いと>>続きを読む

ザ・キラー(2023年製作の映画)

4.8

常時両耳にThe smithsを垂れ流しては、意識高い系を気取る自信から淡々と仕事の流儀を語るのだけれども、思ったよりも仕事ぶりは微妙。しかし、フィンチャーがこんなにも自虐満載で自己言及するなんてやは>>続きを読む

ザ・クリエイター/創造者(2023年製作の映画)

4.6

冒頭,「Fly me to the moon」」が流れた瞬間には少し戸惑ったのだけれど、その後、怒涛に繰り出される80年代ポップカルチャー群の容赦ない盛り込みと、ベトナム戦争を強く意識したUSへの批評>>続きを読む

ジョン・ウィック:コンセクエンス(2023年製作の映画)

4.0

座頭市イップ・マンに尽きた。
相変わらずのなぁぜなぁぜサイバーシティ大阪で始まり、パリで〇〇。

日本からの出張ヒロユキサナダに一喜一憂するよりもリナサワヤマが北米ポップカルチャーのど真ん中で躍動して
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スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース(2023年製作の映画)

-

感想をある程度書いたところで全て消去。

数年後、こう紹介されるだろう。

「後に金字塔となる」

怪物(2023年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

怪物≒高畑充希。

aftersun/アフターサン(2022年製作の映画)

4.8

このレビューはネタバレを含みます

自然光で撮られたトルコのビーチの空と海の淡い青色の上に、厭世的なフィルターがべっとりと張り付いた死の予感、太極拳では振り切れない死神との対峙と、それを知らんぷりしながら子供時代の最後の季節を謳歌しよう>>続きを読む

キングダム(2019年製作の映画)

2.8

大芸能人たちによるオールスター大コスプレ感謝祭、大優勝は大沢たかお。体感3時間でゆく、大いなる無。パート2も頑張ってみます!(誰得?)

ケイコ 目を澄ませて(2022年製作の映画)

4.7

昼に通りかかった街の景色も、夕暮れに窓から眺めた遠景もいつかは変わってゆく、2020年に異変した世界も更にその先へ向かう。たとえこの撤退戦のような日々であったとしても、それでも昨日の自分より強くありた>>続きを読む

その道の向こうに(2022年製作の映画)

4.2

アクチュアリティ性が近々で最も高い作品だったと思う。ジェニファーローレンスの役はアフガンからの負傷帰還兵でありセクシュアルティはクイア。過去のミステイクで片足と甥っ子を喪失したペーパーボーイの(アトラ>>続きを読む

窓辺にて(2022年製作の映画)

3.9

何かを手放し何かを得る、というポイントにおいてもex.SMAPである稲垣吾郎をキャスティングする事のリーズナブルさに監督の大きなニヤリを確認した。さらにはそのパブリックイメージを地でいくような彼の滑ら>>続きを読む

RRR(2022年製作の映画)

-

悲劇の死や別れを燃料にエモーションを大爆発させる様をこれだけ過剰にやられてしまっては作品が醸すニュアンスや間を楽しむというよりはアトラクション的快楽に溺れる時間を過ごすことになる。今後の世界情勢におけ>>続きを読む

LAMB/ラム(2021年製作の映画)

4.2

予告以上のストーリー展開はない。まさに神話的な、傲慢な人間たちによるタブーを巡る小噺。そうか、海外にも諸星大二郎はいたんだな。そしてそれを陳腐に見せない、徹底した画面構成とカメラの動きはかなり現代的で>>続きを読む

アテナ(2022年製作の映画)

4.5

冒頭のタイトルが出るまでの11分間は、今年観た映像作品で最もクールでアメイジングなモーメントだった。その強度は旧市街へ向かう金田たちに凄くダブって見えたのだけれど、「AKIRA」のようなモラトリアムな>>続きを読む

秘密の森の、その向こう(2021年製作の映画)

4.2

ASMRの如き最小限の音、明澄な空と柔らかな自然光、徹底されるカラーコーディネートやキャストたちのスタイリング、画面構図、何よりメインの子どもたちの演技と演出よ。世代を超えて共闘する黄昏た母子がオトナ>>続きを読む

ブレット・トレイン(2022年製作の映画)

3.8

ズッコケでした笑 ここまでやりきってスタッフもキャストも納得してるのだろうか?楽しくやれてればいいけれど。。。。バッドバニーがもっと活きてれば良かったな、という印象。まぁ、これはこれで!

BEANIE MANIA -全米を狂わせたぬいぐるみ-(2021年製作の映画)

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何故か女性たちが熱狂し過熱していったのが凄く興味深かった。現代に於けるハイブランドやスニーカーなどをはじめ、この世のあらゆる“物”が証券化してゆく様とシンクロさせながら、時代は何度も何度も回り続けるの>>続きを読む

プアン/友だちと呼ばせて(2021年製作の映画)

4.0

ウォンカーウァイのケレン味にノワールをかき混ぜるのがディアオイーナンならばこちらの監督は経済格差を手際よく口当たり良く仕上げる秀才、その上にウォンカーウァイのケレン味を暖簾分けした。コントラストがバリ>>続きを読む

グレイマン(2022年製作の映画)

5.0

ライアンゴズリングが血生臭い暴力をふるったのは「ドライヴ」以来だろうか、そして「ブレードランナー2049」以来のアナデアルマスを相方にして(007NTTDでの出番の少なさを見事補完)アウトサイドなキャ>>続きを読む

リコリス・ピザ(2021年製作の映画)

5.0

恍惚の眩い光の中で2人は疾走する。それに並走するカメラ。時にはアナモルフィックの青い光芒。恐るべきPTA人脈(特筆はサフディ弟)1973年のピンボール、今回のジョニーグリーンウッドは鳴りを潜める。回転>>続きを読む

わたしは最悪。(2021年製作の映画)

4.5

バブル期の狂乱で踊れなかった(我々)ジェネレーションYによる若気のエゴの先で待つビタースウィートシンフォニーであった。恋愛を中心に据えてアクチュアリティを描くという点では参照できる作品は多々あるのだが>>続きを読む

カモン カモン(2021年製作の映画)

4.6

自分以外の他者、延いては家族であっても奥底の本質までは分かり合えないのだけれど、自分とよく似た生き物なのだから少しでも歩み寄る事が必要、というありふれた主題とそれほど大差は無かったが、”砂糖は控えて、>>続きを読む

THE BATMAN-ザ・バットマンー(2022年製作の映画)

4.0

目元を黒くしたゴスメイクでエモを奏でる今回のブルースウェイン、青春がもたらす悪い熱で充満するNirvanaをBGMにデヴィッドフィンチャーフォロワーであるかのようなカルト犯罪モノ、といった趣き。終始雨>>続きを読む

ウエスト・サイド・ストーリー(2021年製作の映画)

4.4

いつにも増して凄まじいライティングと撮影であった。ヤヌスカミンスキーの撮影とマイケルカーンの編集によるところが大きいのだろうが、相対する2チームを真上から狙ったショットの放射して打つかる無数の影、後半>>続きを読む

コーダ あいのうた(2021年製作の映画)

4.5

ヒロインが「人生の両側も愛の両側も、どちらもみてきたけれど結局確かなものなんてなにもわからない」と歌い上げた瞬間にこの世の不確かさ、故の可能性が全ての人々に開かれているのだと軽やかに教えてもらった気が>>続きを読む

クライ・マッチョ(2021年製作の映画)

4.3

具合の悪い動物たち、過去に因縁のあった民族、まるで新人類のようなZジェネレーション、その全てに博愛の名のもと心身を捧げる事でマチズモの、延いては白人の歴史の贖罪としてイーストウッドが辿り着いた最後の土>>続きを読む

ハウス・オブ・グッチ(2021年製作の映画)

3.8

連綿と続く人間クラブの滑稽と朴槿恵政権を彷彿とさせる権力者的アクチュアリティ。スコセッシとの義兄弟のような共鳴。まるで晴れ渡らない空。トムフォード期。それにしても宣伝が過剰な気がした。事の顛末を知って>>続きを読む

ラストナイト・イン・ソーホー(2021年製作の映画)

4.0

ロマンポランスキー「反撥」を大きくオマージュしつつ幻影と実存の高速移動に今敏「perfect blue」の面影を感じた。ひとえにこのビジュアルショックなルックに大きく影響を及ぼしたのは撮影監督のチョン>>続きを読む