CucumPrincessさんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

スマイル(2022年製作の映画)

3.4

しんどくて笑えない瞬間も笑いたくない瞬間もあるはずだ。泣きたくないのに涙が出てきたり、涙を堪えすぎて鼻の奥が痛くなったりするときだってある。怒りが抑えきれずに爆発して後で冷静になって物凄く後悔する時だ>>続きを読む

こどもが映画をつくるとき(2021年製作の映画)

3.8

私は初任者研修を「つまんねぇ」っていう態度で受けてしまっている。確かに、誰がどう見たって本当に「つまんねぇ」で、新しい学びも発見もないのだけれど。

映し出される子どもたちの姿から自分の態度や行いを反
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SHE SAID/シー・セッド その名を暴け(2022年製作の映画)

3.6

怖いことがあった時、悲しいことがあった時、辛いことがあった時。

私は誰かに話す。ただ聞いてもらうだけでいい。「辛かったね。」という同情で心が少し軽くなるし、「実は私も。」というまさかの共感で、1人で
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(2023年製作の映画)

3.8

捲し立てるようなセリフと緊迫感溢れる役者陣の表情、内容は至ってシンプルなのに見応えがある。

全てが分かった後、思い込みがどれだけ滑稽で恐ろしいのか思い知らされる。
思い込みに恥ずかしくなって羅列され
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ネズミ捕りの男(2023年製作の映画)

3.6

監督とも原作者とも比較的相性が良いので、満足しているし、楽しんでいる。

朝食食べながらWes映画という優雅な朝活をした。マシンガントークの他作品に比べて、語りは落ち着いている。
ネズミとフェレットの
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白鳥(2023年製作の映画)

3.8

立場的な弱者を精神的に強く、美しく、聡明に語るRoald Dahlが好きだ。
衝撃的なことをあたかもそうでないかのように、軽くポップに描くWesが好きだ。
またもや、そんな2人のコラボレーションである
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ヘンリー・シュガーのワンダフルな物語(2023年製作の映画)

3.7

まるで、絵本の読み聞かせのようだ。
登場人物に物語を語らせるところが、動く絵本みたいだった。

元の物語に深みがあるわけではないので、Wesの複雑な脳内を通してこの物語を見ても置いてけぼりにされること
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ハウス・オブ・グッチ(2021年製作の映画)

3.3

映画を見るのに万全な体調ではなかったので仕方ないかもしれないが、それでも長いと感じてしまったのが本音である。

そうは言いつつも。Gaga様の狂気に魅了された2時間半だった。始めと終わりではまるで違う
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ローマの休日 4K レストア版(1953年製作の映画)

4.0

窮屈さから飛び出す。

どうしたって、この窮屈さに耐えられなくなってしまった。だから、この映画に「"分かる分かる"ください。」しに行った。

いや、本当に、分かる分かる。
王女の窮屈さ、私は王女なんか
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ヤング・アダルト・ニューヨーク(2014年製作の映画)

3.2

きっと誰しもが通る道(であると思っている)「学生気分が抜けてない」に悩んでいる。
大人が嫌いなので、それになることに抗って生きてきた。だが、最近、私は「大人にならない」のではなくて「大人になれない」の
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メアリー&マックス(2009年製作の映画)

3.6

この黒さの中に体ごとまるまる吸い込まれそうだった。鉛よりも黒く重くどろどろとしているこの映画の中に。

"I wish I could cry properly."
正しく泣きたいというMaxの言葉を
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ファインディング・ニモ(2003年製作の映画)

3.4

"Just keep swimming, swimming, swimming.
What do we do? Swim,swim."

何て良い歌なのだろうか。私はDoryのことが苦手で仕方なかった
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魔法にかけられたエラ/魔法の国のプリンセス(2004年製作の映画)

3.0

Anneが歌っているこの映画のトレイラーを観た時から、これは絶対に観なければならないと思っていた。

服従の魔法とかいう謎に満ちた魔法にかけられたプリンセスの話。Anneの美しさと歌声によるのために観
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アステロイド・シティ(2023年製作の映画)

3.7

You can't wake up if you don't fall asleep.

文の意味は分かっているんだけれども、考えている。
絡まりすぎているのに行き着いた先にあるこの言葉はあまりにも単
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シンプル・シモン(2010年製作の映画)

3.8

シモンは愛を真っ直ぐ飛ばしているのに、その愛は何故かいつも相手に届かない。

それは少し、飛ばす方向がズレているから。だからデッドボールになれば痛いし、掠りすらしないことだってある。
シモンの気持ちも
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桜ノ雨(2016年製作の映画)

2.5

『桜ノ雨』の"いかにも合唱曲"みたいなところが良くて、聞き入ってしまう。

物語自体には特筆するほどの面白味はなく、この曲を歌わせるための後付けでしかないのかと。
人々がこの映画を観る目的は、
・山本
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コーラスライン(1985年製作の映画)

4.0

ただオーディションをするだけの話だが、ただのオーディションの話ではない。
これは受験者たちの人生の話。

受験者一人一人の人生にしっかり触れていくから、落とされた人たちにも感情移入をしてしまう。彼らは
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ちいさな哲学者たち(2010年製作の映画)

3.9

子どもたちの伝えようとする力、耳を傾けようとする力、違うと思うことに"No."を言うことのできる力に感動した。
「黙ってよ。」「待てよ。」「彼の話を聞けよ。」
言えない。自分の話を聞いてくれない人や友
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バービー(2023年製作の映画)

4.7

不覚にも、泣いた。

この世界は、私たちにとって生きにくい。
アンバランスで誰かが誰かの上に立ち、支配しよたり歪み合ったりする。
違う。それではダメだ。誰かの自由によって不自由になる人がいては、ダメな
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マイ・エレメント(2023年製作の映画)

3.6

水と火が触れ合う瞬間が美しい。それは、映像的にもメッセージ的にも。

でも、なんとなく退屈してしまったのも事実。
移民を扱うディズニー作品なら"Turning Red"、多様性なら"Zootopia"
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カールじいさんのデート(2023年製作の映画)

3.0

Dug様が無双、以外の感想が浮かばない。

てっきりDugとおじいさんのデートなのかと思って、そりゃ絶対にホッコリじゃんと楽しみにしてたのに新しい女の人とのデートだった。

何それ。

イントゥ・ザ・ワイルド(2007年製作の映画)

4.9

探さないでください。

昨日まで旅に出ていた私は、家族に何も言わず家を出た。いつも、究極の自由を求めているような気がする。縛られたくない、逃げたい、解放されたい。文明の利器も置いて、身一つで旅に出たい
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サムサッカー(2005年製作の映画)

4.0

パニック障害の時、アンタは人間でないと言われた。

治さなきゃいけない。
病気や癖に付き纏ってくる。そんな義務感に焦って、マイペースに向き合わせてくれない周りにムカついてその病気や癖は加速して、自分を
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ザ・ビートルズ 1976ダコタ・ハウスにて…(2000年製作の映画)

3.6

懐かしい人に会った日の帰り道はThe Beatlesが聴きたくなる。

今日は"Two Of Us"な気分。(そしてこのレビューを書きたいがためにこの作品を借りて帰った私。)キーワードが「再会」の点で
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明日、君がいない(2006年製作の映画)

3.9

「死にたい」は言葉にしてしまうと、その言葉が持つ力をまるで失ってヘロヘロになってしまう。

私にも「死にたい」時期があった。きっとあなたにも、あんたにも、お前にもあったでしょう。でも、私はそれを言葉と
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夢と狂気の王国(2013年製作の映画)

5.0

夢を叶えてしまった私の手元には、狂気だけが残っている。
持て余した狂気はその言葉の通り、好き勝手暴れるだけ暴れて私を蝕む。痛くて、苦しくて、辛いから、体が動く。突き動かされる。私は必死に勉強をし、宮崎
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永遠に美しく…(1992年製作の映画)

3.6

爆笑。見た目が美しいとか美しくないとか、若いとか若くないとか、好きな男をとったとかとられたとか、仕様もないちっぽけで醜い争いを大胆にやってくれる話。

肌のハリとか身体の引き締まりとかは気にするくせに
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地上の星たち(2007年製作の映画)

4.5

教室は天国だが、職員室は地獄である。子どもを苦しめる大人は人の形した怪物だと思っている。彼らには何かをより良くしようとする考え方が全くない。こうあるべきだというくだらない自分のルールから外れたことに対>>続きを読む

シンデレラ(1950年製作の映画)

3.2

馬鹿らしく思えてきた。

新卒にしてはかなり楽しく仕事をしている方だと思う。とにかく子どもが好きで好きで好きで好き(×無限......)で仕方ないので教室は天国だし、子どもと話している時間は至福だし、
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君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)

5.0

「どう生きるか。」
そんなこと、聞かないで欲しい。
分からない。だから、答えられない。

美しく生きている人なんていないのかもしれない。みんな自分が一番大切で、自分を守るために誰かを傷つけて、人を欺い
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白雪姫(1937年製作の映画)

3.3

「そうじのコツを 口笛を明るく吹き鳴らして たちまちきれい てきぱき働けばいい気分 このほうき いとしい人と ダンスを踊るつもりよ」(白雪姫の曲は日本語版の方が良い子ぶっているから良い。)

掃除に対
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リトル・マーメイド(2023年製作の映画)

3.7

求められたミュージカル映画の華やかさにしっかり応えてくれる期待を裏切らない映画だった。
ポリコレ意識強めのキャスティングに疑問は残りつつも、Halleちゃんの可愛さが全開だったからもう何でも良いやとも
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コンテイジョン(2011年製作の映画)

3.5

ただの風邪だと思ってたらコロナだったので今は絶賛療養期間中なのである。

ただの風邪をパンデミックを乗り越えた人間たちは「謎の風邪」と呼び、ニュースですらそんな適当なことを平気で言うようになった。私も
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トップガン マーヴェリック(2022年製作の映画)

3.8

これを観た理由は、主題歌を歌うOne RepublicのファンでMiles Tellerが好きだからであり、全く前作が楽しかったからでも映画のトレーラーに興味を持ったからでもない。不純なモチベーション>>続きを読む

母性(2022年製作の映画)

3.3

ストレスフルで胃がキリキリする。

原作もキリキリムカムカしながら読んだ記憶がある。
誰かが絶対に正しいと過信することは実に恐ろしい。母は私ではないし、娘も私ではない。自分の信じたものをルールにして、
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さかなのこ(2022年製作の映画)

3.9

「好き」にも色んな種類がある。
独り占めしたい好き、みんなに共有したい好き、知りたい好き、ぼんやりとした好き、隠している好き、共感を求める好き、伝わってほしい好き。
どんな「好き」も私は好き。素敵だと
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