Hondaカットさんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

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ウエスト・サイド・ストーリー(2021年製作の映画)

3.7

75点。スピルバーグ監督は映画の歴史上においても抜群にテクニックに優れた監督だが、個人的に特筆すべきはカットの構図とカメラワーク、さらにその中でどう人物を動かすか(ブロッキング)にあると思う。

それ
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ベルファスト(2021年製作の映画)

3.9

78点。監督の幼少期の実体験を白黒フィルムで描くという企画がどうしても『ROMA』と被る。ただこちらは完全に少年から見た「ご近所」だけを舞台にしてるぶん、よりパーソナルで可愛い世界観。目線としては『ジ>>続きを読む

TITANE/チタン(2021年製作の映画)

3.0

60点。これがカンヌ2021のパルムドールかぁ…。監督の前作『RAW』は好きだし、かなりセンスあるなと感心してたので、ちょっと残念。痛い→グロい→気持ち悪い→痛いの繰り返しで、目を背けたくなるような肉>>続きを読む

ナイトメア・アリー(2021年製作の映画)

3.9

78点。1940年代アメリカのカーニバルでの興行でのしあがって行く男。読心術・降霊術という出し物を巡り騙し合うような様は『プレステージ』を彷彿とさせる。

見事な美術や衣装や撮影はアカデミー賞ノミネー
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余命10年(2022年製作の映画)

3.7

74点。藤井監督&今村カメラマンの切り取る画は相変わらず素晴らしい。いわゆる実話難病ものでありながら凡作とは比べ物にならない真実味があるのは、役者陣、特に小松菜々の名演によるところも大きい。

劇中、
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アダム&アダム(2022年製作の映画)

3.0

60点。NETFLIXオリジナルのSFアクション。脚本が雑すぎる!そのへんも含めて80年代風を狙ったのかもしれないけど、秀作『フリーガイ』の監督&主演コンビと考えると、やっぱり手抜いてるようにしか思え>>続きを読む

THE BATMAN-ザ・バットマンー(2022年製作の映画)

3.9

78点。またバットマンか…と食傷気味で期待せず鑑賞。 3時間雰囲気バシバシ!みたいな映画。ずっと鳴る音楽、ずっと降る雨、男女はマジックアワーでしか心を通わせず、アナモのオールドレンズかよっていう周辺ボ>>続きを読む

誰かの花(2021年製作の映画)

3.8

77点。おそらくかなりの低予算の邦画だが、丁寧に書かれたであろう脚本の力と、抑制の効いた演出で一級のサスペンスドラマになっている。身内の突然死/自己救済/老人痴呆/猜疑心、など色々な要素が絡み合うのに>>続きを読む

コーダ あいのうた(2021年製作の映画)

4.4

88点。音楽映画であり青春&家族モノ映画。リメイクながら、かなりの良改変である脚色と、出演者たちの溢れる魅力と、丁寧で誠実な演出で最高に輝く作品に昇華している。アカデミー賞ノミネートも納得の美しい映画>>続きを読む

ロスト・ドーター(2021年製作の映画)

3.9

78点。NETFLIX鑑賞。前情報を入れずにみたが、この物語はどういうジャンルなのかと困惑するような映画の作り。サスペンスでありながら、ある女性の心の旅にもなっている複層的な映画。

観終わってから、
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さがす(2022年製作の映画)

4.2

84点。どすんと来る堂々たる邦画クライムサスペンス。低予算ながら読めない展開に惹きつけられ、現実にあった問題・事件をベースにしてるだけあって「リアルな匂い」のする映画。気味の悪さよりも、人生のどん底に>>続きを読む

ハウス・オブ・グッチ(2021年製作の映画)

3.9

79点。リドリー・スコット監督…なんてパワフルな映画を撮るおじいちゃん。全体のテンポ、濃さ、力強さ。序盤のパーティのシーンの設計ひとつみても、とても84歳とは思えない瑞々しさまである。あくまで語り口は>>続きを読む

エターナルズ(2021年製作の映画)

3.9

78点。エンドゲーム以降の、マーベルのでかい仕切り直しの一段って感じ。こんなに話を広げてしまって、今後大丈夫かと思うくらい。こういった大作CGヒーロー映画だと、クロエ・ジャオ監督の良さもそこまで出てい>>続きを読む

スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム(2021年製作の映画)

4.0

80点。映画を観てて、たまに「映画をたくさん観てきたご褒美」みたいなシーンにぶち当たることはある。それもまた、映画鑑賞の醍醐味。まさにそんな映画だった!

トム・ホランド版のノリのスパイダーマンはそん
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キングスマン:ファースト・エージェント(2020年製作の映画)

3.8

77点。1作目『キングスマン』のフォーマットは発明だと思っていて、マシュー・ボーン監督のセンスとバランス感覚には興奮したほど。今作は20世紀初頭での【キングスマン】の誕生秘話。つまり、派手な組織ができ>>続きを読む

ザ・スーサイド・スクワッド "極"悪党、集結(2021年製作の映画)

3.9

78点。前作より5万倍おもしろいし、さすがはジェームズ・ガンのセンス!アバンタイトルからの流れも最高だし、アゲアゲな見せ方はお手の物。おかしな主人公たちをちゃんとキュートに格好良くそして哀しく描いてい>>続きを読む

ドント・ルック・アップ(2021年製作の映画)

3.9

78点。『アルマゲドン』的な大作ではなく、アダム・マッケイによるブラック・コメディだと分かった上での鑑賞。十分おもしろかった。隕石墜落をモチーフに、社会批判・政治批判をしてるんだけど、とことんやってる>>続きを読む

由宇子の天秤(2020年製作の映画)

4.1

82点。最初から最後まで主人公の決断に目が離せない。あらゆるものを天秤にかけながら【良心】と向き合う様に手に汗握り続けた。脚本的には全く展開が読めないし、構成がえぐい。役者の力量と、それを確かに演出し>>続きを読む

ロン 僕のポンコツ・ボット(2021年製作の映画)

3.9

79点。出てくるロボットは完全にスマフォのメタファー。社名やCEOの感じなども含めて、DisneyがAppleに盛大に喧嘩を売ってるのかなと思った。

ロンの動きやセリフの可愛さ面白さは盤石なほど。ち
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偶然と想像(2021年製作の映画)

4.0

80点。30〜40分の短編が3つ連なるオムニバス映画。3本につながりはないが、偶然から生まれる人間関係を描いた作品。超低予算だろう邦画でお話自体はとてもシンプルなのだが、鑑賞中、なんと面白く豊かな時間>>続きを読む

少年の君(2019年製作の映画)

4.4

88点。現代中国の一般市民が抜け出せずに苦しんでいる、貧困や差別や受験戦争、それを強いる社会そのもの、といういくつかの社会問題を背景にしたボーイ・ミーツ・ガールもの。

ヤクザもの男子と真面目根暗女子
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マトリックス レザレクションズ(2021年製作の映画)

3.9

79点。映画史に残るアクションSFを、今更ながらオリジナルキャストで続編を作った製作陣の決断がまずは凄いし、キャストを再び呼び寄せた監督の想いが詰め込まれた脚本であることも納得する。とはいえ、やはり1>>続きを読む

ラストナイト・イン・ソーホー(2021年製作の映画)

4.1

83点。お洒落でエッジの効いたジャンルレス映画。強いていうならホラースリラーだが、エドガー・ライト監督のポップな絵作りと早いテンポ感、60年代のまさに夢のようなロンドンを堪能してるうちに、これは一体ど>>続きを読む

プロミシング・ヤング・ウーマン(2020年製作の映画)

4.0

81点。台詞や衣装や音楽など、B級おしゃれジャンル映画風にしてマイルドに見せているが、内容的にはなんというおぞましい話…。本気でドラマ映画にしたらかなりキツイだろうし、このトーンは作り手の狙いだろう。>>続きを読む

フィンチ(2021年製作の映画)

3.8

76点。AppleオリジナルのSF映画。トム・ハンクス主演ということで及第点はクリア。とてもシンプルな設定のSF映画で、かけるべきところに予算も使っていて、とても丁寧に作られていた。いくらでも深掘りで>>続きを読む

子供はわかってあげない(2020年製作の映画)

3.9

79点。沖田修一監督のゆったりしたトーンはいつも以上で、これでもかという間とのんびりした画で描かれるのは思春期の女子高生。『横道世之介』よりも、より無垢な存在の上白石萌歌は抜群で、ほとんどはそれを温か>>続きを読む

パワー・オブ・ザ・ドッグ(2021年製作の映画)

4.0

80点。こういう映画かなーと思いながら見てると、え?そういう系?と思わせ、あえ!?そういう映画なの!?という驚きがあった。終始緊迫し、音楽も含めて嫌な感じが続くトーン自体がさらに惑わせる。落ち着かない>>続きを読む

サマーフィルムにのって(2020年製作の映画)

3.9

79点。映画制作愛に溢れる低予算の青春SF映画。まー金のかかってないSFだが、SFというのはあくまでセットアップで、メインは時代劇大好きなボンクラ女子高生たちがひと夏で素敵自主映画を作るストーリー。>>続きを読む

BLUE/ブルー(2021年製作の映画)

4.3

87点。NETFLIXで鑑賞。ボクシングを題材に「才能」というものを描いている、現代版『キッズリターン』。吉田恵輔監督はいまの邦画で5本の指に入る“間違いない“監督。今作は劇場公開も小規模、おそらくか>>続きを読む

あのこは貴族(2021年製作の映画)

4.0

80点。東京に住む超お金持ち一家の三女の生き方のお話。とても今時の女性目線の映画で、淡々としてる中に、かなり強烈なメッセージもあり、成長ものでもある。具体を語り過ぎずとも、演出や見せ方で語っているよう>>続きを読む

ボクたちはみんな大人になれなかった(2021年製作の映画)

3.8

77点。確かにシネマライズで『恋する惑星』やってたなぁ、とか、ポールスミスとかAPCとかハリランとか流行ってたなぁ、とか、MDに曲ダビングしてラベル書いてたなぁ、とか、カメラは基本写ルンですだったなぁ>>続きを読む

恋する寄生虫(2021年製作の映画)

3.8

76点。原作小説は未読で漫画版は読了。面白くなりそうな設定を立ち上げて、具体や結末を詰める前に書き始めたような物語だなという印象。

映画では骨格を借りて全然違う展開になっている。原作からの問題だが、
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アメリカン・ユートピア(2020年製作の映画)

3.8

77点。絶賛評がおおかったので期待値を上げすぎた。たしかによく練られたライブで、舞台はとても興味深い、楽曲も(デヴィット・バーンをそこまで知らなかったけど)良いし、メッセージもなるほどと思わせる。ただ>>続きを読む

街の上で(2019年製作の映画)

4.1

82点。今泉力哉監督作の中で登場人物は本当にリアルに存在する。それは「実在の人物にしか見えない」というよりも、僕らの想像の中の「こういうリアルな人がいてほしい」、というリアル感なのかも。有名じゃない役>>続きを読む

トゥモロー・ウォー(2021年製作の映画)

3.0

60点。観たのも忘れてたくらい、いい加減でご都合主義なSFアクション。まあ、配信でサクッと観れたのは良かった。敵のCGとかも大作映画クオリティだし。

新感染半島 ファイナル・ステージ(2020年製作の映画)

3.5

71点。誰もが思うのが、前作『新感染』があんなにアイデアに溢れたゾンビアクションになってたのに、なんで二作目がこんな普通のディストピアゾンビもの(しかも登場人物も何も被らない)を作ったんだろうという不>>続きを読む