飯さんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

ベイビー・ブローカー(2022年製作の映画)

3.5

韓国語のトーンに合わない是枝監督。

同じ車に乗せたがぶつかりはさせない是枝監督。

辛辣さが足りなくなり甘い夢を織り出す是枝監督。

『歩いても 歩いても』に止まってしまった是枝監督。

タクシデルミア ある剥製師の遺言(2006年製作の映画)

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細胞まで興奮してしまった。

液。

東欧における抑圧時代、欲望時代、後遺症時代三段階の比喩。

人体彫刻。

New York Eye and Ear Control(原題)(1972年製作の映画)

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「この映画は、黒と白、平面と曲面、静と動、無声と有声間の観念の変化を示唆している。しかし、構造的には幼稚である。(...)単純な状況の図の中に二重性が示唆する視界と強い哲学的暗示が浸透しているというこ>>続きを読む

ウディ・アレンの誰でも知りたがっているくせにちょっと聞きにくいSEXのすべてについて教えましょう(1972年製作の映画)

4.6

個人的に性教育のバイブル(旧約:『デカメロン』、新約:本作)

媚薬、ソドミー、オーガズム、性倒錯、変態性癖大賞、性実験、人体工場のオムニバス。

憂鬱なjewish sperm guyウディ・アレン
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祈りのもとで 脱同性愛運動がもたらしたもの(2021年製作の映画)

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いい題材だけどNetflixの工業パイプライン型のドキュメンタリーやっぱ苦手だ。色々深掘りできない。

サイバー地獄 n番部屋 ネット犯罪を暴く(2022年製作の映画)

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さすが韓国。撮ること自体が褒められるべき。
ただ見世物的な、観客の「悪」への好奇心だけを満足させて終わるようなドキュメンタリーはやめて欲しい。被害者に不公平だ。

愛の嵐(1973年製作の映画)

4.0

渡辺淳一の著作『男というもの』の中で、「肉体の記憶」という章が性欲が理性における制御作用を論じた時に挙げた一つの例は本作である。(もう一つの例はジェーン・カンピオンの『ピアノ・レッスン』だった)
渡辺
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ブロウ・ジョブ(1963年製作の映画)

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ウォーホルにとって、映画の発明は、ダダ以上にダダ的な事件である。

エジソンに帰る。

墨東綺譚(1992年製作の映画)

4.0

スクリーン作画と省略叙事が素晴らしかった。

性事で政治を逃避する。

開放的、人性的、自然主義的、個人主義的、反戦的、国家と全体主義を反する享楽的、伝統風味的、清雅的な。

硬直した価値観を無情に打
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春夏秋冬そして春(2003年製作の映画)

4.5

キム監督が演じる禅。

輪廻、悪人、因果、償い、覚悟。

概念先行。

固定景色と漂泊する人。

水と蛇。

門と閉。

人之初性本悪。

子宮に沈める(2013年製作の映画)

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誰も知らない。

無情の傍観者の目線を彷彿とするような固定シーンが好き。

かもめ食堂(2005年製作の映画)

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理想国。女性自身の選択権。矯飾のない映画観。日本式の焦慮は北欧の森で溶けていく。
森だから。現実からはずっと遠く。

ドライブ・マイ・カー(2021年製作の映画)

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良い映画だけど詰め込んだ台詞が映像に余白一つも与えていないところは好みじゃなかった。

欲望という名の電車(1951年製作の映画)

4.2

我々の文明のなかで、日々残酷で野蛮な悲劇が繰り返されている。

階級の対立は終わらないが、旧階級の退場は常に女性の覚悟に伴う。

死の棘(1990年製作の映画)

5.0

Art houseだな。

室内シーンの圧迫感が半端なかったし、内容自体も少ないけれど、小栗康平の「玄」学が貫かれていた。山水画の遠景が観客の心緒を離間させる一方、演技の飽満度もまた人を瞠若たらしめる
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天井桟敷の人々(1945年製作の映画)

4.5

「表面的な芸術」としての古典。

宏大な歴史絵巻。

映画と演劇、役者と観客、サイレントとトーキーのインターテクスチュアリティー。

現実が舞台へと侵入。

カーニバル式オープンエンディング。

滑稽
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花束みたいな恋をした(2021年製作の映画)

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文化消費や娯楽消費面の「趣味が合うこと」って実際大したことじゃないわけ。文化産業の目的の一つはこういう儚い共通性を立てることだから。

「社会に出るってことはお風呂に入ること」。ただし風呂で死んでしま
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復讐者に憐れみを(2002年製作の映画)

4.3

多線重層叙事、控えめの構図と物象、波のような政治的アイロニー。設計から実行まで全てが優秀。冷たい死体を握りしめる手のロマンス。

トト・ザ・ヒーロー(1991年製作の映画)

4.0

ドルマルの処女作。『ミスター・ノーバディ』の雛型に見える。乱れたタイムライン、虚実交錯。時間と確率。Once Upon a Time in America式の悲劇に別の解釈を。骨灰視角。セックスから早>>続きを読む

女体(じょたい)(1969年製作の映画)

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浅丘ルリ子のガリガリの身体から情欲を感じにくい。なので感情表現はすべてセリフと演じられた気狂いにあった。

女性の身体や感情を反省する気はあったが、自由意志と自己束縛のジレンマも同時に生じてしまう。増
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ザ・マン・フロム・アース(原題)(2007年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

囲炉夜話。

SFではなく学術幻想かな。

低予算だと言っても映画感とdramatic tensionがなさすぎてpodcastとして聴き終わった。

注目すべきなのはこの人は14000年を生きたとい
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