cyphさんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

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好人好日(1961年製作の映画)

3.0

酔っぱらい天国から 笠智衆の代表作のひとつとして挙げられるのを見るなと思って観たけど、単純にこの監督が生理的に合わないのだと確信 脚本がとにかく支離滅裂で、たとえばペットのウサギが逃げたと追いかけてい>>続きを読む

酔っぱらい天国(1962年製作の映画)

3.5

タイトルからしてポップなコメディ(せいぜいブラックコメディ)かな?と思ったら類を稀に見ない胸糞最悪映画でかなり落ち込んでしまった…妻を早くに病気で亡くし溺愛する息子と甲斐甲斐しくお世話するカナリアたち>>続きを読む

カリガリ博士(1920年製作の映画)

3.6

フランケンシュタイン観たらサジェストされたので観てみた 平衡感覚を根こそぎ狂わすイカれたセット美術がすごい 養老天命反転地じゃん?て思ったら同じことを書いてる方がいらっしゃってにっこり 創造主を模倣す>>続きを読む

フランケンシュタイン(1931年製作の映画)

3.8

ミツバチのささやき&ビューティフルドリーマーの元ネタこれか〜となった 怪物のキャラ造形はまさしくその醜さ・おどろおどろしさ・哀れさを思う存分表現しててさすが!となったし有名な少女とお花で遊ぶシーンのサ>>続きを読む

夜明けのすべて(2024年製作の映画)

3.9

秘密の多い映画で、それがよかった 別の映画であれば「余白」と呼んでしまい得るようなそれらが、この作品の中だと既に可能性は一意に収束し固有なものとして存在していて、ただそれは観客をはじめとする第三者には>>続きを読む

うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー(1984年製作の映画)

4.2

東京に雪が降った日思いきって午後半にしちゃって好きなひとのウォッチリストにあったこれ一緒に観てすっごくよかった 10年以上ぶり(!)に観たけど記憶の何倍も面白い アニメ映画に実現できるおもしろの最高峰>>続きを読む

ゴースト・トロピック(2019年製作の映画)

3.8

画面はhereの方が完成されていたけど、プロットとしてはこちらのほうが好み 企業の清掃員として働く移民女性が寝過ごして歩いて自宅へ帰る一晩もの 見知らぬ夜道を歩く寄るべなさが世界全体への不安感と通じて>>続きを読む

Here(2023年製作の映画)

3.8

静けさの際立つ映画であるが故に映画館隣の客ガチャの影響も大きい…ちゃんと静かな環境でもう一度観たい 色や構図がずっとおしゃれで写真集みたい エリセを観た後だったこともあってカメラの動かなさに物足りなさ>>続きを読む

瞳をとじて(2023年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

なんのネタバレも踏まずに観たので序盤でまた1940年代のことをこの美しい陰影でやるのか…!執念すぎて最高だな、でもこれで3時間はちょっと不安だな、などまんまと思わされてからの現代パート(『未解決事件』>>続きを読む

哀れなるものたち(2023年製作の映画)

3.7

全体的にディズニーランドみたいだった ディズニーランドって確かにゴージャスでよく出来てるって思うけどみんなが夢中になるほどいいと思ったことがなくて、本作にもそういうひんやりとした熱狂を薄皮越しに感じた>>続きを読む

エル・スール(1982年製作の映画)

4.6

最高だ 原作モノとしてなぞりたいプロットが存在することでその光の美しさ・構図の気持ちよさ・時間の流れの捉え方の妙が際立つ 謎めいた父のすべてを慕い愛する気持ち、父のまなざしを独占するよろこび、よぎる陰>>続きを読む

ミツバチのささやき(1973年製作の映画)

4.1

以前うちで観たときはあまりピンとこなかったのだけど、劇場で静けさに息を潜めながら観て、帰りの電車でこの映画が撮影された背景について読んで、ぐっと身体に入ってきた でもやっぱり映画のディテールとしてぐっ>>続きを読む

王国(あるいはその家について)(2018年製作の映画)

2.9

このレビューはネタバレを含みます

64分版を鑑賞

言葉と声ありきの作品なのに言葉がぜんぜんいいと思えなくてスンとしてしまった 「濱口竜介の映画の端材でつくった廃材アート」って一言だけの感想を書いてるひとがいてうなづきすぎて首もげてし
>>続きを読む

美しき冒険旅行(1971年製作の映画)

4.5

一体何を見てるんだ…?の気持ちになる映画だいすき オーストラリアの広大な大地をひたすら歩く制服ミニスカ白タイツの少女(フェチすぎる)と同じく制服半ズボンの弟、そして彼らの前に現れるwalkabout(>>続きを読む

理由なき反抗(1955年製作の映画)

3.6

『夜の人々』からニコラス・レイ繋がりで 理由なきというわりにしっかり理由ある 親子関係にアイデンティティを揺らがす問題を抱える若者たち三者三様の苦悩、というテーマを深掘りする暇もなく単純に治安がおしま>>続きを読む

ひまわり(1970年製作の映画)

3.7

前半は『昨日・今日・明日』のふたりを下敷きに見ればニコニコ 浜辺でイチャイチャしてたら金のイヤリング飲み込んじゃって「こなれてくるかなぁ」「あんたかわいいわね!」のくだりなんやねん(ちゃんと伏線になっ>>続きを読む

昨日・今日・明日(1963年製作の映画)

4.6

最高ラブすぎる ナポリ、ミラノ、ローマの三都市で各編撮影されたオムニバス短編集 とくに第三話めちゃいい、イタリア男のIQ40の猛烈で陽気な愛、ニコニコしてしまう

第一話
逮捕されないために子どもを産
>>続きを読む

自転車泥棒(1948年製作の映画)

3.9

物心つく前に観たきりだったのをカラオケ行こ!起点で再見 U-NEXTのジャケが出勤初日の朝に自転車担いで息子を脇に連れてうきうき笑顔の父なのがますますつらい 自転車が盗まれてそれ以降ずっとつらいだけの>>続きを読む

キッド(1921年製作の映画)

3.8

短くてシンプルだけどチャップリンと子役の掛け合いがどこ切り取ってもよくてびしょ…となった 最初に不本意に赤ん坊拾ってからなんとか手放そうとするくだりがモラルぜんぜんなくてちょっとびっくりするし、それが>>続きを読む

街の灯(1931年製作の映画)

4.3

このレビューはネタバレを含みます

年始の京都で大切な作品として紹介してもらって鑑賞 これからの人生このジャケットを見るたび目が潤むことになってしまった ラストがそうなることは誰にでも想像がつくけど、その切り方、残し方!逃げたい気持ちと>>続きを読む

緑の夜(2023年製作の映画)

3.5

これがファンビンビンか 中国人の彼女と韓国人の彼女とがソウルを舞台にサスペンスフルに駆け回る またテルマ&ルイーズか、と思ったらやっぱり監督は当作品を意識して脚本を書いたそう 理解を観客に委ねてる箇所>>続きを読む

夜の人々(1948年製作の映画)

3.8

刹那的でロマンチックで素敵だけど、闇バイトの受け子をやってた子のメモ(すべてうまくいく、お金持ちになる、きれいな家に住む みたいなやつ)思い出してつらくなっちゃった 7年間収監されてて脱獄してやっと娑>>続きを読む

天国の日々(1978年製作の映画)

4.4

マジックアワーのことが大好きなので延々と続くマジックアワーの撮影(一体何日かけて撮ったんだ?と気が遠くなる)、開拓時代の揺れる麦畑、広い空と大地の間であくせく働き続ける人々の影、動物たちのショット、ぜ>>続きを読む

明日に向って撃て!(1969年製作の映画)

3.8

ルイス・セプルベダ『パタゴニア・エクスプレス』の一説「ブッチ・キャシディとサンダンス・キッドは永らく銀行業に従事していた。銀行業には2種類あり、ひとつは銀行員、もうひとつは銀行強盗だ。2人は後者の方法>>続きを読む

プロミシング・ヤング・ウーマン(2020年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

レイプカルチャーへの反逆っていうテーマをここまでエンタメとしてビビッドに盛り上げてつくってるのは純粋にすごいしキャリーマリガンの迫真っぷりもすごかったけど、しんどさもその分すごくてまた観たいとは思えな>>続きを読む

長屋紳士録(1947年製作の映画)

4.5

こんな地味なビジュアルのふたりで、こんな素晴らしい作品を……の衝撃にいまも浸ってる 星の王子さまを初めて読んだときと同じ涙 戦争について徹底的に語らせず、大人たちの失われた余裕と捨てられた子どもたちと>>続きを読む

風の中の牝鷄(1948年製作の映画)

3.7

黒沢清が繰り返しこの作品について言及してるの解釈一致すぎ 噂の階段落ちのことがどうしても常に念頭にあったのでいつそれが来るかと気が気じゃなかったし、階段が何度も作中何度も映される(しかもめちゃくちゃ急>>続きを読む

父ありき(1942年製作の映画)

4.2

フィルム上映で鑑賞 溢れんばかりの光の美しさに目を細める一方でノイズの音が台詞の倍大きくて半分くらい何言ってるかわからなくて笑った とはいえ肝心な流れは細かな台詞が聞こえなくてもわかるのは不思議な体験>>続きを読む

対峙(2021年製作の映画)

4.4

2回連続で観て、まだ観たいと思ってる 密室会話劇って演劇じゃんと白けてしまいがちなのですこし敬遠してたのだけどこれはちゃんと「対話」だった これが実際の人物の本当の感情じゃないなんて信じられない カメ>>続きを読む

SHE SAID/シー・セッド その名を暴け(2022年製作の映画)

4.0

きっといいんだろうと思いつつ自分の中の潜在的な怒りに油が注がれるのが怖くてなんとなく後回しにしてたけど、昨今のニュースに対する二次加害的ノンポリオピニオンズがちらちら視界に入るのにうんざりしていまこそ>>続きを読む

オールド・ジョイ(2006年製作の映画)

4.3

前回ほとんどうとうと見てしまったので2023年ライカート祭りに備えて再見したのをマークするの忘れてた うとうとパートで見逃してた既婚者の妻が臨月って設定はちゃめちゃによくて俄然大好き度が上がってしまい>>続きを読む

飢餓海峡(1965年製作の映画)

3.7

これも「シネマ紀行」特集から気になってた一本 下北半島(恐山・仏ヶ浦・大湊)、函館・湯の川温泉、そして津軽海峡と去年旅行で訪ねた場所が次々登場して逆・聖地巡礼だ…??となった さすがに長すぎるのと終盤>>続きを読む

ゼロの焦点(1961年製作の映画)

3.7

能登金剛・ヤセの断崖が重大な舞台となっていて、みうらじゅんが崖マニアになったきっかけでもある作品 ということを知って以来近いうちにこの映画観て能登を訪ねる旅行をしようって心に決めてた すぐには出来ない>>続きを読む

砂の器(1974年製作の映画)

4.6

名作と知りつつなんとなく後回しにしてたけど能登地震をきっかけに重い腰上げたら大大大傑作やん!!となり終盤はしっかり大号泣もさせていただいた 子役史上ベストアクトなのでは?脚本のつくりの妙や絵づくり・音>>続きを読む

カラオケ行こ!(2024年製作の映画)

3.2

原作を愛しすぎてる自覚もあるので薄目開けて見るよう心がけ、結果綾野剛以外はかなりよかった ただやっぱり観る前から予想してた通りではあるけど綾野剛が成田狂児にハマってなさすぎる!原作の魅力ってやっぱり成>>続きを読む

BLUE GIANT(2023年製作の映画)

3.2

このレビューはネタバレを含みます

ニュースオモコロウォッチから、原作をヨーロッパ編まで読んで鑑賞 まずはじめに原作が本当によかった この映画化をきっかけに耳に入り手に取った作品だったので、そういう意味でありがとうの気持ちはある その上>>続きを読む