dailyfrothさんの映画レビュー・感想・評価 - 5ページ目

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ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス(2017年製作の映画)

3.0

オープニングロールが最高で所詮箱庭なんだからと思っていたらだんだん俯瞰的な視点がなくなっていってわりとどうでもよくなった。IMAX3D。

たそがれ酒場(1955年製作の映画)

4.0

芸達者な役者陣がグランド酒場スタイルで繰り広げる人間模様で同じく野添ひとみが主演の一翼を担う『巨人と玩具』がわずか3年後と思えないほどドストエフスキーというかムルナウというかなアナクロな趣ながら人と人>>続きを読む

カフェ・ソサエティ(2016年製作の映画)

3.5

ララランド・ムーンライト・沈黙という三題噺のような展開をはじめ、ふるわれた暴力に対するきっちりとつけられる落とし前、幕切れのタイミングのみごとさなど終盤になっての話の畳みかたの巧さにようやく納得させら>>続きを読む

剃髪式(1980年製作の映画)

3.0

主人公の妻と兄が苦手でしつこくてもう少しうまくさばいてくれればと思った。こうした周囲の迷惑を顧みず自由な個人を貫くキャラクターと対比させて一見真摯そうな夫の欺瞞を暴くようなやり方はフェアではないと思う>>続きを読む

女人哀愁(1937年製作の映画)

3.5

『限りなき舗道』とほぼ同じプロットでジャンルでいうなら同じくほとんどサイコホラー。嫁ぎ先で我を張らず献身的に嫁の務めを果たそうとする入江たか子だけどクレオパトラのようなアイメイクが家じゅうの誰より自己>>続きを読む

限りなき舗道(1934年製作の映画)

3.5

序盤のめくるめく映像のモダニズムから舗道と書いてデスロードと読ませるような終盤の復讐劇まで見どころいろいろでよかった。日守新一が効いている。

ムーンライト(2016年製作の映画)

4.0

作品自体のミキシングがいいのか劇場(screen7)のせいかとてもいい音響でとりわけ第3部の母親と会う場面での鳥の声や風の音、これに続いてのカエターノの歌声などたまらないものがあった。もっと癖のある話>>続きを読む

ぶらりぶらぶら物語(1962年製作の映画)

3.0

いつもながらのインテリのペーソス。面白くもなくとりとめもないのもおきまりだけどこの手の無害な映画は嫌いじゃない。西日本モデルコースな名所めぐりときれいなデコさんが良好なプリントで観られてよかった。

キングコング:髑髏島の巨神(2017年製作の映画)

4.0

あくまでモンスターズありきでほかはベタとお約束に徹しているのがよかったし、いまどきこんな昔ながらの憎まれ役ができるサミュエル・ジャクソンの存在も尊い。期待は失望の母と自分にいい聞かせながら劇場をあとに>>続きを読む

アイガー・サンクション(1975年製作の映画)

4.0

常套句だけどCGもない時代にどうやってとやはりいいたくなるスペクタクルの連続で、とはいえ単なる山岳映画に終わらずサスペンスを基調とする娯楽性に富んだ展開で楽しめた。

県警対組織暴力(1975年製作の映画)

5.0

なにもかも最高だったし成田三樹夫、金子信雄、小松方正の休日カジュアルとか劇中での着こなしも真似したい。

哭声 コクソン(2016年製作の映画)

4.0

サスペンスかと思ったら幻魔大戦からの真幻魔大戦という感じだったけど面白かった。どうせこんなんなんだから誰もオープンエンドとか期待してないはずなのでハチャメチャでも大団円なオチがほしい。

動物園(1993年製作の映画)

4.0

明日は我が身な題材と違ってこうした作品ではワイズマンのアングルに屈託なく向きあえるおかげでこの監督の食えなさ加減というか洗練された不謹慎というかがようやくわかった気がする。

ラ・ラ・ランド(2016年製作の映画)

3.0

セッションはわりと好きで同様に木に竹を接ぐような展開と演出ではあるにせよこちらはもろもろ無残でこんなんではジャズも映画も滅ぶだろうと思った。

牯嶺街(クーリンチェ)少年殺人事件 デジタル・リマスター版(1991年製作の映画)

5.0

こうした題材でありながら女性の性的陵辱(あるいはその示唆)を観客の情動をうながす手段としていっさい用いず、しかもこれだけわかりにくい語り口によって4時間弱を飽きることなく見せる手腕にひたすら感服しなが>>続きを読む

フェリーニの道化師(1970年製作の映画)

3.0

フェリー二の『幌馬車』というか『盗聴』というかな感じでよくわからないけど好きなものを好きなように撮っているのは伝わった。序盤の「道化師を見て連想した近所の有名な馬鹿」のくだりが好き。

霊長類(1974年製作の映画)

3.5

頭に箱を乗せた猿の表情がよくて、気の毒ながら最高のラストとなっていた。とはいえショッキングな解剖シーンがクライマックスのように映るのはどうかと思ったし、やはり全体に気の毒な印象が先立つ。

青春群像(1953年製作の映画)

4.0

最低な主人公とそのボンクラな仲間たちによる青春の終わりのスケッチ。最後はネオレアリズモ的な人情噺に落としこむのかと思いきや、ひと捻りあってよかった。映画館の人妻とか駅の少年とかの使い方が効果的で、聖具>>続きを読む

病院(1970年製作の映画)

4.0

やはりメスカリン中毒のゆとりがこういう輩は時と場所を問わず偏在するんだなと印象に残ったけどその場面でこれから嘔吐促進剤を飲ませますよという医師の言葉も事前に挟むあたりに観客への配慮が窺えてワイズマンへ>>続きを読む

パリ・オペラ座のすべて(2009年製作の映画)

4.0

クラシックバレエにはまったく造詣がないけどそれでも160分を飽きずに観られたのはワイズマンの円熟した構成力と折々に挿入されるコンテンポラリーダンスの上演風景のおかげかと思う。とりわけ「メディアの夢」が>>続きを読む

パブリック・ハウジング(1997年製作の映画)

3.5

シカゴの黒人用集合住宅における福祉、衛生、自治、教育、犯罪、娯楽に職探しといったeveryday peopleの諸活動のスケッチ。私たちはともに生きなければならないと訴える希望あるラストがいい。

こころ(1955年製作の映画)

3.5

このあたりから漱石の会話文はそのまま台詞にすると不自然でいびつなものになるけどそれでもほとんど手を加えなかった誠実さに本作の価値があると思う。三橋達也がとくによかった。原作では意識しなかった奥さんの母>>続きを読む

家族の肖像(1974年製作の映画)

4.0

孤独者の哀れな末路にもし最大限の幸福を見いだしうることがあるとしたらどのようなかたちかをヴィスコンティが自問して描いたような作品で、救いはあるけれど痛ましい。

軍事演習(1979年製作の映画)

3.5

実弾も使わずどうやって勝敗を決めるのかと思っていたら監督官という審判のような人が随行してジャッジするらしく、ゆえにその監督官と部隊長級の人々だけが立場上一生懸命でほかは皆弛緩しきっている様子がよく伝わ>>続きを読む

永遠の語らい(2003年製作の映画)

4.0

地中海モデルコースな話から一転「大聖堂」的な魂の邂逅にいたって感動的に終わるのか(としたら最高だな)と思いきや…という感じでいろいろ思うところはあったけど観ておけてよかった。

春の劇(1963年製作の映画)

5.0

受難劇をこんなふうに撮られたら満点しかない。

若い人たち(1954年製作の映画)

3.5

軽薄な支店長のみならずここで笑うかというヴェーラの一部の客も黙らせる日髙澄子の啖呵がよくて救われた。とはいえ掃除やお茶汲みが女性だけの役割となっていることに異議が唱えられる本作から60年以上を経て、自>>続きを読む

吾輩は猫である(1936年製作の映画)

3.5

これも市川崑のもよかったけどこれも最高だと思った。とくに奥さんがいい。

細雪(1950年製作の映画)

3.5

吉永小百合もよかったけど山根壽子の三女が最高だった。難儀な四女のデコさんと田中春男の素晴らしき世界、あるいは恐ろしい子としての香川京子。