daisukeookaさんの映画レビュー・感想・評価

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デューン 砂の惑星PART2(2024年製作の映画)

4.5

何から何まで眼福な貴種流離譚。静のシーンも動のシーンも、美術・衣装・照明・音響そして演技、全てが完璧に設計されていて隙がない。遠景でシルエットになる立ち姿のカットがかなり多いが、それらはみな「一幅の絵>>続きを読む

すべて、至るところにある(2023年製作の映画)

4.8

放浪の映画監督・リム・カーワイの「バルカン半島三部作」の完結編。旅をして、そこで巡り会った発想や人々やハプニングを織り込んで、その場で台詞を考えて、出会った人を口説いて演じてもらう、それを撮る。旅して>>続きを読む

ゴールデンカムイ(2024年製作の映画)

4.5

原作大好き。「キングダム」は映画からマンガに戻って楽しんだが、今回は原作マンガをリアルタイムに全巻読破した上での実写映画だ(ごめんアニメは観てる暇がなかった)。

陰謀や策略が縦横に絡み合う原作は、何
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カラオケ行こ!(2024年製作の映画)

4.5

原作未読。というか、あるのを知らなかった。音痴のヤクザが合唱部の中学生男子とカラオケに行って歌を教えてもらう。そんな一言でまとめられる話だから、企画一発のオリジナル脚本だと思ってたのだ。

ヤクザども
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PERFECT DAYS(2023年製作の映画)

5.0

ヴェンダースが撮った映画はまるで、東京の寡黙なトイレ掃除人・平山さん(役所広司)の日常を追ったドキュメンタリー。平山さんは役所広司が演じている役でなくて「平山さん」て人がそこにいるようにしか見えない。>>続きを読む

隣人X 疑惑の彼女(2023年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

原作既読。だったけど、映画を観てからちょっとしたひっかかりが出来た。なのであらためて、「小説現代 2020年5月号」に掲載された原作を読んでみた。映画と原作を脳内で比較してみて、作り手たちが原作をどう>>続きを読む

翔んで埼玉 ~琵琶湖より愛をこめて~(2023年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

前作未見だったけど・妻が滋賀県出身・自分も神戸市出身の関西夫婦、ということで、前作を配信でしっかり勉強してから観に行った。映画のアラは出身地へのシンパシーでだいぶ目隠しされていると思う。

個人的には
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ゴジラ-1.0(2023年製作の映画)

4.8

このレビューはネタバレを含みます

後からいろいろ考えるとツッコミどころが無いわけではないんだけれど、概ねしっかり楽しめた。何より「戦後のボロボロの日本にゴジラが襲ってくる」という立て付けが効いている。今回も事前の情報をほぼ入れずに観に>>続きを読む

君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

個人的な主観と経験でしかないんだけど、宮﨑駿監督の作品への評価は良いのと悪いのが混在しているような感じがする。「ナウシカ」「ラピュタ」「紅の豚」「もののけ姫」「千と千尋の神隠し」「風立ちぬ」は大好き。>>続きを読む

怪物(2023年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

脚本賞を獲得した映画だけど、良い意味で「物語」があるように見えない。映画の中で「彼ら・彼女ら」はそこにいるままに生活して、動いている。それが結果として物語になっている。そんな感じがする。

湊と依里が
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最後まで行く(2023年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

岡田准一がダメな悪徳刑事、綾野剛がそれを追い詰める冷徹な監察官、となれば「行く!」となる。あとは事前情報をできるだけ見聞きせずに劇場に行くだけだ。
とにかく工藤を演じる岡田准一の顔芸がスゴイ。身体能力
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THE FIRST SLAM DUNK(2022年製作の映画)

5.0

原作未読。万人が読んでる観てる知ってる作品に全く触れてないことがあって「スラムダンク」もそうだった。他にやることがあるなんて言いながらおれは何をやってきた?

気になったのはTVなどでチラ見した本編の
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シン・仮面ライダー(2023年製作の映画)

4.2

子どもの頃に「仮面ライダー」を観ていたか?と思い返すと「ウルトラマン」「宇宙戦艦ヤマト」の方が圧倒的に優勢だ。それはとりも直さず「宇宙」と絡んでいるかそうでないかの違いだったと思う。おれの子ども心は宇>>続きを読む

エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス(2022年製作の映画)

4.8

ミシェル・ヨーがオバちゃんになってしまってカンフー激闘異空間ビュンビュン。そのトレーラーを見てから映画館に行くまで、SNSを通じてやってくる情報は全てシャットアウトした。個人的には最も推す女優の一人、>>続きを読む

RRR(2022年製作の映画)

4.8

量と濃さが質を生む。「バーフバリ」のチームが再結集、キャッチコピーが「友情が使命か」と来れば観るしかない。SNSで十数頭の猛獣が束になって主人公らしき男と一緒に飛び出してくるワンカットを観てからは全て>>続きを読む

ラーゲリより愛を込めて(2022年製作の映画)

4.2

映画としての粗はある。でもそれを拾ってもしょうがない。この映画の基になった史実はあり、その力強さは「映画という姿」をまとって初めて伝わってきた。みんなこの話知ってた?おれは知らなかった。その史実は映画>>続きを読む

アバター:ウェイ・オブ・ウォーター(2022年製作の映画)

4.5

またあの体験が出来る…今度はもっと精細な映像で!と期待してたら本当に、映像も音響も「あの時」を超えていた。特に夜間やメタリックなモノが出てくるときの映像は精細度が増して「そこにある」ように見える。クリ>>続きを読む

すずめの戸締まり(2022年製作の映画)

4.0

熟練者や達人は、凄いことを見てる方に「凄い」とさえ思わせずにやってのける。新海誠の近作「君の名は。」「天気の子」に比べて、今作はその辺が際立ってた。
物語への引き込みと世界設定の説明が絡み合ってて、あ
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あなたの微笑み(2022年製作の映画)

5.0

映画への愛・映画館への愛・映画制作者への愛。この優しさは、こうでないと、彼でないと表現できない。リム・カーワイ監督、またもやってくれた。

当たる映画に携わる、映画作りで稼いで食っていく、これほど運と
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ヘルドッグス(2022年製作の映画)

4.5

観ないとマズい感が宣伝の頃から横溢していた。自分の中の「逸脱者へのコンプレックス」が刺激されてたまらないのだ。枠の中にいるままこんな年齢まで来て、何をどうすれば挑めるのかさえ分からずに日々の歩みも見え>>続きを読む

アバター:ジェームズ・キャメロン3Dリマスター(2022年製作の映画)

4.5

もう13年経ってるけど古くない。そしてこの映画が後続する数々の映像作品のためにテクノロジーを生み出している。もちろんエンタメとして優れていることは間違いない。そして物語が何層にもわたる自己投影・自己矛>>続きを読む

ブレット・トレイン(2022年製作の映画)

4.2

「これをハリウッドに持っていこう」と決めたエージェントのお二人も、それを快く受け入れて任せた原作者も揃って慧眼だった。確信犯と呼んで良い「架空ニッポン」はコテコテで、出演者も作り手も心の底から面白がり>>続きを読む

リコリス・ピザ(2021年製作の映画)

4.8

畏れ多いほどの映画巧者たちがこの映画をホメまくっている。そのホメの根拠が、彼らが今までに観てきた数多くの映画と彼らが今までに聴いてきた数多くの音楽に立脚しているので、不勉強なおれとしてはついていけなく>>続きを読む

ボイリング・ポイント/沸騰(2021年製作の映画)

4.0

人生に起きうる全てのトラブルを抱えたシェフがレストランで奮闘する1時間半をワンカットで見せる!となれば「見ようじゃないの」となってしまう。ここまで主人公のシェフのみならず、彼を囲むほぼ全ての人間たちに>>続きを読む

PLAN 75(2022年製作の映画)

3.8

倍賞千恵子の演じた役柄…良き日本人、良き高齢者。ちゃんと生きているにも関わらず、孤独と貧困に追いやられてしまった人。作り手の観察と研究がこの造形にまで持ってこれていて見事。カメラはひたすら生活目線、起>>続きを読む

ベイビー・ブローカー(2022年製作の映画)

4.9

赤ちゃんのウソンくんが名演技。堂々としていて可愛くて、物語の中心にドンと座っていて、登場人物全員をゆるく繋ぎ止めている。彼を中心にして集まる主要な面々の全員が、ウソンくんに刺激される課題をそれぞれに抱>>続きを読む

メイド・イン・バングラデシュ(2019年製作の映画)

3.5

岩波ホールがもうすぐ閉館する。アート系シアターの極北と言って良い、知的好奇心を刺激するラインナップは素晴らしかった。派手に当たりはしない、でもきっと見ておくべきなんだと思わせる、世界の片隅から大きな課>>続きを読む

トップガン マーヴェリック(2022年製作の映画)

4.8

単なる「トップガンという題名の映画」ではない。「トップガンを描いた映画」でも足りない。この映画そのものが「トップガン」なのだ。関わる全員が自らを鍛え、全力で課題に取り組んでいて、良きチームを築き、エン>>続きを読む

ハケンアニメ!(2022年製作の映画)

4.5

ポップなポスタービジュアルで裏切られるだろう、中身は鋭くて振りごたえのある一太刀だ。ラブなんか一切ない…あるとするなら作り手の仕事への愛。この映画の中で「大手が安定を捨ててリスクを採る」決意が、その愛>>続きを読む

シン・ウルトラマン(2022年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

「シン・ゴジラ」の庵野さんと樋口さんがウルトラマンをリブートする、その名も「シン・ウルトラマン」となれば、どうしても「シン・ゴジラ」の「巨災対」や業界一枚岩でゴジラを迎え撃つために結束したあの感じを期>>続きを読む

ハウス・オブ・グッチ(2021年製作の映画)

4.0

ガガ様のことは信奉している。V6の「愛なんだ2018」で引っ込み思案の日本人高校生に1対1で真摯に応えたガガ様はまさにスターだった。自らが弱く小さかった過去をさらけ出し、温かく静かな声で彼を勇気づけて>>続きを読む

ドント・ルック・アップ(2021年製作の映画)

4.2

物語のテンポの速さが見事。滅亡がやってくるまでに半年。万全の準備をするには短く、絶望してヤケになり再発見するには充分な「半年」という時間。トランプ&コロナに合わせ「ポピュリズムでええんかほんまに」と世>>続きを読む

BELUSHI ベルーシ(2020年製作の映画)

3.8

ジョンの、ジュディスへの手紙がイイ。おれはどっちかというと「取っておく」より「捨てる」方が好きな男だけど、取っとけばカタチになることもあるんだなと再認識。

ただやはり「なぜあそこまでドラッグに溺れた
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ラストナイト・イン・ソーホー(2021年製作の映画)

3.0

個人的には乗り切れなかったな。スウィンギング・ロンドンと聞くと、やはり華やかな表舞台を見たい知りたい。せっかくならホラーじゃなくてファンタジーの方に振れなかったのかな。主人公エルとその母のエピソードも>>続きを読む

マトリックス レザレクションズ(2021年製作の映画)

4.5

99年に第1作を初めて観たときの衝撃と感動は忘れられない。そして実写第4作の今回は原点回帰。「マトリックス以前」と「以後」に明確に映像文化史を分けるマイルストーンが、螺旋状に進化して帰ってきた。

9
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老後の資金がありません!(2020年製作の映画)

4.0

宣伝ポスターのままのドタバタ満載、篤子・天海祐希が120%コメディエンヌに振り切って魅力爆発、表情がくるくる変わる彼女を見ているだけで多幸感があふれてくる。

そして芳乃・草笛光子のはつらつさはまぶし
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