梅田さんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

ロバート・アルトマンのイメージズ(1972年製作の映画)

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キャスト5〜6人のメチャクチャ閉じられた世界で展開される幻想。ホラー苦手な人は遠慮した方がいいくらい怖い。初めて観たが、サウンドデザインの繊細さを考慮すればスクリーンで観るべき度はかなり高い。
ヒロイ
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フランシスカ(1981年製作の映画)

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正直なところ1回観てもなんのこっちゃという感じではあったが、途中寝ながら最後まで楽しみました。

映画のみかた「モーションとエモーション」濱口竜介+砂連尾理による上映後の映画講座で、いろんなところに目
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テイラー・スウィフト:THE ERAS TOUR(2023年製作の映画)

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観に行って初めて気付いたけど、俺まともに聴いてたの『Red』と『1989』だけだわ。それでも十分楽しめた。意外に初期のカントリー曲が良かった。テイラーが凄すぎて、こんなステージを過密日程でこなしてる彼>>続きを読む

こどもが映画をつくるとき(2021年製作の映画)

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ワークショップの説明など細かいことはかなり省略し、ワイズマンや想田和弘のような観察映画みたいに子供たちの創作過程を撮っていく。こんなほのぼのしたテーマでこんな攻めたドキュメンタリー作るのすごいな。めち>>続きを読む

暗殺の森(1970年製作の映画)

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ベルトルッチの映画で初めて観たのがこれで、その時は正直よくわからなかったが撮影がかっこいいことだけ印象に残っている。8年ぶりにしかも映画館でこれを観られたのはとても良かった。
2つのタイムラインを色彩
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ザ・キラー(2023年製作の映画)

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最高ー! クールな殺し屋の一人称を基本に進んでいき、その「仕事」の過程を丁寧に描く。そういうところがアメリカ映画だなぁと思う。感情に語りかけないようで、感情を揺さぶる映画。
主人公の殺し屋がずっとスミ
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M(1931年製作の映画)

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2回観た。トーキーとサイレントの境界にあるサウンドデザインが緊張感をもたらしてる。少女の連続殺人という最悪の犯罪を追う話なのに、それを追う大衆という存在の恐ろしさをクライマックスに持ってくるのはすごい>>続きを読む

キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン(2023年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

オイルマネーで富を築いたオセージ族が次々に殺されていくが、地元警察はそれを捜査しない、そういうアメリカの暗部的なものを掘り起こすスコセッシの新作。
なんかもっと終始不安なホラー映画みたいなの想像して行
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獣人(1938年製作の映画)

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冒頭の列車の主観ショット、特にトンネルを抜けるシーンがマジで素晴らしいのだがこれは侯孝賢が『恋恋風塵』でパクってますね?
サスペンスの合間合間に素晴らしいショットが挟まってうぉーっとなる。ジャン・ギャ
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マイアミ・バイス(2006年製作の映画)

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音楽のものすごく時代を感じるマッチョさとか登場人物たちのマッチョさとか、とにかく今観るには最も適さない類のマッチョさに満ち満ちた最高の映画。夜のシーンがだいたい全部かっこいい。いきなり始まる銃撃にしび>>続きを読む

トレーニング デイ(2001年製作の映画)

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狐狼の血! ロス市警麻薬取締官のハードコアすぎる新人研修ストーリー。悪徳警官の語る倫理の迫力(こういう無茶苦茶な倫理に対抗するためにデュープロセスというものがあるのだ)、完全に一線を踏み越えてもまだま>>続きを読む

不安は魂を食いつくす/不安と魂(1974年製作の映画)

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ファズビンダー作品初めて観ました。意外なくらいシンプルで回り道のない演出とプロットで、エミとアリの背景情報がサブリミナル的に物語構造に奥行きをもたらす感じ。
『招かれざる客』とテーマ的に似たものを感じ
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リスト(2023年製作の映画)

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米軍が撤退し、タリバンが復権した2021年のアフガニスタン。生命や身体に危険があると思われる音楽家や作家、ダンサーなどの芸術家800人をリストにして脱出させようと各国政府や軍と交渉を行う過程を描いたド>>続きを読む

言葉の力(1988年製作の映画)

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電話で喧嘩?するカップルのカットに、海や惑星、火山の噴火など破滅的なイメージがモンタージュされる。意味なんてわかりゃしないけど、25分ほど付き合う分には全然退屈しなかった。

火の娘たち(2023年製作の映画)

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1958年、カーボベルデで起こった活火山の噴火事故の生き残りと思われる三姉妹が、3画面に分割されて歌う。ほとんどたった一つの構図だけで構成されたミュージック・ビデオのようでもあるが、ラストは実際のフッ>>続きを読む

ニッツ・アイランド(2023年製作の映画)

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作家自身がプレーヤーとなって、ネトゲ世界でのコミュニティをネトゲ内の映像だけで記録した異色のドキュメンタリー。ふだんゲームをやらないので、序盤はとにかく物珍しさだけで惹きつけられてしまった。最近のゲー>>続きを読む

三人の女たち(2022年製作の映画)

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ウクライナの山村に暮らす三人の女性に焦点を当てて、彼女らと生活をともに過ごした季節を描く。
博士論文の執筆に向けて生物の研究のためのフィールドワークを続けるネーリャは、オンボロで故障だらけの自動車に悩
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アンヘル69(2022年製作の映画)

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かなり端正で一定の美的センスに貫かれた、それこそレフンの映画みたいなドキュメンタリー。コロンビアの不安定な政治情勢を通奏低音に、クィア・コミュニティにはこびるドラッグやメンタルヘルスの問題が、フィクシ>>続きを読む

東部戦線(2023年製作の映画)

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パラメディックとして実際にウクライナ東部戦線で従軍していた監督らによる、ウクライナ戦争を描いたドキュメンタリー。完全なる当事者が現在進行形の戦争をフィルムに収めている、しかも舞台挨拶に登壇しているとい>>続きを読む

それはとにかくまぶしい(2023年製作の映画)

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2020〜21年、パンデミックの最中における子育ての様子や、静まり返った街の風景を早いテンポでつないでいく。ピンポイントで用いられる音楽でさえも任意のポイントで切断され新たな意味を付与される。モチーフ>>続きを読む

GAMA(2023年製作の映画)

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沖縄戦において市民の避難先であった洞窟『ガマ』のガイドの語りを長回しでとらえる。これまでの小田香の長編と同様に、ある地下空間がモチーフとなってはいるが、主な被写体は人間。彼の澱みのない語りを、ほぼカッ>>続きを読む

ここではないどこか(2023年製作の映画)

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作家の移民としてのルーツをめぐるロードムービーでもあり映像詩でもあり。水面をとらえた映像がずっと他の映像に被せられてる。

福田村事件(2023年製作の映画)

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ふつうに面白く、戸惑ってしまう。それなりのキャストを揃えて、エンターテイメントな劇映画になっていることはとても意義深いことだと思うが、同時にこれがドキュメンタリーとして作られていないことを受け止めきれ>>続きを読む

オオカミの家(2018年製作の映画)

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凶々しすぎる予告編と首都圏での盛況ぶりを見て、かなり期待して観に行った。ストップモーションだけで作られた映画ってたぶんウェス・アンダーソンの『Mr.Fox』くらいしか観たことなかったし、映画館で観るの>>続きを読む

ジョン・ウィック:チャプター2(2016年製作の映画)

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清々しいくらいアクション以外に何もない映画でワロタ。ニューヨーク市民、血まみれのおっさんがうろついてても地下鉄で殺し合いが始まっても声ひとつあげないの凄すぎるぜ。美術館での格闘シーンはウェルズ『上海か>>続きを読む

その道の向こうに(2022年製作の映画)

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とても小規模だが品のある、そして温かい映画だった。ペーパーボーイことブライアン・タイリー・ヘンリーの無表情さがマジでよい。
軍役で負傷し後遺症を抱える女性の孤独と、それに寄り添う、また別の傷を抱えた男
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コクリコ坂から(2011年製作の映画)

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絵があまり魅力的でなかった…。特に、人が集団になったとき。理事長を迎え入れるシーンでの合唱とかちょっと薄気味悪くさえ感じてしまった。
脚本・宮崎駿はなんかよくわからん。退屈だとは感じなかったけど、惚れ
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ジョン・ウィック(2014年製作の映画)

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家事しながら久しぶりに観たら、脚本ペラペラなのは気にならないしガンアクションはかっこいいし、けっこう普通に面白かった。

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前回鑑賞:2018/02/04(動画配信サービス|
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アステロイド・シティ(2023年製作の映画)

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我ながら自己弁護じみてダサい感想だと思うけど、途中寝ても面白いのは良い映画の証拠ですね。筋書きが追えるとかはあまり関係なく、散りばめられたパーツが全体としてうねっていくというか。モノクロのシーンのブラ>>続きを読む

ミツバチのささやき(1973年製作の映画)

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正直けっこう寝てしまったが、このミニマルな映画、時間の使い方のなんとぜいたくなことか。寝るのに心地良すぎる。
アナのクリクリのまなざしや、脱走兵に死を告げる閃光、死んだふりするイザベラの鼻がヒクヒクし
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エドワード・ヤンの恋愛時代 4K レストア版(1994年製作の映画)

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こういうのがリマスターされて映画館でかかるの本当にありがとうございますって感じ。前にDVDで観たときより夜の場面の美しさが際立っていて、個々の人物の造形についても、心なしか輪郭がくっきりしたような気さ>>続きを読む

ヴェルヴェット・アンダーグラウンド(2021年製作の映画)

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良かった。メンバーのソロ活動への言及は最小限で、バンドとしてのヴェルヴェッツにフォーカスしつつ、同時代のニューヨークのアートシーン関係者の声を集めたドキュメンタリー。神格化して伝説的に描くでもないとこ>>続きを読む

モンタナの目撃者(2021年製作の映画)

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『ウィンド・リバー』の雪山を山火事に直した映画。
少年が預けられてしまったという「秘密(マクガフィン)」の中身も一切明らかにされないという、見事なまでにシチュエーションとアクションだけで作られたサスペ
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チャイニーズ・ブッキーを殺した男(1976年製作の映画)

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前にDVDで観た時も(他のカサヴェテス映画よりも)ノワール感が強いなと思ったけど、改めて映画館で観ると夜の闇の深さもさることながら無音のシーンが印象深い。「クレイジー・ホース」のショーも実はアカペラが>>続きを読む

こわれゆく女(1974年製作の映画)

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『オープニング・ナイト』から続けて観たが、演じるジーナ・ローランズ本人のメンタルが心配になるくらいに鬼気迫る演技。不安定な人間の内面が何も整理されないまま剥き出しでぶつかり合うさまを、フォーカスの甘い>>続きを読む

オープニング・ナイト(1978年製作の映画)

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7年半ぶりの鑑賞。他人から見れば不合理な行動を取り続ける人間が、それでも何かかけがえのないものに懸けて生きているという姿に胸を打たれてしまう。フラフラでオープニング・ナイトに駆けつけたジーナ・ローラン>>続きを読む