梅田さんの映画レビュー・感想・評価 - 32ページ目

龍三と七人の子分たち(2015年製作の映画)

2.5

この映画の公開時のインタビューで、北野武が「スマホの小さい画面で映画観る奴も多いこの時代、昔みたいな映画撮ってもしょうがない」みたいな趣旨のことを話してるのを読んでなんだかがっかりしてしまって、結局映>>続きを読む

マジカル・ガール(2014年製作の映画)

3.9

冷静に考えればいろいろそりゃないよな所はあるんだけど、引き算のうまい脚本のおかげで見てる最中は気にならなかった(白紙のカードのシーンは鳥肌立った)。かといって脚本だけでひっぱるわけでもなく画面の引力も>>続きを読む

リアリティのダンス(2013年製作の映画)

3.6

ホドロフスキーって誰なのかもよく知らないまま『ホドロフスキーのDUNE』を観にいったっけなあ、などと思い出しながら、監督作としては初鑑賞でした。
一応、監督自身の伝記映画ということらしい。これがホドロ
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パレードへようこそ(2014年製作の映画)

3.2

そりゃもう最後はえらく感動した。したけど、史実部分と脚色部分がうまく連動してなくてちぐはぐに感じた。特に最終盤の展開は雑すぎないか、詳しく事実経過は知らないけど都合のいい事実だけを都合よくつなげた美談>>続きを読む

蜘蛛の瞳/修羅の狼 蜘蛛の瞳(1998年製作の映画)

3.5

『蛇の道』と姉妹作とのことだけど(共通する設定多し)、ここまでタッチが違うのは脚本家の違いによるところが大きいんだろうか……。ロケーションがやや豊富になり、ロングショットやよくわからない長回しが記憶に>>続きを読む

蛇の道(1998年製作の映画)

4.3

すっげえ〜〜。黒沢清ってこんなの撮ってた人なのか。取捨選択のいさぎよさ、情報量の少なさで逆に画面に釘付けにされた。2人の間に拳銃を投げ捨てて立ち去る哀川翔、死ぬほどゾクゾクした。
北野武作品との違いは
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アイアンマン(2008年製作の映画)

2.5

初めて観た。ロバート・ダウニーjr.が反武器輸出に転向するくだりでもう思いっきりずっこけてから最後まで距離感を詰められないまま終わってしまった。

雪の轍(2014年製作の映画)

3.9

『シャイニング』みたいな雪山に閉ざされた映画を想像してたのに、いざ雪が降り始めるまで2時間くらいかかった(この映画は3時間16分ある)。
裕福なホテルのオーナーである主人公の偏狭な自尊心には終始嫌気が
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オン・ザ・ハイウェイ その夜、86分(2013年製作の映画)

3.4

ワンシチュエーションスリラーの一種でしょうか。すごい、登場人物、トムハ1人だけ(あとは声のみ)。原題は『Locke』という素っ気なさだけど、これもいろいろ考えられた結果のシンプルさなのだなと思った。>>続きを読む

上海から来た女(1947年製作の映画)

3.0

良質なフィルム・ノワールなのはわかった。でもうーん、ウェルズ、あんまりわからないな……。ラストの遊園地のシーンはカッコいいけどちょっとこれ見よがしというか。

オーソン・ウェルズのフォルスタッフ(1966年製作の映画)

3.3

オーソン・ウェルズ鑑賞3作目。細かいカットを繋ぐ編集から生み出される喜劇調が心地よかった。あとは売春宿はじめセットの作り込みがすごい。ローアングル撮りするためにあれもこれも建てたのかな? というわけで>>続きを読む

小さな巨人(1970年製作の映画)

3.5

リヴィジョニスト・ウェスタンという概念を学んだ。先住民と白人の間を行ったり来たりするフォレスト・ガンプみたいな波瀾万丈な人生譚がコメディタッチで描かれる。その中に、死ぬ人は死ぬし、死なない人は死なない>>続きを読む

THE IDOLM@STER MOVIE 輝きの向こう側へ!(2014年製作の映画)

3.4

劇場公開時はわりと勢いで楽しめたけど、いくらなんでもお菓子食い過ぎたは酷いなー。笑
まっすぐな主人公がいとも簡単に非主人公から選択肢を奪ってしまう、実に恐ろしい王道ストーリー。でも、「わたしは天海春香
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パリ、テキサス(1984年製作の映画)

4.2

モノクロ時代から相変わらず構図が決まりまくってる(娼館の2人の対面はもちろん、ハンターとの再会シーンがとても印象的)。あと印象的な赤色と、もちろんライ・クーダーも!
トラヴィスって言ったら『タクシード
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偉大なるアンバーソン家の人々(1942年製作の映画)

3.8

立て続けにオーソン・ウェルズ鑑賞。長回しの会話劇中心で、『市民ケーン』とは全然違うなあ。撮影が素晴らしい。
前半のティム・ホルトの、絵に描いたようなドラ息子っぷりがヒリつく感じ。ニヤニヤした。

座頭市(2003年製作の映画)

2.0

すげー久々に見たけど、こーんなにダメだっけ? 何の役にも立たない用心棒も間延びした中盤の回想シーンも間抜けな音楽も空回りしてるギャグも見てらんない。最初から最後まで台詞が説明くさいのもいただけない。と>>続きを読む

ベルリン・天使の詩(1987年製作の映画)

4.0

市井の人々の心の声(主人公=天使が聞き取ることができる声)とモノクロとカラーの切り替え(人間と天使の視点の切り替え)によって、説明的な描写がかなり少なめになっている。何となくベルイマンっぽい。
その代
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インサイド・ヘッド(2015年製作の映画)

3.0

イニシエーションムービーを限りなく直喩そのものでやるという、発想自体は極めてシンプルながら見られるものにするにはめちゃくちゃテクニカルに作り込む必要のある映画で、こんな理屈っぽい内容をポップに作れるの>>続きを読む

バーディ(1984年製作の映画)

3.7

ベトナム戦争から帰還し、顔に酷い負傷を負ったアル(ニコラス・ケイジ)が再会したかつての親友バーディ(マシュー・モディン)は、一言も言葉を発せず奇妙な形でうずくまったまま精神病棟に閉じこもっていた、とい>>続きを読む

アウトレイジ(2010年製作の映画)

3.5

ただひたすらに娯楽作。面白くてカッコよくてスカッとするけど、編集が行儀良すぎるのと、どれもこれも納得づくの展開で再鑑賞しても新たな発見があんまり無い。暴力描写も痛そうなだけであんまりキレがない(池元の>>続きを読む

殺人者はバッヂをつけていた(1954年製作の映画)

3.1

銀行強盗を捜査する刑事が、容疑者の情婦と禁断の恋に落ちてしまう……というメロドラマ、フィルム・ノワール。容疑者の逮捕のくだり、車に向かって歩いていく3人のショットの緊迫感は素晴らしい。ただ、演者が男性>>続きを読む

ソナチネ(1993年製作の映画)

4.6

大の大人(やくざ)が海辺のボロ小屋でダラダラ遊んでるだけ日々がなぜこんなにも切なく映るんだろう。いや切ないという単語はこの映画をずいぶん矮小化している気がする。牧歌的な画面のすぐ影から、いつ死が飛び出>>続きを読む

(1985年製作の映画)

4.3

何もかもすごい。どうなってるんだこのセット……。ケタ違いのファム・ファタールを演じる原田美枝子を始め演者の熱気もものすごく、ロングショットの静的な場面が多いながらも3時間近く全くダレない。そんな中で「>>続きを読む

その男、凶暴につき(1989年製作の映画)

4.2

北野武監督第1作。中学生が考えたみたいな台詞回しと反撃のない殺し合いはこの頃から確立してるし、目の覚めるような暴力描写はむしろこの頃が一番キレてる。ギャグみたいに現実味のない黒幕のオフィスが良い。観て>>続きを読む

オール・ユー・ニード・イズ・キル(2014年製作の映画)

3.5

穴だらけの設定は勢いでごまかせてるけど(ほんと?)、セカイ系ラノベ感とB級ディザスタームービー感とトム・クルーズのスター感が衝突を起こしまくっててなんとも奇妙な映画だった。いやしかし、そこがなんとも魅>>続きを読む

荒野の1ドル銀貨(1965年製作の映画)

3.4

ジュリアーノ・ジェンマのチャラい雰囲気がどうも苦手(いい男だけど貫禄がない)だけど、中身は普通に面白いマカロニ・ウエスタン。どんどん画面の明度が落ちていく最終盤はシビれる。

バベットの晩餐会(1987年製作の映画)

3.5

飯がうまそうな映画は数あれど最高峰のひとつなのではないか。最後、バベットの口を借りて語られる製作者のメッセージに胸打たれる。清貧と芸術とプライド。

ベンジャミン・バトン 数奇な人生(2008年製作の映画)

3.2

ブラピもケイト・ブランシェットもこのくらいの若作り&老けメイクはできるだろうなと思ったのであまり驚きもなく、人生のダイジェストを見ている感じだった。奇妙な設定がすべてというか、フィンチャーらしからぬふ>>続きを読む

マッドマックス2(1981年製作の映画)

3.8

ひたすら直線が続く荒野のカーチェイスは言うまでもないし、倫理的にアレなレベルの子役の扱いとかなんの躊躇いもなく犬を殺すところとか半端なく狂ってる。素晴らしい。
『怒りのデス・ロード』より先にちゃんとこ
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ベイマックス(2014年製作の映画)

3.0

さんざんアクションものだと予備知識もらって見て、期待以上でも以下でもなかった感じ。面白かった。ブレードランナーとか指輪物語とかいろいろオタクな元ネタがありそうです。

プリンス/パープル・レイン(1984年製作の映画)

3.0

サウンドトラックが名盤なのは争いのない事実として、映画のほうはまあ…という扱いになってるし、実際そんな感じの微笑ましい出来だと思う。けどいざ『パープル・レイン』のライブシーンに差し掛かると全身の鳥肌が>>続きを読む

ゲーム(1997年製作の映画)

3.6

このレビューはネタバレを含みます

かなりのトンデモ映画だけどさすがフィンチャーだな〜。上手く騙されたし、ラスト5分くらい笑いが止まらなかった。

博士と彼女のセオリー(2014年製作の映画)

2.5

あくまで個人的な相性の問題として、画面も筋書きも眩しすぎて見ているのが辛かった。英国俳優ってオシャレすぎて気圧されてしまう。
比べるわけではないけど、個人的には『ソーシャル・ネットワーク』でフィンチャ
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ペーパー・ムーン(1973年製作の映画)

4.0

たぶん7〜8年ぶりに鑑賞。お手本のようなロードムービー、楽しい。
アディ(テイタム・オニール)の何が良いって、ずっとムスッとしてるとこ。この子は説明もなく最初から天才なので、端的に「子供がそんなことで
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たのしい知識(1969年製作の映画)

2.0

ゴダール。15分くらいの短編ならまだしもこれはまるでついていけない(笑)

ジギー・スターダスト(1973年製作の映画)

3.7

この後どんどん肥大化していく彼のライヴでは失われてしまう、卑猥さ、不健全さ、気持ち悪さが残っていた。やっぱり僕はグラム時代のボウイが一番好きだし、ヴェルヴェッツの「ホワイト・ライト/ホワイト・ヒート」>>続きを読む