なんか小津映画を観てるような気分だったけど、これが初・成瀬巳喜男です。山の手の中流家庭っていう感覚がそもそも個人的に全くピンとこないのですが、おもしろかったです。
2000年の映画ですが3:4のモノクロというストイックな造り。韓国映画の棚にR-18指定で置いてあるので、積極的にサン・ホンス監督の作を見ようとでもしないと手には取らなそうな映画…。
ベッドシーン多目>>続きを読む
西部劇、かつ主人公のゲイリー・グライムズが織田信成系統のサルっぽい童貞顔なのでイニシエーションムービー。
Gasolin'の『Fatherless Hill』という曲が象徴的に用いられている通り、父を知らない男が父になる物語でした。
物語の中心であるニックが大した理由もなく痛めつけた自分の右手が、映画の最>>続きを読む
いろんな言語が飛び交ってそれが謎解きの鍵になってたりするので字幕だけ追っててもけっこう大変なんだけど、これはさすがに原作既読でした。終盤の覚醒したポアロはもはや怪演。
そしてこのシドニー・ルメットって>>続きを読む
主人公の2人はガンマンではないけど、西部劇。良くも悪くもキャラ立ちがしっかりした、蓮實重彦も認めるB級映画。
旅芸人と馬車は、フェリーニの『道』とドラクエだ!
20年ぶりくらい?に観たけどめっちゃ内容覚えてた(笑)
まさに劇場版といった大冒険にお手本のような伏線回収で、なんだか普通に楽しめてしまった。のび太のパパの喫煙シーンとか、のび太の全裸シーン(予告編に>>続きを読む
冒頭、嵐のような強風が吹きすさぶ中をひたすら進んでいく馬車を追うロングテイクの迫力、もうこの時点でとんでもない映画なことはすぐわかる。モノクロで日常の手捌きを写し取る長回しは溝口健二を彷彿とさせるよう>>続きを読む
やっぱ音楽映画は劇場まで行かないとな!と思いました。人間関係を掘り下げてグループの破滅をありきたりに描いていくよりはもっと突っ込んで欲しいとこがあったんだけど、ライブシーンが最高だったのでいいや。
家族とか友人みたいな狭い範囲の人間関係には目もくれず、超大国のナショナルプロジェクトをガンガン動かして駆動する大スケールSFで大変満足しました。説明的なウンチクも最小限で気持ちよく、最初から最後までワ>>続きを読む
のっけから不穏。『サンセット大通り』のプロットに倣った部分も多いけど、あちらよりサスペンス/ホラー寄りでグイグイ来る。おもしろい。
こんなにカラフルな戦争映画ってかなか無いだろうなあ。
ただし、悲愴でシリアスな場面の真っ只中、槍で串刺しのシーンのやっちまった感……。
妻を強姦した男を撃ち殺してしまった軍人という、状況だけ聞けば有罪確定の容疑者の無罪を目指して戦う法廷映画。160分のほとんどを占める法廷での尋問シーンの緊張感と、最後の証人の衝撃、鳥肌モノです。ハード>>続きを読む
やばいぞこれは。全然ついていけなかったけど何とか最後まで観たという達成感だけは手に入れた。
駆け出し映画ファンなので、訃報で名前を知る。ジャック・リヴェット監督の映画を初めて観てみました。
演劇を学ぶ女生徒たちがみんな凛としていてよかった。演劇シーンが素敵だったけど、プロットはミステリー仕掛>>続きを読む
金持ってなさそうな『ウルフ・オブ・ウォールストリート』。ラリパッパなセックスシーンにドアーズが流れるとこぶっ飛んでて最高でした。
生前は作品が売れず赤貧に喘ぎながら夭逝した画家とはよく聞く話ですが、モディリアーニの生涯をベッケルが映画化したこれはかなり脚色されたものなのだと思われます。
「ワインは尊い。直立不動で飲まなきゃ」など>>続きを読む
いちおうちゃんとオチはあるんだけど、むしろオチなんて無しでぶん投げたほうが良かったのでは?……いや、コメントしたら負けだこれは笑
中国映画って『紅いコーリャン』くらいしか観た記憶ないなーと思ったらその『紅い』と同じ監督の作だった。政情に翻弄されながらも20年ぶりに家族のもとへ帰ってきた男を待ち構えていたのは、夫のことを待ち続けて>>続きを読む
「自分と瓜二つの分身、ドッペルゲンガーに会うと死ぬ」とはよく聞く都市伝説だけど、そこから安易に思いつくような展開はどこにもなくて、怖くはないけどひたすら面白かった。たとえばこの映画には犯罪に対して社会>>続きを読む
ナンセンスと不条理の塊みたいな短編4話。「世にも奇妙な物語」みたいな雰囲気も、ハーツフェルトの短編みたいな雰囲気もある。
4話目を監督し自らも出演するタランティーノがやっぱりタランティーノで最高でした>>続きを読む
面白すぎ。スターダスト・クルセイダースのホイール・オブ・フォーチュンの元ネタだと思われる。
ラストも好きだけど、何より前半、というか冒頭の雰囲気が最高だった。何処にいるのか、誰と話しているのか(もしかして独り言か?)、そして何の話なのか?
映画の輪郭がはっきりしてくるにつれて演出は平凡になっ>>続きを読む
どれだけ素晴らしかったかはスコアに任せるとして、ふたつ、やっぱりこれはアメリカ側の映画なんだなあと思ったことがある。一つはソ連側のような「過酷な取り調べ」がアメリカ側に一切無かったこと。もう一つは結末>>続きを読む
敏腕刑事と凶悪なギャングの戦い…という粗筋なんだけど、たいしたドンパチもなく淡々と進む。要はこれもアラン・ドロンがかっこいい映画。
最後の唐突な友情の芽生えと駆け足のモノローグはちょっといただけないけ>>続きを読む
ラノベにありそうな……。美人しか出てこないし、あまりにも何もかも綺麗に撮られすぎてて、ちょっと一歩引いて観ちゃった。この時代のテクノロジーの水準がよくわからず、最後の着地点もそんなんでいいのかとモヤっ>>続きを読む
『オーシャンズ11』みたいなオシャレ犯罪映画なのかなと思ったら途中からどんどん大味になってきて飽きちゃった……。
ジョセフ・ゴードン=レヴィットってこんなにデカい演技する人だっけ? 前半はこれみよがしの演出も含めて予想外にハジけた映画だったので大丈夫かと思ったけど、いざWTCの屋上に出てからのワクワク感はハンパな>>続きを読む
アルトマン鑑賞10作目。相変わらず登場人物多すぎてついていくのがやっとだけど、人間関係が多少わかんなくてもこの映画が面白いことはわかる。なるほど、脚本賞ってこういう映画が獲るもんなのだなあと思った。
溝口作品の魅力の少なくない部分が日本語の(とりわけ京都近辺の言葉の)グルーヴに依っていたのだなぁと思わされた一作。晩年にして舞台を日本から古代中国に移し、傾国の美女・楊貴妃を悲劇のヒロインに仕立て上げ>>続きを読む
見合い相手の姉に惚れてしまったことから奇妙な三角関係が始まる。無教養なもので原作(谷崎)未読シリーズ。
姻族と親族を越境する倫理のゆらめきと、それを彩る幽玄な音楽にイズムを感じる。『山椒大夫』と同じく>>続きを読む
素人演技スレスレのリアリズム。溝口映画において女性が被差別となるのは、単純な男尊女卑批判を超えて、地べたの人々への敬意があるからなんだなと思う。
恋人の父親を殺してしまい駆け落ちしながらさらに人を殺しまくる、浮世離れしたロードムービー。実話を基にしているらしい。客観的に見れば確かに地獄みたいなものかもしれないが、『地獄の逃避行』という邦題はニュ>>続きを読む
8歳の愛娘が殺人鬼だった!
殺人鬼に追い回されればホラー映画になるけど、守るべき相手が殺人鬼だったらサスペンスになる。娘がサイコパスであることを知り動揺する母親に、もう一つの衝撃の事実が明らかになる>>続きを読む
台本なしの即興演出というこの映画のウリと、「見た目は白人だが黒人の血を引く兄弟」というモチーフ、今日まで根を引く人種問題という主題の食い合わせはどうなんだろう、と思ったけど、良かった。というかあんまり>>続きを読む