deadcalmさんの映画レビュー・感想・評価

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最後のMR.BIG~日本への愛と伝承(2024年製作の映画)

4.1

去年のフェアウェルツアー大阪公演参加してきた勢だけど、そのときには正直あまり実感がなく、このドキュメンタリーで「ああ、もうほんとに最後なんだ」と改めて。高校生のときに曲にハマって今でも時々聴くぐらいに>>続きを読む

落下の解剖学(2023年製作の映画)

3.6

もっとミステリーなものを想像していたらそういう趣旨ではなかった。

実の子もいる裁判の場で、絶対聞かれたくない類の夫婦間の歪みと闇が明らかにされる、この地獄のようなシーンのために存在しているような映画
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INSTRUMENT フガジ:インストゥルメント(2003年製作の映画)

3.8

ストレートエッジの体現者イアン・マッケイ率いるFugaziのドキュメント。ただただストイックでかっこ良い。観ていて背筋が伸びる。

「モッシュ禁止」「チケット代は6ドル以下(未成年者も来やすいように)
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うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー(1984年製作の映画)

4.0

言わずもがなの伝説的作品。うる星やつら自体についてある程度の基礎知識はあるもののほぼ未履修なので、特に解釈違いみたいなものは自分にはないのだが、まあそれでもこの異様な雰囲気の違和感はさすがにわかる。>>続きを読む

COUNT ME IN 魂のリズム(2021年製作の映画)

3.8

薄ーいけど無駄に歴だけは長いアマチュアドラマーとして初心に帰らせてもらった。

ボジオとかカリウタとかデニチェンみたいなあたりが出てこなかったのは意外。そっち寄りっぽいのはスチュアートコープランドくら
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サタンタンゴ(1994年製作の映画)

4.0

主に長さ的な意味で伝説になっている作品がアマプラに来てしまったので、何日かかけて鑑賞。鑑賞方法としては邪道かもしれないけど、まじでこうでもしないと最後まで観ることは無理な身の上なので堪忍して欲しい。幸>>続きを読む

映画ドラえもん のび太の地球交響楽(シンフォニー)(2024年製作の映画)

3.7

末娘と。とりあえず娘がエンジョイしていたので十分オッケー。

最近のドラ長編はほとんど観てないので近年の水準を知らないんだけども、演出はけっこう良かったのではないかと。気合の入ったOP(この意味はかな
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ボーはおそれている(2023年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

『四丁目の夕日』もかくやという不幸の無間地獄エンターテイメントに始まり、謎の『オオカミの家』パート、クソヤバ毒親と「罪」の精算パート、と別の映画のような変化。
最初のファイナルファイトみたいなマッポー
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Studio 666 スタジオ666(2022年製作の映画)

3.3

フー・ファイターズがフー・ファイターズ役でスプラッター映画を撮ってみたやつ。
ノリはコメディだがやたらグロに力が入っていた。人体損壊もギャグと捉える文化なので仕方ない。アメリカン。

ライオネル・リッ
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コット、はじまりの夏(2022年製作の映画)

4.2

主人公だけでなく全体的に言葉少なで、シンプルな作品。『ミツバチのささやき』の頃のアナ・トレントを彷彿とさせるキャサリン・クリンチが逸材。

薄暗く乱雑で窮屈な実家の雰囲気やだいぶクズな父親像など、要行
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星の子(2020年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

よく言われることだが、新興宗教やカルトにはまった人たちを「救い出す()」にあたって、教義の妥当性や事実性を論点にする(雑に言えば「トンデモですよ」と指摘する方向)というのはだいたい本質とずれている。当>>続きを読む

哀れなるものたち(2023年製作の映画)

4.3

同監督では一番おもしろいと思う。何よりまずエマ・ストーンの女優としての器のデカさ。すごいよ。よく演技できた。

話から予想される通りに序盤の描写はなかなかにキツいけど、主人公が知性を得始めてからはかな
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ゴールデンカムイ(2024年製作の映画)

3.8

ちゃんと漫画の感じを活かしてて面白い。最後の馬車戦のアクションも本気度高くて良かった。

お話としてはまだ序盤の序盤で終わってしまった。

あと鍋が食べたくなる映画だった。

エンディングがACIDM
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Saltburn(2023年製作の映画)

4.2

怪優バリー・コーガン(キオガン)の類稀なる怪演が心ゆくまで楽しめる。上流階級の人間への憧れとルサンチマンが同居した、ちょっと屈折した青年のような描写からだんだんと本性を現していくのが本当にヤバくて、終>>続きを読む

BAD LANDS バッド・ランズ(2023年製作の映画)

3.9

大阪のなんか見たことある場所がたくさん出てくる。串カツ食べたくなる。

シリアスでハードボイルドなクライムムービーかと思ったら最後までギャグありのエンタメ作品だった。で普通に面白かった。サブキャラも含
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ケイコ 目を澄ませて(2022年製作の映画)

4.1

岸井ゆきの(色々出てるけど実は一つも観たことなかった)も三浦友和も素晴らしかった。

劇伴の類がほぼなく、常に場面の環境音・生活音を強調しているが、それがちゃんと聞こえる観客ならすなわちケイコと同じ側
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ベイビー・ブローカー(2022年製作の映画)

3.5

シチュエーションを作っていく中盤まではわりと良かった気がするけど、何とも無難なような微妙な着陸。「万引き家族」のラストの安藤サクラの感情顔面パンチのような、そこに至った悲喜こもごも全てを力ずくで総括す>>続きを読む

瀑布(2021年製作の映画)

4.2

コロナ禍の台湾で濃厚接触者となり隔離生活になったことがきっかけで、今まで無理してどうにか保っていた心のバランスが壊れてしまった母と、それに翻弄される娘の話。娘役のワン・ジン(王淨)は『返校』の子。>>続きを読む

ザ・キラー(2023年製作の映画)

3.7

外連味の強い作風でハネて今の地位を築いた感のあるデヴィッド・フィンチャーだけど、最近はだんだんこういう、地味で渋いのを撮りたくなってきてるんかなと思う。そう、映画としては地味。淡々とペキンパー的殺伐。>>続きを読む

MONDAYS/このタイムループ、上司に気づかせないと終わらない(2022年製作の映画)

3.5

タイムループものとしては平凡な前半部分でやっちまったかなぁ…と思いながら観てたんだけど、後半で急に別の話になってタイムループあんまり関係なくなってきてから面白くなった。タイムループものにしては珍しくタ>>続きを読む

ゴジラ-1.0(2023年製作の映画)

3.6

山崎貴で初めて観る気が起こった作品。ゴジラの絶望感の演出などなかなか良くて劇場を出たときには「良かったやん?」って言ってたんだけど、時間が経って思い返すとそうでもなかった気がしてくる不思議。ゴジラまわ>>続きを読む

岸辺露伴 ルーヴルへ行く(2023年製作の映画)

3.3

岸辺露伴 なかなかルーヴルへ行かない

2時間は長すぎた気がする。

露伴がちゃんと露伴らしくするの全体の数%って感じで、露伴じゃなくてもぜんぜん成立してしまうオカルトミステリーだった。大事な場面の危
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コヴェナント/約束の救出(2023年製作の映画)

3.7

ガイ・リッチーの新作。ザ・男の友情!って感じのベタな構成ながら最後まで緊張感が続く展開で面白かった。
お役所の窓口のお役所対応にブチ切れまくる気持ちすごいわかるよ。

リボルバー・リリー(2023年製作の映画)

3.4

綾瀬はるか演じる杉元佐一が、莫大な金の行方を握る子どもを守ることになり、板尾創路演じる鶴見中尉率いる陸軍相手に大暴れしてカッコつけまくる話。

とにかくカッコつけまくりたい話。カッコよくするためにラス
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スイート・マイホーム(2023年製作の映画)

3.4

『SIREN2』のオカルトメガネ役でおなじみ(申し訳ないが自分の中ではこれの人という印象でずっと認識されている)斎藤工がホラー監督初挑戦。『スウィートホーム』みたいなタイトルだし、きっと尖ったオカルト>>続きを読む

ブギーマン(2023年製作の映画)

3.2

スティーブン・キングの初期の短編『子取り鬼』が原作。高校生の頃に読んで、ラストシーンの怖さがお気に入りだった。本作はかなり別物のような内容で、ラストもかなり改変されてしまっていた。悪くはないんだけどい>>続きを読む

MEG ザ・モンスターズ2(2023年製作の映画)

2.7

もはやサメ映画ではなかった。
深海を生身で泳ぐという、バカ映画の中でもなかなかお見受けしないウルトラトンチキシーンが最大の見所かもしれない。過去にはドラえもんの海底鬼岩城が近いことをやっている。ふんど
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Winny(2023年製作の映画)

3.6

やっぱり東出昌大はすごくいい役者だな…

映画としてはなかなかよく出来ていると思うんだけど、当時のインターネットも見ていた現エンジニアとしては多少言いたいこともある。「うーん、あの頃こんな空気だったっ
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マーターズ(2007年製作の映画)

3.4

間違ってリメイクのほうを先に観てしまったので比較作業のような鑑賞態度になってしまった。描写の陰惨さと生々しさはなるほどこっちの方が。オチがずいぶんあっさりしてて、もう見せたいものを見せた後だからそのへ>>続きを読む

マーターズ(2015年製作の映画)

1.4

しまった、これリメイクのほうだ…気づいたときには遅し。一応最後まで観た。

オリジナルより先に観てしまったので何ともだが、流れは不自然、表現は中途半端で何一つ面白くなかった。ンモー

熊は、いない/ノー・ベアーズ(2022年製作の映画)

4.3

しきたりとは何なのか、伝統的価値観とは何なのか。それによって自由を奪われる必要はあるのか。不幸にならなければならないのか。「熊が出るから行っちゃいけない」というが、本当に「熊」はいるのか。

というエ
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雨月物語(1953年製作の映画)

4.1

引き続き眉なし京マチ子キャンペーン中。
源一郎が妻子と別れる湖のような場所の雰囲気も好きだったけど、やっぱり終盤の朽木邸以降の、いかにも怪談めいた怪しいBGMが鳴り響き続け畳み掛ける展開…そしてどう見
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福田村事件(2023年製作の映画)

3.8

嫌な予感が全部当たって最悪になるというよくあるパターンではあるが、みんなの演技力が高すぎてクライマックスの虐殺は本当に嫌な感じで良かった。東出昌大、やらかしはあったが役者としては本当に上手いんだよな…>>続きを読む

バービー(2023年製作の映画)

3.7

初っ端の2001年ネタから飛ばしてて、ユーモアはなかなかに切れていたのだが、メッセージ性としてはここからもう何歩か踏み込んでほしかったな。フェミニズムの議論のスタートラインに立っただけでは感。ルース・>>続きを読む

皇帝の鶯(1948年製作の映画)

3.3

イジー・トルンカはけっこう観たと思ってたが、これは初見。アマプラやるやん。いい時代やな…字幕ないけど…

1948年作。ナレーションがなんとボリス・カーロフ。

1948年にしてこの美術と撮影技術とい
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