deadcalmさんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

TITANE/チタン(2021年製作の映画)

3.9

フランス版『鉄男』いや鉄女?
監督の前作『RAW』を遥かに超えて怪作に仕上がってて、カルト映画スメル凄かった。パルムドールだからって普通の人にはとても勧められないぞ。というか、よく賞あげたなぁ。

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ニトラム/NITRAM(2021年製作の映画)

4.2

ああつらい。ああつらいなあ。ああつらい。
最初から最後までしんどい。
誰も彼を理解してあげられない。
登場人物たちはもちろん、どうにか理解したい、共感したいと願う我々観客にとっても彼の行動の多くは包容
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ポゼッサー(2020年製作の映画)

3.9

このレビューはネタバレを含みます

いやー、本当に血を継いでるなぁ。エグい臓物感溢れる描写に、虚実・自他の境界を溶かしていくバッドトリッピングな映像、すごく『ビデオドローム』あたりのお父ちゃんぽさあるぞ。

最後は本当に人格元通りになれ
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映画大好きポンポさん(2021年製作の映画)

3.9

原作知らず。

自分はクリエイティブ系ではなくエンジニアリング系だけど、一種のものづくりを生業としている点では共感ポイントは多い。
何もかも想定通りに行くことは基本ないので、手戻りさせて仕様を増やした
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アダム:エピソード2(2017年製作の映画)

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意味がよくわからんなと思ってたけどもともとUnityの技術デモだったのか。誰に向けてるのかよくわからないコンテンツだ。

神の戯れ: 現代/原始(2017年製作の映画)

3.4

最近は珍しくなった気がする、この手のブラックなショートコント。嫌いじゃないよ。
子供の頃スーパーファミコンで遊んだポピュラスってシミュレーションゲームを思い出した。まさにこんな感じの画面で、主人公は神
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密林の悪魔(2017年製作の映画)

3.8

Netflix 『Oats Studios』シリーズより。
キモクリーチャー造形の異常な拘りは他と同様だけど、これ普通に続きが観たいなー。

融合体(2017年製作の映画)

3.7

クリーチャーデザインが最高。他に何もない映画だけどまあそれでいい。

さがす(2022年製作の映画)

4.3

このレビューはネタバレを含みます

(かなりガッツリネタバレしてます)

導入からは想像できない着地点。予想していた話からはいつの間にか大きく離れ、ぜんぜん違うものを見せられていた。

シリアスで重い話だが、特にお父ちゃんの過去の話なん
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ラッカ(2017年製作の映画)

3.3

ブロムカンプが自分の悪趣味を好きなだけ楽しんでつくる、Netflix 『Oats Studios』シリーズより。プロローグしかない映画というか、ほぼ世界観の説明だけで第1話にして「俺たちの戦いはこれか>>続きを読む

ファイブスター物語(ストーリーズ)(1989年製作の映画)

3.5

原作知らずに観たらわかんなすぎて逆に楽しくなってしまった。設定の説明は最小限、気になったら原作に来い!というスタイル。にしても世界観がSFなのかファンタジーなのかすらわからない状態で、終わったあと「?>>続きを読む

MINAMATAーミナマター(2020年製作の映画)

3.5

現実にしてはドラマティックすぎやろ、と思うけど、演出はともかくユージン・スミスの失明の経緯など起こった出来事の多くは事実だから恐ろしい。でもそういう中に放火やネガ買収といった創作部分がしれっと混ざるの>>続きを読む

殺人鬼から逃げる夜(2020年製作の映画)

3.2

殺人鬼くんの徹底した美学なきクソ野郎ぶりは評価するけど、敵が強いんじゃなくて味方や周囲が全員アホなおかげで成立しているスリラーなのでただただイライラする。殺人鬼くん、冷徹で緻密に計画立ててる風でいてだ>>続きを読む

ヒルコ 妖怪ハンター(1991年製作の映画)

4.2

キンチョールが妖怪に効くの面白い。

OPのシンセが時代感出ててめちゃくちゃ好きな音で嬉しくなりつつ、またものすごく好みのキモグロクリーチャー。物体X要素とギーガー要素をガッツリ感じる。

テンポも良
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フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊(2021年製作の映画)

4.3

何しても許される、許しちゃうウェス・アンダーソンが今までで一番好きなようにやったのではないか、凝り凝りキメキメの映像に怒涛のナラティブ、この感覚は大林宣彦の遺作『海辺の映画館 −キネマの玉手箱』を観た>>続きを読む

ブラックボックス:音声分析捜査(2021年製作の映画)

4.0

大まかな展開は序〜中盤でだいたい予想つくけど、耳の良い主人公という設定を様々な場面で活用して飽きさせない展開で面白かった。いかにも神経質そうなルックスが良し。

フランスの実在の組織BEAが監修してい
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釣りバカ日誌2(1989年製作の映画)

3.4

なぜかシリーズでこれだけ観た。

職場の浜ちゃん席のPCがハイパーメディアパソコンことFM-TOWNSなのがもう満点。

私は貝になりたい(1959年製作の映画)

2.3

1952〜53年頃の戦犯の名誉回復の潮流のほんの数年後に公開された本作は、まさに当時の大衆が観たいものを見せる、一種の感動ポルノとして完全に仕上がっている。当時の風潮、世間の感覚を反映していたはずなの>>続きを読む

マー ―サイコパスの狂気の地下室―(2019年製作の映画)

3.0

過去の悲惨な経験には多少同情するものの、そこからここまでブッ飛べるのであるからそういう素質もあったのであろうという、オクタヴィアスペンサーの怪演だけでもった映画。

アンテベラム(2020年製作の映画)

3.1

このレビューはネタバレを含みます

残念ながら期待外れだった。

少なくとも社会派とは言えない踏み込みで、一種の溜飲を下げるためだけのポルノの域を出られなさそうだったので純粋にエンタメとして観たが、しかしキャラがペラペラでノレず。不穏な
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ロード・オブ・カオス(2018年製作の映画)

4.1

ヴァーグ側を取材した「Until The Light Takes Us」をレビュー済だけど、まったく描かれ方が違うので本当に興味深い。あちらで観られた(出所後の本物の)ヴァーグ像と、本作でエモリー・コ>>続きを読む

ザ・スイッチ(2020年製作の映画)

3.4

ハッピー・デス・デイがバチハマりだったので、ちょっと期待しすぎてたかなあ。今作もしっかりコテコテのベタを逆手に取ったり取らなかったりしつつエンタメに徹しててそこは良かったんだけど、もっとツイストできた>>続きを読む

空白(2021年製作の映画)

4.0

オープニングの掴みが強くて引き込まれた。

古田新太も松坂桃李も寺島しのぶもうまく生理的に無理な感じをガンガン出してくるし、向き合うべきものと向き合えず我を失っていくのが見応えあった。最後の絵のくだり
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6才のボクが、大人になるまで。(2014年製作の映画)

3.8

会うたびにデカくなる親戚の子を見守るような映画。
いろいろあるけど、でもありふれたといえばありふれた普通の子の人生を応援する気持ちで鑑賞する。

12年ものスパンをかけるとなると、過去の年に撮影したも
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パーム・スプリングス(2020年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

あまり語られてない端役も設定が作り込まれてそうな感じがいい。

J.K.シモンズは何の映画に出てもフレッチャー教授がコスプレしてるようにしか見えない病にかかってたんだけど、今回はそうならなかったので良
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すばらしき世界(2021年製作の映画)

4.7

去年のうちに観たかった、初めての西川美和。良かった。すばらしき映画。

世の中は世知辛いけれど、応援してくれる人がいる。六角精児とか、ちょっとクサすぎじゃない?ってキャラもいたけど。生まれ育った養護施
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殿、利息でござる!(2016年製作の映画)

3.6

長男と鑑賞。
超高速参勤交代みたいな、なんかもっとドタバタしたやつを想像してたがぜんぜんそんなことない話だった。

個・我を犠牲にして帰属する集団のために尽くすことを美徳とする、今どき視点ではまあまあ
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燃ゆる女の肖像(2019年製作の映画)

4.2

いろいろな点で『君の名前で僕を呼んで』に近い方向性を感じるが、それはおいておく。

「肖像画」を見る人は、ほとんどの場合まず「顔」に注目する。そして見るものも描くものも、その微細な表情の差を捉える必要
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アングスト/不安(1983年製作の映画)

3.3

陰鬱な映画なんだが、たまに入るクラウス・シュルツの妙にアゲてくるインダストリアルビートに戸惑った。

で、公式サイトの解説を読んだら

「この音源は作品の編集前から完成しており、リプチンスキとカーグル
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ラストナイト・イン・ソーホー(2021年製作の映画)

4.0

普通に面白かったが、特に深い話ではないし別にフェミニズムの映画でもなかった。
エドガー・ライトらしいオタク心とサービス精神の塊だった(なんだかんだ彼の監督作はほぼすべて観てる)。

トーマシン・マッケ
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Mr.ノーバディ(2021年製作の映画)

3.3


渋谷のチーマー路上でぶちのめす
(想像しただけ 想像しただけ)

- IRON THUMB『親父ハイウェイまっしぐら』

Twitterによくある胸スカコピペみたいなやつ。頭空っぽで観たらよろし
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ドライブ・マイ・カー(2021年製作の映画)

4.0

村上春樹が苦手な人生を歩んできた。これからも苦手だと思うので、とりあえずすぐセックスセックス言ったりジャズのレコードを見せびらかしてくるのをやめてくれればさらに高評価になっていたであろう。

でもそう
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パワー・オブ・ザ・ドッグ(2021年製作の映画)

3.6

何も事前知識なしで観たら、最後でなかなかにびっくりした。が、この映画最後まで共感できるやつがいない…という不完全燃焼でもやもやしてしまった。

たぶんそういうことじゃなくて、終盤に近づくにつれある人物
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ドント・ルック・アップ(2021年製作の映画)

4.8

星新一生まれ、筒井康隆と『博士の異常な愛情』で育った自分には大好物のコンセプト。どストライク。しかも終盤のいいところで Bon Iver の新曲まで投下されて俺得すぎた…

現代的な風刺を利かせつつ色
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囚人ディリ(2019年製作の映画)

3.8

期待通りの、昔の少年マンガ的価値観が貫かれたインドらしい暑苦しいアクション映画で良かった。

こんだけ最後のシチュエーションお膳立て整えて、死亡フラグもびんびんに立ててたのに、ゲームバランスを崩壊させ
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