DBSさんの映画レビュー・感想・評価

DBS

DBS

ゲーム(1997年製作の映画)

4.2

上り詰めた金持ちが、退屈な人生を変えるゲームに参加する。都合が良すぎるけど面白い。長大ドッキリ

インソムニア(2002年製作の映画)

3.5

どこかでみたことあるサスペンス刑事物の演出を寄せ集めて作った感。6日寝れない男。

面白かったセリフ
「この町には2種類の人間がいる。ここから逃げ出したい人、どこからか逃げ出してきた人。私は後者」

ものすごくうるさくて、ありえないほど近い(2011年製作の映画)

4.1

全員の中にある物語。父親が残したのは、主人公が世界を見る見方・眼そのもの。
全てが因果してる、のではなくて、因果は全てを含むのだ。

ベニスに死す(1971年製作の映画)

4.2

音楽が常にシーンをリードする。死に際して妄想か現実かわからなくなる。
醒めた仕掛けがいくつもある。
ジジイが恋に落ちていく様子をどのように感じるか…美しいのか醜いのか、その間が表現されていた。

アネット(2021年製作の映画)

4.9

天才としか言いようがない。
恋愛中毒少年から父親に変わった監督が撮る「映画」。
他の凡百の映画が霞む、「演技」の嵐。
大人の思索や駆け引きあれこれよりも、子どもの歌唱が最もエモーショナルで、価値がある
>>続きを読む

ロング・グッドバイ(1973年製作の映画)

4.3

天才的な透かし込み、浜が突如現れてくる、オーバーレイのシーン、音、入水シーン。
裸になってバレる嘘。ループもの。

博士と彼女のセオリー(2014年製作の映画)

3.5

ホーキングのプライベートエピソード映画。伝記映画のわりに審美感が推されてて思ったより良かった。
神は、その個人が何を神(宇宙の真理)と思うか、だ。

スティング(1973年製作の映画)

5.0

すごい。
裏切り、詐欺、カモにするメインストーリーの裏側に、観客を裏切る仕掛けがいくつものレベルで刷り込まれている。
フッカー(hooker=騙すモノ)、ポップコーン(精子の隠喩)、「TIME」のセリ
>>続きを読む

シェルタリング・スカイ(1990年製作の映画)

3.5

ポールボウルズの半自伝物語。

キリスト文明(=モンスター母子)を捨てて、よりもっと根源的な文明アフリカに遡っていき、言葉を失い、最後はわけのわからないとこまで到達する。

人は神話文明に生きると、「
>>続きを読む

めまい(1958年製作の映画)

3.5

ドラマ映画のお手本。隠し事、どんでん返し、互いに手を隠して進む物語。
おっさんのきもい執着にサブイボ立てざるを得ない。ここまでやって愛なのか。寒い!
グリーンライトからempire = im peer
>>続きを読む

コロンバス(2017年製作の映画)

3.3

建築映画としては物足りなかった。主人公の母親の毒親っぷりや親子共依存の線でヒヤッとするラインの可能性もあったが、基本的に抑揚されていて話としては2Pageぐらいの静かな映画。
美しい映像と音響以外に何
>>続きを読む

日の名残り(1993年製作の映画)

3.5

評価にある格式高い、というのは、あまりに暗喩が露骨すぎない、暗喩しているものが過激すぎない、という意味か。
全編隠喩ツアー、途中まで楽しめたがやはり本筋のロマンスが重いゴシックなノリで辛かった。ジョー
>>続きを読む

パンチドランク・ラブ(2002年製作の映画)

3.3

ながら見できるテンションの不条理劇。たとえ何かのパラフレーズだとしても、、、そのテンションでいいのか?真摯でなければならない。
序盤を過ぎて音楽映画と化していくが、うるさいよう感じた。偶然、ハワイアン
>>続きを読む

ラストエンペラー(1987年製作の映画)

4.0

目の離せない大作だった。歴史を知るのに良い映画。
アヘンシーンの音!
コオロギはやってくる冬の象徴か。
官能シーンも素晴らしい。

カラヴァッジオ(1986年製作の映画)

5.0

素晴らしくトリッキーな、永遠に向けられた映画。
画家が命をかけて、人生をかけて、宗教絵を描く。つまり非道なことであっても、全て芸術に転換する残酷な行為だ。絵の中の出来事を、つまりは聖書の出来事を、自分
>>続きを読む

アルタード・ステーツ/未知への挑戦(1979年製作の映画)

4.0

超人系映画の始祖?ドラゴンボールの元ネタであり、バイオハザードの元ネタであり、シャマランのスプリット/グラスの元ネタであり、進化論批判だ。
人類は進んでいるように見えて、退化(老化)している。
あらゆ
>>続きを読む

誰かに見られてる(1987年製作の映画)

3.3

これはストレートに読むべき映画なのだろうか。
明らかにボディ・ダブルの影響を受けたタイトルなのに、その域に達せない。ただグッゲンハイムを使ったバトルは面白い。あそこは、美術(歴史)側が、人間を360度
>>続きを読む

バートン・フィンク(1991年製作の映画)

5.0

これはすごい映画かも。音がヤバい。
後半にかけて急激に虚実が入り混じり、どの言葉も信じられなくなる。何の辻褄もあっていない。形而上学の(常識以前の)世界に入る。そういえば、最初っから、何かおかしかった
>>続きを読む

イマジン/ジョン・レノン(1988年製作の映画)

3.2

客観的な視点に努めたレノンドキュメンタリー。レノンもビートルズもMVが重要なのかも

胸騒ぎのシチリア(2015年製作の映画)

3.3

風景の良さはあるも、サスペリアで感じた薄っぺらさと同じ印象が漂ってある。君の名前で〜の習作か。パリピなんだろなと思った。

ノスタルジア(1983年製作の映画)

3.5

自然を見れば人生は単純だとわかる。水を汚すことなく単純に生きるべきだ。
あなたは私の代わりに存在している。1+1=1などなど刺さるメッセージが乱発。
そう、1+1=2は、シラフの所業。何の価値もないと
>>続きを読む

天才たちの頭の中~世界を面白くする107のヒント~(2019年製作の映画)

3.2

企画の無理感はあるが、よくアーティストたちは応えてくれたと思う。
挑戦的でなければ芸術ではない、答え辛そうなアイウェイウェイの言葉が刺さる。

ナイブズ・アウト:グラス・オニオン(2022年製作の映画)

4.5

深読みしがいのある映画。最後まで明かされない謎を残すことで別の筋(本筋)を発見させる。ブランはどの時点でどこまでとけているのかを追求するように読めば、彼はむしろ誰も死んでいない殺人ゲームの共謀者である>>続きを読む

ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密(2019年製作の映画)

3.0

ミステリーなのにわかりやすすぎて昼ドラ観てる感あった。緊張もしないし、裏切りもない、この軽さがいいのかな?
深読み可能な暗号ポイントがあるかもと勘繰ってしまうけど、何もなさそう。

ちょっと思い出しただけ(2022年製作の映画)

4.1

ジャームッシュ完コピ。退屈なシーケンスに突如奇跡的に美しいものシーンをところどころ差し込む。タイムラインエクセル映画。同じ場所、違う時間の組み合わせ。無意識は意識より早くにいる。言語化は思い出し(意識>>続きを読む

ドライブ・マイ・カー(2021年製作の映画)

4.0

演じている自分と、リアルな自分の境界にあるものに触れていく話。キアロスタミ×村上春樹×チェーホフ×濱口自身の掛け算がバッチリ計算通りハマったんだなと、脚本と演出手腕に何より驚く。

棒読みやカメラ前演
>>続きを読む

トップガン マーヴェリック(2022年製作の映画)

3.0

ひねりがなさすぎて、超典型的な「あれ、これ時間の無駄?」映画。そういうのもう楽しめないす。

THE BATMAN-ザ・バットマンー(2022年製作の映画)

3.1

終わったと思ったら終わってなくて絶望する、みたいなシリーズ特有の延々続く悪夢設定はあるものの、なんか薄かった。合理的でないなと感じさせてしまう、ディテイルの甘さが薄い感に繋がるんだな。

NOPE/ノープ(2022年製作の映画)

3.5

再体験がテーマ。未知との遭遇etc.の再体験は、これからの映画によって可能か?
何度も執拗に繰り返される撮影によって、どんどん明らかになっていく未知物体の形、何度も隠れそして見つけ…を反復することは、
>>続きを読む

ガール・アンド・スパイダー(2021年製作の映画)

3.7

他人への慮りがない、自由な内心がもし自由に表現される状況では、あらゆる行為が刺々しく目を覆いたい、メンヘラ地獄の状況だ。思えば匿名ネット空間の言説はまさにそのようなもので、軽々しく誰彼に過度に当て擦っ>>続きを読む

ハウス・オブ・グッチ(2021年製作の映画)

3.0

結局占い信じちゃう学がなくて反知性パトリツィアが無駄なプライドと嫉妬で他人に迷惑をかける愚かな人間・人生であるだけ。
そうだね、浅い人間は浅い理由で周りを悲惨にしていってしまう。周りがどんどんその人か
>>続きを読む

ブレット・トレイン(2022年製作の映画)

3.0

ノリが寒い。アトランタ勢が出てたのは良かった。車掌の愛想がないのが気になるという言及とか(実際にマナーや紳士を忘れた短絡的な"愛国民"たちのおかげで没落していっている雰囲気の)現代日本がこうディストピ>>続きを読む

ラストナイト・イン・ソーホー(2021年製作の映画)

3.1

USJのアトラクションに乗ったような感覚。緩急つけて描き出す話が全然面白くなくてこちら盛り上がれず感。

>|