こういう時は二大女優対決といきたいところだが、圧倒的にエヴァ・グリーンが強かった。ここがこの映画の弱さである。それにしてもエヴァ・グリーン演じるエルはなぜ執拗にエマニュエル・セニエ演じるデルフィーヌに>>続きを読む
善玉は悪玉の何倍強ければ映画として面白くなるのか。私の研究の結果、それは1.25倍という結論に達しました。2倍ではその差があり過ぎて面白みが欠けてしまいます。1.5倍も面白さの領域の枠をはみだしてしま>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
初恋の相手の名前をドキドキしながらググってみる。結果、何の情報も得られないことに一抹の寂しさを覚えながらもホッとする。何か情報が得られたとしても、特に何かがしたいわけじゃない。元気そうに暮らしているこ>>続きを読む
民法772条2項「法的離婚後300日以内に生まれた子どもは前夫の子と推定される」という法律。その明治時代に制定された悪法によって、前夫の子として認めたくない親が出生届を出さずに市子のような無戸籍者が生>>続きを読む
日本への原爆投下に成功して歓喜するアメリカ国民。時を同じくして、海を渡った日本の広島、長崎では地獄絵図が広がり阿鼻叫喚する人々がいた。私が日本人だからだろうが、この映画では広島、長崎での惨状を描かずと>>続きを読む
6ヶ月と6日(189日)という極めて短い期間で8,000m級の14座を完登した登山家ニルマル・プルジャ(ニムス)とその仲間たちのチーム(プロジェクト・ポッシブル)を追ったドキュメンタリー。ニムスは大変>>続きを読む
双子をモチーフとした愛憎+心理劇というのは、発想としてはなかなか面白い。しかし、双子というのは、どっちがどっちだか見分けがつかなくなる。まあ、そうなることを想定して作っているのだろうが、そこに現実と区>>続きを読む
これは何て言えばいいんだろう。面白かったとも、見応えがあったとも違う。ただただ、大自然の脅威とそこに投げ出された人間の生命力の強さを見せつけられた。そうとしか言いようがない。
リアーナが出演していると知って観たのだが、彼女は歌わなかった。残念! グアバの島民たちが島の権力者から歌うことや踊ることの自由を奪われそうになるが、最終的には権力者の呪縛から解放されるという話。メルヘ>>続きを読む
この映画には事実が描かれておらず捏造されたものだという批判もあるようだが、私はさほどマリリン・モンローのことを知らないからか、概して楽しむことが出来た。まあ、女性蔑視的な男性の行動の描写には不快感を覚>>続きを読む
マイケル・ファスベンダー演じる暗殺者がミスを犯して逃走。自宅に戻ると部屋は荒らされ、近くの病院のベッドの上で恋人が瀕死の状態となっていた。暗殺者は復讐のために襲撃者を追う。こうしたシンプルだが、スリリ>>続きを読む
アリアナ・グランデの歌声はいつまでも聴いていたい! コンサート会場のバックヤードで迷子になる姿や、マライア・キャリーからPVでコラボしないかと連絡を受けて大はしゃぎする姿は可愛かった。
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ライオネル・リッチーもマイケル・ジャクソンも素晴らしいのは勿論だが、私はやはりボブ・ディランのことが気になって仕方がなかった。ミュージシャンのみんなが和気藹々といる中、一人無表情というか、つまらなさそ>>続きを読む
ビル・マーレイ、最高! 娘のことを心配するのは良いのだが、そのやり方が間違っていて、却って娘に迷惑を掛けているところが笑える。この真面目にとぼけた感じの父親はビル・マーレイにしか演じられなかっただろう>>続きを読む
この映画にはクライム映画とジュブナイル映画という二つの側面があると思う。私としてはジュブナイル映画として観ていたかったが、クライム映画としての引きが強かった。それは岡田将生の存在が大きかったと思う。彼>>続きを読む
これまで音楽をモチーフに映画を撮り続けてきたジョン・カーニー監督。「はじまりのうた」では大人の男女を、「シング・ストリート 未来へのうた」では少年たちを、そして今回は母と息子の親子を主役に据えている。>>続きを読む
私にとってはもう遠い過去である。ついつい感傷に耽ってしまうが、14歳とは人間関係をどう築くかを考える年齢である。今も、この先もいろいろあるさ。この映画に出演した個性ある一人ひとりに”頑張って!”とエー>>続きを読む
シリーズ物と知りながら、シリーズの最初から観ず、いきなりこの映画から観ちゃいました。それは今読んでいる本にこの映画のタイトルが出てきたので調べてみたら、信頼のおけるジェームズ・マンゴールド監督作品だと>>続きを読む
どういうわけかミュージカル映画と謳われているけれども、出演者が歌ったり踊ったりするわけではない(アンナ・カリーナが「Chanson d'Angela」を歌う場面があるにはあるが)。全編に渡ってミシェル>>続きを読む
劇場で観て以来、およそ二ヶ月半。
Taylor’s Versionは、
湖池屋のポテトチップスよりも、
液体洗剤のアリエールよりも、
滅多に無いけど吉野家の牛丼のお肉よりも、
その”増量”が100倍嬉>>続きを読む
「ナポレオン」と言えば、アベル・ガンスが監督したものを、フランシス・フォード・コッポラがその父のカーマイン・コッポラの演奏により復活させたものを見逃したままでいたが、ここにリドリー・スコットの手による>>続きを読む
正直、前半は退屈で仕方がなかった。ところが後半になってめきめきと面白くなってきた。安手のメロドラマから極上のサスペンス映画へと一転したのだ。とりわけあの有名な鏡の部屋のシーンは圧巻である。画面構成も編>>続きを読む
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満点を付けたかったけど、どうしても引っ掛かるところがありました。それはテナーサックスの宮本大、ピアニストの沢辺雪祈、ドラマーの玉田俊二がトリオを組み、物事がトントン拍子で進んでいるところで、大舞台を前>>続きを読む
教え子に恋心を抱くあっけらかんとした教師。不倫相手との子どもを正妻とその子どもらが暮らす家に平然と住まわせる父親。通常なら悪印象を抱いてもおかしくない二人だが、この映画では実に好印象をもたらす。それは>>続きを読む
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それぞれの事情で不登校になった7人の男女の中学生たちがかがみの城に集められる。どうして彼女らがかがみの城に集められたかが次第にわかってくるところがとてもスリリングに描かれる。彼女らは同じ中学校に通って>>続きを読む
最初から最後まで一瞬たりとも飽きさせない見事な作り。これぞまさにエンターテインメント映画の極み。歌もダンスも全てが素晴らしかったが、特にレベッカ・ファーガソン演じるジョニー・リンドが「Never En>>続きを読む
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この映画はハンセン病による差別を扱いながらその問題を声高には叫ばない。事実を冷静に見つめ、湧きあがろうとする怒りを抑えているような映画である。登場人物たちも多くを語らないが、彼、彼女らの気持ちはひしひ>>続きを読む
この作品についてコメントすることは非常に難しい。彼女の病気のことは気の毒だし、そこから立ち直った経験を活かして同じような境遇の人たちを助けたいという気持も素晴らしいことだと思う。しかし、音楽ファンから>>続きを読む
善人ぶって、平気で人を死に追いやるロバート・デ・ニーロ演じるウィリアム・ヘイルがほんと怖い。そして、ウィリアムの悪行に素直に従っていた甥のアーネスト・バークハートだが、妻であるオセージ族のモリーへの愛>>続きを読む
「シェリタリング・スカイ」はとても好きな映画で、坂本龍一の音楽は切ないけれども、なんて美しい曲だろうと思っていた。今回、そのイントロの曲が30分足らずで作られたというエピソードに驚いた。それにしても「>>続きを読む
事件というほどの事件は起こらない。男女が大恋愛するわけでもない。ただ、この映画の中には人と人との心が通じ合う瞬間が確実に映し出されている。硝子細工のように繊細でなんとも優しい素晴らしい映画に出会えた。
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恋愛が不自由だった時代、特に同性の恋愛はタブーとされていた時代の話。そんな時代だけれども人を恋することに理由などいらない。だって好きになってしまったんだから。理由はただそれだけだ。この映画からそれが伝>>続きを読む
カメラは17歳のビリー・アイリッシュの等身大を捉える。それは歌手としての音楽活動のみならず、私生活をも写し出す(自宅で曲作りをしていることもあり、音楽活動と私生活の間に壁は無く実にフラット)。そこから>>続きを読む
酒とタバコと女遊びと過労が積み重なり、病に倒れた演出家兼映画監督の男の話。後半、死に向かいながらも、創作意欲は失わず、脳内では常にミュージカルを演出する様が面白い。多少、生理的に受け付けないところもあ>>続きを読む
恐らくは相当な努力を重ね、楽譜を通じて百年以上も前の音楽家たちとも対話が出来てクラシック音楽を誰よりも深く理解するという類まれな才能の持ち主であるリディア・ターは自らの指揮でオーケストラを操り、観衆に>>続きを読む