HidehikoYabaさんの映画レビュー・感想・評価

HidehikoYaba

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映画は映画館で観る。ハリウッドの娯楽作も観るが、基本的には文学作品好き。

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かごの中の瞳(2016年製作の映画)

4.0

 映画を観て次のように考えた。健常者は障害者に対して一定の優位性を抱いている。また、膂力に優れた大男は非力な者に対して一定の優位性を抱いている。或いは、胆力があって恐怖心のない人は臆病者に対して一定の>>続きを読む

運命は踊る(2017年製作の映画)

3.5

 いまこの瞬間に、世界のどこで戦争が起きているだろうか。どれくらいの戦場があって、いくつの戦闘が繰り広げられているだろうか。
 本作品はある家族のことを描いているように見えるが、実は立派な反戦映画であ
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リグレッション(2015年製作の映画)

4.0

 エマ・ワトソンは2年前の映画「コロニア」あたりから、ホグワースのハーマイオニーの印象をすっかり脱して、大人の女性を堂々と演じられるまでになったが、本作品では更に複雑な役を美しくこなしている。
 イー
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愛しのアイリーン(2018年製作の映画)

4.0

 映画を観終わってふと、セックス依存症は遺伝するのだろうかと考えた。タイガー・ウッズの事例でも見受けられたように、セックス依存症の人は性衝動を抑えられないことで深刻な事態に直面する場合がある。あれは遺>>続きを読む

イコライザー2(2018年製作の映画)

3.5

 このシリーズはデンゼル・ワシントンの静かで無駄のないアクションが見処の映画である。今回も同様であったが、少し見飽きた部分があるのと、悪役のスケールが小さくて若干の拍子抜けがあった。
 その代わりに、
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日日是好日(2018年製作の映画)

4.5

 一期一会。利休以来の茶の湯の真髄を示す言葉だ。その日その時その場所での邂逅を喜び、堪能するのがお茶の心であり、それはとりもなおさず人生の楽しみでもある。この言葉は映画の中の台詞にも出てくる。
 諸行
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クワイエット・プレイス(2018年製作の映画)

2.0

 百聞は一見に如かずというのは誰もが納得できる諺だが、それは見ることも聞くこともできる健常者にとっての話で、盲目の人には意味を成さない。健常者は盲目の人の感覚がなかなか想像できないだろう。
 視力がな
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散り椿(2018年製作の映画)

4.0

 岡田准一はすっかり俳優である。本人もそのつもりで身体を相当に鍛えているようで、立ち姿や歩く姿に迫力がある。映画監督がこの人を俳優として起用したくなる理由がなんとなくわかるような気がする。人間エネルギ>>続きを読む

若おかみは小学生!(2018年製作の映画)

4.0

 いい作品だと思う。変に説教臭くもなく、子供の人格を軽んじることもない。
 小学生でも高学年になると人間関係を敏感に意識するようになる。世界観はまだ形成されていないから、大人以上に人間関係に一喜一憂す
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500ページの夢の束(2017年製作の映画)

4.0

 世の中に、自閉症ではないが、少なからず自閉症気味であると自覚している人は、かなりいると思う。実はその人たちは既に自閉症なのである。
 他人とのコミュニケーションをなるべく避けたいのが自閉症だ。避けた
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ザ・プレデター(2018年製作の映画)

2.0

 多くのアメリカのアクション映画では若い父親が活躍する。最後は家族の笑顔で終わるパターンだ。テレビドラマの水戸黄門やドクターXが飽きられないように、このパターンも飽きられることはない。
 本作品も例に
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累 かさね(2018年製作の映画)

4.0

 ドッペルゲンゲルというドイツ語はもうひとりの自分を見る幻覚の意味で、芥川龍之介やドストエフスキーもそれについて言及したり作品を書いたりしている。ひとりの肉体の中に異なるふたつの人格が現れる設定ではス>>続きを読む

響 -HIBIKI-(2018年製作の映画)

3.5

 観ている間は面白かった。しかし観終わったらなんとなく重い気分になってしまった。

 大学時代に応援団長をしていたという中小企業の社長がいて、その男が応援団時代に先輩から「場を乱すな」と教わったと得意
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泣き虫しょったんの奇跡(2018年製作の映画)

2.0

 瀬川晶司のプロ合格は、少しでも将棋に関心がある人なら割合と知られた話である。だからこの作品は最初から結末がわかっている。であれば、ストーリー以外のところで人間ドラマを描くしかない。そんなことは制作サ>>続きを読む

ヒトラーと戦った22日間(2018年製作の映画)

4.0

 大抵の人は、他人の人権を蹂躙することに躊躇いを覚える。他人が感じる苦痛を想像してしまうから、人に苦痛を与えることに抵抗を感じる。人を殺したり怪我をさせたりすることは、それをやった人の心にも傷を負わせ>>続きを読む

テル・ミー・ライズ(1968年製作の映画)

3.5

 1969年の発表というから、かれこれ50年も前の映画である。第二次大戦後に世界の警察となるという野望の取りつかれたアメリカは、キューバ危機後のソビエト社会主義共和国連邦との対立もあって、世界の様々な>>続きを読む

判決、ふたつの希望(2017年製作の映画)

4.0

 キリスト教とイスラム教、市民と難民、それぞれの共同体、そして文化と風習の異なる人々がごっちゃになって生きているのが中東地域である。そこに何らかの潤滑油がなければ、小競り合いはしょっちゅう起きるだろう>>続きを読む

寝ても覚めても(2018年製作の映画)

3.5

 若者同士の青春と恋愛模様を描いた作品で、それなりに面白く鑑賞できた。
 東出昌大は女相撲と大正デモクラシーを描いた映画「菊とギロチン」で、若くして獄死した民権運動の活動家を熱烈に演じていて、その演技
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マガディーラ 勇者転生(2009年製作の映画)

3.0

 インド映画は「バーフバリ王の凱旋完全版」で初めて観た。歌と躍りが物語の流れの中で無理なく配置されていたので、3時間の長丁場も飽きずに観られた。
 本作品は「バーフバリ…」と同じスタッフとのことで、同
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輝ける人生(2017年製作の映画)

4.0

 主演のイメルダ・スタウントンは「ハリー・ポッター」シリーズで演じた意地悪なおばさん役人の印象が強烈だったが、本作品では世間知らずの若いときに金持ちに嫁ぎ、他の世界のことは何も知らないまま歳を取ってし>>続きを読む

ポップ・アイ(2017年製作の映画)

4.0

 タイ料理は好物でよく食べているが、タイの映画は初めてである。この映画はシンガポールとタイの合作となっているが、冒頭に中国語のロゴがたくさん出てきたので、中国資本も介在しているのかもしれない。
 スト
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マンマ・ミーア! ヒア・ウィー・ゴー(2018年製作の映画)

3.5

 面白く、楽しかったのだが、何故か少ししんどかった。

 アマンダ・セイフライドは「レ・ミゼラブル」の成長後のコゼット役で美しい歌声を披露していた。「Fathers and daughters」(邦題
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若い女(2017年製作の映画)

4.0

 フランス映画はアメリカ映画と違って、神の概念があまり登場しない。願うことはあっても祈ることがないのだ。祈るというのは自分以外の何かの力に期待することである。アメリカでは神や天使に祈り、God ble>>続きを読む

2重螺旋の恋人(2017年製作の映画)

3.5

 いやはや、なんとも凄い映画を観せられたという気分である。観賞前の印象は、公式ページや紹介文から、双子の精神科医とそれぞれに関係を持った女性が主人公の心理サスペンスという感じだったが、実際に鑑賞してみ>>続きを読む

英国総督 最後の家(2017年製作の映画)

4.0

 19世紀以来のヨーロッパの帝国主義は世界各地を破壊し、大量の人間を虐殺することで繁栄を得ようとするものであった。インドからインドネシアにかけてはイギリスが他国に先んじて武力制圧し、一時的にイギリスは>>続きを読む

スターリンの葬送狂騒曲(2017年製作の映画)

4.0

 スターリンと言えば、独裁者ということと、ポツダム会談で米英の首脳と並んで写る写真のイメージであった。彼の独裁が実際にどのようであったのか、この映画を観て、制作者の意図と共に理解した。
 その制作者の
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オーケストラ・クラス(2017年製作の映画)

4.0

 教師と子供の関係性は、社会のありように強く影響される。軍国主義の世の中ではお国のためにという大義名分の下、どんな理不尽も罷り通る。暴力も暴言も正当化されるのだ。
 同じ図式は企業や学校の部活動などに
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オーシャンズ8(2017年製作の映画)

3.5

 サンドラ・ブロックとケイト・ブランシェットの掛け合いがジョージ・クルーニーとブラッド・ビットのそれに対応しているのはすぐにわかったが、その他の人物は特に対応させてはいなかったようだ。時代柄、コンピュ>>続きを読む

山の郵便配達(1999年製作の映画)

4.0

 中国は漢民族と満民族、それに数多くの少数民族で成り立っている国である。山の人々は山で暮らし、あまり平地に降りてこない。そこに自分たちの居場所がないことを知っているからだ。それでも若い人を中心に、少し>>続きを読む

沖縄スパイ戦史(2018年製作の映画)

4.5

 三上智恵監督の作品は、3年前の2015年に「戦場ぬ止み」(いくさばぬとぅどぅみ)を観て以来である。前年の2014年に特定秘密保護法が施行されて、反体制の言論人は危機感を強めていたときである。よくこん>>続きを読む

ミッション:インポッシブル(1996年製作の映画)

3.5

 トム・クルーズは能天気なアメリカン・ヒーローを演じることに徹したようだ。その振り切り具合は中途半端に演技派に未練を残すことを考えると、いっそ気持ちがいい。
 本作品では、核兵器の阻止と首謀者の炙り出
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君が君で君だ(2018年製作の映画)

4.0

 かつて通っていた大学のフランス文学科は総勢66人のうち、男子44人に対して女子が22人だった。受講する科目は人それぞれなので、同じクラスといっても必ずしも仲がよくなる訳でもなく、男女比も特に意味を持>>続きを読む

カメラを止めるな!(2017年製作の映画)

4.0

 少し説明がややこしいが、ゾンビ映画を撮影していると本当にスタッフがゾンビになってしまうという生放送のドラマを撮影する人々の群像劇である。ドタバタのギャグ映画で、アイデアと瞬発力でドラマを撮り切ろうと>>続きを読む

ワンダーランド北朝鮮(2016年製作の映画)

3.5

 筒井康隆の「東海道戦争」という小説がある。有名な小説だからご存じの方は多いだろう。スラップスティックなので朝鮮半島の深刻な状況とは訳が違うが、読んだ当時は、日本が東西で分断されて戦うことになると、何>>続きを読む

ジュラシック・ワールド 炎の王国(2018年製作の映画)

1.0

 動物園や水族館で動物を飼うのは見世物にするために他ならない。人間のエゴだから、様々な問題を生じさせる。
 例えばアフリカの平原で生きている動物を日本の環境に持ってくることは、是なのか非なのか。夏バテ
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未来のミライ(2018年製作の映画)

1.0

 アニメの表情はラインのスタンプとは違って、前後の脈絡から観客がそれぞれに想像する幅がある。どんな受け取り方をするかは観客それぞれの感性や経験、世界観などによって異なる。そういうアニメの多義性が作品に>>続きを読む

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