HidehikoYabaさんの映画レビュー・感想・評価

HidehikoYaba

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映画は映画館で観る。ハリウッドの娯楽作も観るが、基本的には文学作品好き。

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来る(2018年製作の映画)

4.0

 青木崇高の演じる民俗学者にこの作品のヒントがある。民俗学というのは有名な柳田国男や折口信夫が研究したことで知られている、各地に伝わる物語や風習にまつわる考証である。
 予告編が表現していたとおり、出
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へレディタリー/継承(2018年製作の映画)

2.0

 ホラー映画は舞台や設定、登場人物は違っていても、プロットが大体同じである。即ち、最初は得体の知れない何かが迫ってきたり追いかけてきたり、脇役の誰かが殺されたりしながら、徐々に種明かしがされて正体が明>>続きを読む

ハード・コア(2018年製作の映画)

4.0

 チープな印象のスラップスティックではあるが、ストーリーはよく練られている上に俳優陣の怪演も手伝って、とびきり面白い映画になった。
 見た目とは裏腹のハイテクロボットだが、ロボット憲章を遵守するという
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人魚の眠る家(2018年製作の映画)

4.0

 分子生物学の福岡伸一さんによると、生命とは自己複製のシステムだそうである。イメージとしては、砂浜の砂人形に絶えず砂が風で吹き付けられ、砂人形は新しい砂を常に取り入れて古い砂と入れ替えているというもの>>続きを読む

斬、(2018年製作の映画)

3.5

 先ず最初の音で驚かされる。当方も少し飛び上がった。効果音は全編を通してかなり大きく、重低音である。大太鼓やバスの男声合唱もあり、作品に重々しさを与えていると同時に、観客にとっては重苦しさも感じさせる>>続きを読む

バルバラ ~セーヌの黒いバラ~(2017年製作の映画)

3.5

 本作品は映画を製作する中での人々の振る舞いをセンスよく描き出した映画である。シャンソン歌手というと金子由香利さんのコンサートには行ったことがある。歌は素晴らしいが話はいまいちだった。岸洋子はパソコン>>続きを読む

おかえり、ブルゴーニュへ(2017年製作の映画)

4.0

 ブルゴーニュの葡萄畑の家族を描いた映画では、2年前に観た「ブルゴーニュで会いましょう」がある。なんだか似たようなタイトルである。家族の再生の物語で舞台が一緒だからどうしても似てしまうのかもしれない。>>続きを読む

(2018年製作の映画)

3.5

 予告編のとおり、コルトパイソン357マグナムという強力な拳銃を拾った若者が、銃によって変わっていく姿を思考実験的に描いている。主人公の行動の描写のそこかしこに本人のモノローグを挿し込むことで、努めて>>続きを読む

僕の帰る場所(2017年製作の映画)

3.5

 子供たちの演技は驚くほど上手である。それもそのはずで、父親以外は実際のビルマ人の母子が演じている。上映後の舞台挨拶でそう話していた。当時7歳のお兄ちゃんはそれなりに演技をしていたが、当時3歳の弟は気>>続きを読む

華氏 119(2018年製作の映画)

4.0

 本作品はイラク戦争を仕掛けたブッシュ政権を激しく批判した「華氏911」とは少しニュアンスが異なっている。必ずしも現政権の批判ばかりではないのだ。リベラルと期待されたオバマでさえ、圧力団体に屈して少数>>続きを読む

生きてるだけで、愛。(2018年製作の映画)

4.0

 下田逸郎の「踊り子」という歌に、
♪まわる人生のステージで踊るあなたの手ふるえてきれいね♪
という一節がある。この映画を観て、その歌を思い出した。大ヒットした村下孝蔵の「踊り子」と同じタイトルだった
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ビブリア古書堂の事件手帖(2018年製作の映画)

2.0

 三つ子の魂百までという諺がある。幼い頃の性格は年をとってもそれほど変わらないという意味だ。誰もが胸に手を当てればたしかにそうだと思い至る、理解されやすい諺である。
 大学の時に講義を受けた心理学では
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ヴェノム(2018年製作の映画)

3.0

 マーベルの作品はとにかくCGにお金をかけていて、映像と音響の迫力は流石に大したものである。だからなのかわからないが、世界観が子供じみているのがわかっていても、ときどき観たくなる。この映画も予告編のC>>続きを読む

スマホを落としただけなのに(2018年製作の映画)

4.0

 友人、知人、親戚、家族、勤務先、取引先で、スマホを持っていない人を知らない。電車に乗ればかなりの割合の人が一心不乱にスマホを操作している。どんな満員電車でもお構いなしだ。もちろん当方も他人のことは言>>続きを読む

search/サーチ(2018年製作の映画)

4.0

 SNSをテーマとした映画は昨年公開のトム・ハンクスとエマ・ワトソンの「ザ・サークル」があった。SNSが参加者による同調圧力で村八分のように弱者を叩く炎上の場と化し、承認欲求を満たすために世界観が極端>>続きを読む

旅猫リポート(2018年製作の映画)

3.5

 予告編の通り、飼い猫の行き先を中心にした終活がテーマの作品である。ともすれば暗くなり勝ちなプロットだが、高畑充希のあっけらかんと明るい声が、悲壮感を相対化している。人間にとっては重く苦しい死というテ>>続きを読む

止められるか、俺たちを(2018年製作の映画)

3.5

 門脇麦は存在感のある女優である。何を考えているのかわからない女、本当は何を考えているのか教えてほしいようなほしくないような、知りたいような知りたくないような女がいる。そういう女を演じるとピカイチだ。>>続きを読む

ハナレイ・ベイ(2018年製作の映画)

3.5

 不思議な作品である。吉田羊とカウアイ警察署の警官の妻以外は、出演者も原作者も監督もすべて男だが、何故か映画を観ている間ずっと、主人公と息子が、彼の産まれてきた子宮を媒体として繋がり続けているような感>>続きを読む

億男(2018年製作の映画)

4.0

 予告編は、3億円当たって友達に持ち逃げされて、家族には逃げられ、借金取りには追い詰められて散々な目に遭う悲惨な物語という感じで、あまり観たい気はしなかった。下世話なドタバタ喜劇という印象だったのだ。>>続きを読む

マイ・プレシャス・リスト(2016年製作の映画)

2.0

 何度か見た予告編では、IQ185の天才少女が飛び級でハーバードを出るには出たが、人間関係が苦手でなんともうまくいかなかった。しかしセラピストから課せられたリストをこなしていくと・・・という感じで、子>>続きを読む

バッド・ジーニアス 危険な天才たち(2017年製作の映画)

3.5

 タイ映画は先日観た「ポップ・アイ」が初めてだ。主役の中年男を演じていたタネート・ワラークンヌクロが本作品にも出演していて、何故か少しホッとした。懐の深い父親の役を好演している。
 物語はチンピラが成
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かごの中の瞳(2016年製作の映画)

4.0

 映画を観て次のように考えた。健常者は障害者に対して一定の優位性を抱いている。また、膂力に優れた大男は非力な者に対して一定の優位性を抱いている。或いは、胆力があって恐怖心のない人は臆病者に対して一定の>>続きを読む

運命は踊る(2017年製作の映画)

3.5

 いまこの瞬間に、世界のどこで戦争が起きているだろうか。どれくらいの戦場があって、いくつの戦闘が繰り広げられているだろうか。
 本作品はある家族のことを描いているように見えるが、実は立派な反戦映画であ
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リグレッション(2015年製作の映画)

4.0

 エマ・ワトソンは2年前の映画「コロニア」あたりから、ホグワースのハーマイオニーの印象をすっかり脱して、大人の女性を堂々と演じられるまでになったが、本作品では更に複雑な役を美しくこなしている。
 イー
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愛しのアイリーン(2018年製作の映画)

4.0

 映画を観終わってふと、セックス依存症は遺伝するのだろうかと考えた。タイガー・ウッズの事例でも見受けられたように、セックス依存症の人は性衝動を抑えられないことで深刻な事態に直面する場合がある。あれは遺>>続きを読む

イコライザー2(2018年製作の映画)

3.5

 このシリーズはデンゼル・ワシントンの静かで無駄のないアクションが見処の映画である。今回も同様であったが、少し見飽きた部分があるのと、悪役のスケールが小さくて若干の拍子抜けがあった。
 その代わりに、
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日日是好日(2018年製作の映画)

4.5

 一期一会。利休以来の茶の湯の真髄を示す言葉だ。その日その時その場所での邂逅を喜び、堪能するのがお茶の心であり、それはとりもなおさず人生の楽しみでもある。この言葉は映画の中の台詞にも出てくる。
 諸行
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クワイエット・プレイス(2018年製作の映画)

2.0

 百聞は一見に如かずというのは誰もが納得できる諺だが、それは見ることも聞くこともできる健常者にとっての話で、盲目の人には意味を成さない。健常者は盲目の人の感覚がなかなか想像できないだろう。
 視力がな
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散り椿(2018年製作の映画)

4.0

 岡田准一はすっかり俳優である。本人もそのつもりで身体を相当に鍛えているようで、立ち姿や歩く姿に迫力がある。映画監督がこの人を俳優として起用したくなる理由がなんとなくわかるような気がする。人間エネルギ>>続きを読む

若おかみは小学生!(2018年製作の映画)

4.0

 いい作品だと思う。変に説教臭くもなく、子供の人格を軽んじることもない。
 小学生でも高学年になると人間関係を敏感に意識するようになる。世界観はまだ形成されていないから、大人以上に人間関係に一喜一憂す
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500ページの夢の束(2017年製作の映画)

4.0

 世の中に、自閉症ではないが、少なからず自閉症気味であると自覚している人は、かなりいると思う。実はその人たちは既に自閉症なのである。
 他人とのコミュニケーションをなるべく避けたいのが自閉症だ。避けた
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ザ・プレデター(2018年製作の映画)

2.0

 多くのアメリカのアクション映画では若い父親が活躍する。最後は家族の笑顔で終わるパターンだ。テレビドラマの水戸黄門やドクターXが飽きられないように、このパターンも飽きられることはない。
 本作品も例に
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累 かさね(2018年製作の映画)

4.0

 ドッペルゲンゲルというドイツ語はもうひとりの自分を見る幻覚の意味で、芥川龍之介やドストエフスキーもそれについて言及したり作品を書いたりしている。ひとりの肉体の中に異なるふたつの人格が現れる設定ではス>>続きを読む

響 -HIBIKI-(2018年製作の映画)

3.5

 観ている間は面白かった。しかし観終わったらなんとなく重い気分になってしまった。

 大学時代に応援団長をしていたという中小企業の社長がいて、その男が応援団時代に先輩から「場を乱すな」と教わったと得意
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泣き虫しょったんの奇跡(2018年製作の映画)

2.0

 瀬川晶司のプロ合格は、少しでも将棋に関心がある人なら割合と知られた話である。だからこの作品は最初から結末がわかっている。であれば、ストーリー以外のところで人間ドラマを描くしかない。そんなことは制作サ>>続きを読む

ヒトラーと戦った22日間(2018年製作の映画)

4.0

 大抵の人は、他人の人権を蹂躙することに躊躇いを覚える。他人が感じる苦痛を想像してしまうから、人に苦痛を与えることに抵抗を感じる。人を殺したり怪我をさせたりすることは、それをやった人の心にも傷を負わせ>>続きを読む

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