冒頭から延々と料理のシーンが続き、終わったと思いきや、今度は食事会が始まり、またしても料理のシーンが続く。これがとても楽しいから不思議だ。食べることはほとんどの人が好きだから、大抵の人は私と同様に、>>続きを読む
オーディションで選ばれた子どもたちが、映画に出演して演技をする中で、日々の葛藤や悩みなどが噴出して、ひとつ成長するという物語だが、それを演じる子どもたちが、実際にオーディションで選ばれた子どもたちだ>>続きを読む
アベシンゾーが警察官僚を取り込んで、政権維持のために言論封殺していたのは事実である。国会では、自分に批判的な日刊ゲンダイを持ち出して、言論弾圧などしていないとヘラヘラしながら答弁していたが、その裏で>>続きを読む
子どもの魂百までという諺があるが、その通りだと思う。
本作品のレナード・バーンスタインは、最後まで少年のように描かれる。感性は瑞々しく、欲望には素直で、稚気にあふれて悪気がない。大酒飲みのヘビース>>続きを読む
料理と食事のシーンが何度も出てくる。香草がふんだんに使われるが、主役は肉だ。ホラー映画で肉料理のシーンが登場するとなれば、結末も見えてくるというものである。
人が痩せたい動機は、主にふたつある。>>続きを読む
暴力シーンが多いところが気になった。兄のカンタンと母親である。カンタンの暴力癖は、母親から伝染したのだろうか。それとも、弟のリュカは殴られても仕方がないほど、酷い発言をしたのだろうか。
殴られても>>続きを読む
戦前の愚かな時代である。時代と言ったのは、戦争に突き進んだ軍部だけでなく、それを応援し支え続けた多くの国民の愚かさも含めて、日本全体が自分で考えることを放棄した状態になっていたからである。
戦後に>>続きを読む
ヒトの妊娠期間は、昔は十月十日(とつきとおか)などと言われたが、最近では受精日から38週と言われている。266日だから約30日で割ると9ヶ月弱となる。10ヶ月+10日は約310日だから、昔は随分とテ>>続きを読む
マイナーな映画でも、たまにいい作品に出逢うことがある。手当たり次第に観るのは無駄が多いので、直感的によさそうだと感じた作品を選んで観ることにしている。本作品は、残念ながらハズレの部類だった。
観客>>続きを読む
アメリカ合衆国のレイシズム、人種差別は南部を中心に連綿と続いている。アメリカ人らしく、見た目ですぐに判断できる部分で差別する訳だ。コロナ禍が世界に蔓延したときは、アメリカで東洋人がいきなり暴力を振る>>続きを読む
そういうジャンルがあるかどうか知らないが、言ってみればサイコパスサスペンスである。設定はユニークだが、内容はよくできた回の火曜サスペンス劇場と同じ印象を受ける。火サスと同様に、登場人物の造形が浅くて>>続きを読む
秀吉と似ていると思った。フランス革命の混乱に乗じてのし上がって行ったところは、信長がほとんど統一仕掛けた支配を横からかっさらったのに似ているし、類まれなる戦略家でありながら、普段の生活は俗物根性丸出>>続きを読む
予想とは違ったが、それなりに面白かった。オーストラリア映画というと、銃乱射事件を扱った「ニトラム」を思い出す。殺戮シーンが前置きも淀みもなくどんどん進んでいくところは、ある意味で爽快だった。本作品で>>続きを読む
とても面白かった。幽霊族と妖怪と人間。底流にあるのは仏教と陰陽道などの伝説や精神性である。日本人なら説明不要で理解できる範疇だ。キリスト教にも地獄の概念があるから、海外の人が観ても楽しめると思う。>>続きを読む
2018年の「斬、」以来の塚本晋也監督作品である。映像が暗めなのと音が大きめなのは「斬、」と同じだが、テーマはかなり違うと思う。
舞台は戦後の焼け跡闇市の時代だ。大空襲の跡が見られることから、場>>続きを読む
有名な春画である通称「蛸と海女」は鉄棒ぬらぬらという人が描いたことになっている。なんとも人を食った画号は、実は葛飾北斎が春画を描くときに使ったものだ。
本作品で一番お金をかけたシーンは「蛸と海女」>>続きを読む
随分と揺さぶられる作品である。静かだが危うい出だしから、徐々に二人の様子が落ち着いてきたと思いきや、再び不穏な雰囲気になっていく。映画自体はもちろんフィクションだが、主人公ふたりは、ドキュメンタリー>>続きを読む
戦国時代は全国が戦場で、誰にとっても死が身近だったのだろうと思わせる作品だ。権力闘争がそのまま殺し合いの時代だから、殺すことに抵抗がない。逆に言えば、自分も簡単に殺される訳だ。そうなると、権力闘争と>>続きを読む
ジェラルド・バトラーは、ベテラン俳優ならではの安心感がある。クリント・イーストウッドをはじめ、ハリウッドの大物俳優には、どんな作品でもそれなりに見応えのあるものにする俳優力というか、人間力みたいなも>>続きを読む
フィーチャーされた畠山理仁(はたけやまみちよし)さんは、映画「センキョナンデス」の続編で沖縄知事選を扱った「シン・ちむどんどん」に一瞬登場した。もしかしたら「センキョナンデス」にも出ていたかもしれな>>続きを読む
前半では、ケネディ大統領の暗殺事件そのものに関わる事実を、新しく公開された資料や、人々の証言をもとに追及する。犯人がリー・ハーベイ・オズワルドでないことや、暗殺の首謀者が政府機関であることなどは、既>>続きを読む
ニューオーリンズはいつもこう。騒がしい街なのよと笑って見せるグランドスタッフの女性のシーンが凄くいい。たとえ異常な犯罪が発生していようとも、所詮は人間のすること、大したことはない、世はいつもなべてこ>>続きを読む
なんだか嫌な感じだ。
休日の前日に仕事の約束を押し付けるのはブラックである。大事な私用があってもキャンセルを強制される。レクチャーもブリーフィングもなしで、初めての現場に行かせるのは、昭和のセー>>続きを読む
2015年11月のダーイッシュ(ISIS)によるパリ連続テロは、130名の犠牲者を出した。特に酷かったのが、パリ中心街にあるライブハウスBataclanで、ハードロックのコンサートの最中に80名が殺>>続きを読む
2016年公開の映画「何者」と同じ、朝井リョウの原作である。本作品でも同じように既存の価値観と自分のそれとの乖離に悩む人間たちがテーマだ。
対極にある世間の代表として、稲垣吾郎の検事を登場させる。>>続きを読む
兎に角、手塚治虫の壮大な世界観に圧倒される。登場人物は賢い女性たちと、愚かな男たちだ。女性たちは現実を受け入れ、男たちは他人と自分を比較し、現実を否定して欲しいものを手に入れようと、互いに争う。戦争>>続きを読む
永瀬廉が演じる主人公は、清義と書いてキヨヨシという名前だが、北村匠海のカオルはセイギと呼ぶ。セイギは正義に通じる。カオル一流の皮肉だろう。
はじめに無辜という言葉の概念について説明があるように、>>続きを読む
フレデリック・フォーサイスの小説「ジャッカルの日」を彷彿させる作品である。同小説は映画化されていて、ストーリー展開は緩やかだが、暗殺者ジャッカルがシャルル・ド・ゴール大統領の殺害計画を綿密に立案して>>続きを読む
先日鑑賞した「道で拾った女」と同じ、いまおかしんじ脚本である。日常的な台詞が目立つ脚本だが、シチュエーションによって、日常的な台詞を非日常的なものに変えようとする。
本作品では「結婚しよう」である>>続きを読む
さて困った。こういう互いに繋がりのないオムニバスは、行き当たりばったりのパッチワークみたいで、離れて眺めてみても、何も見えてこない。木を見ても森が見えない、森を見ても木が見えないという世界である。何>>続きを読む
とても楽しいコメディだ。登場人物は単純化され、それぞれの役割をきちんと果たす。いかにもそれらしい台詞を饒舌に話す内に、それぞれの登場人物の人となりが浮かび上がってくるという手法は、コメディらしい、王>>続きを読む
スペインの男は馬を素手で倒して焼印を押して放つというテロップと共に、三人の男が馬を捕まえようとする冒頭のシーン。何の意味があるのかと訝っていた。それに原題の「As bestas」は野獣の意味合いだと>>続きを読む
大江健三郎の「遅れてきた青年」を思い出した。戦争に行って華々しく死にたかったのに、生まれてきたのが遅くて間に合わなかったと嘆く男の話である。もちろん大江健三郎は反戦の作家なので、英霊などという言葉を>>続きを読む
オルガ・キュリレンコとブルース・ウィリスが共演するというので、ややミーハーな感じで鑑賞した。キュリレンコはカッコよかったが、それだけだった。人物造形やストーリーが薄くて誰にも感情移入できない上に、ヒ>>続きを読む
正直に言って、あまり面白くなかった。登場人物の誰にも感情移入できなかったところが一番の原因だと思う。主役の海江田艦長は鉄面皮で何を考えてるのか、よくわからない。そういう人物描写がしたかったのは分かる>>続きを読む
ほとんど死語かもしれないが、負けじ魂という言葉がある。本作品の伝説の英雄について語る女たちはSISUという言葉を使う。SISUは日本語の負けじ魂に似ている気がする。しかし決定的な違いは、フィンランド>>続きを読む